カスタムと、その注意点
銃のカスタム
カスタムという言葉は聞いたことがあるでしょうか。
市販品の銃に手を加え、つまり改造、改良を行うことがカスタムと言われています。
「改造エアガン」という響きは、良くないからでしょうか。「カスタムエアガン」という言葉は、多く使われています。
カスタムには、一般に、カスタムパーツと呼ばれるパーツ、これは販売されています。
これらを使って行う方法と、それを使わず、流用出来そうなパーツを自分で見つけてきたり、パーツを自作するなどの二種類の方法があります。
カスタムパーツ
カスタムパーツは、現在、大量に出回っています。
たとえばバレル、バルブ、スプリング、シリンダー、ピストン・・・数えていったら切りがありません。
その多くには「命中精度アップ」「パワーアップ」という、うたい文句がついていますが、必ずしもそうではありません。
命中精度アップ系パーツ
とくに命中精度アップ系のパーツで、実際にその効果が現れるのはごくわずかです。
中には逆に命中精度が下がる物も存在しますし、効果があるのか無いのか分からないものが普通です。
初心者のうちは「このパーツを組み込めば、今より命中精度が良くなる」と考えがちですが、実際にそんなことは無いと考えたほうが無難です。
では、なぜ命中精度は上がらないのか、その答えは簡単で、現在のエアガンは、ノーマル状態で、ほぼ最高の命中精度を持っているからです。
これではパーツの組み替えようが無いのです。仮にベストな物に手を加えれば、それ以上になることはありません。なるのは、同じか、それ以下のものです。
もっとも、ノーマル状態で性能の低いものは、数多くあります。カスタムパーツを使用しなければ、どうしようもならない物もあるでしょう。しかし、それらは、一般に初心者が手を出す物ではないのです。
たとえば初心者が手を出しやすい電動フルオートであれば、ノーマル状態からベストな状態になっていると考えて良いです。
パーツは、全てのパーツにおいて、だまされないことが大事です。
「性能が上がる」と書かれているパーツは、数多くあります。しかし、それは全て真実ではありません。
パワーアップ系パーツ
スプリングに代表されるパワーアップ系パーツは、確かに効果があります。
これは目に見えて効果があります、それはメリットでも、デメリットの意味でもです。
極端な話を言えば、この手のパーツを使用し、100発以内で銃を破損してしまうこともできます。
それだけ、銃の耐久性を大きく縮めるものでもあるのです。
パワーアップパーツは、ほぼ確実に銃への負担を増加させます。たとえば電動に強力なスプリングを組み込んだとして、そのスプリングは銃の中で、何度も伸び縮みするのです。
指で縮めても簡単に縮まないような硬いスプリングが、銃の中で一発の発射の度に縮んでは伸びてを繰り返すのを想像すれば、それが銃にどれほど負担になるかは分かるはずです。
初心者にありがちなのは、強力で銃に負担になるスプリングを組み込みながら、その自覚が無いことです。
本人が、そのスプリング程度なら、組み込んでも平気だと思いこんでいたとしても、実際そうかどうかは分からなく、平気であるというのは、単なる思いこみであることが多いのです。
パワーアップ系のパーツを組み込めば確実に銃の耐久性が落ち、たいてい、それは使っている人間が思っている以上の負担です。
その負担も、パーツ一つだけにかかれば、そのパーツを交換するだけですみますが、大抵の場合、そうではありません。いくつもの多くのパーツが負担がかかり、結果、銃自体を買い換えなければならないということもあります。
どのぐらいのでのパワーアップならば銃に負担は無い。ということはありません。微妙にでもパワーアップスプリングを組み込めば、確実に銃への負担が増加します。
また、パワーアップパーツを使い、パワーアップすることで、危険性が増すことも忘れてはいけません。
エアガンの場合、実銃のように、破壊力に意味がある物ではありません。
玩具で、楽しみのための物でありますから、パワーを追い求めることに対して否定的な方は多いですし、過度のパワーアップ(どこからが過度なのかというライン引きは出来ませんが)を認める方は、ほぽ皆無でしょう。
パワーアップすれば危険性が増しますし、また、そのようなエアガンが数多く出回れば、一般社会からの目も厳しくなり、やがては規制されることになっても当然です。
つまり、パワーアップを避け、なおかつ安全にエアガンを扱うことは、自分たちの趣味を守る上で大変重要なことです。
しかし、ここで忘れてはいけないことは、だからといい、「パワーアップ=悪」と考えるべきではありません。
パワーアップしている銃を安全に扱っている人間と、ノーマルパワーの銃を安全に扱えない人間がいたなら、後者が前者を責めれるものではありません。
また、パワーアップ銃を使うことを楽しみとしている方もいます、それは他人の楽しみ方ですから、それをむやみに否定するべきでもありません。
他人の楽しみ方を認めなければ、サバイバルゲーマーが「エアガンで人を撃つなど危ないから、やめなさい」と言われてもおかしくないのです。
これなら、エアガンで人を撃たないプリンキング(エアガンで的撃ち等、単に撃って遊ぶ事)や、シューティング(射撃競技)のプレイヤーから言われてもおかしくないのです。
耐久性アップパーツ
耐久性アップのパーツは、ノーマル銃に必要なものと、ノーマル銃には必要では無い物が存在します。
必要な物としては、ある銃のノーマルパーツで、一つだけ非常に弱く、壊れやすいパーツがあったとしましょう。そのパーツのカスタムパーツが出ていれば、それは、その銃のユーザーとして喜ばしいことです。もちろん、実際に効果があればの話です。実際には効果の無いパーツもたくさんありますから。
ノーマル銃には必要の無い物は、パワーアップ系のパーツと組あわせて使うための物です。
パワーアップ系のパーツ、スプリングなどを使用すれば、確実に銃への負担が増加すると書きましたが、それに対処するための耐久性アップパーツがあります。
たとえば、メインスプリングを強化することで負担の大きい、ピストン、そして電動なら、ギア、ボルトアクションなら、シアーやシリンダーです。
パワーアップ系パーツを組み込んだ場合、たしかに効果があります。
しかし、弱いパーツを強化したところで、壊れるのは、次に弱いパーツです。
ですから、本気でハイパワーに耐える耐久性アップパーツを組み込むなら、かなり多く組み込む必要があったりもします。
パワーアップしたエアガンが、定価の何倍もの値段で売られている理由は、ここにもあります。
カスタムパーツは一つ一つが高価ですから、それを多くつぎ込めば、かなりの出費となってしまいます。
ドレスアップパーツ
見かけを良くなるような、性能とは関係の無いパーツです。
これらは、性能とは関係がありませんが、見栄えが変わるので、明らかに効果はあります。
カスタムパーツでは、一番無難なのかもしれませんね。
しかし、あくまで性能が変わりませんから、人によっては「見かけが変わるだけのパーツにお金を出してられない」と思うかもしれません。
カスタムパーツで気をつけなければならないこと
カスタムパーツを購入するためには、いくつか気をつけておいたほうが良いことがあります。
まずは、全てのカスタムパーツが、無加工で装着できるわけではない、ということです。
たとえばノーマルパーツと入れ替えるカスタムパーツを購入してきて、ノーマルパーツをはずし、カスタムパーツを組み込もうとしても、そのまま入らない、また、入ったとしても、動きが悪くなったりすることがあります。
これは、カスタムパーツのサイズがノーマルパーツと微妙に違ったりすることが起きる問題です。
そのため、ヤスリがけ等の、多少の修正が必要な場合がありますので、それをしたくない。また、出来ないのであれば、安易にカスタムパーツに手を出してしまうのは危険です。
もう一つ、気をつけておいたほうが良いのは、パーツの組み合わせです。
カスタムパーツは相性があり、中には、ノーマルパーツと相性の悪いパーツもあります。
あるカスタムパーツのシリンダーを買ってきたとして、それをノーマルパーツに組み込んだら、思うように性能が出ない、むしろ性能が悪化したとしましょう。
そこで、調べてみると、そのシリンダーを使うためには、同じパーツメーカーのカスタムパーツのピストンが必要だったとします。
そこで、仕方なしにピストンも購入したとします。しかし、今度はノーマルスプリングが入りません。
そのピストンには、そのパーツメーカーのカスタムスプリングも必要だったのです。
そして、さらには、そのスプリングを使うためには、スプリングガイドもカスタムパーツにしなければならない。こんなこともあり得るのです。
カスタムパーツメーカーも、性能を出すためには、仕方ないところがあります。
一つのパーツだけでは、性能を出し切しきれない場合もあります。
しかし、この相性は、初心者にとっては理解しづらく、これも気をつけてから購入する必要があります。