狙撃入門8

被発見率の低い攻撃

written 2007/7/7

 久々に狙撃入門の追加更新です。
 今回は「被発見率の低い攻撃」について書きます。
 言葉を変えれば「いかに相手に見つからずに攻撃をするか」という事です。
 サバイバルゲームにおける狙撃で有効な方法は二つあります。
 一つは「全ての射撃を確実に命中させる」こと、つまり命中率100%を目指す事。
 もう一つは「何発射撃しても見つからずに射撃を続けられる」こと。
 もちろんその両方を満たせるのが一番良いのですが、一方立てればもう一方が立たずという事になりやすいです。
 このコンテンツで解説するのは後者であり、敵に命中させる射撃を目標とするのではなく、極端に言えば「弾が当たる、当たらないに関係なく、何発の弾を相手に見つからずに発射できるか」を目標とするものです。

 たとえば20m先に空き缶を置き、それに対して一発で当てます。
 より確実に当てるためにはどうすれば良いでしょうか。
 立って撃たず、座って撃つ、または伏せて撃てば命中率が上がります。
 ここで姿勢を低くしたのは相手に発見されないためではありません、射撃姿勢を安定させるためです。
 実戦に置いて見つからずに射撃をするためには、射撃姿勢を安定させるためではなく、相手に見つからないために姿勢を低くしなければなりません。
また、ブッシュや遮蔽物があれば、その影から攻撃する事が見つからず攻撃するコツとなります。
その場合、銃口と目だけ出して撃てば、より見つからずに攻撃する事が可能です。

 下の二枚の画像で説明します。
sniper8_img1.jpg(41784 byte)
 Aが悪い攻撃例、Bが一般的に正しい攻撃例。

 さらにCは、Bよりも被発見率をさらに低め、ブッシュの中の隙間からの攻撃例です。
 これと比べてしまえば、ブッシュの上側から攻撃する事は危険極まりありません。

ブッシュの隙間から撃つ場合の注意点

 ブッシュの隙間から撃つ場合の注意点がいくつかあります。
 もっとも気を付けなければならないのは、目の前のブッシュに弾を当てない事です。
 弾道は狂いますし、目の前で着弾音がたち、なおかつ草を揺らしてしまいます。よって被発見率を大きく上げる事となります。
 スコープ内のイラスト付きで解説します。
sniper8_img2.jpg(35600 byte)
 Aは障害物が縦に伸びている状況、竹林などによくある光景です。
 この場合は、障害物のラインが無い場所を狙います。

 Bは隙間狙いで厄介な光景。
 極端に近い場所、5メートル以内程度に草がある場合の光景で、大抵は草がモヤモヤでぼやけて写っています。
 もしスコープ中心より上部に草らしき物が写っている場合、これは無視してかまいません。
 弾は下から出ますから、上に当たる事はありません。  次に下にある場合、これが非常に厄介です。Bのイラストもその例です。
 一見、スコープ中心には障害物がないので、弾が届きそうですが、弾はスコープの一番下から出ます。
 よってせっかく撃った弾が近距離ブッシュに弾かれてしまいます。
 この場合、一度スコープの外から左目でブッシュまでの距離を確認したほうが良いでしょう。
 そして、打ち出した弾がブッシュを上を抜けるのか下を抜けるのか判断した後に射撃します。
 スコープ無しの銃のほうが撃ちやすいかと思います。
 スコープ付きの銃の場合、そのための慣れが必要です。
 

消音効果の高い銃、スコープが低く付けられる銃

 被発見率の低い攻撃をするためには、発射音の小さい銃が必要不可欠です。
 サイレンサーは必需品、銃も電動よりもボルトアクシヨン等の静かな物が望ましくなります。
 消音の仕方については、このコンテンツでは書きません。他のコンテンツに説明がありますので、そちらを参考にしてください。
   もう一つ大事な要素がスコープからバレルまでの高さの差違。
 キャリングハンドルのあるM16にスコープをつけたりすると、スコープの位置が高くなり、目の前のブッシュを越して狙撃する事が難しくなります。
   スコープを付けなくても良いのであればハンドガンです。
 さらに発射音の大きさを無視すればショットガンですが・・・このコンテンツの趣旨の反しますね。

被発見率を下げることを重視

 静かな銃でブッシュの隙間を抜くように当てるという行為は、慣れてくると癖になるほど楽しい行為であり、サバイバルゲームの戦術をより深くしてくれます。
 一枚のブッシュの隙間だけでなく、数枚のブッシュの隙間を通して撃つ事も技術の一つとなってきます。もちろん、それができるような位置を取っておくことも。
 複数枚数の隙間抜きで撃った場合、相手がこちらの位置を特定する事は非常に難しくなってきます。
sniper8_img3.jpg(33992 byte)
 ただし、これを重視しすぎると、前述したように装備品の向き不向きも絡んできます。
 つまり電動銃より、一撃必殺で消音効果の高いボルトアクションスナイパーライフルの方が適します。スコープが低く付けられることもメリットです。
 電動フルオートで弾をバラ撒く事を重視したり、被発見率よりも命中率を取るのであればこの戦術は適しません。

被発見率のまとめ

 「弾が当たる、当たらないに関係なく、何発の弾を相手に見つからずに発射できるか」の戦術、というのは理解していただけたでしょうか?
 被発見率を下げる狙撃というのは、実はかなり奥が深い部分です。
 サバイバルゲームにおいては狙撃銃でも電動フルオート銃でも命中率、射程ともに大差ありません。
 その中で、被発見率を下げて攻撃するというのは、サバイバルゲームスナイパーの腕が一番大きく現れる部分の一つです。

 最後に一つ、個人的な趣味を付け加えると、被発見率を下げた攻撃戦術を重視するなら、銃はガスセミオートライフルがベストです。

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