| 地下室は地震に強いとよく言います。実際、大地震でも住宅やビルの倒壊は数多く あっても地下室が壊れたケースは皆無に近いのです。 | |||
| 土と一緒に動くから建物としては揺れていても 周りの土と同じ様に揺れ、しかも地下室自体に 地震のときに加わる力は常時かかっている 土圧や水圧に比べてずーと小さいからです。 では、もうすこし専門的に?説明して見ましょう! |
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| 建物の構造力学上地震の時に働く力とは・・・ | |||
| 建築基準法では、建物がそのまま自立 しているだけで骨組みにかかる力(長期応力:鉛直方向) と100年に一度起きるような暴風や大地震の時に骨組みに かかる力(短期応力:水平方向)に対しても安全なように設計することが求められています。 | |||
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建物の安全に主要な柱や梁はこの短期応力+長期応力で
所要の断面を計算します。
大地震や暴風の時の力(短期応力)を負担する骨組みは
安全率:1.0で良いのですが、通常時の力(長期応力)に
対しては安全率:1.5以上を取ることに決められています。 | |
| 地震時に地下室に働く力(短期応力)と地下室に常時加わっている力(長期応力) | |||
| Wi(地震力)=k(水平震度:0.20)*W(上家建物重量) W3(地震力)=k(水平震度:0.15)*W(地下室部重量) | W=表面荷重(1.0t/u)+土の重量(1.8t/m3)*深さ*ko(土圧係数:0.5) | ||
![]() | ![]() | さて、地下室に常時かかっている土圧(長期) は深さ3.0mとしても W=(1.0+1.8*3)*0.5t/u =3.2t/u にもなります。 一方、地震時にかかる力(短期)は 上家の重量は2階建で500kg/u 地下室が1.0t/u とすると Ws=W1+W2+W3 =0.5*0.2+1.0*0.15t/u =0.25t/u にしかなりません。 W+Ws=3.45<W*1.5=4.8(安全率:1.5) | |
| 地下室には地震時にW+Wsの力が荷かりますが、地下室では常時にW(長期)*1.5(安全率)
の力がかかるとして設計しています。これでおわかりの様に、常時受ける土圧(長期応力)
に比べて地震力(短期)は小さいので、地震のときでも地下室には十分余剰の耐力があります。
これが地下室は地震に強く安全な建物
と言われている理由です。 | |||
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★地下室を建物の基礎にすると地震に強いのは? 大地震の写真などで、建物自体は壊れずに転倒していたり、 基礎が壊れたりずれたりして建物が傾いていたりするのをよく見ます。 通常、基礎は主として建物の鉛直方向の力を地面に伝え、 建物を支える役割です。地震で浮き上がったり、ずれたり、 壊れたりしたら上家はひとたまりも有りません。 | |||
| 前にも説明しましたように地下室は地震力に対して十分安全に計算、設計されて造られていますので、 普通の基礎などの比べると数段強固な構造物になっています。 ですから、地下室を基礎にした建物は地震に強く安全なのです。 | ![]() |
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