狙撃手入門3
狙撃手の戦術1
written 2002/11/20
狙撃手というと、遠距離からターゲットを一撃で沈めるイメージがあるかもしれませんが、実際のサバイバルゲームでは、そうもいきません。
それは実銃とは射程距離も違い、フルオートの弾が飛んでくるような距離から相手を撃たなければならないからです。
身の安全を確保しようと遠距離から狙撃を試みれば、こちらの弾も当たらず、逆に反撃を受けてアウトとなってしまいます。
今回は、狙撃手の戦術を簡単に説明してみます。
サバイバルゲームにおける戦術
サバイバルゲームでは、チーム、レギュレーション、フィールドなどの違いにより、有効な戦術は大きく変化します。
あるチーム、フィールドで有効な戦術も、他のチーム、フィールドでは全く役に立たないことも珍しくはありません。
つまり、そのゲームごとにあった戦術を覚え、使う必要があります。
遠距離か、中距離か
狙撃手、つまり遠距離からの一撃。そんなプレイをしたいと思う方も少なくないかと思います。
しかし、レギュレーションがあり、安全が第一であるサバイバルゲームでは、そうもいきません。
多少の狙撃手のレギュレーション優遇があったとしても、狙撃銃、たとえばボルトアクションの飛距離も、フルオートの飛距離も大差がありません。
また、お互い姿が見える状況で遠距離で撃ちあえば、連射が可能なフルオートのほうが短時間に多くの弾を相手に向かってバラ撒ける分有利と言えます。
中距離狙撃手
もし、1ショット1キル(one shot one kill)を狙うのであれば、遠距離射撃はあきらめるしかありません。
むしろ中距離、レギュレーションにもよりますが、20〜30メートル程度から、一撃必中を狙うべきです。
さて、この距離で敵に見つかるようであれば、簡単にアウトになってしまいます。
つまり、相手に見つからずに相手を見つけ、相手より先に必中の一撃をたたき込むことが大事なこととなります。
特にボルトアクションを使う場合、フルオートとの違いは、その隠密性にあります。
電動フルオートでトリガーを引けば、居場所が特定されてしまい、たとえその1トリガーで敵を一人倒したとしても、後続の敵との戦いには位置がバレてしまいます。
しかし、単発、しかもボルトアクションのように発射音が小さいもので倒せば、敵の後続はこちらの居場所を発見できず、次の行動をとりづらいということになります。
遠距離狙撃手
遠距離からの一撃は、銃の性能、レギュレーション、そして風が非常に大事です。
遠距離専門の狙撃手は、今の一般的なレギュレーションでは不可能に近い存在ですので、残念ながらあきらめたほうが良いでしょう。
といっても、遠距離から絶対撃たないのではなく、チャンスがあれば撃ち込むの戦術のうちです。
見つからないことの重要性
狙撃手、特にボルトアクションのような連射が出来ない銃の場合「敵に見つかる=即、死」と言われることがあります。
あながち間違っていませんが、逆に言えば「見つからない限り撃たれない」のです。
もちろん、これはボルトアクションユーザー、狙撃手に限ったことではありません。
サバイバルゲームにおいて、相手の弾が当たる場合、90%以上は撃った相手はこちらを確認し、狙って撃ってきています。
この中には「自分の姿は相手に見えていないが、草を揺らしてしまい撃ち込まれた」も含めるとしましょう。これも相手の見つかったには違いありません。
見つからない状況から撃たれるのは、相手のバラ撒きによる死亡です。
主にはアンラッキーヒットとなってしまいますが、中には「誰もが隠れるような位置に潜伏していたため、探り撃ちで当てられた」もあります。これはこれで、隠れる場所に問題があったと言えるでしょう。
もし、あなたの姿が絶対に相手に発見されないのであれば、アンラッキーヒット以外は怖くありません。
だからこそ「絶対に見つからない」が大事なのであり、そのための偽装、動き、射撃方法、静かな発射音が求められます。
なぜ見つかるか?
さて、サバイバルゲームにおいて、なぜ相手に発見されてしまうのでしょう。
大きく分けて、以下のようになると思います。
・普通に視認された。
・動き(自分の体、頭、腕、銃身)
・音。
・弾道。
・カン。
普通に視認された
まず一番上の「普通に視認された」です。
もちろんこれではいけませんが、慣れないうちは、こうして簡単に見つかってしまいます。
慣れてもフィールドによっては、やはり見つかってしまうでしょう。隠れる場所が少ないフィールドでは、見つからないことはなかなか難しいことです。
後に説明する動きと音を除けば、もっとも基礎的で大事なことは、以下の通りです。
・姿勢を低くする(伏せるのがベストだが、伏せたままだと遠くまで見通せない)
・日陰など暗い場所に潜伏。
・周囲に草木が多い場所を選ぶ。
動き
ある程度慣れてくると、動きをどうするかが問題となってきます。
人間の目は、動く物によく反応します。
完璧なまでの偽装を施し、深いブッシュに潜んでいても、わずかに動くだけで見つかるのは、よくあることです。
また、自分が相手を探す場面でも、ブッシュごしに何かが動いている、またブッシュが揺れているために敵を見つける、ということは、サバイバルゲームをしていれば毎度のことです。
動く物に反応する敵の目から逃れるためには、ゆっくり動くことがベストです。
ゆっくり動き続けるのはなかなか至難の業で、途中、少しでも素早く動いてはいけません。
一定のスピードで、ゆっくりと動き続けるのが大事です。
また、見つかり安い場所で、頭、腕、銃身があります。
まず頭は、敵を探すために首を振ることで見つかります。
目だけ動かして策敵できる範囲は、首を振らずに目だけを動かし策敵する必要があります。
そしてボルトアクションでは特に見つかる要因となってしまうのが腕、それもボルトを引く右腕の動きです。
動かさなければ良いのですが、それではコッキングができません。
ピストンコックの状態から一撃で相手を倒したとしても、次の敵を撃つまでには、必ずコッキングする必要があります。
しかし、焦ってはいけません、ボルトを引くのに10秒かけたとしても、敵に見つからなければ良いのですから、腕の動きで敵に見つからないよう、ゆっくりとコッキングするべきです。
私の場合、ボルトハンドルを上げてから、コッキングを終えるまで、15秒以上かけることも珍しくありません。
体以外では、銃の銃身の動きが大事です。
銃身を振ってしまうと、正面の敵よりも側面の敵に見つかってしまいます。
もちろん、長い銃身の銃ほど見つかりやすく、さらにセミオートより、ボルトコッキング時に銃身が動いてしまいやすいボルトアクションライフルのほうが見つかりやすいでしょうか。
ボルトアクションの場合、コッキング時には銃身を動かさずに行う必要があります。
他には草の揺れに注意です。
自分の体を動かしてしまい、周囲の草を動かせば、それだけで居場所がバレます。
背の高い草は動かさないように動く必要があります。
音
動きの次は音です。
音は大きく分ければ二種類、移動音と発射音です。
他にコッキング時の音がありますが、これは静かにコッキングできるように練習する必要があります。
移動音にせよ、発射音にせよ、完璧に立てないのは無理と言えます。
そのために移動は風に吹いた時、別な場所での銃撃が始まった時など、他になんらかの音が発生した時に行うことが有効です。
少し汚い技ですが、アウトになったプレイヤーの移動音に紛れる方法もあります。
移動による音をまず説明しますが、そのまえに移動姿勢です。
普通に立った移動や、しゃがんだ状態の移動は、移動速度が速く疲れないのは良いのですが、相手に視認されやすく、非常に危険です。
視認された後にすぐに撃たれなくても、静かに追跡、または移動先を予測されて仕留められることもあります。
視認されないためには匍匐がベストです。もちろん移動が遅いなどのデメリットが存在します。
移動音は、ゆっくり動けば動くほど小さくなります、また、枯れ草の多い場所は、前もってさけてルートを決める必要があります。
なにせ静かに匍匐しようとすれば、移動速度が遅いのですから、余計なルートを選んでしまい引き返してしまうのは避けるべきことです。
移動音の次は発射音です。
発射音も完全には隠せません、どんな静かな銃でも発射音がします。
これを隠すためには、他のプレイヤーが射撃中に、その音に紛れて一発撃ち込むのがベストです。
この「他のプレイヤー」とは、敵でも味方でもかまいませんし、敵の場合、射撃中の本人を狙っても、それ以外の敵を狙っても、発射音は聞き取られづらくなるでしょう。
弾道
場合によっては撃った弾道で敵に見つかることがあります。
大抵の弾は視認性を重視して白い色ですので、見つかりやすいわけです。
見つからない為には、光量の少ない場所を弾道にすることでしょうか。
弾道上に陽が差し込むような場所があると、そこを通過される時に弾道が見つかってしまいます。
弾道が見えてしまうのは、こちらの位置がバレやすいので非常に危険です。
また、弾道ではありませんが、自分の撃った弾が目の前の草に当たり、草の揺れで見つかることもあります。
カン
相手も慣れたプレイヤーですと、カンで見つけてきます。
とくに相手がフィールド慣れしている場合、狙撃手が潜むポイントも予測できますから、読まれやすいような場所には潜まないとする他ありません。
見つからないこと、まとめ
今回は主に「見つからないこと」を書いてみました。
これは「敵を倒すこと」以上に大切です。
先にも書きましたが、サバイバルゲームではアンラッキーヒット以外は「見つからない限り撃たれない」のです。
このことを肝に銘じ行動すれば、防御面はOKですし、それが最も大事なことです。
次は、いよいよ攻撃の話です。