北海道ツーリング・エピローグ
苫小牧〜大洗〜東京('99.8.28〜29)

エピローグ
フェリーの中で
ちょっとおまけ
おまけ


フェリーの中で

 苫小牧フェリーターミナルは国道から1kmほどれたところにある。これからフェリーに乗って19時間程度の船の旅となるワケなんだけれども、今度は行きと同じミスは繰り返してはいけない。とにかく、フェリーの中での食事はばっちり前もって買い置きしておかなければいけない。うーん、学習効果だね。とりあえず朝食、昼食、夕食、その他ビール、つまみ、新聞などなどを買い込むだけ買い込んで2000円。結構大きな買い物となり、片手コンビニ袋をぶら下げながらよろよろと(←買いすぎだよ(^^;))フェリーターミナルまで自転車を漕いだ。

 フェリーターミナルには、同じように北海道を今終えようとしている人達が佃煮にするほどいた。行きは盆過ぎと言うこともあってガラガラだったけれども、帰りはモロ帰京ラッシュにかち合っているらしい。

 出航は9時45分なのだけれども、どういうワケか7時45分と妙に早い時間に乗船開始となる。第一回目の乗船とか言っていたので、何回か小分けに乗船するのかな?相変わらず、それなりに乗船には順序があるようで、大きなトレーラーが先。トレーラーは器用に器用に甲板に乗り入れていく。

 それでもまぁ、出航2時間近く前に乗り込めたわけで。とにかく腹が減って腹が減ってしかたがない。早朝に何も食わずに40kmも走ってきたのだから。そんなわけでコンビニで買った弁当(←一仕事終えたあとなので朝食にしてはやたらでかい)とビール(発泡酒)を抱えて後部デッキに出る。まだ、出航前なので、後部デッキからもせわしなくトレーラーヘッドが出入りしているのが見える。港を挟んだ向こう側には苫小牧市街が見える。けっこうでかいな苫小牧。


後部デッキから苫小牧の街を見るの図。ビール片手にいい気なもんです(^o^)。

 一杯やって気分良くなったら、急に疲れが出たのか眠くなる。自分の船室に戻ってひとしきりぐぅぅぅ。で、起きてみたらまだ出航していなかった(^^;)。ちょうど出航するところ。さよおならぁ北海道。

 船内をうろうろしていたら、昨日のライダーハウスで一緒だった藤沢の兄ちゃんがロビーにいた。とにかくお互い暇で暇でしかたがないのでソファに座っておしゃべり。あそこのライダーハウスはどうやったの、どこそこで出会ったライダーはこうやったの・・・・。ちなみに兄ちゃん、僕が5時に出発したライダーハウスを出たのは朝8時になってかららしい。ううむ、その頃には僕はフェリーに乗船していたよお(^^;)。やっぱバイクは時間に余裕があっていいや、こう言うときは(^^;)。

 さて、バカ話で盛り上がったあとは風呂。とにかく船の暇つぶしは風呂と寝ることに限るのである。学習効果だ(^^;)。この船の風呂は行きの近海郵船の船に比べると若干狭め。湯船がステンレスなので、ぼけーっと浸かっていると波で揺れるたびにつーっと端から端まで滑ってしまう。あ〜れ〜。両手で湯船のへりを捕まえて体を固定する・・・・うーん、なんだか変な感じ。風呂から出たらまたビール。甲板で飲むビールはキモチイイね。苫小牧で買ったから安いしさ。学習効果学習効果。船の中で食べ物を買ってはあきまへん(少なくとも貧乏人は(^^;))。・・・って考えてみたら、いい年したサラリーマンがこんな貧乏旅行している方が何かまちがってるよな(^^;)。飛行機で帰ろうよ飛行機で・・・という感じがしなくもない(^^;)。来年こそはさふいふお金持ちになっていたい、じっと手を見る・・・。

 って、そんな話はどうでも良いわけだ。船内の生活の話。もうすることが無くて、寝て、風呂入って、甲板に出て、寝て・・・というのを延々と繰り返すくらいにしかする事がないのは同じだな。うん。あまりにすることがないからか夜になってからロビーのTVでJリーグの中継(なんかカズのJ復帰戦だったらしい)やっていた頃にはロビーには黒山の人だかりができていた、おお、こんなに人気あったのかJリーグ(^^;)。なんか、むかーしむかしにあった食う寝る遊ぶっていうコピーはありゃホントだね、少なくともフェリーの生活に関しては。ちなみにこの日の昼食はおにぎり。夕食はパンにカップ焼きそばでございました。船の中であまり動かないのであまり腹が減らない。こりゃ、買い出しはもう少し食べ物減らして酒を増やしても良かったかな。あと文庫本もう一冊くらい買っとくとか(実はこの旅に際しては船の中やライダーハウスでの暇つぶし用に厚手の文庫本を2冊ほど用意していたのだけど、すでに読み切っていた(^^;))。

 朝になって起きたのはやっぱり朝5時だった。なかなかこの生活習慣は抜けそうにない(^^;)。甲板に出てみるとどうも曇っているようだ。もうあと2時間ほどで大洗に着く。そこで、いよいよ、終わり。甲板でぼけぼけしていると例の藤沢の兄ちゃん現る。あ、おはようおはよう。今日は下りてからとにかく高速を目指し、さくっと高速で一気に藤沢まで帰ってしまうのだとか。ま、ちんたはそれ以上に軟弱で、水戸に出てそこから高速バスで帰ろうという軟弱ぶり。さすがになんか、これ以上自転車に乗る気になれないというかなんというか(^^;)。

 大洗着岸が近づいたので車両甲板に下りる。自転車は妙に下の方に追いやられている車両甲板。へこへこ準備しながら他のチャリダーなんかと話しながら暇つぶし。どうもカップルチャリダーらしく二人で北海道を回ってきたらしい。いいなぁぁぁぁ。なんだか人生で比べれば阪神タイガースくらい負けまくっちゃってるちんたの北海道旅行。うーんとうーんと、ぼ、僕だって北海道で一回もパンクしなかったんだぞうだぞうだぞう・・・うーん、何の足しにもならない(^^;)。いいな、いいな。さふいふ旅やってみたいね>二人で回る。で、五右衛門風呂でいちゃいちゃなんかしちゃいたいな。ちんた、早くも次回の北海道に向けて遠大な野望だけは決定。

 下船したのは朝7時30分。約24時間だ。結局いろいろ迷ったが、さくっと水戸駅に出て高速バスで帰ることに決定。さすがに1400km走っただけあって(リアタイヤは渡道する前にすでに300km近く走っていた)、リアタイヤはボロボロ。もういつパンクしてもおかしくない、「もうワテはパンクしまっせえ」とタイヤが言っているかと思うほどに、乗り味が心許ない(^^;)。とりあえず、だましだまし、水戸駅まで自転車を進める。

 なんというか、走っていて水戸でさえも「ああ、北海道ではないんだな(本州なんだな)」ということを実感する。いや、水戸だって茨城県なわけで、北海道の平原に負けず劣らず広く続く田園風景なんかもあったりするんだけど、やっぱりなんかが違う感じ。北海道のすこーんと突き抜けるようなあっけらかんとした雰囲気と夏とはいえども自然と対峙する緊張感みたいなものが無いような感じがする。どっちが良いというわけではないけど、北海道は北海道で毎年、街灯に吸い寄せられる虫のようにライダー・チャリダーが吸い寄せられていくのは、おそらくそういうところなんだろうな。
 長い間、北海道で眺め続けた

                 

の標識もやはり茨城では、無い。そんなところで少しずつ少しずつ旅の終わりを実感しつつ。

 

 水戸駅で自転車をばらし、輪行袋に詰めるときは、寂しさとか、労りとか、感謝とかいろいろなものが混じりながら大事に大事に袋につめた。

 ごくろうさま。また走ろうね。


追記 そして偉大なリアタイヤがパンクしたのは翌日の出勤途上でありました(^^;)



おまけ

  =28日のお小遣い帳=
項目
金額
高速バス代(水戸〜東京)
新聞代
2080円
120円
本日の合計
2300円


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