タナカ グロック17固定スライド
written 2003/9/27
タナカ
9800円
ガスセミオート固定スライド


マガジンはオーソドックスな物。亜鉛ダイキャスト製。
ローダーいらずの上、フォロアーをレールの広くなっている部分からも給弾可能。

通常分解は、エジェクションポートからチャンバー部分を下におして行うという、ちょっと変わった方式です。

バレル、チャンバー部分のアップ

ホップ調整は六角レンチを使って行います。

ホップ部分を分解したところ。
イモネジが金属ベアリングを押し、そのベアリングがラバーシートを押す方式です。
BB弾の保持位置とホップラバーの位置が遠いので、弾道としては安定しづらい方式です。

給弾部分のアップ。

私の固体だけか、複数弾同時発射が頻繁に行われたため、マガジン内のパーツの一部を削りました。
ノズルを外した後、マガジンの上のほうに横から刺さっているピンを抜き、ノズル周辺のパーツを取り出します。

このパーツの上部の穴を少し大きめに広げることでダブルチャージが直りました。
もし同じ処理を行う場合は、広げすぎには注意なので、少しずつ様子を見ながらおこなってください。

初速、エクセル0.2g弾での測定。室温は25度程度。
88m/sというのはハンドガンとしては高め、電動並かそれ以上です。

外見を重視したのでしょうか、ホップ調整のイモネジは外から見えません。
通常分解の手順で、少しスライドを前部にずらすことでイモネジが露出します。
エジョクションポートの右下に見えているのはセフティレバーです。
実銃のグロック17には、マニュアルセフティが存在しないため、エアガンでは独自のセフティをつけています。
このセフティは実銃には存在しません。

エクセル0.2g弾でのグルーピング。
距離は5メートル。
上のターゲットはほぼノンホップで撃った場合。
下のターゲットは適正ほどのホップをかけた場合。
明らかにホップをかけると散っています。
この距離でこれだけ散るということは中距離、遠距離ではそうとう弾道が安定していないのでしょう。
よってこの銃は、ほぼノンホップで使った方が良いようです。
総合評価
価格がブローバックに比べれば安く、購入しやすい銃です。
固定スライドですが、トリガーのフィーリングは悪くはありません。
少なくてもマルイのガスSOCOM固定スライドなどよりは良い方です。
しかし、マルイのSOCOMと比べた場合、SOCOMのトリガープルの重さは、気密性をしっかり保つためにしかたない仕組みでもあります。
気密性を重視したため、トリガーを引ききる瞬間に重くなります。
対して、タナカのグロック17の気密性はSOCOMとは比べ物にならないほど低く、発射時にはチャンバーからガスが漏れています。
ただ、多めのガスをBB弾に当てているので多少のガスのロスがあっても気にならないのです。
実際、タナカのグロック17のノズルはチャンバー内径に比べて小さく、ほとんどスカスカとも言えます。
それでも高めのパワーが出ているのはガス放出量に頼っているためです。
致命的とも言える欠点はホップのかけ方による弾道安定性の低さです。
弾の保持位置でホップをかけず、ホップをかける位置が弾の保持位置よりもかなり前ですので、弾道が安定しません。
ホップを最弱にし、ほぼノンホップにすれば、それなりに安定しますが、こんどは飛距離が短くなります。
他の銃のホップを移植すればいいのですが、そうなるとある程度のチューニングの腕が要求されます。
残念ながら初心者にはお薦めしがたい銃です。