APS−2チューニング講座・2001年度版


 APS−2のチューニングに付いての話は、以前にもコンテンツを作成しましたが、1999/12/22という古いものですので、再び追加の形で作ることとしました。
 1999年の時点では、PDI、シェリフ、OK等のカスタムパーツが多く、KMが多少のパーツを出した程度ですが、今、2001年現在には、FIRSTがAPS−2のパーツを発売しましたし、他メーカーのパーツも増えています。
 今回は、カスタムパーツの選択を中心に、どのようにカスタム、チューニングを行っていくかを、サンプルをあげながら書くこととします。

ノーマルでの性能、問題点

 まずはノーマルでの性能です、例としてあげるのは、もっともサバイバルゲーム向きだと思われるAPS−2SVです。
 これは以前にも書きましたが初速は0.2gで85〜100m/s程度。
 そして、問題点でもあるのが、0.3g程度の弾で、やっとまっすぐと飛んでくれる固定ホップです。

レギュレーションに合わせたパーツセレクト

 固定ホップであれば、APS−2SVの場合、ファイアフライから発売されている「くらげ」と呼ばれるカスタムパーツを組み込むだけで十分実用的な性能になります。
 くらげについておさらいをすると、1980円で、甘口、辛口の二種類があります。そして、甘口には白と黒のホップパッキン、辛口には青と赤のホップパッキンが入っています。
 つまり、全て合わせれば4種類のホップパッキンとなりますが、甘口、辛口両方購入すると4000円程の出費になるわけです。
 私の聞いた話をまとめると、各くらげと相性の良い弾は、以下のようになります。
 私も試していない組み合わせがありますから、間違い等ありましたら、掲示板でお知らせください。

 甘口・白・・・0.2g
 辛口・青・・・0.25g
 甘口・黒・・・0.29g
 辛口・赤・・・不明

 ここに書かれた物は、あくまでノーマルスプリングでの物です。
 スプリングを強化しパワーをあげた場合、ホップのかかりがきつくなりますから注意が必要です。
 また、スプリングがノーマルでも、必ずしも同じくらげが適正になるとは限りません。銃の個体により、多少の違いがあるものです。

弱めのホップについて

 ここで少し余談にもなりますが、ホップのかけ方がどの程度で適正かということを書いてみます。
 電動等、可変ホップ等で、弾が最後(ノーマルで40m程度から)に浮き上がり気味になるほどのホップをかけている方を、まれに見かけますが、これはあまり有効ではありません。
 ばらまくことが出来る電動フルオートであれば、まだ良いのですが、ボルトアクションのスナイパーライフルともなれば、中距離から確実に当てていくことが必要です。
 なおかつ、プローン(伏せ撃ち)など、低い位置から撃つことの多いスナイパーにとって、浮き上がり気味の弾道は、弾が相手の頭を飛び越えやすく、また、それを避けようと低い位置を狙えば、地面から生える草に弾が接触しやすいという難点を持ちます。
 中距離から確実にあてるためには、弾道はある程度落ち気味にし、低い姿勢からでも確実に射撃できるほうが有効です。
 これは、相手がプローンしている時などは、さらに有効な弾道となります。
 しかしながら、ホップを強めにかけるよりは最大射程が落ちますから、遠距離で狙わなければならない場合は、ターゲットより、すこし上を狙って撃った方が良いでしょう。

他に必要なパーツは?

 私が思うには、くらげを組んだだけのAPS−2でも、十分スナイパーライフルとして通用します。
 逆に、これ以上命中精度などを上げようとしても、なかなか難しいものがあります。
 くらげには、固定ホップであるという欠点がありますが、もし銃のカスタムに自信が無いようでしたら、くらげを使うことが一番お薦めです。
 可変ホップパーツのSCS、FALS、PDIチャンバーなどは存在しますが、どれも組み込みに技術が必要であったり、値段が高めだったりという難点を持ちます。
 下手な組み込みをするとエア漏れを起こし、パワーダウンしやすいというのも、これら可変ホップが薦められない理由です。
 しかし、これら可変ホップが悪い物であるかというと、そうではありません。
 上手に扱うことができれば、これらも優れたパーツです。

 次からは、各目的にあわせたカスタムを書きます。

消音系カスタム

 発射音が少しでも小さいほうが、サバイバルゲームでは多少なりとも有効な銃となります。
 APS−2の発射時に発生する音は、主に三つです。
 これは、マズルからのエア放出音、ピストンの打撃音、スプリングの振動音となります。

マズルからのエア放出音の消音

 発射時にマズルで発生するエアの放出音は、発射時の音の中で、最も目立つ音です。
 これに対して効果があるのはサイレンサーなわけですが、種類が多く、選択に迷うこともあるでしょう。
 サイレンサーは基本的に「大きな方が効果が高い」ので、大きなサイレンサーをつけて効果をとるか、小さなサイレンサーをつけて、とりまわしの良さをとるかとなります。
 しかし、ここでは、いくつか例をあげて見ましょう。

市販サイレンサー

桑田・APS−2用サイレンサー
 値段は忘れましたが、4000円程度だったと思います。
 アウターバレルより多少直径が太いぐらいです。
 効果ととりまわしの両面のバランスが良い感じで、また、他のサイレンサーと違い、アタッチメントと呼ばれる、サイレンサーと銃本体をつなぐ役割をするパーツを別に購入しなくても良いのが長所です。

KM・SWATサイレンサー
 価格は6000円です。  大きさは太さ27mm、長さ159mm。
 このサイレンサーの利点は、APS−2SVのアウターバレルが26mmなので、太さにほとんど違いがなく、外見をあまりくずさないことにあります。
 しかし、サイレンサーの殆どにインナーバレルが入り込み、この長さでは効果としては力不足です。
 インナーバレルをカットすることで、効果をあげることもできますが、カットしないのであれば、効果より外見を重視したサイレンサーとなるでしょう。
 装着するためには別売りのアタッチメント(1500円程度)が必要です。

KM・SWATロングサイレンサー
 価格は8000円で、太さ27mm、長さ250mmです。
 外見も良く、長さもあるので、効果もそれなりに良いのではないでしょうか。
 価格は高めですが、それ以外ではAPS−2SVに向いたサイレンサーでしょう。
 こちらも、やはりアタッチメントが必要です。

自作サイレンサー

 サイレンサーを自作することは可能ですが、やはりある程度の腕が必要ですので、説明は簡単に行います。
 APS−2SVなら、フラッシュハイダーの中にサイレンサーを作ってしまう方法と、アウターバレル内部にサイレンサーを作ってしまい、フラッシュハイダーをはずしてしまう方法が便利です。
 前者は、インナーバレルをカットしないことには効果が薄いですが、外見は、ほとんどそのままになります。
 後者の場合、フラッシュハイダーをはずすので、外見が大きくかわります。また、インナーバレルをかなりカットしなければならないので、初速の低下等が考えられます。命中精度の低下はあまり無いでしょう。インナーバレルが短くても、それなりの命中精度がでるというのは、電動と同じです。

ピストンの打撃音の消音

 ピストンの打撃音を消すためには、ピストンヘッドに柔らかいゴム板、固めのスポンジ、ソルボセインと呼ばれる衝撃吸収素材を張り付けることが有効です。
 張り付けは両面テープか、瞬間接着剤で行うのが一般的のようですが、まずは強力な両面テープで貼り付け、それでダメならば瞬間接着剤を使うのが良いでしょう。
 瞬間接着剤は、一度使ってしまうと、はがれた時などは痕が残りますから。
 両面テープと言うと、接着力の弱いイメージを持つ方もいるかもれませんが、強力なものが存在します。これは、テープ自体に厚さがあり、かなりの強度を持ちます。

スプリング振動音の消音

 これは、消すことがなかなか難しい音です。スプリングを変更すれば済むことではありますが、レギュレーションの関係やパーツ耐久性の関係などもあるでしょう。
 スプリングのテンションの関係もあるので、ピストンヘッドにソルボセインを張り付けることで、多少スプリングの振動音が静かになることもありますが。
 サバイバルゲーム中には、あまり敵にも聞こえにくい音でもありますから、妥協しても良いかもしれません。

スコープ

 スナイパーの必需品、スコープです。
 ときどき、「お薦めのスコープは何?」という質問がありますが、私の答えは「実際見て買うのが一番」と、答えになっていない答えです。
 購入方法で一番お薦めなのは、エアガン系イベントです。地方の方にはつらいですが、東京や大阪なら、イベントがありますから、そこに出向き、ハッコーやタスコといったスコープメーカーのブースに行くことで、大量のスコープを眺め、実際手にとって見ることができます。
 私などは、スコープにあまりお金をかけたくはないので、こういったイベントで5000円以下でスコープを購入して使っています。
 また、倍率は、3倍、4倍ができれば良い、レンズ口径は、32〜40口径で十分です。
 ズームスコープか否かは、その方の趣味となるでしょう。実際、サバイバルゲームでズームが有効かどうかとなると、あまり有効でもありません。

 スコープを購入する時は、必ずマウントリングも購入してください。これがなければスコープは銃に装着できません。
 マウントリングの値段は1000〜1500円程です。

その他のカスタムパーツ

 ここまでで、一般的に必要なカスタムパーツは、ほとんどあげたつもりではありますが、他にも少し書いてみましょう。

桑田・APS−2用マウントベース

 値段は2000円です。
 APS−2系のノーマルマウントベースは、前が下がった傾斜がかかっているので、スコープによっては、いくら調整しても、弾が狙った場所より上に当たってしまうという状況が発生します。
 これは、特に高倍率スコープでおきやすい傾向があるようです。
 このマウントベースは傾斜が無いので使いやすいのですが、やや欠点らしきものは、ボルトハンドルをあげた時に、マウントベース後端とぶつかってしまうものがあるようです。
 この場合、ヤスリで削ってぶつからないようにしてください。

ノーマルでも良いと思われるパーツ

 私が思うには、シリンダー、ピストン、ピストンカップ、スプリングガイド、シア、セットピンなどは、全てノーマルでも大丈夫です。
 むしろ、ノーマルのほうが良いというパーツも少なくはありません。
 ただし、パワーをあげる場合は、この限りではありませんので注意してください。

 忘れてはいけないのは、カスタムパーツを組めば組むほど性能があがるわけではありません。
 性能が下がるパーツなどは、いくらでもありますし、パーツの相性の問題もあります、そして、ある性能は上がっても、ある性能が下がるようなパーツもあります。たとえば耐久性は上がりますが、ボルトの引きがぎこちなくなるパーツなども存在するわけです。
 ただパーツを組み込むだけでなく、多少削る、研磨したりして組み込んだほうが良いパーツも多いですから、カスタムパーツの使用は、難しさも持っています。

まとめ・パーツ例

 私がお薦めするパーツの例をあげます。
 これらは、主に初心者を対象とした、組み込みに難しく無いパーツ組み合わせです。

●1J・0.2g
 APS−2SV、くらげ甘口(白使用)
 弾は、0.2gでは特別良いものがありませんので、何でも良し

●1J・0.25g
 APS−2SV、くらげ辛口(青使用)
 弾はマルイ、スーパーグレード0.25g

●1J・0.29g
 APS−2SV、くらげ甘口(黒使用)
 弾はマルゼン、グランドマスター0.29g

 消音を考え、サイレンサーを装備する場合は、上記の組み合わせにKMのSWATロング、そして、APS−2用サイレンサーアタッチメント購入です。

 スコープは、実際のぞいてみて適当な物を購入してください。

 これら組み合わせを、私が実際に試したわけではありません。
 実際組んでみて、うまくいかなかったら申し訳ありませんが、責任は負いかねます。

i_back1.gif