掌の上の命
スコープの中に奴の顔が見える...確実に仕留められる距離。奴の命は私の掌
の上、
指先にかかるほんの数百グラムの圧力で奴の命は終わってしまうのだ。
トリガーに指をかけた状態でもう一度スコープを覗き込む。背筋に走るゾクゾク
感!!
緩やかに指の圧力を上げ、シアが開放されて飛び出す弾丸...
数秒後には奴の死体が転がる筈だった。
しかし......
急に決まったゲーム、小人数なのでいつもの奥のフィールドで行う事に決定し、
時間に会わせて出発する。
いつものフィールドは遊歩道が出来るらしく下草が刈られ、バリケードとして積
み上げていた
木の枝もすっかりと撤去されていた。
我々がボランティアでゴミ拾いをし、下草もあまり濃くなく、遊歩道にしようと
考えた人間は
絶好の場を見つけたと思った事だろう。
だがこの場所は私たちの努力できれいになっていた場所なのである。
遊歩道で整備する時の整備費が浮いたらちょっとは遊ばせて欲しい物である。
(^^;;
てな事言っても、1年後には多分聞き入れてもらえない筈なので、
その奥のフィールドに移動してのゲームとなりました。
奥の方はブッシュが所々濃く、3m位の丘もあれば谷間のような所もあり、真っ
向勝負の撃ち合いより
ゲリラ戦を好む我がチームアルマには絶好の場所であった。
なぜ今までここを使わなかったのか?あまりに駐車場から遠くて誰も来たがらな
い場所だったから
なんですが、今回の遊歩道整備の「せい」か「おかげ」なのか小人数なから十二
分に燃える事できる
フィールドでのゲームでの事でした。
スタート前のブリーフィング。丘の上からの丘の下のブッシュ際への威嚇射撃が
2人、
右サイドからの攻撃を一人、左の迂回から威嚇と背後取りを私一人で行くことを
決め
スタートの合図をする。
合図と同時に左に走り、一気に丘を下りブッシュの手前に伏せる。
バイポッドを立てバトラーキャップを開け敵フラッグ近くを見まわす。
敵チームはまるっきり作戦無しのようで、4人まとまって進んでくる。
一人が私の正面に方向を変え進んでくるとちょうど40m位で索敵のためだろう
か立ち止まり
しゃがんでいる。その間に方向を変えずに進んでいた2人が私の右側30mにま
で近寄っていた。
が、下手に動くとバレるだろうと思いそのままの姿勢を続ける。
ボルトは坂を下りる時に引いてあり、レティクルをターゲットに合わせトリガー
を引くだけである。
それまでの間に敵はプローンの姿勢になっていて、顔だけが下草の間から見えて
いる。
左右を見まわしている敵の顔が見える。
距離は40m、風は微風で向い風、下草が気になるが顔の中央にレティクルを合
わせ、
ゆっくりとトリガーを絞る!!!
レティクルの中央を飛んでいく弾!
相手に気付かれずに殺す、スナイパーの恐怖をさらに浸透させた事だろうとほく
そえむ瞬間
弾が突然フォークのごとく敵の数m手前に着弾してしまった。
敵にとっては九死に一生のWarning Shot!!!
「スナイパー!!!!」
と言って立ち上がろうとする敵
しかし「スナイパー」って言い終わったあたりで次弾装填済み!!すかさず次弾
を撃ち込む。
「ヒット~~~」
何だったんだろうファーストショットは?弾のバリか、コッキングのスピードが
速すぎたためか
突然の逆風だったのか....
とりあえずは倒せた物の、その後は先行してきていた2人の敵から一度に撃ち込
まれあえなく
死亡してしまいました。
セイフティーに戻ってきてから、次ゲームの準備をするためにBB弾の袋を取
り、手のひらに
数発出して見ると、原因が分かった。湯口の残りがあるものがけっこう多い事に
気付く。
そうか、こんな事なら一発づつベケットよろしくヤスリで湯口を取るって事をし
なければと
思いながら、その日のゲームはとりあえずいい玉だけを選んでいる私でした。
(^^;;;