自作サイレンサー製作
消音のために欠かすことのできないパーツであるサイレンサー。
市販品はなかなか高価な上、たんに買ってつけるだけでは、あまり勉強にはなりません。
そこで、新たな知識を得るためにも、自作サイレンサーを製作をお薦めします。
サイレンサー自体をつくるのは、それほど難しくもなく、問題なのはアタッチメントの製作です。
ここのコンテンツでは、装着する銃にM16を例にあげ、それに付くサイレンサーの製作を紹介しています。
材料
太いパイプ(写真では外径30mm)
細いパイプ(写真では外径10mm、内径8mm)
この中を弾が通るため、初めは内径10mm、外径12mm程度で試したほうが楽です。
ビニールテープ(黒がベスト)
ティッシュペーパー(吸音材に使用。スポンジなどがあれば、それらでも。何が効果が高いはご自身でお確かめください)
パイプなどの購入は日曜大工の店でできます。
必要な工具
カナノコ、太い板ヤスリ、細い棒ヤスリ(ドリルがあるなら不要)
ハサミ
あると便利な工具
左:パイプカッター
右:電動ドリル
実際の作業
まず、アウターパイプを切断します。
これには、サイレンサーのインナーパイプ、アウターバレル固定部分両方が入る長さが必要なため、長めにとってください。
たとえばインナーパイプの長さが10cm、銃へ固定する部分の長さが10cmであれば、アウターパイプは最低20cm必要です。
インナーパイプを切断します。
長いほど効果は高くなりますが、長いほど固定が難しくなるため、初めは10cmかそれ以下で試すのが良いでしょう。
細いパイプを切り取ったら、両端2cm以外の場所にたくさんの穴を開けます。
この穴から音を外にだして、アウターパイプとインナーパイプの間に置かれた吸音材で吸収します。
両側2cmずつには穴をあけてはいけません。
これは、サイレンサーのインナーパイプとなります。
写真のものは電動ドリルで穴を開けていますが、電動ドリルが無い場合、細い棒ヤスリで地道にいくつも穴をつくっていくしかありません。
かなり手間のかかり作業になってしまいますが、がんばってください。
また、とくにドリルの場合、パイプの内側にバリができてしまうため、それは丁寧にとりはらってください。
とりはらわないと弾が接触してしまいます。
とりはらうためには、細いヤスリを差し込み、地道に削って行きます。
インナーパイプの両側にテープを巻きつけます。何重にも巻きつけ、アウターパイプの内径と同じ太さになるようにしてください。
これがビニールテープを巻き終えた写真です。
今までの写真とインナーパイプの色が違っていますが、写真をとるにあたり、同じ色の素材が用意できなかったために、この色になってしまいました。
このように何重にも撒きつけたテープは、型くずれを起こしやすいので、しっかりと厚さがきまったあとに瞬間接着剤を側面に流し込むことで型くずれを防止できます。
吸音材となるティッシュペーパーを撒きつけます。
スポンジなどのほうが効果があるかもしれませんが、そのへんはいろいろと試して見てください。
吸音材を撒いたインナーパイプをアウターパイプに入れます。
この時、ぴったり収まるようにするため、インナーパイプにあれほどのビニールテープを撒いたわけです。
銃本体のバレルにビニールテープを撒きます。
ガタを防止するため、最低二箇所撒いてください。
つまのこの写真の場合、写真でフラッシュハイダーの後ろに撒いていますが、もう一箇所は、フロンサイトの前あたりに撒く必要があります。
インナーパイプの時と同様、アウターパイプの内径とぴったりあう太さにしてください。
きつすぎると入らず、ゆるすぎるとガタついたり、使用してるうちに滑り落ちてきたりします。
見ての通り、M16系はアウターバレルが突き出しているのでこのような方法がとれます。
つまり、たとえばMP5A5、P90などの銃では、同じ方法はとれません。
ハンドガンも一部を除くと無理なものが多いですね。
逆にM16同様の方法を取れるものは、STEYR−AUG、SS9、UZI、FAMAS−SV、PSG−1等があります。
APS2も、太めのアウターパイプなら可能です。
この方法でのサイレンサー固定ができない銃では、他に方法を考えなければ自作は無理となります。
アウターパイプを差し込んで完成です。
内部構造はこうなっています。
アウターバレルがビニーテープの厚みでアウターパイプを支え、その中にインナーパイプが納まっています。
アウターバレルとアウターパイプの固定、アウターパイプはインナーパイプの固定はビニールテープを介して行われているため、ビニールテープが非常に重要な役割を持っています。
サイレンサーをはずしてみた例。
この写真ではアウターバレルの二箇所のビニールテープを取り払っています。サイレンサーを固定するためにはそれらのビニールテープは必ず必要です。
サイレンサーを使用する場合、フラッシュハイダーが不要なのではずしています。
また、吸音材も写っていませんが、実際の使用の場合には吸音材を使います。
アウターパイプには迷彩塗装を施しています。
効果
自作とはいえ、効果は充分にあります。
市販品をそのまま使うのと違い、自分の用途にあった物をつくれるため、市販品以上の効果をだすことも不可能ではありません。
そのためには、さまざまな試行錯誤が必要になるでしょう。
その他
最初の一作品は完成させることだけを考えてください。
効果などを期待するのはその次からです。
効果をあげるためには、以下のような方法があります。
インナーパイプの内径を細くする。
インナーパイプの穴を増やす、全長を延ばす。
アウターパイプを太くする。
吸音材を変更する。
このへんは、いろいろと試して見てより良い物に挑戦してみてください。
サイレンサーを長くする、インナーパイプの内径を小さくするなどは、サイレンサーのインナーパイプ内にBB弾が接触しやすくなってしまいます。
もし接触すると弾道が大きく狂い非常に危険です。
サイレンサーを装着してまず初めは、屋外など、弾道が大きく変わっても安全な場所で試射を行ってください。