地下室入門-14 地下の防音室


ピアノ室やオーデェオルーム、あるいは音楽スタジオとしての目的で 地下室を造られる方が多くおられます。隣近所に迷惑をかけず心行くまで音楽を楽しみたい !それにはまず防音を考えなければなりません。家を建てるにしても特別の設計を頼まないと 防音性能の高い部屋は出来ませんし、通常の住宅では部屋を防音室に改造するのに結構お金がかかりますし、部屋がひとまわり狭くなってしまいます。改造するより別に地下に防音室を造ったほうが結局安い位です。
勿論地下室ならば何でもすべてOK!では有りません、それなりのポイントが有ります。
音を楽しむ為の地下室のキーポイント
音が外に漏れないようにする。

★地下室の最大のメッリトは防音性に優れた空間であることです。ただ、注意しなければいけないのは、木製の床を地下室の天井としているいわゆる、床下室みたいな地下室は防音効果が半減、いや、ほとんど期待できないと考えてください。地下室が床、壁、天井と隙間無く出来ていることが肝心です。
★家の外へ音がもれない様にするだけ出なく、おなじ住まいの他の部屋に音が漏れたり、振動が伝わったりしない様にする事も必要です、特にコンクリートの地下室で地下の天井が一階の床となっているような場合は振動伝播にも注意が必要です。 防音ドア−の性能や取りつけ場所と階段との間仕切り壁、特に階段下の収納庫の遮音性能が盲点です。 細部の収まりが大事です。ここをおろそかにすると、何で音が漏れるの?とゆう事になります。
★ドライエリアやトップライトがある場合はその部分の防音性能が問題になります。また、換気扇の部分からの音漏れも気を配りたい所です。それなりの工夫をしてせっかくの地下の防音遮音性能を無駄にしないようにしたいもんです。
共鳴しない心地良い響きの音が聞こえる。

★心地よい響きとは基本的には適切な残響時間になっていると言うことです。コンサートホールとまったく同じ様には鳴りませんが、理想的には音楽室として標準の内装仕様平均で0.4秒前後でしょうか。最終的には聞く人の好みに合わせて、あるいは音場としての目的に応じて簡単な吸音材や反射板を配置して微調整する事が必要です。 内装は壁、床、天井とも、地下室の躯体から<100mm以上の空気層+吸音材+板状の内装下地材+仕上げ材>が望ましい。
★もう一つ大切なことは、特定の音だけが強調されたり、共鳴現象を起こさないことです。地下室を不定形につくることは厄介ですが、取合えず部屋の天井高、間口、奥行の寸法比が簡単な整数比にしないように地下室を造る事です。これは内装間仕切りでも調整できます。
快適な居心地の部屋にする。

★防音だけでなく、音楽を楽しく聴ける雰囲気の部屋にする事も必要です。同時に、楽器や機材 大切なレコードやCDの保管にも安心出来る環境であることが大切です。
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