地下室入門-3 地下の居室とは


昭和25年に建築基準法が出来て以来、住宅や集合住宅の地階に居室を設けることは、なんと、 平成元年10月27日の法改正まで原則として禁止されていました。
そして、平成6年に土地の有効利用を図るため住宅の地下室の一部を容積率に算入しないで 良い様に成りました。この時点が住宅用地下室の普及の変換点です。 しかし、いまだに地下室付き住宅の工法も、住まい方の提案に関しても住宅メーカーも工務店も 設計事務所も手探り状態です。安心してすすめる事の出来る地下室の工法を模索している最中です。
地下室の工法は大きくわけると、昔からの鉄筋コンクリート造の地下室と最近注目を浴びてきた 鋼製地下室(鉄骨造)の2種類の工法があります。最近コンクリートの品質、施工管理が問題になっていますが、鋼製地下室でパネルが工場生産で品質や防水性能が保証されている商品なら安心です。
地下室を造る時、その用途が「居室」「居室以外」かが問題になります。 簡単に言えば、居室にするには地下でも地上と同様の採光、換気が保てることが必要です。
■「居室」とは(建築基準法第2条第四号)・・・居住、執務、作業、集会、娯楽、その他 これらに類する目的のため継続的に使用する室をいう。

こんな地下室が・・欲しいけど ドッチ?
■広広とした2世帯共通のリビングルーム。 プライバシーを確立出来る静かな夫婦寝室、 夜中でも皆でわいわい騒げるパーティルーム、 グルメ大好きな大型ダイニングキッチン。 汗を流すフィットネスルーム。音楽や踊りの レッスン室。お茶やお花に静かな本格和室。 大好きな趣味を皆で楽しむホビールーム。 夜昼関係のなく、誰に気兼ね無く 地下のSOHOで世界中とインターネット。 あふれる書籍と静かな木漏れ日の本格的書斎、 子供達の飛んでも跳ねてもOKなプレールーム。 フルパワーで音や映像を楽しむA/Vルーム。
これらは、居室になるので所定の採光、換気が必要になります。

■用途は地下の居室でも、地下を含めた住宅の 全居室の面積、部屋数共に1/4以下であれば その部屋で就寝しない、直火の暖房機、コンロ を使用しない条件付で無採光でも居室になります。 もちろん換気扇による換気は必要です。
居室でも採光がいらない部屋や完璧な防音室等には最適です。

■万が一の時の為に、貴重品や非常食、飲料水を地下に 備蓄、保管しておきたい。地下金庫が欲しい。 たとえ、地震で上家が倒壊したり、火事になっても、 地下室は壊れたり焼失する事は有りません。 今にも床が抜けそうなくらい家中に積まれた 本をどうにかしたい。地下書庫の床は地上の建物の 十倍以上の重さに悠々耐えます。 土蔵を壊すので先祖代代のお宝をどこかに 収蔵庫を造りたい。暗くて、ひんやりしていてちょっと湿気があって、 野菜やワインの貯蔵庫に最適な地下室。
これらは居室でないので採光は必要が無く、無窓で大丈夫です。

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