サバゲニッポン昔話


うさぴょん「今回のお話はグリ夫が主人公だぴょん」
クマノフ「クマーーーーーー!主人公の座が奪われそうだクマ!」
ネコ田さん「この話ってクマノフさんが主人公だったのかにゃ〜?」
パン太「えぇ、僕が主人公だよぉ〜」
クマノフ「だが私が一番人気あるクマー」
うさぴょん「今回は更新時期の関係でお便りの紹介も無しだぴょん、本編いくぴょん」

第8話:新兵器調達大作戦

 グリ夫は自宅にこもってました。
 東京に借りた安いアパート、四畳半風呂無し、築35年、家賃28000円、駅まで徒歩9分のアパートです。
 その狭い部屋でグリ夫は一人、

「あのウサギ、許さない……だが……」

 グリ夫は愛銃のコルト.25ポケットを握りしめていました。

「……この銃ではいささか力不足だ……」

「そうだ、銃を買いに行こう……」

 と、一瞬顔に元気が浮かびましたが、またすぐに落ち込んでしまいます。

「……だが俺には金がない……」

 その時、部屋の片隅に置いてある赤い14インチテレビ(ダイヤルチャンネル式)に映った白いチワワを見て……

「よし、これだっ!」



 グリ夫はアイ*ルに立ち寄った後、ガンショップへと向かいました。

「オヤジ、武器だ。武器をくれ」

 店員のオジサンは困惑した様子で、
「はあ?」

「ああ、すまない、少しばかり説明が足りなかったようだ。俺は強力なエアガンが欲しいのだよ」
「は、はあ……」
「いいか、手短に言う」
「はあ……」

「この店で一番強いエアガンは、どれだ?」



 グリ夫は家に帰ってきました。
 手にはデ*コンのターゲッ*ハンター30インチを持っていました。

 グリ夫は銃を持ち、
「これさえあればあのウサギなど……」

 マガジンを外そうとしました。
 しかし……

 マガジンが見あたりません。

「むっ、これはどこに弾を入れるのだ?」

 考え、いじくりまわすこと30分。
 なかなかマガジンは見つからず、グリ夫は説明書を読むことにしました。
 そしてやっと、この銃にはマガジンがなく、単発式であることに気づきます。

「なにーーーーーーーーー!?単発だとっ!装弾数が1発だとっ!?」




 こんな物ではうさぴょんに勝てないと思ったグリ夫は、今度は別なガンショップに向かいました。

「オヤジ、銃をくれ、連射ができて弾がたくさん入る奴だ」



 再びグリ夫はエアガンの箱を持って家に帰ってきました。

「AK47、あのクマのと同じ奴か……」

 グリ夫は買ってきたばかりのその銃に弾を入れて、撃ってみました。

 ぅぃん……ぱぱぱぱぱぱぱん☆

 部屋の中に置かれたマトに向かって弾が飛んでいきました。
 ゆっくりと、黄色い弾が……

「な……なんだ……パワーが無いぞ……」

 箱には「ミニ電動ガンAK47」と書かれていました。



 グリ夫は今日3件目のエアガンショップへと足を運びました。

「オヤジ、エアガンをくれ、サバイバルゲームで有利な奴だ」
「有利っていわれてもねぇ……マ*イの電動ガンでいいんじゃないですか?」
「そうか、それにしよう。それをくれ」
「たくさん種類ありますけど」
「一番強い奴だ」
「どれもあんまり変わらないんですよ」
「く、そうなのかっ」
「だからお客さんの好きな銃を選んでいいんじゃないですかね。どれでもあんまり変わらないですし」
「そ、そうか……」

 グリ夫は店内の電動ガンを見渡して……

「オヤジ、これだ!」

 M4RISを指さしました。

「これがゴツゴツしてて一番強そうだ!」

「それを撃つためには充電器とバッテリーも必要になりますよ。それとサバイバルゲームで使うなら多弾数マガジンもあったほうがいいですね」
「おう、ならそれらをくれ。そうだ、バッテリーの電圧は連射速度に関係するんだな?」
「まあ、そうですが」
「なら一番電圧の高いバッテリーをくれ」
「え、でも壊れてしまいますよ」
「口出しするな、俺は客だぞ!」



 グリ夫は家に帰ってきました。
 早速、外付け12ボルトバッテリーの充電を始めました。
 電動ガンの通常のバッテリーの電圧は8.4ボルトですから、12ボルトとなるとなかなか強力です。

 充電が終わるとグリ夫はバッテリーと弾をM4RISにセットしました。
 そしてうさぴょんのイラストが書かれたターゲットペーパーに銃を向け、

「死ねーーー!ウサギーーー!」

 ギュガァァァァァァァ……バキッ☆ウィーン、ゥィーーーン。

 ターゲットにうさぴょんのイラストに穴は空いたものの、途中から弾が出なくなってしまいました。

「な、なんだ!?壊れたとでもいうのか!?」

 いくら引いてもモーターとギアの音がするだけで、もう弾は出ませんでした。



 グリ夫は壊れたM4RISを持って、購入したお店に戻ってきました。

「オヤジ!もう壊れたぞ!不良品を売りつけたな!」

「だから言ったじゃないですか、あのバッテリーでは壊れますよ」って
「オヤジ、責任とって直せ」
「はあ、でも修理費はお客さん持ちですよ……トホホ」
「まあ、そのぐらいいいだろう」

 店員さんがM4RISを分解すると、スパーギアが欠けていました。

「スパーギアが壊れていますね、ピストンのラックギアもかなり削れています」

「ならその二つのパーツを交換だ。ノーマルより耐久性の高いものはあるだろう?」
「まあ、ありますけど、また壊れますよ」
「馬鹿か?耐久性の高い物に交換したら壊れないはずだ。あんまりウダウダ言ってるとインターネットでこの店に対する悪評をばらまくぞ!」



 グリ夫は修理したM4A1を持って家に戻ってきました。
 スパーギアとピストンはカスタムパーツで耐久性の高いものに交換してあります。

「さて、今度こそ快調かな」

 グリ夫はマトに向かってM4RISを撃ちました。

 ギュガァァァァァァァ。

 やや異音を立てているものの、銃は快調に作動しました……
 初めだけですが……

 しばらくすると……

 バキッ☆ゥィーン、ウィーン……

「ま、また壊れた!」



 グリ夫は、またまたM4を持って購入店にやってきました。
「オヤジ、また壊れたぞ!不良品を売りつけやがって!」

「だから言ったじゃないですか、また壊れますよ……って」
「このクソオヤジ!とっとと直せ」

 店員さんはM4RISを分解しました。

 今度はベベルギアが破損していました。

「ああ〜、こんどはベベルの歯が破損ですね、3枚壊れています」
「ならこのギアも耐久性の高い物に交換だ。心配するな、金は出す」
「こういうのは原因から断たないといけないんですけどねぇ……」
「うるさい!俺のすることに間違いなどない!」



 翌日……

「オヤジ、また壊れたぞ!」
「は、はあ……」

 店員さんがM4RISを分解すると……

「はあ、軸受けが割れていますね」

「なら軸受けを耐久性の高い物に交換だ」



 そしてその日の午後。

「オヤジ、また壊れたじゃないか!」
「はあ、こんどはどこが……」

 分解すると。

「ああ、ピストンが壊れてますね」
「馬鹿言うな!ピストンは耐久性の高い物に交換したはずだ!」
「それでも壊れる時は壊れるんですよ。そもそもこの電圧にノーマルスプリングって組み合わせでは」
「ん?ノーマルスプリングが良くないのか?」
「一番良くないのは電圧ですけどね」
「そうか、ノーマルスプリングが良くないのか」
 いまいち話がかみ合っていませんが、グリ夫は気づいていませんでした。

「オヤジ、この店にある中で一番強いスプリングを組み込んでくれ」
「危険性増しますよ、それに、やっぱり壊れやすいですよ」
「ん?なんだ、逆らうのか?客に向かって逆らうのか?えぇ?なんとか言ってみんかい!?」
「って言われても……」
「あぁ?俺が本気になったら、どうなるか分かってるんかい!?毎朝店の前で野糞したるぞコラァ!それでもいいんかいボケェ!」



 グリ夫はまたまた家に戻ってきました。
 スプリングを強い物に交換したM4RISは連射速度は遅くなったもののパワーがありました。
 バババババババババ☆

「快調だ。これは素晴らしい銃だ。もうレギュレーションなんてこの際無視だ。パワーオーバーがバレたらバレたでその時考えるさ」

 そしてしばらく撃っていると……
 マガジンに弾が残っていてもカラ撃ちになりました。

「ん、また壊れたのか、あのオヤジめ」



「オヤジ!壊れたぞ!」
「はぁ……」

 またまた分解すると……

「メカボックスが割れてますね」
「な、なんだとっ!」
「スイッチもかなり痛んでいますし、メカボックスが割れても撃っていたせいでチャンバーにも負担が掛かっていますね」

 店員さんは電卓を叩くと、
「これ全部直すと、このぐらいかかりますかね……」

「おいオヤジ、今まで俺がこの銃にいくらつぎ込んだと思ってるんだ!?」
 グリ夫は頭に血が上っています。もともと上っていたも言えるのですが……
「カスタムパーツだけでギア三つ、ピストン二つ、スプリング、軸受け、それからメカボックスにスイッチにチャンバーだと!?この店は詐欺だろ!?」
「そんなこと言われても、ねぇ……もともと無理なんですよ。このパワーでは負担が大きいですから」
「だったら耐久性が一番高いカスタムってのは何なんだ?」
「……それはノーマル状態ですかね」
「はあ?ノーマルが一番耐久性が高いだと?」
「そりゃそうですよ、何も無理なことしてないメーカー設定のままなんですから。マ*イの電動銃なんかは特にそうですよ」
「なら俺は、わざわざ金をかけて高いカスタムパーツを使って、銃を壊れやすくしてたというのか?」
「まあ、そうなりますね」
「何で止めなかったのだ!?」
「止めたじゃないですか!」

 グリ夫は力無くその場に崩れ、ひざまずきました。
「お……俺は……俺は無駄なことをしていたのか……」
 グリ夫の目から涙がこぼれ落ち、頬をつたいました。
「アイ*ルのチワワからお金を借りて、やっとここまでカスタムしたというのに……」
 グリ夫は拳を強く握りしめ、奥歯をかみしめました。

「く、くそう、悔しい……悔しい……」

 そして顔を上げると……
「そしてこうなったのも全て……あいつのせいだ……」
 再び復讐を誓ったのです。


−−−もしかするとさらに続くかもしれない−−−

あまりにあきれたのでメッセージを送ってみる。

なまえ

つくったひとへのメッセージ


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