狙撃入門7

狙撃銃の比較

written 2005/5/14

 狙撃銃といったら何を思い浮かべるでしょうか?
 一般的に言えばAPS2、TYPE96、VSR10のようなボルトアクションライフルかと思われます。
 しかし実はこれらのライフルはあまりゲームで優位な活躍は出来ない場合があります。
 なぜなら、これらのボルトアクションライフルは単発であり、ボルトの上下操作もあるため連射ができません。
 全てのショットを命中させ、1ショットワンキルを実現できれば問題はありませんが、もし外した場合のリスクを考えると、連射のできる銃のほうが良くなります。
 もし、ボルトアクションライフルが低い連射性能を補う程他の性能、つまりは消音性や命中精度が高ければ話は別なのですが。

 私が現在狙撃に使用している銃は主に4つあります。

 今回は、例としてそれら4つの銃を比較してみることとします。

 これらの殆どは完全ノーマル状態ではなく、何かしら手を加えています。


●マルゼン・APS2SV

 ホップパッキン:ファイアフライ・クラゲ
 スプリング:カット済み2−3スプリングやノーマルスプリング(レギュ次第)
 サイレンサー:KM、アングス等を使い分け
 スコープ:エイムマスター3−9*50
 シア削り、磨き

 TYPE96やVSRが発売されるまでは最も一般的だったスナイパーライフルかと思われます。
 中距離、遠距離での命中精度は高いが。ボルトアクションライフルなので連射には適さない。


●コクサイ・クライムバスター

 インナーバレル:AP2SV用ノーマルバレル
 ホップパッキン:ファイアフライ・クラゲ
 スコープ:エイムマスター3−9*50
 サイレンサー:アングスの大型
 エアタンク:ネオターボ1リットル
 メインスプリングカット、バルブのチューニング等

 1994頃に発売されたやや古い銃(APS2SVと同時期なのですが)
 性能を求めていくとノーマルバレルやチャンバーではイマイチですので、大幅な変更が求められます。
 極端に静かなセミオート射撃が魅力。


●マルイ・H&K−MC51

 スプリング:ノーマル
 サイレンサー:KM製
 マウントベース:システマ製
 スコープ:メーカー不明3−9*56

 ノーマル品にサイレンサーとスコープを付けただけの物。
 といってもマルイの電動銃は元々内部構造自体が優れているため、ノーマルといえども大した不足はありません。


●マルイ・SOCOM

 シア磨き
 サイレンサー:純正品

 ノーマル状態ではハンドガンの中で最高性能を誇りそうな銃。
 ハンドガンで他のライフルと比較するのはやや酷な話なのですが・・・


【性能要素別順位】

 ※レギュレーションに関してはスナイパー優遇レギュ無しの場合、1j、0.2g。
 スナイパー優遇レギュありの場合は、ボルトアクションライフルが1.4j、0.3g。セミオートライフルは1.2j、0.25gを基準にしました。

●命中精度(スナイパーライフル優遇レギュ無し)
 1.MC51
 2.APS2SV
 3.SOCOM&クライムバスター

 仮に全ての銃が1j、0.2gのレギュレーションだったとします。
 こうなると、ほとんど全ての銃で命中精度は大差ありません。
 MC51を一番高く評価したのはノーマル状態で使用しても0.2g弾を普通に打ち出せるからです。
 SOCOMもノーマル状態で0.2g弾を安定して打ち出せますが、ハンドガンという事で評価を厳しくしました。
 ノーマル状態が固定ホップのAPS2SVにとって0.2gにホップを調整するのは非常に難しい上に、実用的ではありませんが、しっかりとセッティングした場合は0.2gでもそこそこの安定性を保てます。

●命中精度(スナイパーライフル優遇レギュあり)
 1.APS2SV
 2.クライムバスター
 3.MC51
 4.SOCOM

 スナイパー優遇レギュありであれば、パワーや弾の重さを使用してAPS2SVが圧倒的に長い射程距離を持てるでしょう。
 次はセミオートの優遇レギュを受けれるのであればクライムバスター。ここではセミオートライフルは1.2j、0.25gを基準として評価してみました。
 この場合の順位というのは、銃自体の性能というより、レギュレーションの甘さによる順位のようなものです。
 SOCOMが最下位なのは、ハンドガン特有のサイトのラフさ、ストックが無いことによる安定性の低さから。
 ただしチャンバー構造は非常に優れているため、弾道自体は素直です。

●連射性能
 1.MC51
 2.SOCOM&クライムバスター
 3.APS2SV

 連射性能について圧倒的に高いのはフルオートが可能なMC51。
 次がセミオートのSOCOMとクライムバスターであり、最下位はボルトアクションのAPS2SV。

●軽快性
 1.SOCOM
 2.MC51
 3.APS2SV
 4.クライムバスター

 ハンドガンのSOCOMを一番高く評価しました。
 逆に最下位はクライムバスター。
 銃本体の他にホースを使用し、グリーンガスやエアタンクを装備しなければならないためです。

●消音性能
 1.クライムバスター
 2.APS2SV&SOCOM
 3.MC51

 ボルトアクションライフルは静かと言われますが、ガスセミオートライフルほどではありません。
 弾発射時に発生する音の殆どがマズルからのエア破裂音だけのガスセミオートライフルは、性能の高いサイレンサーを装備するだけでボルトアクションライフル以上の消音性能を期待できます。

●実用性(スナイパー優遇レギュ無し)
 1.MC51
 2.クライムバスター
 3.SOCOM
 4.APS2SV

 全ての銃を1j、0.2gとして評価した場合、連射もできるMC51の評価が一番高いと言えるでしょう。
 もちろん狙撃用とした場合ですから、連射性能をあまり高く評価するのは考え物ですが。
 次点はクライムバスター。命中精度と射程距離のバランスによるものです。
 最下位はAPS2SV、1j、0.2gでは否応なく敵に接近して撃たなければならず、それでハズした場合、連射性能の低さから来るリスクを考えるとあまり高く評価できません。
 ハンドガンのSOCOMよりも低く評価するのもどうかと思いましたが、このような結果にしておきました。

●実用性(スナイパー優遇レギュ有り)
 1.APS2SV&クライムバスター
 2.MC51
 3.SOCOM

 スナイパー優遇レギュで1.4j、0.3g程度であれば、APS2SVが充分に活躍できます。
 1j、0.2gと、1.4j、0.3gの射程距離の違いは明かであり、運がよければ50mの距離での狙撃も充分に可能でしょう。
 よって、APS2SVの順位が上がっています。
 クライムパスターの方が射程距離はAPS2SVに劣る物の、APS2SVを上回る連射性能、消音性能を武器にすれば、APS2SV以上に有効なライフルになります。
 逆に0.2g、1jという条件ではMC51やSOCOMの性能は期待できません。
 ある程度狙撃をしていれば分かりますが、中距離以降の弾道の安定性において、0.2g弾は完全に力不足なのです。
 もちろんMC51はアタッカーウェポンとした場合は十分すぎる性能を持っているわけですが、狙撃に関して話をした場合はこのような結果と言えます。

【最後に】
 スナイパーライフル=ボルトアクションといった公式は、必ずしも成り立ちません。

 雰囲気を重視するならともかく、実用性を重視した場合、スナイパー優遇レギュが無い場合のボルトアクションライフルの実用性は決して高くありません。むしろ他の物よりも遙かに劣ります。
 スナイパー優遇レギュがあるか、またはもともと比較的ハイパワーなゲームであれば、射程の長さを活かした遠距離射撃を有効に使うことができます。

 電動は狙撃専用というよりも高い汎用性が魅力です。

 アタッカーウェポンとしても使用でき、どんなシチュエーションにでも対応できます。
 最大の難点は性能というよりも、誰でも使っているありきたりな銃であることであり、性能的不満は無いでしょう。
 しいて上げれば、他の三つにくらべて消音化が難しい事でしょうか。
 セミオートを使うことで、ある程度気づかれづらくはなりますが、やはり他の三つと比べるのは無理な話です。

 実用性が非常に高い反面、フィールドで見かけない物はガスセミオートライフルです。

 古い銃が中心になるため、チューニングの手間はかかりますが、しっかりとセッティングさえ出きれば電動やボルトアクションライフルを上回る性能を持ちます。
 特に消音性能の実用性は絶大で、10m以内で射撃をしても気づかれない事がしばしばあります。

 SOCOMはアクティブスナイパーや、チューニング、カスタムが苦手でノーマルのまま使いたいプレイヤーにはオススメです。

 また、ハンドガンスナイパーをするなら、この銃を選ぶのが最も簡単な方法だと思います。
 難点は標準装備のマウントベースが無く、また、サードパーティが発売しているマウントベースを装着したとしても高価な上に安定感に欠けることです。
 ハンドガンですから性能的には他の3つより劣ると考えて良いでしょう。



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