消音基本講座


 このコーナーはエアガンの発射音の軽減について説明しています。


消音の意味、効果
消音の有効性
 発射音を軽減することは、サバイバルゲームにおいて有効です。
 初心者同士であればあまり意味は無いかもしれませんが、中級以上になるに従って効果的になっていきます。
 慣れたゲーマーは発射音と同時にしゃがみます、また、射撃音のみでこちらの位置を把握してきたりもします。

可能な消音レベル
 よく「この銃は無音」と聞きますが、実際に音がしないわけではありません。
 音は少なくなるだけで、完全な無音は無理です。
 とはいえ、消音加工の施された銃の発射音は、ノーマルとは明確に違います。
 可能な範囲で例をあげると、以下の程度になります。
  後方25mから撃たれて、発射音が聞こえない。
  フルオート射撃中に15mから撃たれて、発射音が聞こえない。
  前方30mから撃たれたが、発射音と認識できる音ではない。
 これらは私のレベルであって、もっと腕のいい人がカスタムしたのであれば、効果のほどはさらに良くなるでしょう。

音について
音を消すためには
 音は遮るものがあれば、消えます。
 家の外で道路工事をしていたとして、窓をあけるかしめるかで音は変わります。
 エアガンもバレルを塞げば音は消えます。これでは弾が出ませんが。

サイレンサーの構造
 エアガンの音を消すためにサイレンサーがあります。
 サイレンサーはアウターパイプと、内側のインナーパイプの二重構造になっています。
 インナーパイプにたくさんの穴をあけ、その穴から音を外にだし、インナーパイプとアウターパイプの間にある吸音材(通常はスポンジなどです)で吸収するのです。
 サイレンサーの構造などについては後の項にて詳しく説明しています。

音の高さ
 サイレンサーで消せるのは、一般に高い音です。
 低い音はなかなか消えないので、ある程度妥協してください。
 しかし、高い音のほうが低い音より指向性が高いので、位置が特定される原因ともなりやすいのです。
 低い音は、たとえ相手に聞こえても「どこから撃っているのかわからない」状態になりやすいものです。

音の聞こえる条件
 発射音が相手に聞こえるかどうかには、実はいろいろな条件により、聞こえやすかったり、その逆であったりします。
 風上から風下には音がよく聞こえるとも言います。
 サバイバルゲームでよく実感するのは、多少なりとも音がしている状況で撃たれると気づかないということです。
 誰かのフルオート射撃中に隠し味として一発混ぜ込むことや、相手の移動中に撃つ(相手は自分の移動音で、周囲の音が聞こえません)などは有効です。
 また、人間の耳は、たいていの人が前向きになっているので、前からの音は、よく聞き取ります。
 そのため、後ろから撃たれると聞こえないことがよくあります。

音の種類と銃の関係
音の種類、発生源
 意外と知られていないのがここです。
 発射音には実はいくつか種類があります。
 そして、それらの一番大きな音をだすところが、一番めだつのです。
 ここに、それらをまとめた表を作ってみました。
音の名前説明消音方法
エア放出音  銃口からエアの吹き出る音です。
 コルク鉄砲を高くしたような「ぱんっ」といった感じでしょうか。
 サイレンサーの使用で消すことができます。
ピストン打撃音  ピストンがシリンダーヘッドにぶつかる音です。
 特に空撃ちの時はよく聞こえます。
 電動の場合はサイレントヘッド。
 エアコッキングの場合はピストンヘッドなどにソルボセインを張ります。
 どちらもピストン激突時にクッションをつけるという発想です。

 多少違いますが、ガスセミオートにはハンマー打撃音というのがあり、これに含めます。
スプリング震動音  これはAPS−2などでよく聞こえます。
 スプリングの「びいいぃ〜ん」という音です。
 スプリングが弱い銃はよく聞こえます。
 柔らかくて長いスプリングより、硬くて短いスプリングを使用することで解消できます。
ギア作動音  電動では目立ちます。電動以外には無いと考えて良いです。
 正確にはギア回転の音と、モーター駆動音に別れます。
 ギアのバリを取る、ギアのガタツキを取る。

 モーターの位置を調整する。

銃の種類と音の種類の関係
 銃の種類によって、どの種類の音が目立つかが異なってきます。
 以下にそれをまとめた表を書きます。
  エア放出音 ピストン打撃音 スプリング震動音 ギア作動音
エアコッキング 普通普通普通無し
電動 普通普通普通普通
ガスセミオート 大きい小さい無し無し
BV式ガスフルオート 大きい小さい無し無し


エアコッキングの消音
 エアコッキングといっても、SS−9とAPS−2のボルトアクションを例にとり、話を書きます。

ピストン打撃音の消音
 まずピストンヘッド、またはシリンダーヘッド内側にソルボセインをはり、ピストン打撃音を押さえます。

サイレンサーの装着
 それからサイレンサーを付けます。
 SS−9、APS−2ともにアタッチメントを購入することにより、市販品のサイレンサーが装着できます。
 SS−9は、古いものを除いてアウターバレル直系が16mmなので、内径16mmパイプを購入してきてアタッチメントとし、自作することも可能です。

スプリングについて
 SS−9の場合、気密性でなるべく多くのパワーをかせいで、スプリングをそのぶん切りつめてください。
 ピストンがリリースされている時に、スプリングとピストンがシリンダー内部で遊ぶくらい、短いスプリングを使用することで、かなりの消音が期待できます。
 APS−2では、スプリングの震動音を押さえることが重要です。
 スプリング震動音はスプリング変更が一番有効です。
 ノーマルとは違い、硬くて短いスプリングを使用することで、かなり静かになります。
 ノーマルスプリングを使用する場合は、ピストンガイドを変更することで若干かわるような印象をうけます。

マルイ電動の消音
とにかくパーツが豊富
 ピストンヘッドの音、サイレンサーについては、それらに必要な購入パーツを装着することで済むようです。
 スプリングの震動音も、他の個所のほうがうるさいので、気にする必要は、ありません。

モーター位置微調整
 グリップ下などにあるモーター微調整イモネジは、使用していると緩んできたりもします。
 うるさくなってきたとおもったら微調整してみてください。

ギア作動音
 電動の場合、一番の難点がここにあります。
 メカボックスを分解し、シリンダーまわりを全て抜き取り、モーター、グリップをつけてから回ししてみます。
 うるさく感じてれば、手をくわえる必要があります。

 方法としては、シム(ギアの左右についているワッシャーのようなもの)の位置を換えて、ギアの左右へのガタツキを小さくすることです。
 あまりガタツキを小さくしても、今度はスムーズにギアがまわらなくなりますので注意する必要があります。

 また、ギアにはバリがあったりもします。特にセクターギアには目立つものがありますので、ヤスリで削り落としてください。
 さらに、長期間ギアを使用すると、ギアは変形してきます。ギアの歯一枚一枚に負担がかかり、曲がっていきます。それも横に曲がっていき、隣のギアなどと微妙に干渉して音を立てますので、こういったものも削り落としてください。

 なお、ステアーAUGはメカボックスがストックの奥にあるため、他の電動よりもギアやピストンの音が小さく聞こえ、電動の中では、消音銃のベースに向いています。

ガスセミオートの消音
発射音のみ消す
 ガスセミオートは、とにかく銃口から出る発射音だけがうるさいと考えて良いです。
 ちなみにここでのガスセミオートとはブローバックタイプは含まれません。
 ブローバックガスガンは、その作動自体がうるさいので、消音には向きません、よって除外します。
 ここでとりあげるガスセミオートはスライド固定式ガスハンドガンや、ブラックパンサー、コクサイの旧M16&クライムバスターなどのガスライフルです。
 これらは、とにかく発射音だけがうるさいです。逆にいえば、そこだけクリアすれば、ほとんど無音です。ハンマー打撃音が気になるくらいになれば、かなりの消音銃です。
 その発射音が、どれだけの割合をしめているかみるためには、銃口に布団を巻き付けて撃ってみてください。静かさが実感できます。
 ちなみにエアコッキングや電動よりも、ガスセミオートとBV式ガスフルオートは銃口からでる発射音だけに関して言えば大きくなっています。
 これはエアの放出のしかたが違うためで、エアコッキング、電動と比べ、ガスセミ、BV式ガスフルは、一気にエア(ガス)を放出するためです。感覚的に言うと、風船が割れる感じに近いものがあります。

 とにかく、これらの銃には、サイレンサーを使用することです。
 質の良いサイレンサーを付ければ、それだけ音が消えます。
 サイレンサーについては、後の項を参考にしてください。
 私が思うには、ガスセミオートは最も静かになるタイプの銃です。

BV式ガスフルオートの消音
基本的にはガスセミと同じ
 BV式以外にもガスフルオートは、ありますが、あまり使われていないので、書きません。
 もっとも、BV式も、今となってはあまり使われていませんが。

 このタイプの銃も、やはりガスセミと同じく、銃口からの発射音を消せば、音のほとんどがきえます。
 しかしながら、BV式ガスフルはセミオートで使用するのには向かないため、消音してもフルオートで撃つことになり、居場所が特定されやすくは、なります。
 サイレンサーについては後の項を見てください。

サイレンサーの効果
サイレンサーの効果は
 サイレンサーで消せるのは銃口から出る発射音のみです。
 ピストン打撃音などの他の音はまったく消せません。
 つまりピストン打撃音などがうるさい銃でサイレンサーを使用したところで、発射音が低くなるだけで、それ以上の効果は望めません。

サイレンサーの仕組み
 一般的なサイレンサーはインナーパイプとアウターパイプを設け、インナーパイプに大量の穴があいています。
 インナーパイプから外にもれた音を、インナーパイプとアウターパイプの間にあるスポンジなどの吸音材で吸収しています。
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 市販サイレンサーでは、OK、アングス、桑田協会等のサイレンサーの効果が高いようです。
 KMのサイレンサーは消音効果はいまいちですが、弾道を狂わせづらいので、スナイパーライフル向きかもしれません。
 しかし、よく「サイレンサーは命中精度を下げる」という噂を聞きますが、あまり真に受けないでください。確かに微妙には狂わせたりするかもしれませんが、普通に実感できる程度ではありません。
 グルーピングをとってみて、やっと実感できる程度だと思います。
 ついでにサイレンサーを付けたからといって極端に弾速が落ちるようなこともありません。もしこのような症状がでれば、どこかに原因があるはずです。

自作と、より効果的なサイレンサー
 サイレンサーを効果を決めるには、以下のものがあります。

 インナーパイプの内径。
 インナーパイプの穴の数。
 吸音材の質。
 吸音部分の長さ。  アウターパイプの内径。

 一般に上に書いたもののほうがより重要です。
 ちなみにインナーパイプの穴の数というのは、KMや桑田協会のもののように、そういったものが存在しないタイプも存在します。
 アングスのサイレンサーのインナーパイプはスプリングですし、OKのは金属メッシュのようなものですので、自作する以外では、あまり関係ないかもしれません。

 インナーパイプの内径が特に需要です。大きすぎれば消音効果が減ってしまいますし、小さすぎれば、サイレンサー内に弾が接触する場合があり、接触した弾は大きくそれた方向に飛び、危険でもあります。
 市販品はある程度汎用性を持たせるため、サイレンサー内径を大きくとります。しかし、自作であれば、その銃にたいして、ぎりぎりの内径をとることができますから、より効果的なものを作ることができます。
 インナーパイプ内径をより小さくするためには、サイレンサー自体をがたつかなくすくことが必要です。そうすれば、6mmの弾を発射するのに、インナーパイプを7mmでも可能でしょう(私は8mmまでしか試したことがありませんが)

サイレンサー出口を塞ぐ
 サイレンサー出口をビニールテープや、紙で塞ぎ、そこ小さな穴(十字に切るのが多いでしょうか)をあけて弾を撃ち出すという方式があります。
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 これをすることにより、インナーパイプの内径を小さくしたのと同じ効果が現れ、効果は絶大です。
 しかし、一般に何かしらのリスクを被ります。
 サイレンサー出口で、テープなどに弾が接触することで、弾道が乱れます。
 テープより紙のほうが、発射のエアで一瞬開き、弾道を乱さないようですが、紙は消耗が激しいです。
 雨天ゲームでは、まず張り直しが必要です。夜露がつくようなナイトゲームでも厳しいです。

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