サバゲニッポン昔話
うさぴょん「いよいよ物語も佳境ぴょん」
ネコ田さん「俺の出番は……ないのかにゃ?」
うさぴょん「ないぴょん」
ネコ田さん「にゃ〜」
うさぴょん「心配しなくていいぴょん。僕の出番もないぴょん」
ネコ田さん「俺はうさぴょんよりは目立ちたいにゃ〜」
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ハンドルネーム:スーパーマリオRPG7
大変。54話のタイトルが一瞬「運命の小一時間」に見えた。
それにしても、少ない…笑いが少ないよ。そしてつっこみどころも少ないよ。
どうしちゃったのさ!?とにかくひたすらボケにボケて、みんなにつっこまれるのがサバニポ(特にプラホーイ大佐)の役目じゃないんですか?
というか、スペツナズって限定だから、他のを買うより高くつくんじゃないんですか!?
まったく、今度は『ちゃんと』してくださいよ!?
(と、次回でプラホーイ大佐が大ボケをかます事への強制力を働かせてみる)
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クマノフ「大佐のことだから組織の金で買ってるクマ」
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ハンドルネーム:相良
クマノフ特殊能力 起死回生 ピンチになればなるほど強くなる
トラ吉特殊能力 見切り 回避能力50%up
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ネコ田さん「どっちの能力のほうが強いのかにゃ〜」
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ハンドルネーム:相良
グリ夫出してー
グリ夫に色を塗るとTシャツは何色が似合うでしょうか?
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グリ夫「すまん、もう俺の出番は無いらしい」
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ハンドルネーム:仮
プラホーイ大佐強い・・・・
これだけ強いのに制限時間1時間とか無茶な事言いますね。
でもクマノフさんもトラ吉もそんなに簡単にはやられないハズ!
残り時間4,5分で逆転できるのか!?
次作に期待!!
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パン太「僕のこの条件だったら負けないよ〜」
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ハンドルネーム:レイヴン
おおぉ!!
白熱しとる。
今回の内容、売りに出しても悪くないクオリティー。
印税で儲かるぞ、クマさんよ。
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クマノフ「ビッグサイトで売るクマ」
ネコ田さん「それって儲かるのかにゃ〜?」
うさぴょん「モンゴルから来た知り合いが儲かるって言ってたぴょん」
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ハンドルネーム:いつも見てます君
もしかするとさらに続くかもしれない←(なぜ「かもしれない」がいつも小さい文字なんですか?
後、トラ吉がんばれ〜誰にも負けるな〜!!!
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ネコ田さん「続かないかもしれないのかにゃ」
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ハンドルネーム:ミッツ
おお!来た。 トラ吉が勝ちそうだ。 がんばれートラ吉^。
ソレに比べて、クマノフはドーセ「彼女は撃てないクマ」とか言うんじゃないのか?この軟弱者めぇ。
そんなんじゃ、クマノフファンの私もトラ吉ファンに替わりますわ、ホント。 シッカリしてください^
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ネコ田さん「こうして俺のファンがまた一人増えるにゃ」
うさぴょん「トラ吉ファンになるっていってるぴょん」
エリー「自分に都合がいいように見える目を持ってるのね」
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ハンドルネーム:四霊
やっぱりサバニポ面白いですね!!
特にグリ夫がうけます。
もっと出してくださいぉ。
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グリ夫「走るぜっ!」
エリー「どこに?」
グリ夫「地獄にだ」
うさぴょん「地獄で待ってる人がいるぴょん?」
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ハンドルネーム:究極の裏技王
トラ吉危うし!!そして、クマノフとクマーニャの運命は!?
待て次回!!
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ネコ田さん「トラ吉弱いからにゃ〜」
クマノフ「一度倒しただけでいい気になってる奴がいるクマ」
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ハンドルネーム:ルーエル・インフィニティ
トラ吉が危ない!!これはトラ吉の作戦なのか!?
てか、あと6分ぐらいしかないのにクマノフ&トラ吉は勝てるのか?
それは・・・パン太のみぞ知る!!(何ッ
追伸:あと4話くらいと言わずにせめてあと7話くらい・・・
そして何故か誰かが遠くから・・・
「お前はもう死んでいる・・・」(極限意味不明発言)
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パン太「どうせ勝てないよ〜」
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ハンドルネーム:かさはら
ネコ田さん!
頑張ってください。
最初は面白かったのですが、だんだん気の毒になってきました。
せめてベジ*タぐらいは強くなってください。
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ネコ田さん「期待されてるのはわかるけどにゃ。俺はもう強いにゃ。トラ吉を倒してサバニポ最強の一人になったにゃ」
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ハンドルネーム:Bryce-FX
またサバ二ポが見れて嬉しいです。
前回は連続メッセージを送ってしまって・・・ごめんなさい。
今回も続きがとても気になります。
でも、ちょっと寂しかったですね。(いいけど)
それにしてもあのクマオヤジはムカつちますねー。遊ぶとか例外でしょ!
話が変わりますが、最近クマノフさんよりトラ吉兄さんの方が好きになりました!
やっぱりトラ吉兄さんが一番尊敬できるというか・・・(サバゲでは)
クマノフさん。裏切ってすみません。
んで、前回トラ吉兄さんにM93Rの1stを使っているのですか?と聞いたものの、M93Rを使っている。で終わってしまいました。1st、2ndのどちらを使用しているのですか?
マルイの奴は買わないんですか?
とにかく応援しているので頑張ってください!
組織に戻っちゃいけませんよ!!
エリーさんもジョギングがんばれー!
>
以上、長文失礼しました。
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トラ吉「M93RUには1ST、2NDの違いはないで〜」
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ハンドルネーム:ドナレド
ふゃーーーーーーーーーーーーーーーーっひゃっひゃっひゃっ!!!!!
俺が死んだと思ったのが間違いなんだな。ひゃっひゃっひゃっひゃーーーーー!!!!
あの4人ともどもハンバーガーにしてやる。ふゃーーーーーーーーーーーーーーーーっひゃっひゃっひゃっ!!
ドナ!ドナレドマジック!!!
ポムッ
(しかし、呪文にかかったのは自分だった。)
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ネコ田さん「ご愁傷様にゃ」
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ハンドルネーム:ENIAC
レベル高けぇ^^;
そしてトラ吉カッコイイw
相変わらずすばらしいですw
次回も楽しみにしてまっせぇ!!
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パン太「僕も参加したいよ〜。せっかく復活したのに退屈でしかたないよ〜」
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ハンドルネーム:でん*ちゃん
「相手は二人クマ。弾を節約する必要はないクマ」
この台詞聞き捨てならんなぁ?
でん*ちゃんの恐ろしさ見せてやる
あと、クマさん確実に不法滞在と思うんですが・・・
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クマノフ「不法入国に不法滞在クマ。それがどうかしたクマ?」
ネコ田さん「開き直ってるにゃ」
うさぴょん「ちがうぴょん。悪いことに気づいてないぴょん」
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ハンドルネーム:リボルバーファン
クマノフがクマーニャを取り戻そうとしている頃…
ネコ田さんは修行+旅行ということでアメリカ西部に来ていました。
そこではいつでもどこでも銃撃戦が行われていました。
しかしネコ田さんはあることに気付きました。
『にゃにゃ?あんな銃見たことないにゃ』
そうです、ネコ田さんはリボルバーを見たことがなかったのです。
『おい!そこの弱そうな猫、俺と勝負しねぇか?』
ネコ田さんが振り返ってみると変な帽子に変な靴、そして変なジャケットを着た男が立っていました。
もちろんネコ田さんの返事は『受けてたつにゃ!!』でした。
しかしその男はネコ田さんのMP5A5を指さしこう言いました。
『なんだその銃は?この町じゃあこれを使うんだぜ』
手渡された銃は先程のあの変な銃でした。
しかしその銃を手にした途端ネコ田さんの中に熱い何かが込み上げてきました!!
『なんだかわからないけどこの銃ならいけるにゃ!!』
そしてゲームがはじまりました。
この町のレギュレーションは変わっていました。
それはお互いに背を向けあい五歩ずつ歩いて早撃ちするというものでした。
『じゃあいくぞ。1・2・3・4・5!』
二人は瞬時に向かい合い撃ちました。
いえ、ネコ田さんはまだ撃っていません!
『見えるにゃ!!』そう言ってネコ田さんは一発だけ撃ちました。
するとネコ田さんが撃った弾は見事にあの男が撃った弾を粉砕してそのままあの男にヒットしました。
『や、やられた…。』そのまま男は倒れました。
『勝ったにゃー♪やっぱり俺は天才にゃ☆記念としてこの銃はもらってサイドアームにするにゃ』
そしてネコ田さんはリボルバーを使った時の自分に気づかずその町をあとにするのでした…。。。
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ネコ田さん「第二部、アメリカ西部編ぴょん」
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ハンドルネーム:匿名希望
がんばってくれ!クマノフたちよ!君たちが勝ったらクマーニャではなく、私をあげよう!
・・・とまぁこれくらいにして、
[とら吉のスパスが危ない!]みたいな場面で終わっちゃいましたよね、個人的な予想ですが、スペツナズの玉を、クマノフがねらい撃つ!ってなかんじになると思うのですが。
そのままトラ吉がヒットになることはないとおもいます。
まぁがんばれ!がんばって私をとれ!
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クマノフ「いらないクマ」
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ハンドルネーム:AK−47だいすきさん
がんばれクマノフ!!!
βスペツナズなんかにまけるな!!
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ネコ田さん「ベータじゃなくて普通のスペツナズにゃ」
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ハンドルネーム:アロウィン
阪神優勝おめでとう〜!
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トラ吉「わいも優勝、阪神も優勝や〜」
第55話:手に入れた夢
クマノフとトラ吉対、プラホーイ大佐とクマーニャのゲーム。
フィールドに潜んだプラホーイ大佐とクマーニャを1時間以内に見つけだし、二人とも倒さない限り、クマノフ達の勝利はありません。
残り時間6分で、トラ吉はプラホーイ大佐と遭遇しました。
ザザザッ☆
トラ吉が近くの木の影へと飛び込みました。
「あんたがどれだけの実力者かはわからへんけど、タイマン勝負なら負けへんで」
トラ吉の左手がホルスターに収まっているM93Rを掴みました。
プラホーイ大佐がブッシュの隙間から顔を出します。
いまさっきトラ吉が隠れた木。
その木に向けてゆっくりとスペツナズを向けます。
「しっかり隠れたつもりかもしれんが、銃が隠れきってはおらんぞ」
木の幹の向かって左側にはSPASの先端、フォアグリップから前が見えていたのです。
スペツナズの狙いが、SPASの銃身にぴたりとあいました。
ガガガッ☆
カンッ☆
甲高い音。
相手の銃に着弾した音です。
白い弾が跳ねました。
スペツナズのハンドガードから。
その音は、スペツナズへの着弾の音だったのです。
「なんだとっ!?ヒットだっ」
プラホーイ大佐が狙いをさだめていた木の向かって右側。
つまりスペツナズの狙いとは反対側。
M93Rとトラ吉の顔が少しだけ見えていました。
「馬鹿な……左手のハンドガンで……!?」
トラ吉は木の裏側で右手にSPAS、左手にM93Rを持っていました。
右手のSPASの銃身を木の右側から出して相手の気を引き、左側からは左目と左手のM93Rで攻撃する作戦だったのです。
「これで一人や」
トラ吉は真剣な表情を変えないまま前進していきました。
プラホーイ大佐を倒したところで、時間内にクマーニャを倒せなければ意味がないのです。
「トラ吉がプラホーイ大佐を倒したクマ……?」
クマノフはトラ吉とプラホーイ大佐が戦っていた場所を遠くから眺めていました。
戦闘に駆けつけたかったのはやまやま、しかし戦いに加わりにいったとすれば、どこかに潜んでいるクマーニャに確実に撃たれてしまうことでしょう。
クマノフはそれを警戒し、動かずにクマーニャの動きを探っていました。
プラホーイ大佐が戦闘状態に突入したことは、クマーニャもプラホーイ大佐への援護の為に動くと期待したからです。
「あと4分クマ……」
時計を見るクマノフ。
「どこにいるクマ……」
クマノフはやや地面が盛り上がった場所で、ややブッシュがある場所に目を付けました。
目を凝らしてみても、ここからだとクマーニャの姿はおろか、ブッシュの様子もよくわかりません。
「あの場所、ブッシュ横に張り付けば絶好の狙撃ポイントクマ……」
クマノフは前進していきました。
もはやそこしかありません。
20mほど進むと、地面の盛り上がりにさしかかりました。
大したことではない坂。
高いといっても周囲にくらべ1mほどの差です。
慎重に坂を上るクマノフ。
反対側から登ってきているトラ吉と目が合いました。
トラ吉との距離は15メートル程度。
二人の銃口が向かい合います。
二人の視線と銃口が高台中央を流れていきます。
いつでも撃てる状態。
もし相手が二人の中央にいるなら、左右、または前後から囲んだ状態。
どちらか一人が撃たれたとしても、クマーニャが振り向く前にもう一人の攻撃で倒せるはずです。
「どこや……」
左から右へ、視線と共にSPASに銃口を動かすトラ吉。
反対側にはクマノフ。
「いないクマ……」
クマノフもまた、クマーニャを発見できません。
ボッボッ☆
突如の発射音に二人は伏せました。
パシッ☆
「ヒットやっ」
一発の命中音とともにクマノフよりも素早いはずのトラ吉がヒットコールを上げました。
一方、クマノフの頭上も弾が通り過ぎました。
一発目の狙いはトラ吉。
二発目の狙いがクマノフだったのでしょう。
フィールドを去るトラ吉。
クマノフはブッシュにしゃがみ込んだまま。左方向に向きを変えました。
弾は西から飛んできていました。
「分かったクマ……だからさっきトラ吉が撃たれなかったクマ……」
先ほど、トラ吉がプラホーイ大佐と撃ち合った時。
トラ吉はクマーニャに撃たれずにプラホーイ大佐を倒しました。
もしクマーニャがこの僅かな高台にいるなら、トラ吉を狙撃できたはずです。
クマノフはそれを狙い、トラ吉のサポートにいきませんでした。
もしこの高台に上でクマーニャの銃口が動くのが見えれば、クマーニャを発見できるかもしれないと読んだからです。
しかしその動きはなく。トラ吉もアウトになりませんでした。
その理由。
クマーニャは移動したのでしょう。
もう30分以上前に一発の弾をトラ吉に放ったのは確認しました。
その攻撃ができるのはこの高台。
しかし、その後に西に向かって高台から降りていたのです。
自分を追って高台にやってくるであろう二人を狙撃するために。
クマノフ達がこの高台に目を付けてやってくるのは、すでに予想されていたのです。
時間を確認するクマノフ。
残り時間は2分。
相手は確実に自分の位置を掴んでいるはず、しかしクマノフは相手の正確な位置を掴めません。
「分からない以上撃てないクマ……しかし顔を上げれば確実にやられるクマ……」
ブッシュの隙間から情報を取ろうと、隙間を探そうとしました。
しかし、その行動にストップがかかります。
危険性の方が大きいと感じたのです。
「……クマ……撃たれるクマ」
言って、クマノフの動きがぴたりと止まりました。
「……撃たれる……?近いクマ」
クマーニャとの距離はそう遠くは無いはずです。
さきほど、確かに発射音が聞こえました。
小さな発射音とはいえ、あの素早いトラ吉が回避に間に合わなかったのです。
おそらくは20m以内。
そして、高台の外から狙えるとすると15m以上。
7m以内なら高台の上なため、自分からも簡単にクマーニャを発見できたはず。
高台の向こう側の斜面にへばりついているなら伏せての狙撃は難しく、しゃがんでいるはず。
しかし、クマーニャほど見つからないことを重視している狙撃手が伏せずにしゃがんでいるなどということは、クマノフには考えられなかったのです。
「距離15から20mクマ。方向は……」
すこし考え……
「この方向クマ」
とはいえ、距離と方向が分かったところで、射線を通さなければ相手を撃つことは出来ません。
もちろん、射線を遠そうと姿勢を上げれば、先に撃たれるのは目に見えているのです。
クマノフはその位置に木が無いのを確認し。
「木はないクマ……つまり、確実に伏せてるはずクマ……」
クマノフはAK47を地面に置き、ホルスターからCZ75を抜きました。
「距離は17、18mクマ……」
クマノフはCZ75を正面に向けて構えると、ゆっくりと足に力を入れ……姿勢を上げていきます。
ブッシュ上に顔を出しました。
一気に視界が広がります。
フィールドが広く見て取れます。
しかし、クマノフの意識にあるのは、真正面だけ。
それも15mから20mという狭い範囲。
円形の視界。
中心には十字のライン。
その中央にハンドガンを構えたクマが映っています。
クマーニャのスコープの中。
クマノフはしっかりと捕らえられていました。
その視線とハンドガンの銃口は、まっすぐこちらを向いています。
こちらの大まかな位置を掴めているのでしょう。
クマーニャはレティクルの中心をクマノフの腹部に合わせました。
ブッシュそこがブッシュギリギリの位置だからです。
相手がこちらが撃ってくるのを分かっている以上、射撃と同時に姿勢を落とすはずです。
そのため、高い位置、たとえば頭部を狙っても当たらないのが見えています。
クマーニャの人差し指が動きました。
ボッ☆
クマノフに向かって、正面からの発射音。
それと同時に飛んでくる一発の白い弾。
「来たクマ」
クマノフは伏せません。
そして……
横へと動きました。
ひゅん。
クマノフのすぐ左側を通過していく弾。
姿勢を落としても間に合わない。それはあらかじめクマノフは知っていたのです。
発射音と同時に姿勢を落とすのが定石。しかし、そうしたところで低い場所を狙ってきた敵弾は、姿勢を落とした顔面を直撃すると、そう読んだのです。そして、その予測は当たっていたでしょう。
ボッボッ☆
さらに続けざまに撃たれた2発。
クマノフは伏せません。
敵弾を見ながら、あるいはカンとバクチに頼り、左右に避けます。
ボッボッ☆
「クマッ……」
顔面のすぐ横を通り過ぎる敵弾に焦るクマノフ。
それでもまだ回避を続けるクマノフ。
ボッ☆
クマノフの目の前でカーブがかかったように急激に横方向に流れていく敵弾。
正確にはそう錯覚するだけ、弾は曲がっていなく、クマノフの顔が横に動いているためにそう見えるだけ。
「一発だけクマ。これが最後クマ」
クマノフは飛んでくる弾が一発だけに変わったことを敏感に察知しました。
そして、
ズササササ。
ブッシュ内を駆けます。
クマーニャへと向かって。
円形の視界。
スコープの中をクマノフが駆けてきます。
しかしクマーニャはトリガーを引きません。いえ、引けませんでした。
みるみるうちにクマノフの姿は大きくなり……
「ここまでクマ」
クマノフは立っていました。
クマーニャのすぐ前、ほんの1メートルの距離に。
「その銃の短いマガジンから見て、装弾数が少ない事は分かっていたクマ。全弾撃ち切らせれば私の勝ちクマ」
クマノフはいつも通りの口調で語りました。
伏せた状態のクマーニャは無言で、クマノフに銃口と視線を向けたまま……
「私に君を撃たせないで欲しいクマ……」
「タイムアップだな」
フィールドとなっている森を見ながら、プラホーイ大佐が言いました。
すでに手にホイッスルを持っています。
「君たちはよくやった。だが私たちには及ばなかったようだな」
近くにいるトラ吉に視線をやりました。
トラ吉は真剣なまなざしでフィールドを見ています。
まだ戦っているだろうクマノフに期待をかけ。
二人はフィールドの外、セフティーゾーンにいます。
そしてクマノフとクマーニャは未だフィールドの中。
「あと5秒……」
ホイッスルを持ったプラホーイ大佐の手が口に向かいます。
そして……
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー☆
ホイッスルが響きました。
「……なんや?」
トラ吉の疑問の声。
そのホイッスルの音は、プラホーイ大佐が鳴らした物ではなかったからです。
フィールドの中から聞こえた物。
残り時間、あと3秒。
「ば……馬鹿な」
夕陽が差し込む中。
セフティーゾーンに4人が集まりました。
「勝ったクマ。約束は守ってもらうクマ」
勝ち誇るでも、喜びを表すでもなく、いつもどおりの落ち着いた口調でクマノフは言いました。
「……分かった、約束どおりクマーニャを置いていこう……」
プラホーイ大佐は荷物をまとめはじめました。
「クマリア、今から君のマスターはこのクマノフだ。これからは彼の命令に従ってくれたまえ」
スペツナズをしまいながら、プラホーイ大佐はクマーニャに最後の命令を与えました。
「はい、分かりました」
静かに言葉を返すクマーニャ。
プラホーイ大佐が荷物をまとめ終えました。
大きなリュックを背負って立ち上がります。
「バス停まで送ってくれるかな?クマノフ君」
「クマ」
プラホーイ大佐は歩き出しました。
クマノフがそれに続きます。
トラ吉とクマーニャは二人、セフティーゾーンのまま。
数十メートルほど歩いた所で、プラホーイ大佐が口を開きました。
「さすがに君の力は大した物だ。あのクマリアすらを倒すとはな」
後ろを歩くクマノフの方を振り返るでもなく、プラホーイ大佐は言いました。
「ただ誉めるためにバス停まで同行させたクマ?」
「まさかだ、それは違う」
「それなら言うことを言うクマ」
「そうだな……クマリアの記憶の事だ」
「記憶クマ?」
「見れば分かるだろう?今のクマリアは過去の記憶は無い。我々が彼女を洗脳する時、過去の記憶は邪魔だった。そのためロシアの誇る最新の技術で彼女の記憶を消させてもらったよ」
「悪い事をしたものクマ」
怒りをあらわにするでもなく、坦々と言葉を返すクマノフ。
「だが心配する必要はない。いずれその記憶も戻る、君が彼女の近くにいればな」
「私がクマ?」
「そうだ。君は彼女にとって記憶を取り戻す鍵。君の存在は彼女にとってそれほど大きな物なのだよ」
「それは、私にとって喜ぶべきことクマ?」
クマノフの目つきがいつもにもまして険しくなりました。
「鋭いな。そう、答えはニェットだ」
「そう来ると思ったクマ」
「クマリアには全て真実を知らせた。やがて彼女は全てを思い出す」
「……クマ」
「残酷だなクマノフ君。君は彼女に全てを思い出させるのだよ。君がどんな人物だったか。どんなことをしたか。そして君が最後に誰を殺したか」
「なぜそれをクマーニャに知らせたクマ?」
「洗脳するのに必要だった。古い記憶を消すためにだ」
「……クマ?」
「古い記憶を消すためには、自ら消したいと思う願望が必要なのだよ。あの経験は彼女にとってとても大きな衝撃だ。それだけで彼女は自分自身で自分の記憶を消したいと思うほどにな」
「……洗脳の道具にされたというわけクマ……」
「その通りだ。だが元はといえば君がやったことだ。君が彼女の父親を殺さなければ、我々はその事実を使うこともしなかった」
「……クマ……」
クマノフの足が止まりました
プラホーイ大佐に返す言葉もありません。
普段、あれほど無感情のクマノフが……視線を地に落としたまま。
歩き続けるプラホーイ大佐との間が、一歩一歩開いていきます。
「私はこれで帰る。もしどうにかしてもらいたければモスクワに来たまえ、待っているとも。極上のウォッカを用意してな」
プラホーイ大佐は一枚に紙切れを投げました。
それは航空券。
クマーニャが帰国に使うための。
……つまりクマノフには自腹で来いと言うことですね……
夜の東京、浅草寺。
観光客で賑わうこの場所に、クマノフとクマーニャの姿がありました。
二人は一旦クマノフの家に行き、急いで荷物を置いた後、夜の東京観光へと出かけたのです。
「あのおみくじとやらを引くクマ」
「それはどのような物ですか?」
「幸せになれるクマ」
クマノフは一つのおみくじを引き、開いてみました。
中には……
『大凶』の文字。
「……クマ」
「どうしましたか?」
日本語の出来ないクマーニャには理解できていません。
「私たちは幸せにはなれそうにないクマ」
クマノフはおみくじを丸めると、近くのゴミ箱に投げ捨てました。
「せっかくだからスシを食いに行くクマ」
回転寿司に二人が入ってきました。
カウンターの席に並んで座ると、クマノフはコップを二つとり、お茶を注ぎます。
「寿司はとても高い食べ物だと聞きます。大丈夫なのでしょうか?」
「大丈夫クマ。とりあえず最初に何でもいいから一つ取るクマ」
「はい。分かりました」
クマノフは卵焼きを、クマーニャは生イカを取りました。
「まずはこれを食べるクマ」
「はい」
醤油をつけ、容易く食べるクマノフ。
それとは対称的に、イカを口に運んだクマーニャの苦戦が始まりました。
くちゃくちゃくちゃくちゃ。
いつまでたっても噛み続けています。
1分が経過した時。
「これは噛み切れません」
クマーニャが言いました。
「それはガムみたいなものクマ。味が無くなったら吐き出すクマ」
真顔で言うクマノフ。
「はい」
真顔で受け入れるクマーニャ。
クマーニャは皿を手にとると。
ペッ。
イカを吐き出しました。
近くにいた他の客が驚きの表情でクマーニャを見ます。
気づいた板前も驚愕の表情です。
しかしクマーニャはそんな周囲の様子に気づいていないのか平然としたまま。
「これでよろしいのでしょうか?」
「クマ。そしてここからが本番クマ」
クマノフはやや声のトーンを落として言いました。
「本番というと?」
「日本というのは面白いシステムがあるクマ。ここでは反射神経が問われるクマ」
クマノフはさりげなく横目で周囲を見渡し……
サッっと手を伸ばしました。
レールの上を流れている寿司に向けて。
皿を取らず、寿司だけを素早く取るとすぐにクマノフは口に入れました。
「こうすれば最初の一皿だけの料金で食べ放題クマ」
クマーニャはじっとクマノフを見つめたままです。
もしかすると本気で感心しているのかもしれません。
「クマーニャもするクマ」
「はい」
クマーニャも横目で周囲を確認し……そしてもっとも危険度の高いカウンターの反対側にいる客に注意し、その客が寿司を食べようと頭を下げた瞬間。
サッ。
寿司を一つ取りました。
それを見たクマノフの表情が凍り付きます。
そんな事には気づかず、クマーニャは手に取った寿司を素早く口に入れました。
「それは危険クマッ」
クマーニャはクマノフの顔を正面から見つめ、そのまま、無表情のまま動きが止まりました。
無言の二人が見つめ合い。時間が止まりました。
そして……
クマーニャの口から食べかけの納豆巻きが逆流してきました。
−−−もしかするとさらに続くかもしれない−−−
あまりにあきれたのでメッセージを送ってみる。