ホップと命中精度2


 ホップは弾道安定性に最も重要な要素の一つです。
 そして、ホップをかける瞬間、その構造により弾道安定性は大きく変化します。

 この図は、バレルを後ろから見たところです。
 やや青みがかかっている部分が弾。
 黒い部分がホップをかけるラバーパーツ。
 そして金色の部分がインナーバレルを表しています。
hopup2_1.jpg(23754 byte)
 マルイのタイプでは、ホップを書けるラバーチャンバーに左右幅があります。
 しかしBB弾は円形なので、実際ラバーチャンバーの多くの面積がBB弾に接するわけではありません。
 
 APS2等の場合、バレルに円形の穴があり、そこにホップ用のラバーゴムを入れる方式です。
 マルイ系に比べて左右幅は小さいですが、弾に接する面積はマルイ系とあまり変わりません。
 一番右は「二点ホップ」として書いた物です。二カ所でホップをかけ、安定したスピンをかける方式となります。
 実際ノーマル状態から採用されている銃となると、思い当たりませんが、これを参考の一つとして、以後の話を進めます。


KSCのガスハンドガンとマルイ電動ガンの例

 次の図は、左側がKSCガスハンドガン、右側がマルイ電動ガンのホップのかけ方です。
hopup2_2.jpg(39997 byte)
 KSCの方はボールベアリングを通してラバーチャンバーを押し込む方式を採用しているものが多いのですが、これでは弾道が安定しづらくなります。
 なぜなら、ボールベアリングを使う事で中心点だけが圧迫され、弾がホップ位置を通過する地点で、ラバーチャンバーを押し上げた場合、右上、左上のラバーチャンバーはあっさりと逃げてしまうためです。
 図では、その力の逃げを赤い矢印で記入しています。
 
 対して、一般的に評判の良いマルイホップ。
 こちらはボールベアリングのかわりに、ラバーチューブを介してホップラバーを押し込んでいます。
 この方式ですとKSC方式よりも安定しますが、力が中心点だけに掛かりやすいのは事実です。
 図で斜めの赤い矢印が長くなっているように、斜め上方向の力は逃げやすくなり、結果、真上からの一点集中ホップになりやすくなります。
 KSC方式よりも救われている部分は、ラバーチューブがベアリングにくらべて柔らかい事と、ベアリングに比べて幅が広い為、一点集中になりづらいことです。


マルイグロック26、SOCOM、VSR10−G−SPECの例

 次は、ハンドガンとしては驚異的な弾道安定性のマルイグロック26、マルイ固定スライドのガスSOCOM。
 それからVSR10−G−SPECのホップ方式です。
hopup2_3.jpg(21462 byte)
 これらの銃はラバーチューブを使用していません。
 代わりに、金属板、あるいはプラパーツより、ラバーチューブを直接押し込んでいる方式です。
 この方式は大変優れた方式で、ラバーチャンバーを二カ所で押しています。
 そのため、電動ガンとは対称的に、真名の矢印が一番長くなっています。つまり、真上部分が一番力の逃げやすい部分です。
 つまり実際にホップを書けているのは、中心よりやや右にズレた位置と、やや左にズレた位置の二カ所です。
 これらの銃の弾道が安定しているのも頷けます。


マルイ電動ガンを二点ホップにする方法

 マルイ電動ガンでも、次のような2つの方法により、2点でホップをかけることができます。
hopup2_4.jpg(19867 byte)
 図左側:ラバーチューブの真ん中を細くする、あるいは左右幅を太くする。
 図右側:ラバーチューブを押し込むパーツの真ん中を削り、二カ所でラバーチューブを押し込む。
 ※右側の方法の場合、力の掛かり方がより間接的になるため、あまり実用的では無さそうです。


Vパッキンの例

 一部のカスタムチャンバーや、マルイのNEWパイソンに使用されている方法がこのタイプです。
hopup2_5.jpg(16754 byte)
 パッキンの真ん中部分がややへこんでおり、真ん中は弾と接触しません。
 ※この図だけは、赤い矢印の向きが「力の逃げ方」ではなく、「ホップによる弾へのスピンのかけ方」となり、他の図とは逆方向を向いています。


横から見たホップの形状

 次の図は、バレルを横から見た状態です。
hopup2_6.jpg(20570 byte)
 ぱっと見て、どのラバーチャンバーの形状が安定するでしょうか。
 一番上は一般的な形状、半円形。
 二番目は角が直角になってタイプ。
 一番下は電気くらげなどの使用されいる斜面タイプ。
 
 個人的には一番目のタイプが最も普及している事に疑問を感じます。一番目がもっとも優れているのでしょうか?

i_back1.gif