北海道ツーリング・8日目
門別〜苫小牧・40km('99.8.28)


グッドモーニング・ラストラン
門別から苫小牧へ


門別から苫小牧へ

 朝起きたのは午前4時半。もうすっかり、この時間に起きる生活サイクルが染み込んでしまった。外は真っ暗ではないけど、まだ薄暗い。そうだよな、夏だと思っていても、もう、8月の末だもんね、ずいぶん日も短くなっているわけで。

 これまでと同じようにそ〜っと、そ〜っと寝袋を片づける。いつもの作業。だけど最後の作業。今日はこのまま苫小牧まで40km程走って、そのまま苫小牧を朝10時前に出るフェリーに乗って北海道を離れる。ホントにホントに最後の最後。もうちょっと居たいと思う気持ちと、走る足の方はそろそろ疲労が溜まりまくっているおなか一杯の気持ちと。背反した二つの気持ちで、片づけ、着替え。タイヤのエアを整えて、ボトルに水を入れて。

 一通り準備を済ませて出発したのは4時50分前。起きてから出発までの準備に20分しかかからないようになった。最初は40分、倍近くかかっていたんだけど、ずいぶんと手慣れたものだ。ライダーハウスではまだ残りの全員が爆睡中。この中の何人かは同じフェリーに乗るという話だったから、船の中であるかもしれないな。それでも彼らが出発するのは2時間後だろうけど。

 苫小牧までは国道235号線をひたすら進むだけ。ほとんど真っ平らに近い40kmの道のりだ。この国道235号線は、今まで北海道で走ってきたどの国道よりも大型車の通行が多く、早朝でも結構容赦ない。なんだか、このツーリング、後半になればなるほど大型車とのつきあいが増えていく。北海道では大型車はすれすれの脇を通り抜けるか、「これでもか」というくらいに自転車を避けて対向車線を走っているかのどっちか。あれだけ派手に避けられると、これはこれで向こうにも迷惑をかけているものよのお、とか思ってしまう。かといって、寄れるだけ左に寄っているちんたはこれ以上どうしようもないけどね。

 とにかく最後なので北海道をかみしめて走ろう。貧乏性なんでついつい、そんなことを考えてばかり居てしまう。しょせん40kmなのにね。そもそも、苫小牧までの国道235号線はそれほど北海道っぽい北海道の道でもないので、何をいまさらという感じがしなくもないけれど。が、たまに、走っているうちにぱっと視界が開けて遠くの遠くの遠くの方まで見渡せる平原が現れたりする。普段のツーリングだと超感動モノなんだけど、さすがにそんなんばっかの中、8日間も走っているので少々麻痺気味(^^;)。もったいないと言えばもったいないのである。


そのたまに現れる景色のいいところ。こういうのも、もうホントに最後、最後。

 途中浜厚真から、国道に沿って高速道路(?)が通っている区間になる。この区間になった途端、苫小牧、千歳、札幌に向かう車、大型車が全部そちらに流れるので、いきなり走りやすい道になる。大らっきー。

 ただ、この辺りから猛烈な濃霧に包まれる。濃霧も久しぶりだいね。視界は50mといったところか。車だときつそうだけど、自転車ならとりあえず、まぁ平気かな、というくらいの霧。そういえば1日目、北海道に入った日も濃霧だったっけな。初日は思い出してみると、ずいぶん心細かったりしたものだ。それでも、結果的には、ちゃんと、8日走りきったもんね、うんうん。何事もやっちゃえばなんとかなっちゃうもんだよね。


その高速道路脇の国道で、ちょっと霧が晴れたときに一枚。
どこの高速道路もそうだけど、高速脇の道はとても走りやすい(^_^)

 この辺りが、ちょうど苫小牧に向いて左側がいわゆる苫東(とまとう)。なんか開発しかけのコンビナートとか、国家石油備蓄基地のある辺り。防風林の切れ目からちら、ちら、と石油タンクがあるのが見える。でかい、本州のコンビナートのもでかいけど、ここのはさらに北海道的にでかい。さすが国家備蓄をやっているだけあるよね〜。自転車で走っていると、ホントにどこまでもどこまでも石油備蓄基地。そりゃ、まぁ、それくらいの大きさはなくちゃいけない、か。

 沼ノ端から国道36号線に入るといよいよ最終コース。もう、さすがに苫小牧市街という感じで、国道がやたら広いことを除けば、いわゆる北海道らしい北海道はかけらもなくなっている。もう、ここまで来るとフェリーターミナルまではあと5kmである。今日は全部で40kmとはいえど、まだライダーハウスを出てから何も食べていないので、結構腹が減りまくっている。とにかくフェリーターミナルでなんか食おう。減った腹のせいかどっちかっつーと「名残惜しさ」よりは「早くつかんかのぉ」的な気分でペダルを回す。

 苫小牧フェリーターミナルに着いたのは7時半。おしまい。おしまい。ホントに全部おしまい。ここまでの距離40km。そして、北海道に入ってからの総走行距離は8日間で1100km。よく走ったねぇ(当社比)。自分と自転車を誉めてあげたい気分。この8日間で、また一つちゃりんこと仲良くなれたような気がする。

 そして、よくやったといえば、はい、ここまで読んだ方はお気づきでしょう、北海道に渡ってから1100km、この間一回もパンクしていないのです。すごい、これはすごいことだ(^^;)。いや、何がすごいんだと思うかもしれないが、平均してタイヤのライフが300km位しか保たない、下手すると100kmの間に2回パンクとかもやっちゃうちんたとしては、大記録なのである。えっへん。もう、根っからパンク魔だし、そもそも有明でパンクしてるしで、今回はどうなっちゃうことか、と思ったのだけれど、網走で買い足した分も含めて3本のスペアタイヤは結局、道内では用なしで終わった。終盤なんか、リアタイヤが明らかにつるつる、傷みもかなり激しいので「いつくるか、いつくるか」と身構えていたことも確か。峠越えとか大雨の中、こんなところでパンクは最悪だというようなところではほとんど祈るような気分だったけど、とりあえず、それはかなったわけだ。良かった良かった。特に、最後の最後、今日の40kmの途中なんかでパンクしたら(いちおう1回パンク分の時間は見ておいたものの)フェリーの時間に追われてさあたいへん・・・という展開になってしまうところであった。めちゃめちゃ、ほっとする。

 はぁ、走りきったぁ。満足、おなかいっぱい。

  =27日(前半)のお小遣い帳=
項目
金額
買い出し(朝昼夕食、ビール、新聞)
ひげ剃り
2200円
200円
本日の合計
2400円


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