東京〜狭山〜東京・140km(2000.7.2)


 梅雨入りしてからというもの、これでもか、というくらいに休日は雨。趣味のバリエーションの無いちんたとしては、それこそ休日が雨だと全くすることが無くなってしまい、朝からごろごろ、「笑っていいとも増刊号」などを見ながらごろごろ、昼飯食べてまたごろごろ、と、これ以上あろうかというような、ぐうたらさんになってしまうのである。だってする事無いんだもの

 そんな折り、久しぶりに晴れた。7月2日。

 まだ梅雨は明けていないのだけど、どうしたわけか、すかっと晴れ渡った青空。こりゃ、行くしかないでしょう。

 本日のルート。とにかく、10時間程度で帰ってこられる130〜150km程度のルートにしようと。この条件だと、以前から行きたかったルートが一つ残っていた。

 狭山川越自転車道

 入間川沿いの自転車道である。荒川を下流の方から遡っていくと、大宮の端っこの辺りで、荒川をさらに遡る方と、入間川に分岐する方へとサイクリングロードも分岐する。今まで、荒川自転車道を遡ることばかりだったので、いつかは入間川の方にも行ってみたい。そう思っていたわけ。で、狭山から青梅に回り多摩川サイクリングロードを下ってくる・・・おお、完璧だ。何が完璧って、荒川〜入間川〜多摩川とサイクリングロードばかりトレースすることで、ほとんど坂道が無い。ちんた的には100点満点なルートである(坂好きの人には、こんなルート、「ロボコン0点」といった感じではないかと思う)。

 そんなわけで、まずは荒川に出ましょう。とにかく都内脱出ということで、いつものように早起きです。本日は出発5時50分。この時間だと、まだ、明治通りもそこそこ走りやすい道です。途中、渋谷でも、原宿でも、新宿でも、高田馬場でも、池袋でもいかにも「今まで徹夜で遊んでました」みたいな人がたくさん見られます。いいな、若いって。おじちゃん、もう、こんな時間まで遊んでいたら結構ふらふらっすよ。

 そんな都内を脱出して、荒川に出ると、道満グリーンパーク。彩湖という貯水池?調整池?を囲むような形で作られている公園で、走っていても休んでいても実に気持ちのいい公園。朝7時ですので、犬の散歩族もたくさん出てきています。犬にもきっと気持ちいんでせう(^^)。犬にも気持ちいいということは、自転車族にもキモチイイということで(?)、自分の他にもロードレーサーに乗った人を多数見かけます。向こうはばりばり強そうでおまけにトレーニング、こちらはツーリング目的の単なるよわぞうですから、片っ端からばんばか抜かれていきます

 道満グリーンパーク、そしてそれに連なる形になっている秋ヶ瀬公園と公園の中を走り抜けると、また、いかにもサイクリングロードといった感じの道が復活します。川沿いのサイクリングロードなんでいちおう、堤防の上に道がつくってあったりするわけですが、荒川の場合、そもそもどこに川があるのかいな?とまったく川が見えません。視界に広がるは茫漠たる田、田、田、、、。ここは河川敷ちゃうんかい?と言いたくなる風景です。んでもって平常時には川はちょろっとしか流れていないのでほとんど見えません。さらに対岸となるともうどこにあるのやら〜。荒川はそんな意味でなんとなく川らしくない河川敷、サイクリングロードだったりします。
 ちなみに。この荒川サイクリングロード、とくに秋ヶ瀬公園から上流は舗装の状態がとても滑らかで傷みも少なく快適楽ちん快適。すれ違ったりする人もそれほどいないし。かなりおすすめであります。

 河川敷のサイクリングロードを走っているので、ずーっと河川敷を眺めながら走ることになるわけですが、ここ荒川自転車道沿いではこれでもか、というくらい野球。朝も早くからよくもまぁこれだけの人数が集まっているものだ・・・と思うのですが、あっちでもこっちでもどこまでいっても野球、野球。まだ小学校上がる前くらいの小さい子から、おっちゃんまで野球野球。それでも、どこもちゃんとユニフォームを着てやっているところが本格的。
 走り始めてから約3時間。開平橋にたどり着いたところで、荒川自転車道とお別れです。ここから入間川と荒川が分岐し、狭山市に向けて入間川サイクリングロード(狭山川越自転車道)のスタートです。サイクリングロードの最終地点、狭山市の豊水橋まで23km。約1時間の道のり。

 このサイクリングロードもきれいに整備してあって、走った距離とか残りの距離などがこまめに標示されていたりする。川越からスタートして、しばらくは堤防の外側を走っていることもあって、ちょっと殺風景?でもあるのだけど、ほどなく、堤防の上に出て川を眺めながらえっちらおっちら。

 天気が良いのはいいけど、暑いねこりゃ

 川沿いのサイクリングロードはどこもそうかと思うのだけど、水を補給できるようなところがほとんど無い。特に不足しているというわけでもないのだけど、暑さで、ドリンクホルダーに入れてある水はすでにぬるま湯に近い状態になっちゃってて、口にするとよけいげんなりしてしまう・・・。

 入間川沿いもスポーツが盛ん。こちらはどちらかというとサッカーが多い・・・というかサッカーばっか。大人はあまりいないのですが子供達が。ボールが転がって行った方に20人全員がわーっと駆け寄っていく非常に魅力的なサッカーです(^^;)。君達、こんな暑い中、そんなに走り回ってよく平気だねぇ。

 正味1時間でゴールの豊水橋に到着。この時点で、ちんた、あまりの暑さにかなりふらふら入ってたり。とりあえず、手近なところにあるコンビニの前に座り込んで(←ちょっと若者ぶるわたし。ちがう?)、とにかく、水、水。2リットルペットボトルの水なので、惜しまずに頭からもじゃぶじゃぶかぶる。首筋にも、手足にも。夏はこれ位して、冷却した方がいいという本に書いてあったことをちょっと実践してみたりして。ミネラルウォーター「富士山の湧き水・2リットル・198円」を惜しげも無くじゃぶじゃぶかぶるわたくし。効果があるような・・・ないような。

 そんなわけで、水をかぶって復活です。狭山から青梅までの約15km、この間は少し、川から離れふつーの道をよっこらしょ。ちょっとだけ坂もあったりするのですが、普通のサイクリストから見ればこんなの平らなうち・・・かもしれません。えっちらおっちら。たまに車の流れが途切れると、あたりは雲雀の鳴き声、川のせせらぎ、そして、自分の自転車が転がる音、そんな音だけで空間が満たされます。つかの間の静寂。山の緑につつまれている感じ。

 ちんた、そんな詩人ふうなことを感じてみながらも、足の方はかなり別のことを感じてしまっているようで、かなりぷるぷるきています。ご主人様が考える以上に、2本の足は坂道を敏感に感じ取ってしまっているようでした。ぷるぷる。まじで・・・つりそう・・・やばひ。いや、正直、いままでこれほど足が吊る寸前までいったのははじめて。

 足も吊りかけ、腹もすっかりへりました・・・そんな頃にやっと青梅に到着。休憩したり、パンク修理したり(おや?いつのまに?)しながらへろへろと走っていたせいでしょうか、15kmを2時間かけて走るという超高速ぶりです(^^;)。

 食事を終えて、再度走り始めようとしたのが午後1時。が、空を見てびっくり。うだうだと食事しているうちに、いつのまにか真っ黒な雨雲が空を覆おうとしています。まだ、自分の所に雨は降って無く、西の空を1/3ほど埋めたかな・・・?という程度ですが、すでにビカビカと稲光もでてたりして威嚇してきます。

 うお!?

 こりゃいけない。とにかく、雨が降る前になんとかしなくててはいけません。ここ、青梅からちんたは都心に向けて西へ向かってGO、おそらくは雨雲も西へ向かってGO、逃げ切らなくてはいけません。西の方でぴかぴかやっている雨雲のでかさ、黒さといったら、ああ、あれくらったら大変なこっちゃあというのはすぐわかります。逃げて逃げられるかどうかわかりませんが逃げなくては。

 ケツに火がついたというか、雨がついた状態でちんたは驀進です。一生懸命漕いで、概ね30km/hで奥多摩街道を爆走(←本人はそう思っている)するのですが、どうも、どうも、雨雲の方が微妙に微妙に速いような気がします。

 お、追いつかれてる〜〜(T_T)

 それでも選択肢はもう都心(西の方)へ逃げて逃げて逃げまくるしかありません。天候の急変で昼前までの向かい風が追い風になったのはちょっとラッキー。逃げて逃げて逃げなくては。

 羽村からは、多摩川サイクリングロードに入ってさらに高速化(ホントかな?(^^;))です。多摩川サイクリングロードは府中より上流側は舗装もよく、人も少なく大変に快適な道。荒川の秋ヶ瀬公園〜入間大橋に匹敵しますね。が、そんなことをのんびり楽しむ間はありません。もう、顔を左に向けると真横に稲妻が見える・・・そんなところまで追いつかれてしまっています。いや〜〜ん。
 多摩川を見ると、まだ川の中で遊んでいたり、釣りをしていたりする人がたくさん居ますが、大丈夫かいな?お前ら、まとめて流されてしまうで〜、ああ、こいつら流されたら羽田沖で網張ってるとまとめて獲れて大漁だねお父ちゃん、とか、はよお、逃げや〜とか考えながら、でも、別に俺がそんなこと言ってもね・・・っていうか、今は何より自分が大事、濡れたくないの、ということで脇目も振らずに爆走です。速い速い(当社比)。

 そんな訳で、狛江で多摩川とさよならするまでは爆走に次ぐ爆走。行きは青梅まで6時間近くかかったのですが、帰りは2時間半で港区着。幸いなことに雨雲からはどうにか逃れることができて、濡れずに帰着(帰宅後30分位していきなり土砂降り)。なんだか、最後にずいぶん運動させられてしまいましたわ、と、ちょっぴり悔しい気分にもなってしまう、夏のはじめのツーリングでした。

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