銃刀法の改正と、その対策
2006年、銃刀法改正が現実味を帯びてきました。
この銃刀法改正が行われると、0.99j以上のエアガンが準空気銃として銃刀法に触れます。
この銃刀法改正は2006/3現在、確定ではありませんが、かなり高い確率で実現してしまうと思われます。
この法改正の引き金になったのは、2005年の関西地方で起きたエアガンを使った事件。
改造エアガンによって車のガラスが割られた事件です。
例の事件に使われたエアガンは桁違いのパワーが高い改造エアガンで、ジュール値になおすと10Jを軽くオーバーしているようです。
それに対し、法改正で予定されている規制値は1J。
そこには10倍以上の差があるのです。
どうもおかしな話と感じていますが、これが法律として決まってしまった場合は、私たちユーザーは、それに従うしかありません。
銃刀法改正予定の概要
●測定方法
銃口から1mの距離でジュール値を計り、それが1平方センチメートルあたり3.5Jをオーバーしていた場合。
1平方センチメートルの場合であり、6mmBB弾の場合、0.99Jからが違法ラインになります。決して3.5Jではありません。
8mmBB弾の場合は、面積が大きいために安全ラインも大きくなります。
●罰則
30万円以下の罰金、または1年以下の懲役。
●銃刀法改正に対して
以上のような法律改正が現実になりそうです。
現在、多くのサバイバルゲームチームで1J前後を上限にサバイバルゲームを行っているかと思いますが、今後は1Jではすでに違法ラインに達してしまうため、レギュレーションを下げておいたほうが無難です。
エアガンのパワーは条件により変化することを忘れてはいけません。
ホップのかけ方や弾の種類、気温によっても変化します。
特にガスガンの場合は気温による変化は大きく、また、ガスガン以外でも気温による変化は多少存在しています。
これらのため、違法ラインまで、ある程度の余裕を持ってレギュレーションを作って置いた方が良さそうです。
具体的に言えば、0.2gで90m/s程度を限界ラインにしておかなければ、いざ測定した時に0.99J(初速で99m/s程度)オーバーが考えられます。
また、現在パワーアップスプリングを組み込んでいた場合、ノーマルスプリングに戻して置いた方が良いかと思います。
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・マルイ電動ガン
カスタムスプリングを組んでいた場合、その殆どのスプリングで1Jをオーバーします。
M90や0.8Jスプリングなど、表記上は1Jを越えない物でも、1Jを越える事は珍しくありません。
カスタムスプリングを組んでいた場合、ノーマルに戻しておくことを推奨します。
・VSR10系
ノーマル状態であれば問題無いと思われます。
カスタムスプリングの殆どで1Jをオーバーしますので、ノーマルに戻しておかなければなりません。
・APS2系
ノーマル状態であれば問題ないと思われます。
ただし、もともとの初速が高めの銃ですので、ノーマルスプリングであっても念のため初速を測定しておいたほうが良さそうです。
カスタムスプリングの殆どで1Jをオーバーしますので、ノーマルに戻しておかなければなりません。
・その他、パワーオーバーする可能性が高い銃
デジコン系の殆ど
タナカ・ペガサス系。とくにバレル長さが6インチ以上のリボルバーと、ライフル系。
マルシン・マキシ系。6mmの物。
JAC・アサヒ等、昔のBV式フルオートガスガン。
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●現在、パワーオーバーの銃を持っている場合
残念ながら処分するか、パワーを落とすしかありません。
ノーマル状態でパワーオーバーの銃の場合、販売側がパワーダウン処理を行うようですが、自分でパワーアップパーツ等を組み込んでパワーオーバーにしている場合は、それらのパーツを元にも度すなど、自分でパワーを元に戻さなくてはいけません。
決して「見つからなければ良い」という考えを持たないようにしてください。
●限界ギリギリまでパワーを上げないこと
今まで、各チームのレギュレーションギリギリまでパワーを上げるプレイヤーを多く見てきました。
今回、銃刀法改正され、その限界ギリギリまでパワーを上げるのは危険極まりない行為です。
最低でも0.2g弾使用時に10m/s程度の余裕を持った方が良いでしょう。
気温による初速変化の大きいガスガンの場合は、さらに大きい余裕が欲しいところです。
●一般人の感覚
この趣味を知らない、興味の無い方々にとっては、現在のエアガンのパワーは大きな脅威です。
なにせBB弾を50m以上先まで到達させ、さらにそれを秒間10発以上発射できるのです。
弾を遠くまで飛ばすことはホップのおかげで出来ている事ですが、この趣味に興味のない方々にとっては、そのような事を知るわけもなく、単に50m以上飛ばす程の強力なパワーがあるとしか受け取られないでしょう。
個人的な提案
ここから先は、私の個人的見解を書いています。
●スナイパー優遇
現在、スナイパーライフルだけ1J以上のパワーを認めているチームは多いと思います。
今後、0.99Jの違法ラインが引かれれば、全ての銃の初速をそれ以下に下げなければなりません。
前にも書いている通り、余裕を持たせようとすれば90m/s(0.2g)以下が望ましいでしょう。
現在、マルイ電動銃の殆どの初速は、0.2g使用時の80m〜90m/sという事を考えると、スナイパーライフルがパワーで電動フルオート以上にはできません。
そこで、使用弾によりスナイパーライフルを優遇してはどうでしょうか?
具体的に言うと電動フルオートは0.2g以下の弾。セミオートは0.25g以下。ボルトアクションライフルは0.3g以下の弾といったようにです。
実際、初速90m/s以下では0.3g弾を使うメリットは大きくありませんが、それでも0.3g弾にはグランドマスター弾等、精度の高い弾も存在し、それらの弾が選択可能となることにより、多少のアドバンテージになります。
●弾数規制
スナイパーライフルやセミオートライフルにパワーによる優位点が無くなるのであれば、フルオート銃に対して、ある程度の制限を設け、結果、さまざまな銃の使用をしやすくする方法もあります。
たとえば弾数規制を設け、1ゲームの使用弾数を300発や200発、さらにいえば100発に制限することで、フルオートの圧倒的強さを押さえることが可能です。
実際、弾数無制限戦はオーバーキルやゾンビを増す事と繋がったり、また環境問題としてもよくありません。
たとえバイオ弾を使ったとしても、無駄に大量のBB弾をまき散らすことは環境に配慮してサバイバルゲームをしていると言えるでしょうか?
たとえば通りすがりの一般人が遠くからサバイバルゲームを見ていたとします。
あるチームはバイオ弾を使わず、厳しい弾数制限の元、ほとんど弾を撃っていません。
またあるチームは、バイオ弾を使い、弾数無制限で1ゲームに何百発の弾をバラ撒いています。
どちらのチームが環境に配慮しているように思われるでしょうか?一般人にはバイオ弾かどうかの区別など付かないのです。
また、ゲーム後、フィールドに少しだけのプラ弾が落ちているフィールドと、大量のバイオ弾が落ちているフィールド、一般人が入り込んで落ちている弾を見た場合、どちらのフィールドが環境に配慮しているように思われるでしょうか?
決してバイオ弾の使用を評価していないわけではありません。
しかし、それ以前に環境に配慮しているのであれば、する事があるのではないか?ということです。
●今後
これからは全体的なエアガンのパワーがやや低くなると思われます。
現在、マルイの電動銃の初速は80m/s〜90m/sと書きました。
他にも90m/s台のエアガンはAPS2系を初めとし、けっこうな数が存在します。
0.99Jの違法ライン(0.2gで約99m/s)が引かれた場合、万が一のパワーオーバーを考えると90m/sを越えるエアガンの所持には危険がつきまといます。
もし、全体的にエアガンのパワーが落ちたとして、それが必ず悪い事かと言うと、そうではないと考えます。
確かに、今までのエアガンの一部が使えないなどの不都合もありますが、エアガンのパワーが落ちるということは、今後、この趣味を新しく始める方々にとっては、より手軽にプレイできる遊びになったことと思います。
たとえば、昔、エアガンのパワーも今より高く、エアガンの改造が当たり前の時代がありました。
そのような世界には、新しく参加しようとする人間も少なく、新しいプレイヤーが増えづらい環境です。
しかし、今は昔に比べるとエアガンのパワーも落ち、改造が減った事で、新規参加者が増えやすくなりました。
それでも今現在もカスタムスプリングや、多少パワーアップしたような銃はあふれています。
多少のパワーアップとはいえ、パワーアップはパワーアップに違いありません。この趣味を知らない物からすれば「改造により威力を高めたエアガン」となることを忘れてはいけません。
そのようなエアガンが減ることで、この趣味のイメージがよくなり、また新規参加者が増えるのではないでしょうか。
もちろん、それに対し、すでにこの趣味を行っている私たちのモラルやモナーと言った物が大事であることを忘れてはいけません。