電動ガンチューニング2・中級編
ここでは初級の内容としては若干難易度が高めのことを紹介します。
シム調整
シム調整とは?
電動ガンのメカボックス内には、三つのギアが存在します。
それぞれ、ベベルギア、スパーギア、セクターギアです。
ベベルギアはモーター側のギアでこの中でもっとも速いスピードで回転します。
逆にスパーギアはピストンのラックギアにかみ合うギアであり、低速、ハイトルクで回転します。
これらのギアの左右についているシムと呼ばれる薄い金属リングの枚数や種類を調整し、ギアをもっとも効率の良い位置に持っていくのがシム調整と言われる作業です。
初級レベルでいえばまったく必要ありません。
ただ、まれにハズレ物の個体の場合など、購入時のギアの位置が悪く、大きな作動音を立てる銃があります。そのような銃には効果があるチューンです。
必要な物
シム調整をするためには、予備のシムが必要になります。
私はシステマから発売されているシムセットを使用していますが、他にも同様のパーツがあるかもしれません。
シム調整の仕方
シムの位置を調整する時に気をつけなければならないことがいくつかあります。
1.ギアがのガタをとる
2.ギアの動きがキツクなってはいけない
3.ギアの側面が他の物と接触してはいけない
4.ギアの接触幅をなるべく広くする
1と2は反比例する要素であり、また3と4も反比例します。
まず1から説明しますと、各ギアの左右のガタツキをとらなければなりません。
ガタがあるかどうか見るためには、ギアをセットした状態で細いマイナスドライバーなどで、ギアを左右につついてみるのが簡単な方法です。
この場合、ピストン、シリンダー、スプリング、スプリグガイド、タペットプレートなどはハズしておいたほうが良いです。
メカボックスは左右あわせ、ネジも何本かは締めておいてください。
そうしないとセクターギアの確認などは、とてもできません。
この状態、メカボックス内にギア三つだけをつけ、他を取り払った状態はシム調整においてよく使います。
次は、この状態のままセクターギアを指で回してみます。シリンダー等がありせんから、シリンダーが入る大きな穴から指が入るはずです。
セクターギアを回してスムーズに回ればOKです。
シム調整に失敗すると、ギアが固くて回らなかったり、回すのにかなりの抵抗がかかっていたりします。
また、ギアに塗る滑走剤(オイル、グリス)の違いによって、この抵抗も若干変わります。
シリコンオイルをギアに塗った方が、高粘度グリスを塗るより若干連射速度が上がるのは、低粘度のシリコンオイルのほうが抵抗が小さいからです。
ただ、低粘度シリコンオイルは長持ちしないと言われています。グリスよりもこまめにオイルアップをしておいたほうが良いようです。
3について説明します。
どのギアも、側面が他のギアの側面と接触してはいけません。
もしこれがおきた場合、作動音がうるさくなってしまいます。
また、まれにギア以外のメカボックスの突起などにギアが接触する場合があります。
この現象でもっとも多いのはセクターギアのタペットプレートを動かすための突起が、メカボックスのタペットプレートのレールに接触する例です。
次は4について。
各ギアの側面同士が接触しないようにするためには、ギア同士の左右の間隔を離せば良いのです。しかし、これをしてしまうと、ギアとギアの接触幅が減ります。つまりギアを回す時に、狭い面積に負荷がかかり、結果、ギアの消耗を速めてしまいます。
ですから、ギア同士はなるべく左右を近づけながら、なおかつ側面が接触してはいけないのです。
これらの作業が終わったら、例のシリンダー、ピストン等をとった状態のメカボックスにモーターを繋ぎます。
一部の例外(AKやAUG)をのぞくと、たいていの銃はグリップをつけることになります。やや手間になりますが、かならずグリップをつけてください。
モーター位置をしっかりしなければ音が静かになってるかなどわかりません。
ピニオンギア調整
実はギア作動音の多くはモーターのギア(ピニオンギアと言います)がかなりの重要要素を占めています。
ピニオンギアの位置がしっかりしていないことには、どんなにシム調整をがんばったとしても永久に作動音は静かになりません。
グリップ底部の芋ネジで調整
一部例外の銃もありますが、たいていの銃ではグリップ底部に芋ネジがついており、それを回すことでピニオンギアの上下位置を調整できます。
初心者が作動音がうるさくなってきたと感じた場合、まず8割方、原因はこのピニオンギアの調整がズレてきたためめです。
長く使ってると勝手に調整がズレてくる(ゆるんでくる)場合があるので、その場合は静かになる位置に調整してください。
調整したところで、また勝手にズレることがあります。
それを防止するため、イモネジの調整が終わったら、ネジロックを使うか、それがない場合は瞬間接着剤を一滴垂らしておいてイモネジがゆるまないようにしておいてください。
モーター位置の調整
モーターの上下位置はピニオンギアで調整できます。
しかし前後左右位置は調整できません。
前後左右位置調整をすることで、ギア音をさらに静かにすることができます。
AK系、AUG系、P90系の場合は比較的楽ですので例をあげると、これらの銃ではモーターは金属製のモーターガイドパーツに囲まれています。
しかし、この中でモーターは若干ガタガタする場合があり、これが作動音を大きくする要因になります。
そこで、いったんガイドをハズし、モーターにビニールテープを一枚張り付け、さらにガイドをつけなおします。
ビニールテープの厚みにより、モーター自体のガタつきが無くなれば成功です。
この時、どこにビニールテープを貼るかで、モーターの前後左右位置を調整できます。
もっとも静かになる位置を見つけだしてください。
ちなみにモーターガイドが存在せず、グリップ自体がモーターガイドの役割を果たしている銃(M16系など)については簡単にできる方法が説明できません。