ピストンの上下移動


 以前からAPS2の発射音音で、ときどき通常とは違った音がなり、弾道が不安定になる現象が見受けられました。
 理由も未だよく分からないのですが、私の現時点(2003/9/21)の考えでは、ピストンの解放、前進がスムーズに行かないためではないかとなっています。
とくにノーマルスプリングなど弱いスプリングに軽いピストンでの組み合わせで多く現れる症状のように感じます。
また、新品のシアなど、まだなじんでいないシアの時に多いようです。

 この現象を回避し、弾道を安定させるためには、いかにピストンがスムーズに解放、前進できるかにかかっていると思われます。
そのための善の条件としては、

・ホップパッキンが弱く、弾がスムーズに抜けることによりピストンの付加が減る。
・シアの係りが弱い、またはシアの表面にザラつきがなく、ピストン解放がスムーズに行われる。

 他にピストンカップによる抵抗も考えていますが、これについてはいまいち確信が持てません。

 この他に、最近知った事で重要要素と思われることがあります。
それはシリンダー内をピストンが上下にガタガタと移動しながら前進しているとのことです。

 さっそくシリンダー内面を見てみたところ、案の定シリンダー内面にはキズが存在していました。



 なかなかうまく初心が取れなかったのですが、シリンダー内面に三つほどキズが見えるのが分かるでしょうか。
 さらに前部のほう、反射光の中にも二つほどキズが見えます。

 一番後ろのキズは、おそらくスプリングガイドによるものです。
 後ろから二番目のキズは、ピストン保持位置のキズだと思われます。
 その前の三つのキズは、ピストン前進時にガタガタとぶつかっていった物でしょう。
 この三つのキズは前にいくほど薄く、後ろにいくほど濃いものです。
 また、キズとキズの感覚は後ろほど狭く、前にいくほど広がっています。

 これだけ決まった位置にキズがついてるとなると、毎回同じ位置に衝突しているのでしょう。

 図解すると次のようになるようです。



 キズの感覚ははじめは狭く、後が広くなっています。
 ちょっと分かりづらいですが、次の図のような感じですね。



 ピストンが上下に激突しているため、初速や弾道が安定しない理由の一つになっているのではないでしょうか。
 とくにピストンの動き始め、弾がホップパッキンを出るまでの安定度は非常に重要です。

今回のサンプルについて

 サンプルのシリンダーは桑田の真鍮製。
 使用しているピストンはノーマルですが、稀にアルミピストンを使用したこともあります。
 シリンダー購入後5年ほど経過しています。

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