塩尻〜多治見・160km(のつもり、'99.8.14)


 ここのところ、かなり自転車調子良い。7月の末には栃木まで行ったし、8月に入ってからは塩尻から東京まで200kmを走りきった。調子いい。なんかどこへ行くにも自転車で行けてしまいそうだ。

 そんなことを思っていたわけだ。

 地元の岐阜に帰る用があったので、調子こいてるちんたは自転車を使うことにした。さすがに東京から全行程自転車ではオリンピックに出るくらいになっちゃうので、途中までは電車、アルピニストには定番の急行アルプスで塩尻まで行く。こうやって、途中からでも自転車を使うと、岐阜に行くのもずいぶん財布がらくちんになると言うことに最近気付いたちんたである。

 急行アルプスの旅はお世辞にも快適とは言い難かった。いや、電車はとてもいいんだけどね。お盆なこともあってアルピニストで満員。別にアルピニストだからって訳じゃなく、単にちんたがそういう席に座ってしまったからなのだけど、なんだか周りのおじさん、おばさんが盛り上がっっちゃってもりあがっちゃってうるさい。まぁ翌日に登山を控えて遠足に行く子供のようにはしゃいじゃってるのだろうけど、夜行電車なんだしさ、もうちょっと静かにしてくれないもんかねぇ。睡眠不足は事故に直結するのでちんたはなんだかムカ入りまくり。相手がおばちゃんだと怒りにターボがかかる悪い癖はなんとかしないといけないかもしれない。結局あまり寝られなかった。

 朝4時の塩尻は夏とはいえど、まだ、さすがに暗かった。天気は曇り・・・ってとこかな。天気予報ではとりあえず曇りのままなんとかもつだろうとのこと(最近は携帯電話の天気予報サービスが便利でお気に)。自転車を組んで出発、いざ多治見へ!

 ルートは国道19号線をひたすら行くだけ。とにかく国道19号。アルプスの方から濃尾平野に下っていく形になり、まぁ、どちらかといえばずっと下っているような形になるのかな、とりあえず嬉しいルートである。

 だがしかし。

 雨が降ってきてしまった。神様のバカ(;_;)

 走り始めてまだ1時間も経たない頃、ぽつりぽつりと雨が降ってきた。最初のうちはとりあえず小雨のうちはいいや、と思っていたんだけど、そのうち土砂降りになって来ちゃって下り坂がおっかなくなって避難避難。

 最初に避難したところはまだ営業していないラーメン屋の軒先。ここで30分ほど過ごす。

 小雨になってから再び出発。しかしほどなくまた本降りに。

 こんどはコンビニに避難避難。さっきのラーメン屋と違って、雑誌の立ち読みで時間つぶしができるのはありがたいね。ここで小一時間ほど雨宿り。

 再度出発。しかし、結局本降りに。

 うわー、雨宿りできるところがないよう。本降りの中、10分ほど走り続けたあげく、国道脇に建つ、ラブホテルの門で雨宿り。

 うーむ。。。。満車だねぇ。。。。。はっ、そんなこと観察している場合じゃない(^^;)。

 何度こんなコトを繰り返しているのか。もともと濡れてもそんなに気にならない服装・装備なのだけれども、今回は下り基調なのが災い。とにかく雨の中だと下り坂がこえーのなんのって。ちんた、へたっぴなので下り坂はだめなのだ。結局、また10分も走らないうちに雨宿りとなる。今度はJR中央線の駅が見えてきた。駅ならば、雨宿りに最適だね。ということで駅に飛び込む。駅名を見ると「贄川駅」と書いてあった。

 贄川駅は妙に駅舎が立派な木造の無人駅。電車が来るのは1時間に1本。そんなこともあって、普段は滅多に人がいなくて、電車が来る3,4分前になるとぱらぱらと人が集まり、また、しーんとしてしまう。

 しのつく雨。無人駅。とても静か。雨の音しか聞こえない。

 この贄川駅で何もすることなくぼーっと3時間ほど逗留。電車を何本かやり過ごし、それでもすることのないままぼーっと過ごす。あまりイメージができないかもしれないけど、この贄川駅、駅前通りとかそういうモノが一切なく、駅の周りには何もないのである。

 駅前に1台のマイクロバスが止まっていた。聞くと無料の町営バスなんだそうで。へぇ〜なんだかすごいモノが運行されているんだな。贄川の駅から2駅ほど先の駅になる奈良井駅まで無料でピストン運行をしているのだとか。とりあえず雨はまったくやむ気配がないが、退屈しきっていたちんた、とりあえずちょっとだけでも動こうとバスに乗る。

 奈良井駅は奈良井宿の端っこにある駅。いわゆる宿場町の駅である。木曽の宿場町というとまず馬籠宿、そしてそれとセットになるような感じで妻籠宿が有名なのだけれども、最近ではこの二つが異様に垢抜けちゃった・・・ということで、女性を中心に奈良井宿密かに人気があるそうだ。女性に人気があるとはなんだか意味無くとてもうらやましい。

 とりあえず、相変わらず雨は雨のままなので、奈良井宿を散歩。自転車で来ているので傘が無くコンビニの雨合羽。ちょっと変な姿でうろつく。しかし、宿場町ってのはいいね、風情があって。こういう雰囲気が好きな人には京都よりおすすめ奈良井宿。ツーリングをずたずたにしてくれた雨だけれども、宿場街を歩くには、雨模様でみょうにいい雰囲気。

 

結局、雨はやまず、本日のツーリング、奈良井で断念。160kmを走るつもりが本日の総走行距離15km。う〜む。結局、岐阜にいる後輩に車で自転車ごとレスキューしてもらって、岐阜での宴会に直行。皆口々に「おつかれさま〜」と迎えてくれたが、そうじゃないんだよお、ぜんぜんつかれてないんだよお、という感じで不完全燃焼な一日として終わってしまいました。

 調子こいてたちんた、挫折。

 む〜明日こそは明日こそは。

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