スライド固定式とブローバック式

written 2002/6/27
 ガスオートマティックハンドガンは「スライド固定式」と「ブローバック式」に分かれます。
 ここでは、その違いについて解説しています。

オートマティック式、リボルバー式

 まずハンドガンの分類を説明すると、オートマティック式とリボルバー式に別れます。
 その中で、さらにオートマティックのガスガンはスライド固定式とブローバック式に別れます。

 リボルバー式ハンドガンというのは、回転式弾倉を持つ銃のことです。
 つまりロシアンルーレットが可能な銃と書けば良いでしょうか。

 オートマティック式は、グリップの底部からマガジンを挿入し、マガジンが交換可能なタイプです。
 やはり装弾数の関係、弾のリロードの関係から、実銃の世界でも軍隊、特殊部隊などではオートマティック式の使用が多いようです。

リボルバーの話

 話が脱線しますが、エアガンの世界では、リボルバー式は長い間、「オートに比べて性能が低い」と言われ続けていました。
 これは、構造上、オートにくらべ気密性が落ちることなどが原因です。
 また、装弾数の少なさ、オートマティックが20発程度入るのが普通なのに対し、リボルバーは普通6発。これは一部のリボルバー(タナカやマルイのもの)を除けば、構造上当然のことです。
 最近はマルシン、タナカ、マルイなどのリボルバーの登場で、昔に比べればリボルバーの性能は向上しました。
 それでも装弾数やリロードのことまで考えれば、オートのほうがリボルバーより有利なのは否めないでしょう。

スライド固定式、ブローバック式

スライド固定式

 スライド固定式は、トリガーを引くとハンマーが起きていき、トリガーを引ききる瞬間にハンマーが落ちて弾が発射される方式です。
 まるで百円銀球鉄砲のようなトリガーの感覚で、トリガーをひくと同時にハンマーがあがっていくため、リアルさは欠けます(実銃もダブルアクションでの初めの一発はこれと同様です)
 トリガーの力、動きでハンマーを起こし、弾をチャンバーへ装填する動作も行うため、トリガーストローク(トリガーを動かす必要範囲)が長く、トリガープル(トリガーを引くのに必要な力)も重いのが普通です。
 つまり、トリガーの感覚としてはブローバック式より格段に劣ります。
 また実銃のように一発ごとにスライドが動かないため、リアルさもブローバック式におとり、内部の構造でも実銃とはかなり違ったものになってしまいます。
 逆に利点は、ブローバック式と違い、寒くても動作はします(寒い場合にはパワーが落ちます。これはガスガンではしかたないことです。パワーが落ちすぎて発射できないことはあります)
 価格も安い物が多く、10000円以下の物も数多く存在します。
 メーカーは、KHC(啓平社)、マルシン、デジコンなどがあります。
 安いものはKHC、リアルさには欠けます。  マルシン、デジコンはパワー重視です。
 スライド固定式に関わらずガスガンはハイパワーなものほどガスの消費量が多くなり、ガス代がかさむ傾向があります。
 また、マガジンの冷えなどのことも考えると、ガス少量が少ないほうが安定性という意味での性能は増します。

ブローバック式

 ブローバック式は、実銃同様の動きをするガスハンドガンです。
 初めの一発はスライドを引いてチャンバーに弾を装填し、以後は発射のごとにスライドが自動的に動き弾をチャンバーへ装填し、スライドの動きでハンマーも起こします。
 そのため、トリガープル、ストロークは軽く、連射しやすいトリガーです。
 撃っていて楽しいブローバック式ですが、スライド固定式に比べると欠点もあります。
 やはり一番の欠点は、寒い場合に作動しない、またそれほど寒く無くても連射をしすぎるとマガジンが冷え、やはり作動不良に陥ってしまうことでしょう。
 これはブローバック式の宿命のようなもので、ガスを使わずエアタンクなどを使うなどしないかぎり完全には対処できません。
 スライドの動きを良くし、スプリングなどのバランスでガス消費を抑えれば多少よくなります。しかし、このバランスは非常に難しい上、市販品のカスタムスプリングには逆効果のものが多いため、初心者はノーマル状態のバランスを崩さないほうが良いでしょう。
 ハンマースプリング(メインスプリング)、リコイルスプリングなどをカスタムパーツに変更しても性能は上がらないと考えたほうが無難です(ほとんどのパーツが、むしろ寒さ、連射に弱くなります)

 また、ブローバック式はスライド固定式に比べると値段が高く、10000円〜20000円ぐらいが普通でしょうか。
 ガス消費量もスライド固定式の倍ほど使用するのでガス代も高くなります。
 スライド固定式に比べると銃の種類が多く、購入時の選択の幅が広いように感じます。

 メーカーはマルイ、WA(ウェスタンアームズ)、KSC、マルゼンといったところです。

 マルイは種類は少ないものの値段が安く、耐久性もあり、弾道安定性が高いのが特徴です。
 難点はリアルさで劣る点でしょうか、おもちゃと割り切り、実銃とは違った構造な部分があります。
 特にマルイのM92F(M9)シリーズは初心者には一番お薦めできるガスブローバックハンドガンだと思います(惜しむべくは固定ホップなこと)

 WAは、リアルさ、作動の良さに定評があります。
 ホップの性能が悪く、弾道安定性は低いのですが、ホップを一番弱くして使うと、なかなか良い弾道になります(ただし、ほとんどホップがきいていないため、飛距離は短め)

 KSCもリアルな作りで、ホップの安定性もなかなかです。ただしマルイには少し劣ります。
 リアルさを重視するあまり、少し耐久性の低いパーツが多いような印象を受けます。

 マルゼンは、値段はマルイほどではないにせよ安め。
 ガス消費量、パワーともに少し多い感じです。

スライド固定式、ブローバック式、どちらが良いか?

 サバイバルゲームに使い、安くあげたいならスライド固定式。

 リアルさを求めたり、シューティングマッチに使うつもりならガスブローバック式でしょう。
 トリガーの重いスライド固定式はシューティングマッチ向けではありません。

 冬季の使用も考えるならスライド固定式のほうが良いですね。
 ブローバック式は冬季には動かないと考えたほうが無難でしょう。
 物にもよりますが、気温が10度を下回るなら厳しいところでしょうか。

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