サバイバルゲーム戦術2:バリケードの使い方

written 2014/11/16

バリケードの使い方

多くのサバイバルゲーム専用フィールドでは、バリケードが数多く配置されています。
それを上手に使用することで、結果は大きく変わります。
バリケードの使い方は、撃ち合いになってからの個人戦術の良し悪しを左右する大事な要素です。

露出面積は最小に


バリケードを使うメリットは大きく分けて2つ。

一つは敵に見つかりづらくするため。
もう一つは敵の攻撃を当たりづらくするためです。

どちらも、バリケードからの体(銃を含む)の露出を小さくすればするほど効果が増します。
当然、完全にバリケードの影に隠れてしまうのがもっとも安全ですが、それでは攻撃ができません。
銃だけ出してトリガーを引くめくら撃ちは、無駄弾をバラマキ、効果的な攻撃ができないことや、マナーに欠けた嫌われた行為ですのでお薦めできません。
敵を狙って攻撃するためにはバリケードから銃と目の両方を出す必要があります。
逆に言えば、目、それとサイトライン、銃口だけを出してしまえば十分です。
初心者にありがちなのはバリケードから大きく体を露出して攻撃してしまうことです。

また、前後位置に関してはバリケードにぴったりくっつくのは望ましくありません。
敵に見つかりやすい上に、射撃姿勢の自由が利かなくなります。
銃を構えたとき、銃口がバリケードより前に行く事は望ましい事ではありません。ただし、銃口がバリケードの前に行くことで、誤ってバリケードを撃ってしまい跳ね返り弾が自分に当たるミスを防ぐメリットはあります。

バリケードの影にいる時から構えておくこと

バリケードから攻撃のために体と銃を出すとき、相手に対して体を露出した後で銃を構えるのはよろしくないやり方です。
バリケードから体を露出させている時間は危険な時間であり、その時間はコンマ数秒でも減らしたほうが望ましくなります。
よって、バリケードの影に居る段階で銃を構えておきます。サイトも付けた状態、またはサイトを付けた状態からすこし銃身を下に向けた状態にします(視野を確保しやすくするため)
バリケードの側面から攻撃する場合、そのまま体を傾けて攻撃するのが基本となります。
この時、足の位置は動かしません。基本的に腰から体を傾けて撃ちます。
足の位置をズラすと体が大きくブレてしまうので、狙いなおすのに余計な時間を必要とします。

バリケードから15m、20mなど適当な位置にターゲットを置いて、バリケードから一瞬体を出して素早く撃つ練習をしておくと実戦でも役に立ちます。

バリケードの側面を使うか、上を使うか

背の高い木の幹をバリケードに使う場合、バリケードの横から顔を出しての攻撃となります。
逆に地形の起伏を利用して攻撃する場合などは、バリケードの上から顔を出しての攻撃となります。
最近の多くのフィールドには人工的に配置されたバリケード(木の板や車など)が数多く存在し、その中には側面、上面両方から攻撃できるものがあります。
例を上がれば車や、高さ1.5m程度までの障害物なら、バリケード上から攻撃することが可能です。

さてこの場合、上からと左右から、どちらを使えば良いでしょうか?

基本になるのは、バリケードの側面(主に利き腕側となる右側)からの攻撃です。
上面からの攻撃は、自分が広い視界を保てるので、一見やりやすいように見えますが、広い視界を確保できるという事は、逆に多くの敵から発見されてしまうデメリットを持ってしまい、アウト率が上がります。
という書き方だとバリケード上からの攻撃はあまり意味が無いようにも思えてしまいますが、広い範囲を見渡して情報を取れることは、攻撃という意味より、味方に情報を与える前段階などとして有効に使えます。

また、バリケードの非利き腕側(主に左側)は非常に使いづらいのですが、こちら側を使用せざるを得ないシチュエーションもあり、使えるに越したことはありません。
右手で銃を持ったままバリケード左側から攻撃することは露出面積が高くなりやすいので注意が必要です。
また、非利き腕(通常は左手)に銃を持ち替え、左手と左目で狙って撃つやり方は慣れが必要です。

回避

バリケードを使って攻撃するメリットの一つに回避のしやすさが有ります。
相手が撃ってきても、すぐにバリケードの影に完全に身を隠す(銃を含む)事が出来れば、敵の攻撃はまず当たりません(跳弾を除く)
弾は飛行時間があるため、30mで0.5秒ほど到達時間があります。
相手が銃を構えてから隠れても充分間に合い、距離が遠目なら発射音を聞いてから回避しても用意さえしていれば間に合います。
この辺の感覚は事前練習(数十メートル離れた位置から撃ってもらう)で、感覚を掴むことが出来ます。


建物の窓のようなバリケード

バリケードに窓のような穴があいている場合、窓から銃口を出したり窓に密着して攻撃は防御面で不利になります。
そういった行動をした場合、自分が広い視野を確保できますが、逆に多くの敵から見つかります。
窓から離れれば離れるほど、見渡せる範囲が狭くなり、自分の視野を絞ることで攻撃対象以外の敵から見つからない、攻撃を受けない状態にできます。



バリケードvsバリケード戦術


敵とお互い、全身が隠れるほど大き目のバリケードを取り合って撃ち合った場合の戦術です。
最近のフィールドではとても多いシチュエーションかと思います。

相手が完全にバリケードに隠れている状態なら撃っても意味がない

基本中の基本になります。
相手が全身が隠れてしまうバリケードに隠れたら、撃ち続けても意味がないどころか、ほかの敵にこちらが狙われるため意味がありません。
もし「バリケードに身を隠してる敵に撃ちまくっているときにほかの敵にヤラれてしまう」事が多ければ、まずはこれを知らなければなりません。
跳弾狙いでバラ撒くのも、そうそう当たりませんし、あまり褒められた行為ではありません。そもそもリスク、リターンが釣り合いません。
ただし相手を故意にバリケードの影から動かさないようにしたい場合や味方の行動の援護、敵の注意を自分に引き付けたい場合などは、あえて無駄弾を撒くのも戦術の一つになります。

相手に狙われている状態からの戦術

バリケードに隠れている事で、敵の攻撃を防げますが、これを続けていると視界が奪われ、情報が取れません。
最悪なのは、敵が移動していることに気付かない事で、こちら側がバリケードに隠れ続けている間、敵は別な場所に移動、バリケードの効果がない側面から撃たれたり、次に顔を出した時に予想外から撃たれる、また、こちらのバリケードのすぐ前方まで気付かれずに移動してくることもあります。
バリケードから少しでも顔を出しただけで敵弾が飛んでくる状態では、主導権を奪われた状態です。
この状態から無理に敵を倒そうと顔を出し、狙いを定めようとしても、その間に有効打が飛んできます。
そこで行ったん、相手のサイティングを外させる戦術が必要になります。
相手の位置を掴んでいるなら、銃を顔を一瞬だけ出して攻撃。狙いは甘くて構わず、相手に当たらなくても相手に至近弾を浴びせ、相手の顔を下げさせることが目的です。
次に顔を出して相手を押さえ込めば、先ほどまでとは逆にこちらが主導権を取った状態になります。


相手の視界を奪ってからの移動

相手が全身を覆うぐらいの大きいバリケードに隠れている場合、正面から撃ちあうだけでは、なかなか倒すことはできません。
自分と相手、両方がそれぞれ、大きいバリケードに隠れている状態だと長期戦、膠着状態になりがちです。
この場合、位置を変えて攻撃する方法があります。
ある程度相手に向かって発砲し、相手をバリケードに隠れさせ相手の視界を奪います。
そこから静かに素早く前進し、別なバリケードや位置に移動し、次に相手が顔を出した瞬間に相手の予想外の位置から狙います。
また、大きく側面に移動できれば、相手バリケードの効果のない側面から相手を撃つことができます。
特に攻撃的なのは。

・相手の使っているバリケード正面に張り付き、次に相手が顔を出したタイミングで反対から撃つ方法
・相手バリケードのすぐ側面まで移動していき撃つ方法

が挙げられます。
どちらも相手の非利き腕側(相手から見て左側、こちらから見て右側)を狙うのがセオリーですが、フィールド状況により左右どちらからの攻撃が有効かが変わってきます。
また、この手の一気に距離を詰めて叩く方法は、他の敵に攻撃されやすく、大人数での戦闘状態には適しません。
倒そうとしている敵以外に見つかれば、その敵が撃ってこなくても声を出されて情報共有されて失敗に終わる危険性があります。
また、一般のゲームよりも射程や連射性能が低く、総合的な攻撃力の低いハンドガン戦で特に有効な戦術です。
それと一点、特に相手バリケードのすぐ前まで距離を詰めて攻撃する方法は、とても接近戦で撃つことになりますので、マナー的にマズイ可能性もあります。

注意点としてバリケードに視界の通る場所がないかは大事なポイントになります。
幅の狭い板を何枚を並べたようなバリケードや、穴の開いているバリケードは、そこから覗いていれば視界が通るので、行動がバレバレとなってしまいます。


一気に距離を詰めるのに適したタイミング

相手をバリケード影に追いやった後、一気に距離を詰めるのに適したタイミングは以下の状態です。

・敵が他の味方に射撃した場合
 フェイントでなければ敵の意識は射撃方向に集中しています。
・他の味方が対象となる敵に対して攻撃を入れた場合
 発射音、着弾音がこちらの移動音を消してくれますし、相手は顔を出してきません。

敵を倒すか?倒さないか?

敵を倒すことは大事ですが、無理に倒そうとすれば危険性も伴います。
逆にやられてしまっては元も子もないわけで、敵を倒すか倒さないかの判断も必要になります。
たとえば、オフェンスグループで敵陣深く入り込み、あと一歩でフラッグが取れる状況で敵のディフェンス撃ち合いになった場合。
この状況は敵を倒すしかありません。
自分が攻撃側ならタイムアップはイコール相手ディフェンスの思う壺です。
最悪なパターンは相手ディフェンス一人に人数に勝る攻撃側がストップさせられてしまうことです。

逆に自分がディフェンス側の場合はタイムアップはつまり勝利のようなものですので、無理に攻撃する必要もありません。

また、フィールド中盤などで、敵、味方どちらもオフェンス部隊の場合、その場にいる人数で負けてるようなら無理に敵を倒しにいっても分が悪い戦いとなりがちです。


敵の前進を読んで下がる

バリケードの影に隠れていると自分が相手を見えない他、当然ながら相手もこちらを見えません。
敵、バリケード、自分を一直線に結べば、こっそりと後退しても相手からは見つからないという事になります。
攻撃的で距離を詰めてくる相手に対しては有効で、相手が前進してきたところを、こちらは比較的ローリスクに不意打ちできます。
ただ、この後退という戦術を取るには、大きいバリケードが使えるという事。後退できる範囲が十分にあること、また、前線の味方がいる場合、味方を孤立させないように行わなければなりません。

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