side arm attack!


某日、今回僕達は(私とTさん)とある森に来ていた。

今回のフィールドは、100m×250m程の縦長の森で、中心部に開けた原っぱがあったり、
左右に森とブッシュエリアがあったりと、なかなか面白そうなところでした。(いつも言ってる気が・・・)

レギュレーションは、パワーが1.0J(0.2gで100m/sかな?)で、ライフルが1.2J(0.2gで109m/sかな?)、弾は0.25gまでで、
ライフルは0.3gの使用を認め、ゴーグルの着用の義務、弾数は無制限とし、多弾数Magの使用を認めるといったもの。
ほとんどの人が、電動ガンをチューニングしたものを使っており、スナイパーだという人も、PSG-1やSIG・AUG等にスコープを
取り付けてやっていました。

チームリーダーの人に、
「ボルトアクションライフルを使う人はいないのですか?」
と聞いたところ、
「以前、もっとレギュレーションが高かった頃はいましたが今はいません。」
ということである。(かっ悲しいことだ・・・)

しかし、こんな状況下でこそ、真のスナイパー(だっ誰が?・・・)としてがんばらねばならない!
そして、ボルトアクション・スナイパーのすばらしさを皆さんに知っていただかなくては・・・
(変な使命感に燃える僕であった)

さて、今回僕達がこのフィールドに合わせて用意した銃は、
僕が、東京マルイ・M4A1(っておい!)を、Z-SHOTさんのフルチューンナップキット・スタンダードを組みこんだものを使用(0.2gで
327fps→99m/s誤差2fps)タスコさんのプロポイント5をくっつけてあります。
サイドアームにKSC・Mk23・US・SOCOMを使用こちらはノーマル、そしてTさんには内緒で、あるものを・・・
Tさんは、レギュが低いこともあり、普段使用しているコクサイのクライムバスターはお休み、東京マルイ・AK47をチューニング
したものを使用(0.2gで312fps→94.5m/s)サイドアームには、これまた電動で、M16を切り詰めたショートバージョン
(僕らはベビーと呼んでいる)を使用、ユニットはノーマルである。(253fps→76m/s)

ビジターである僕らは、グーパーをして分かれ、青軍と黄軍に分かれた。
今回は敵同士である・・・

何ゲームかやっていくうちに、このフィールドが、けしてスナイピングに向いていなくはない、ということに気づく。
ゲーム内容的にいえば、中央の開けたところ(約45m~60m)をはさんで撃ち合い、そこはほとんど膠着してしまう。
その間、左右のブッシュエリアからの遊撃隊が回り込みそれに成功したほうが有利となる。
となれば、正確に狙撃できるのであれば中央エリアはまさにスナイピング天国!(パラダイスと読もう)
さらに、回り込み時にも隠密性の高いボルトアクションライフルなら、効果は絶大!
(さて僕は?・・・)

お昼のインターバルである。
「なあ、何人ぐらい倒した?」
Tさんが聞いてきた。
「5人ぐらいかな、Tさんは?」
「おまえを2回を含めて13人てとこか」
うっ・・・そう、僕はTさんに2回もゲットされているのである。
味方だと良いが、敵だとこれほど恐ろしいものはない、年間を通してみても僕がTさんをゲットすることはまれであり、
(というより、去年は一回も取れなかった・・・トホホ・・・)逆は、多数確認されている・・・
「おまえAPSとかもってきてないの?ここはライフルのほうが良いような気がするけど」
「うーん・・・」
僕はすっとぼけた、彼に悟られてはならない。
「まっ、M4もいい銃だしな、せいぜいがんばんな」
彼はそういって、装備を付けスタート地点へと歩いていった。

「今がチャンスだな!」
僕はそうつぶやき、車のトランクから大きなガンケースを取り出した。
Tさんに隠しながら持ってきたこの銃はマルゼンのAPS・SV(お待たせしました!)
各部に消音用のチューニングを施し、レギュに合わせて各部調整・チューニング、
バレルはシェリフさんのLRBを使用(0.3gで調整(シェリフ依頼)、0.2gで350fps誤差、1fpsもちろんマルゼンのグランドマスター弾を使用)
ほぼ、無音で撃ち出される弾は40mほどのマンターゲットなら一発必中である。
スコープにタスコさんのAG27×32WAを使用して40mでゼロイン、ついでにハリス社製のパイポッドを付けて、
気分を出してみました、Magはいつものマルイ・ゼンマイ使用の200連Mag。

なぜ、Tさんに隠す必要が?そう思われる方もいると思います。
理由は、特には無いのですが、なんとなくそうなってしまったから・・・(深い考えを想像していた方、スイマセン)
たまたま、使う予定の無かったSVのLRBが前日とどいた、たまたまTさんが仕事で、前日の打ち合わせができなかった・・・
成り行き上そうなってしまっただけ・・・(だったら、こんなに引っ張らんでも・・・)
「電動でやるといっておいて、APS使ったらTさんもびっくりするかな?フフフ・・・」

「あれ、ボルトでやるんですか?」
スタート地点に行くとSG-1を持っている人が話しかけてきた。
「ええ、ここなら結構行けるんじゃないかなと思いまして・・・」
「まあ、がんばってみてください・・・」

ゲームがスタートした、僕はあらかじめ目をつけておいたブッシュの中へ走って行って飛び込んだ。
そこは、ほぼ全域に渡って見とうしが良くまた敵の遊撃隊の通り道もカバーできる。
ハリスのパイポッドを展開してスコープを覗きこむ、いた!

前方から3名前進してくる敵がいた、全て電動のM16を使用しており、中央の開けたエリアを警戒しつつ、
迂回中であった。

「距離は約60mか、今撃ったら気づかれてしまい不利だな」
僕は確実に当てられる距離まで近づいてくるのを待った、敵は、少しずつスコープの中で大きくなっていき、
ぞくぞくするものがこみ上げてくる。
やがて、敵の前進が止まった・・・
約30mくらいのところで、左のほうを指差して何かを話している。
「チャンスだ!」
僕は迷うことなく3人のうち一番後方を歩いている敵にレティクルを重ねた・・・

シュッ!
弾の風きり音がして敵が両手を上げて立ち上がった。

「よし!次!」
静かにボルトをコックして何が起きているかわからない二人にサイティングする・・・
「こんどは・・・」
セオリーどうり、次は一番前の敵を撃つ。

シュッ・・・カーン!
狙いどうり、銃に当たり大きな音がした・・・
スコープの中でやられたものと、残されるものがいる・・・
前者は、悔しそうに辺りを見まわしながら帰っていき。
後者は、何とか僕を発見しようときょろきょろしている。

「ふふ、わからないだろう・・・」
このとき僕はブッシュの中にプローン姿勢で入っており、ブッシュの先端からは銃口がちょっと覗いているだけで
後は、ほとんど見えない・・・(とっ思う)
そして、残された敵は、辺りに確認のための射撃をして恐怖を紛らわしていた。

僕はゆっくりと彼を倒すための弾をチャンバーに送りこんだ。
彼は細い木の後ろに隠れ、見当違いのところにフルオートで撃ちこんでいた。

シュッ・・・カーン!
彼との距離は25m程だったのでゴーグルを狙ってみる。
弾はまっすぐ飛び、彼のゴーグルに吸い込まれていき大きな音を残した・・・

「おおっ!我ながらナイス!」
想像以上の成果に僕は素直に喜び、さらに前進して中央で膠着している敵部隊の側面に回り込んでやろうと思い、
その場を 後にした。

10mほど前進したところでスコープにより敵の配置を確認する。
倍率を9倍まで上げて索敵・・・・・
僕は、向かって左からの迂回ルートを前進していたのですが、濃いブッシュや、木々に囲まれていて敵方からの発見は、
非常に困難であると予想される。
また、遊撃隊3名がこの段階でやられているとは予想できないはずなので、比較的簡単に中央エリアで膠着している
敵の部隊の側面に出ることができた。(このへんが、無音スナイパーの良いところである)

「いた!」
タスコのスコープの中に、はっきりと彼の姿があった・・・Tさんである。
彼は僕の左前方40mほどのところで、スタンディング姿勢でAKを撃ちまくっていた。
彼の回りには2名ほどの敵がいた、一人は電動のSIG551スコープ付き、もう一人はPSG-1である。

「うーん、どうしよう射程内だし気づかれていないから撃ちたいところだが、さてどれから倒したらいいか・・・」
セオリーで行けばとりあえず索敵能力の高いスコープ付き551、次にPSG-1、最後にAKと行きたいが、
Tさんのことだ一人目はすんなり行くとしても、二人目の狙撃までチャンスを与えたらこの場所がばれる危険性が高い、
彼にはそれだけの経験と実力がある・・・ベテランなのだ。

「過大評価・・・身内びいき・・・うーん・・・決めた!Tさんから狙撃しよう」
この判断は間違いである、わかってはいるのだが、僕は彼の戦闘能力に恐怖していた。
静かに、そしてゆっくりと弾を送りこむ、シリンダーヘッドのノズルがBB弾にあたりチャンバーパッキンの抵抗を感じる、
少し前進しながら、カチャリとハンドルを下げた。

「倍率は6倍でっと、よし!」
シッティングの姿勢を取り銃を安定させる、そしてTさんにレティクルを重ねた・・・

シュッ・・・・
撃ちだされた弾は彼の胸元に吸い込まれっていき、そして・・・
「ヒットー!」

「ヨッシャー!」
思わず声が出た(小声だけど)、それほど嬉しかったのだ。
Tさんはちらりとこちらを確認したが、くるりと背を向けるとセフティーゾーンへと帰っていく、そしてすっと手を上げると、
スコープの中に彼の中指がおったってるのが見えた・・・(うーん、お下品)

さて、余韻に浸っている暇はない、僕は次の標的に向けてサイティングをはじめた。
どうやら、SIGの人もPSG-1の人も正確には僕の位置をつかんでいないようだ、ラッキーである!

「次はどっちにしようかな?」
本来なら悩んでる余裕などないのだが、このときは妙に落ちついていた、やはりTさんを倒したという精神的ゆとりが
良かったのかもしれない。
「PSG-1なら、セミオートだし、もし発見されてもソコムで突入するのも面白い、SIGはやっかいだ」
いつものように、ひとり言をつぶやきながら、この状況を分析する、出た答えはSIGである。
「よし、やはりフルオートが撃てるSIGをやっつけておこう」
コッキングを完了しSIGにサイティングする。

シュッ・・・カーン!
距離は20mほどだった、今日2度目のゴーグルショットである。

「スゲー!今日の俺って取り付かれてるかもしんない」
5人ゲットで5発、one shot one kill である、取り付かれているとしか思えない。
そのとき!スコープの中できらりと光る物が見えた・・・

SIGがやられたのを見ていてたまたま弾筋か、こちらのスコープの反射光でも見えたのだろう。
PSG-1のスコープが間違いなくこちらを向いていた!

シュタン!

独特のセミオート音とともにBB弾が飛んでくるのがはっきり見えた、僕は慌てて後ろに倒れこむ。

「ヤベー逃げなきゃ!」
APSを手放し、近くのブッシュに転がり込む。
ちらりと前方を確認する、大きな木が転々と生えている、あれをうまく使えば・・・

「いく!」
気合とともにブッシュを飛び出し5m先の木に取り付く、
シュタン!シュタン!シュタン!・・・カンカン!
間髪いれずに、木に弾が飛んでくる。
木の脇から伺うと、PSG-1は前方20mほどのところでスタンディングでこちらを撃っていた。
僕は、ホルスターからソコムを抜き、ズボンの左ポケットから、ソコムのMagを取りだす、
Magを装填して、スライドを引き、初弾をチャンバーにおくりこんだ・・・

余談だがソコムは良い銃である、HOPついてるし速射もできる、戦闘能力はノーマル電動ガンとそんなに変わらない、
1999年になって、今まで使っていたUSP(タニオコバ製)からソコムに変えたのだが、非常に満足している。

10mくらい前方に太い木があった、あそこまで行ければこちらにも勝ち目はある。
死角をうまく使っていけば・・・
「ヨッシャー!」
シャカン、シャカン、シャカン、シャカン・・・
ばれてしまったら隠密性もくそもない、ソコムで威嚇射撃をしつつ10m前方の木に走りこむ、
何とか木に取り付くことに成功した!

「ここまでくれば・・・」
距離は10mないだろう、速射性の点でこちらに分がある。
しかし、何かすごくやな予感がした、威嚇射撃をしながらとはいえ、一発も撃ち返してこなかったのが不可解である。
弾切れ、それともトラブルか?良いほうに考えればこの二つだが、悪いほうに考えれば引き寄せられたともいえる。
そっと、木の影からうかがってみる、PSG-1がはっきりと見えたその瞬間。

シュタタタタタタタタタタタタタタタタタタ・・・・

なんとフルオートで撃ってきた!
慌てて木に全身が隠れるように小さくなる。

「きたねー!邪道じゃー!」
と、いったところで後の祭である、どうやらPSG-1に見えたがG3改だったようだ。
「PSG-1使いにあるまじき暴挙!スナイパーとしてゆるせん!」
と、いきがったところで戦力差はどうしようもない、自分が無能なのだ・・・

シュタタタタタタタタタタタタタタタタタタ・・・・

鳴り止むことの無い銃声、湧き上がる絶望感と、恐怖、いっそ、当たった事にしてこの場から立ち去りたくなった。

「いかん!あきらめてはいかん!」
勇気を振り絞って勝てる方法を模索する、相手は電動フルオート、距離10m・・・
こちらは、ガスハンドガン、射程内ではある、しかしこの弾幕じゃサイティングしようと顔を出した瞬間にやられる・・・
G3系であることは間違いないんだから、500連か・・・
そういえば、ストックはPSG-1だったから、ミニバッテリー使用だよな・・・
こうしていれば当てられることはない、完全に体を隠していられる・・・

瞬間的にそれらの分析ができた、チャンスがあるとすれば、Magチェンジかバッテリー切れ・・・
そこにつけこむ事が出来れば勝機はある、10m、しっかり狙って撃てば当てられるはず、相手は全身をさらしているのだ。
そして、相手も怖いのだろう、位置を変えようとはしない。
ついでに言うと、フルオートに依存しすぎ、弾を無駄にばら撒いている、初心者にありがちな行動だ。
引き寄せたまではいいが、つめが甘いのである、僕なら撃ちながら相手を威嚇しつつ移動する。
角度を変えれば、こちらの体が見えるのである。
そして、天は僕に味方した・・・

シュタタ・タ・・タ・・タ・・・・タ・・・・タ・・・・・・タ・・・・・・・
ラッキー!どうやら、バッテリー切れのようだ、弾切れより好都合である。
僕はすかさず木をバリケードとして使用しソコムをかまえる。
PSG-1は先程の位置からまったく動いていない、彼は突然撃てなくなってしまった銃を見つめパニックに落ちていた。

「もらったー!!!」
ソコムのサイトを敵に重ねる、彼は全身をさらしながらこちらに顔を向けた、目と目が合ったようなきがした。

シャカン、シャカン、シャカン!
ソコムから放たれたBB弾が敵に吸い込まれていった・・・
「ヒットー!」

「よし!」
距離は10m無かったとはいえ、今年初のハンドガンによるゲットである。
そして、記念すべきソコムでの初ゲット!
何かに取り付かれていたとしても、この快挙!
僕は、しばらくの間余韻に浸ってしまった・・・

「きたねーよ!」
ゲームが終わりセフティーゾーンへ帰ってきた瞬間、Tさんからの罵声が飛んできた。
「APS持ってきてんじゃんかー!たく」
予想どうりの反応である・・・
「ふっ・・・敵を欺くには、まず身内からって言うだろ」
「味方、味方・・・」
「あっそうか」
まじで、ぼけていた・・・
「油断してたよ、迂回に3人いったからそう簡単に抜けてこれないだろうと思ってたのに」
「ふっ、最高のスナイパーは1個師団に匹敵するのだよ、Tさん」
「ちょーしにのってんじゃねー!」

とにかく良い内容のゲームであったが、今年一年分の運を使い果たしたかのようで怖い・・・
なんと言ってもサイドアームによる一人ゲットが嬉しい!

余談だが、この後もAPSを使い何人か狙撃したのだが、うそのように弾はそれ、たいした成果を上げることは無かった。
(あらら・・・ちなみに、ほとんどのゲームでTさんにやられた、トホホ・・・)
やはりあの時は、狙撃の神様が僕に乗り移っていたのだろう。

帰りにチームリーダーの人が、
「ボルトアクションライフルも結構良いもんですね」
といってくれたのが、唯一の救いであった・・・
投稿者:JEEK

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