電動ガンレビュー:MP5系



マルイのMP5系はマルイのスタンダード電動ガンの中でも小型軽量の特徴を持ちます。
MP5系には、MP5K、MP5PDWもありますが、ここではそれらには触れず、MP5A5、MP5A4、MP5SD6、MP5SD5の系列、MP5A5系について書きます。

・MP5A5系
MP5A5、MP5A4、MP5SD6、MP5SD5

・MP5K系
MP5K、MP5PDW

MP5A5系はとMP5K系の内部構造はかなり違います。MP5A5系はバージョン2メカボックス、MP5K系はバージョン3系メカボックスです。
ただし外見は似ており、マガジンなどは共通で使えます。


ダットサイトを載せたMP5SD5

●歴史
最初は1992年に発売されました。
当時はFAMAS、M16A1に続いて第三段の電動ガンとなりました。
発売順番はMP5A5、A4の順番。この当時はまだホップ無し。
その後、可変ホップ搭載でMP5SD6、MP5SD5が発売され、MP5A5、MP5A4もホップ付きとなりました。
M16A1程ではありませんが、発売当時結構な人気機種でした。といっても当時はFAMAS、M16A1(とXM177E2)、MP5系程度しか電動ガンの選択肢がなかったわけですが(そのあとにAK系、G3系と発売が続きます)

長年、フロントの剛性不足の欠点を持っていた銃ですが、2000年ごろにフロント部分に金属パイプが入れられるという変更が行われました。
これにより、フロントの剛性が増し、使用感が良くなりました。命中精度も上がったと思われます。

●特徴
2kg程度の重量と、短い全長は、小型軽量を好む最前線のプレイヤーに好評です。
バレルが短い(23cm程度)わりには弾道もそれほど悪くありません。ただホップ調整は、しづらい部類に入ります。

フロント部が軽いせいかフルオートで撃つと銃全部が揺れて散り気味になるため(未検証)、セミオートで狙撃していったほうが当たりやすいように感じます。
装弾数も多いほうではないので、大量にフルオートでバラまく使い方にはやや不向き。


●短所
・マガジン
他の銃に比べて少ない装弾数、そして信頼性も高くありません。
比較的給弾不良の起きやすい部類に入ります。
滑りづらい弾を使ったり、サイクルを速めにしていたりすると給弾不良の発生しやすいマガジンです。
240連ダブルショートマガジンと、220連のハイサイクル用のショートマガジン、ハイサイクル用ドラムマガジンは給弾の信頼性が高く問題ありません。ただし携帯に不便。

・マガジンの固定
マガジンウェルが浅く、その割に長いマガジン(ショートマガジンやショートダブルマガジンを除く)のせいで、マガジンを支えるフレーム側に不安がかかりやすい難点もあります。
使い込むとマガジンのガタが目立ったり、転んだ時にマガジンをぶつけるとフレーム側に負担がかかり破損しやすい銃です。
マガジンには強い力をかけないことが望ましいです。
初心者にありがちなマガジンを握って構えるなどは当然ダメです。

・ホップ調整がしづらい
ホップ調整はレバーで行いますが、これが不便です。
レバーは常に外部に露出しており、また、調整の時に少し動かしただけで弾道が大きく変わります。
よって、他の電動ガンに比べるとホップ調整はしづらい部類に入ります。

・モナカ構造で分解が大変。
メカボッスを取り出すまで苦労します。
ネジの締めすぎで、レシーバーのネジ穴をつぶしやすい。

・サイトの出来
左右は調整できますが、上下は4段階のみの調整です。


・コッキングレバーが折れやすい
コッキングレバーはカザリでしかありませんが、これが簡単に折れます。

●長所
・小型軽量
2kg程度しか重さがないため、電動ガンの中でかなり軽量な部類に入ります。

・比較的安い
最近の電動ガンにくらべると低価格です。
なので入門用にオススメだったりします。

●各タイプごとの使用感

上、MP5A5、A4のフロント。
下、MP5SD5、SD6のフロント。


上、MP5A4、SD5の固定ストック。
下、MP5A5、SD6のスライドストック。


スライドストックを縮めた状態。

・MP5A5
これがMP5の基本形だと思います。
ストックを縮めると全長が50cm程度と、大変コンパクトです。
固定ストックモデル(A4、SD5)よりストックが短いので要注意。

・MP5A4
ラージバッテリーが使え、サバイバルゲーム入門用の銃としてお薦めでした。
銃身が短く、後部の固定ストックにバッテリーが入るため重心がほかの銃にくらべて後ろ寄りで、片手で持ちやすい銃です。
ストックはA5より長め。

・MP5SD6
A5のサイレンサー付きバージョン。
サイレンサーの効果は多少あり、発射音は一般的な電動ガンより低音。同サイズの一般的なサイレンサーの効果に比べると少し劣る。
サイレンサーの強度がイマイチで、長く使っているとサイレンサーがグラつきやすい難点があります。
ハンドカード抑えのピンが脱落しやすいのも難点。
mp5_pic10.jpg

先端が14mm逆ネジではないので市販のサイレンサーはそのまま装着できません。
A5と違い、9.6Vミニバッテリーが無加工で入ります。

・MP5SD5
A4のサイレンサー付きバージョン。
MP5系では最長モデル。
SD6と違い、ストックにバッテリーが入るため、ハンドガードの付け外しを頻繁に行わなくて良く、ハンドガード抑えピンが脱落しづらいです。


●チューニング等
・ハンドガード抑えのピンの変更
A5、A4のハンドガードセットピンの代わりに、6mmのボルトとナットで固定します。
ハンドガードのがたつきが少なくなります。
着脱にはドライバー等を使わず、指で回すだけで大丈夫です。


・マガジンキャッチ部にネジ
絶妙な位置に穴をあけるため、あまりオススメできません。
穴をあける位置がかなり絶妙です。失敗すると差し込んだネジが邪魔でマガジンが入らなくなります。
写真の位置にネジをうって左右から締めこむとフレームが勝手に開かなくなります。
ネジの中心部はマガジンに干渉しないように、細く加工しておきます。
それでもマガジンにぶつかる場合は、マガジン側の一部も削る必要があります。
この加工を行う場合、必ずレシーバーを分解して、内側から穴をあけてください。外からだとまず確実な場所に穴をあけられません。
太さ3mm以下のネジであれば入ると思われます。

この部分が開きやすい。

  ネジを打ったレシーバー右側。


ネジを打ったレシーバー左側。ナットで止めている。


チャンバー前方に長いネジが通っているのが分かります。
ネジの中央部はマガジンに干渉しないように細く削っています。

・ホップ調整レバーの小型化
ホップ調整レバーが外部に露出しており、下手に触ってしまうと調整が狂ってしまうために削って小型化。
ただし、調整自体はやりづらくなります。

小型化したホップレバー。

・右セレクター加工
右利きで右セレクターが邪魔になる場合、途中でカットしてしまいます。
セレクターは左側にもあるので右利きなら問題ありません。


・MP5A5、SD6のスライドストック補強
スライドを乱暴に引っ張ってしまってハズ壊れてしまった場合は、横からイモネジを打ち込んで対応できます。要ドリル。


●初心者の最初の一丁としてお薦めできるか?
初心者の最初の一丁としては、MP5A4、A5なら良し。
SD5、SD6はサイレンサーの強度不足(長く使うと付け根がグラグラしてくる場合がある)や、今や標準となっている逆ネジサイレンサーが使えず、発展性に乏しい事などから、特にデザインが気に入るというわけでなければA4、A5をお薦めします。
MP5系は設計が古いこともあり、後発の銃に比べて構造的に劣る部分もあるので要注意です。




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