サバゲニッポン昔話
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ハンドルネーム:究極の裏技王
なんと!!アメリカ合衆国に「エリー湖」があるでわないですか!!もしかしてエリーは水陸両用生物!?(両生類だろ)
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クマノフ「いや、空陸両用クマ」
ネコ田さん「どうやって飛ぶにゃ?もしかしてあのエリマキを広げてモモンガみたいにかにゃ?」
クマノフ「エリマキが回転してヘリコプターのように飛ぶクマ」
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ハンドルネーム:トラ吉の弟の友達の妹のいとこ
いやー良い話だったねー
特にあのミミズの出てくるシーン
泣かせるねー・・・
これからも頑張ってくださいネ
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ネコ田さん「泣けるにゃ……」
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ハンドルネーム:ルーエル・∞(インフィニティ)
うわぁスッゲー続きが気になる!!てか、トラ吉という存在を忘れてた^^トラ吉とだったら良さげじゃん^^ミミズバンザーイ!(意味不
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ネコ田さん「ミミズが大人気にゃ」
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ハンドルネーム:スーパーマリオRPG7
>>クマノフよ。クマーニャが愛しい人ですかい?まあ確かに同じ人ではあるけども、ちぃとばかし間違えてませんかね?
あと、レギュレーションチェックはしっかりやりましょう。なぜなら、ややもすると相手は本物を持(ry
…プラホーイ大佐の資金力では無理かな?私のところでバイトしてたくらいですし。
それにしても、「クマトラ」のサブタイは今回とか次回の方があってるような気がしないでもない今日この頃。どうなんでしょうそのあたり。ねえ!?どうなんでしょう!!?
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クマノフ「プラホーイ大佐も金には苦しんでいるみたいクマ」
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ハンドルネーム:ソウスケ
「ク、クマーニャ。私は君を撃てないクマーーーーーーーーー!!!!!!」
「ゆ、許してくれクマ。君を撃てない私を許してクマーーーーー!!!!!!」
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うさぴょん「心の叫びぴょん」
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ハンドルネーム:184非通知。
誰が見ても似ていないクマーニャの顔・・・・
いけないぞ、クマノフ
あとで、職員室に来なさい。
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ネコ田さん「学校だったみたいにゃ」
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ハンドルネーム:ENIAC
・・・・・・・・あれ?ミミズは?
まあいいか。なんか予想当たりそうですしw
VSミミズじゃないのが残念・・・・・・・
次も期待してますよ!!ww
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うさぴょん「ミミズと戦うのも楽しそうぴょん」
エリー「……それ、本気で言ってる?」
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ハンドルネーム:ミッツ
うあーーー。続きがすごい気になります。
クマーニャと戦うことになるのですか。
そしてやっぱりトラ吉が出てくるのですね。
実力的にもソレが妥当かと、ってかクマノフ負けてますしね^^。 続き楽しみにしてます^^
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パン太「僕の存在が無視されてるよ〜」
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ハンドルネーム:プレデター
オレは透明のヤツ使っているからいつでも最強さ・・・
ところで、クマノフちゃんとトラ吉ちゃんもいいけど・・・
グリ夫をだせ!オレはグリ夫が大好物さ!
・・・そういえばクマノフが道路で死んでたよ。
次はトラ吉・・・おまえだよ。グリ夫を出せば間に合うよ!
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ネコ田さん「よく分からないにゃ〜」
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ハンドルネーム:うちゅう
やっべぇ〜〜!!!!!!!!!!!
おもしろそうな(・・・ありきたりな。。。)
展開になってきたじゃないすけ!!
楽しみぃ〜〜〜(=≧▽≦=)ノシ
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ネコ田さん「ここからつまらなくなるにゃ」
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ハンドルネーム:92Fが好きっ♪
おお、流石に好きな人は撃てないとは・・・。漢じゃないけど・・・男だ・・・(笑)
次が楽しみです〜♪
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ネコ田さん「漢じゃないっていうのが、意味あるのかにゃ〜」
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ハンドルネーム:仮
久方ぶりの更新ですねw
なんかクマノフさんいつになく渋い気が・・・
トラ吉と組む・・・とはまだ言ってないですけどどっちにしろ組むんでしょうね。
プラホーイ大佐の実力やいかに!?
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エリー「クマノフ様、どうしてあたしとじゃないの?」
クマノフ「クマ」
エリー「クマノフ様、答えてくれないの?」
クマノフ「クマ」
うさぴょん「逃げてるぴょん」
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ハンドルネーム:レイヴン
ん?
ミミズは・・・?
気になってたのに棚上げされてしまった!!
追伸:ターゲットにした空き缶はちゃんと持ち帰ろうね☆
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クマノフ「アキカンまで飲むから大丈夫クマ」
ネコ田さん「アキカンをかにゃ……」
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ハンドルネーム:X-TEND FX
なんでエリーってクマノフに樣つけるの?
あれだけのことで樣付けするってなんか不思議?
でもトラ吉よりクマノフの方が好き!
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クマノフ「トラ吉に人気で勝ったクマ」
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ハンドルネーム:X-TEND FX
クマノフチームが負けた??
あの時は本当にショックでした(涙
でも中身がミミズでヨカッタ!
あそこにドナレドがいたらミミズ,全てハンバーガー
に変わってた?
でもクマノフさん逹すごくカッコヨカッタ!
(特にエリーさん、ネコ田さん)
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ネコ田さん「誉められたにゃ!」
パン太「よかったね〜」
うさぴょん「パン太は不満そうぴょん」
パン太「うさぴょんだって何もしないでやられてるよ〜」
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ハンドルネーム:グリ夫の弟
今日はお兄ちゃんに聞きたい事があるんだけど
聞いてくれるかなあ
どうしてお兄ちゃんは雨の日にシャンプーとタオルを
持って外へ出かけるの
Aどうしてお兄ちゃんはウ○コを外でするの
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クマノフ「雨の日のシャンプーは節約術の基本クマ」
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ハンドルネーム:コクリュウ
ミミズの話がスルーされてる・・・
というより
やはりクマーニャ来ましたか。
この話が解決しないと終わるに終われないでしょ。
というより(2回目)
サバニポが終わってはダメだ!!!
最終回は勘弁して下さい・・・
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うさぴょん「あと4話ぐらいあるから安心するぴょん」
ネコ田さん「それだけかにゃ〜」
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ハンドルネーム:乙鳥
初投稿です。
最近、やっと53話まで読んだのにもうすぐ終わりなのでちょっと悲しいです。
面白いので次を期待しています。
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パン太「次シリーズは僕が主人公だよ〜」
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ハンドルネーム:Bryce-FX
トッ・トラ吉兄さんダー
トラ吉さんに弟がいただってー!
・・・
でもチームP・K・Oにはカメ吉兄さんがいるんだゾー
兄さんはトラ吉さんなんかよりずっと立派な
ショットガンナーなんだぞ!!
もしかしてコンビ組んでもイイカンジ??
トラ吉兄さんはM93Rの1st使ってるの?
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トラ吉「わいのはM93RUやで」
第54話:運命の一時間
晴れたフィールド。
そこに4人の姿がありました。
プラホーイ大佐、クマーニャ、クマノフ、そしてトラ吉。
「来てくれたかクマノフ。来なかったらどうしようかと思ったよ」
「クマ」
クマノフの表情はいつもどおりの無表情。
しかし、この場には、そのクマノフ以上に無表情な人物が一人。
クマーニャは何も言いません。ただこの場を見守っているだけ。
「賭けの事は分かっているな?」
プラホーイ大佐の確認。
「もちろんクマ。大佐こそ私が勝ったら約束を守ってもらうクマ」
「分かっている」
プラホーイ大佐が地面に置かれている旅行用のスーツケースを開けます。
中に入っているのはAK47を短くしたような銃で、ストックもありません。
数年前に限定商品で発売されたAKスペツナズです。
「銃は軽くて短い物が扱いやすい。そう思わないかね?」
「思わないクマ」
クマノフは同意を求めた大佐の意見を軽く払いのけました。
クマノフもライフルケースを開き、愛用のAK47を取り出します。
ピストルベルトをつけ、左側のマガジンポーチに80連マガジンを2本入れます。
ベルト右側についているホルスターにCZ75。
ベルト左側、AKのマガジンポーチの前にCZ75の予備マガジンを2本。
最後にホルスターより後方についている長細いポーチに、CZ75のサイレンサーを入れました。
「準備はOKクマ」
「私とクマリアの二人がこの森に潜む。制限時間は1時間。時間内に君たちが私たち二人を倒せれば勝ちだ」
「なんや?そんならあんたら二人は1時間逃げ切るだけでもええっちゅうんかい?」
不平を言うトラ吉。それに対し……
「ならばこの勝負、なかった事にしても良いのだが」
プラホーイ大佐は平然と言いました。
「どないするんやクマノフ?相手は待ち伏せれるんや。逃げきられるかもしれへん。それでもやるんか?」
クマノフは表情を変えません。
そして……
「やるクマ」
プラホーイ大佐に向かい、言いました。
普段と変わらない声、普段と変わらない表情で。
しかし、そのクマノフからは強い決意と自信が感じられます。
「それでは我々は先にフィールドに行くとしよう。5分後に私が笛を吹く、その笛と同時にスタートだ」
言ってプラホーイ大佐は森に入って行きました。
長い長いオートマティックライフルを持ったクマーニャもプラホーイ大佐に続きます。
「クマノフ。大丈夫なんか?」
プラホーイ大佐とクマーニャが完全に見えなくなってから、トラ吉がクマノフに問いかけました。
「勝つクマ……勝たないといけないクマ」
クマノフの視線はプラホーイ大佐達が消えた森に向いたまま。
「賭けってなんなんや?何かあるんかい?」
クマノフはトラ吉に向き直ることなく……
「クマーニャの自由が懸かっているクマ」
「あのクマ女の自由?」
「クマ」
「私たちは負けられないクマ」
「あの女は誰なんや?あの大佐とかいうおっさんもいったい誰なんや?」
「トラ吉には関係ないクマ」
「言いたくないんか?」
「クマ」
「そんならええわ。別に」
「クマ」
「作戦はどうするんや?」
「一緒に行動するクマ」
「まあ、分散して各個撃破されるよりええか。時間はあるんや」
「クマ。トラ吉が先頭クマ」
「危険な事をわいにやらせるつもりかい?」
「それもあるクマ。しかし私はトラ吉の反応速度を高く評価しているクマ。咄嗟の不意打ちにそなえるなら私より適任クマ」
おだてているのか、それとも本気なのは、はたまたその両方なのか……
「まあ、しゃあないな……」
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーー☆
森の中からホイッスルが聞こえてきました。
音だけきくとまだかなりの距離がありそうです。
「開始クマ」
「おう」
トラ吉は低い姿勢で森の入り口につくと、適当な木の影を取りました。
クマノフもそれに続き、トラ吉の横につきます。
「森の入り口は相手からよく見えるクマ。私たちは光を背負った状態クマ」
「んなことわかっとるわい」
森の中から森の入り口の明るい場所にいる人間をみると、シルエットがくっきり見えてしまいます。
クマノフはそのことを警戒しているのです。
トラ吉は慎重に森の中へと踏み出しました。
周囲に敵の気配はありません。
「ホイッスルは遠くから聞こえとった。別行動で一人が入り口近くで攻撃を仕掛けてくる可能性も捨てきれへんけど……タイムアップまで待ってるだけでも勝ちやったら、奥深くに入り込んでるかもしれん……」
「見えるか、クマリア?」
森の奥、プラホーイ大佐がいました。
やや盛り上がった場所の上、ブッシュと木の影から僅かに顔を出し。
そのプラホーイ大佐が話しかけた先、何もない地面のような場所にいるのは、クマーニャ。
ギリースーツを着て、地面に伏せたままのクマーニャは、まるで草そのものです。
「はい。森に入って来ました」
クマーニャはスコープを覗いたまま答えました。
「警戒しながら移動するなら、ここまでやってくるにはかなりの時間がかかるだろうな」
プラホーイ大佐とクマーニャがいる場所から、クマノフたちがいる場所まではかなりの距離があります。
その距離、50メートル以上。
裸眼ではとてもクマノフ達を見る事はできません。もちろん、全身さらけだして移動してるのならともかく、二人は殆どブッシュに潜った状態なのです。
「二人の様子は今も見えるか?」
プラホーイ大佐の問いかけ。
「いいえ」
スコープを使っているクマーニャでも、クマノフ達を見る事はできません。
ゲーム開始時、しっかりと森に入り込むまでの時間だけ、シルエットが見れたのでしょう。
「少し遊んでくるとしよう」
プラホーイ大佐が姿勢を低くし歩き出しました。
森の中を歩くトラ吉が、ふと足を止めました。
「どうしたクマ?」
後方から聞こえてくるクマノフの声。
「草が寝とる」
「クマ?」
「草が倒されとるってことや。つまりは敵の二人が歩いた痕跡や」
トラ吉の前にある草は、確かに誰かが歩いた跡が残っていました。
「罠かもしれないクマ」
「せやけど時間内に敵を見つけないとあかんのやで」
クマノフは時計を確認しました。
すでにゲーム開始から30分が経過しています。
フィールドは決して狭くありません。
このフィールドの中、プラホーイ大佐とギリースーツを着たクマーニャの両方を探し出すのは、たしかに困難なことです。
「クマ。行くクマ」
パララララ☆
ふと前方から聞こえた発射音。
トラ吉は素早くその場に伏せ、クマノフも姿勢を低くしました。
敵弾を確認していないにも関わらず、トラ吉の動作は大きいものです。
まるで確実に自分が狙われた時のように。
たった4人しかいないフィールド。
もし敵の発射音がしたら、その標的はほぼ確実に自分だからです。
そして、その予想は間違っていませんでした。
カサカサカサ。
周囲のブッシュが着弾音を立てました。
「まだ距離があるで」
伏せたまま言うトラ吉。
言われずとも、後方のクマノフもそのぐらい気づいているでしょう。
「クマ」
「クマノフ、わいは右から行く」
トラ吉は姿勢を低くしたまま右方向に這っていきました。
一方、クマノフは姿勢を低くしたまま左方向に移動しだしました。
決して太いとは言えない適当な木の横を取り、顔をブッシュぎりぎりまで上げます。
ブッシュ越しに見えるのは、ただの森。
もちろん敵の姿など見えません。
クマノフの目が森の中を探って行きます……
斜め右20m先の太い木。
その左側5mにある濃いブッシュエリア。
その二カ所にクマノフの目が止まりました。
どちらも、クマノフ達を待ち伏せるのに適した場所。
「……どちらかクマ」
クマノフはAKを構え。
20m先の太い木へと向けました。
パパパン☆
コココン☆
3発の発射音に続く、3発の着弾音。
弾を弾いた木の幹の後ろ、1メートルほどの位置にプラホーイ大佐がいました。
ぴったりとバリケードに張り付いていないのは、バリケードの防弾効果よりも相手に見つからない事を重視したため。
「さすがはクマノフ、良いカンをしている」
パパパン☆
カサカサカサ☆
今度はプラホーイ大佐のすぐ横のブッシュに着弾しました。
「完全に私の位置を掴んでいるというのか」
プラホーイ大佐はスペツナズを構えました。
「力が落ちていないか試させてもらうぞ。クマノフ」
プラホーイ大佐はスペツナズを構えたまま姿勢を上げていきました。
パパパパパン☆
クマノフに向けて攻撃します。
クマノフからの反応はありません。
プラホーイ大佐はブッシュギリギリの高さまで視線を上げ、前方を警戒しました。
薄暗く、ブッシュも濃い森の中。
クマノフの気配は無し……
「いない……移動したのか」
相手が移動したと思われる以上、自分もこの場に留まっているわけには行きません。
おそらく相手は自分を倒すために有利になる場所に移動しているのでしょう。
「右に移動といいうことか。そしてもう一人のトラは左」
プラホーイ大佐は静かに右後方に移動を始めました。
ブッシュの隙間にクマノフの目がありました。
隙間から覗く先は、太い木の近く。先ほどプラホーイ大佐がいた場所。
「いないクマ……」
クマノフは左に移動しながらプラホーイ大佐を倒せる位置に移動してきたのです。
本来、プラホーイ大佐の右前方を取れるはずの場所。しかしそれは、プラホーイ大佐が先ほどの位置から移動しなかった場合の話。
「どこに行ったクマ……」
右方向から回り込んだトラ吉の方向に行ってくれれば良いかもしれません。
しかし、それで自滅してくれる程、プラホーイ大佐は未熟ではないはずです。
「私の行動を読んでるとすれば、大佐は……」
クマノフは自分の左側のブッシュに目をやりました。
クマノフは先ほどプラホーイ大佐がいた場所を中心に左に回るように移動しています。
そして、これから移動しようとしたのは、もっと左。
スペツナズのリアサイトの先にあるのはフロントサイト。
そして、その先にあるのはブッシュ。
プラホーイ大佐はブッシュに向けてスペツナズを構えていました。
先ほど、この先で僅かにブッシュが揺れました。
きっとクマノフがいるに違いありません。
プラホーイ大佐の予想通りに。
「私の側面を取ろうとしているらしいが、あの場所に私はもういない。さあ来いクマノフ」
プラホーイ大佐はクマノフの動きを予想していました。側面を取りに移動してくることを。
しかし、さらにその動きを、クマノフもまた予想していたのです。
左方向を見たまま、クマノフの動きは止まってました。
「読まれているならこの先のはずクマ」
AKを左側に向けます。
何もないブッシュの向こうに銃口を向け、ブッシュ向こうにいるプラホーイ大佐の姿を思い浮かべ……
「ここクマ」
パラララララララララララ☆
カサカサカサカサ☆
突如、プラホーイ大佐の元をブッシュ貫通弾が襲いました。
正面のブッシュで弾の勢いはかなり落ちています。
「ぬっ……」
咄嗟にやや左に移動するプラホーイ大佐。
その背中が背の高いブッシュに振れました。
ユラユラと背の高いブッシュが揺れました。
トラ吉の前方、20メートルほどの位置で。
その揺れを、トラ吉が見のがすことはありませんでした。
「あそこや」
トラ吉は鋭い目で目標地点を睨みます。
低い姿勢で素早い前進を開始しました。
「動きがあったクマ。ここクマ」
パラララララララララ☆
さらにクマノフの攻撃がプラホーイ大佐を襲います。
「相手は二人クマ。弾を節約する必要はないクマ」
攻撃を受け続けるプラホーイ大佐は、ブッシュ内を這うように左に移動し続けていました。
ブッシュを揺らさないように、慎重に。
クマノフは射撃をやめ、やや左に移動を始めました。
同じ場所で長い時間撃ち続けたくないためです。
「撃つのをやめたということは移動しているということか」
ブッシュ内で立ち止まり、前方を警戒するプラホーイ大佐。
見通しの悪いブッシュを10秒ほど眺め……
「左からもう一人が来てるとすれば、右から。左右から囲んでくるはず」
大佐が正面より右方向にスペツナズを構えました。
クマノフがAKを構えた先に見えたのは、自然界には不自然な形。
正面から見たスペツナズ。
AKとスペツナズが向き合いました。その距離は5mほど。
バアアアアアアアアアア☆
お互いの銃口から弾が発射されます。
「なんやっ」
フルオート二つの同時発射音。
その音は当然のごとくトラ吉の耳にも届きました。
「接近戦をしとるはずや」
発射音の位置と、撃ち方から、トラ吉はすぐにクマノフ達の状況を把握しました。
「もう少しだったクマ……」
地面に伏せたクマノフが右方向を見たまま呟きました。
銃も右側に向けています。
プラホーイ大佐からの攻撃はかろうじて回避しました、しかしクマノフが放った攻撃にも手応えが感じられませんでした。
ブッシュの後ろ、伏せるまではいかずともかなり姿勢を低くしたプラホーイ大佐がいました。
数秒前の突如の撃ち合い、お互い敵の弾は逃れたものの、相手を倒すことはできませんでした。
「さすがはクマノフだな。簡単には倒されてはくれないようだ」
プラホーイ大佐の顔に浮かんだ笑み。しかし頬をつたう汗。
プラホーイ大佐はゆっくりと振り向きました。
「今の発射音を聞きつけてもう一人がやってくるだろうな。この場は退くとしよう」
大佐は姿勢を低くしたまま右、西方向に移動を開始しました。
姿勢を低くしたまま、素早く。
正面、10メートルも無い位置で揺れるブッシュがトラ吉の視界にありました。
「おった、あれや」
姿勢をブッシュぎりぎりまで上げるトラ吉。
草が動く位置は移動しています、逃げるつもりなのでしょう。
バンッ☆ガシャ☆バンッ☆ガシャ☆バンッ☆ガシャ☆
手応えはありません。
「逃がさへんで」
トラ吉は立ち上がり、敵を追いかけるように駆け出しました。
しかし5mも走った時。
「待つクマ。伏せるクマ!」
ふいに聞こえたクマノフの声。
トラ吉は伏せました。
カサッ☆
トラ吉の後方のブッシュがわずかな音を立てました。
「今追いかけていったら確実に狙撃されるクマ」
左後方から聞こえてくるクマノフの声。
トラ吉は姿勢を低くしたまま。
今飛んできた一発、発射音が聞こえなかった上に弾の勢いはあまりなかったらしいところを見ると遠距離からなのでしょう。
しかし、トラ吉がしゃがみ込むのが遅れたら、今頃はアウトになっていたのです。
「今、あいつが逃げたのはわざとやったんか……スナイパーのほうに狙撃させるため。それをクマノフは知ってて追撃せんかったんか……」
トラ吉は自分の未熟さを痛感しました。
少なくとも相手の戦術を読み、それにあった戦術を行う事に関しては、自分よりクマノフの方が上と言えます。
後ろからブッシュ内を静かに前進してくるクマノフがいました。
「撃ってきたクマ?」
「せや、おまえの言うとおりや」
「交戦中の敵を狙うのは狙撃手の常套戦術クマ。プラホーイ大佐はあえて私たちに撃たせるようにしたクマ」
トラ吉はまだ半分ほどの弾が残っているシェルを抜きました。
ベルトから別のシェルを取りだし、SPASに装填します。
「時間はどのぐらいクマ?」
「もう35分や。残り時間は25分」
「右から迂回できるクマ?」
「なんでや?」
「クマーニャのライフルはサイレンサー付きの電磁弁銃クマ。発射音が小さいのが特徴クマ。つまり発射音で見つけるのは不可能に近いクマ」
「ほんならどうやってや?」
「前後二方向から攻めるクマ。長いライフルを持って伏せてる敵を見つけるには、方向転換させれば目でみて発見できるクマ」
「そうやな」
「私は左に行くクマ。クマーニャの位置は……」
「どこや?」
「分からないクマ」
「答えになっとらんやんか」
「簡単に見つけられない位置にいるのは確かクマ」
言ってクマノフは姿勢を低く保ったまま左に移動を始めました。
「まあええわ……」
トラ吉も右に移動を開始しました。
「あの単純そうなトラのほうは追ってくると思ったんだがな」
木とブッシュに隠れ、前方の様子を伺っているプラホーイ大佐がいました。
「クマリア。二人の位置は分かるか?」
インカムに向けて話すプラホーイ大佐。
「いいえ」
感情の無い声のクマーニャの返答。
プラホーイ大佐は左腕の時計に目をやり……
「40分、残りは20分か……」
薄暗い森の中を進行しているトラがいました。
音を立てず、また、背の高いブッシュを揺らさないように注意しながら。
トラ吉の目の前の場所が明るくなっています。
木漏れ日が照らしている空間。
薄暗い森に慣れた目には、その空間がまぶしいくらいに見えました。
「あかんな、もっと右や……」
木漏れ日のスポットライトに照らされた場所を避けるように、トラ吉はさらに右に進路を取りました。
「そろそろクマ」
クマノフは前進をやめました。
もともと低い姿勢でここまで来ているため、しゃがみ込んだ状態は変わらず。
今までの進行方向からみると右前方に目をやります。
比較的平坦なこのフィールドに僅かにだけある起伏。
ほんの少しばかりですが地面が盛り上がっています。
「さっきトラ吉に向けて撃った一発。有効打を狙えるとしたらあそこのはずクマ」
クマノフは100円ショップで買った時計を確認しました。
経過時間は52分。
残りは僅か8分です。
それでもクマノフの表情は変化しません。普段通りの冷静ぶり。
「きっとあの位置クマ」
クマノフは前進を始めました。
「大佐。南側のブッシュが揺れています」
インカムから聞こえる声。
クマーニャの声です。
プラホーイ大佐は左側を見ました。
やや小高い場所の上を。そこにはクマーニャが潜んでいるのです。
そのさらに南側を見たいのですが、そこまでは見渡せません。
「狙えるか?」
「はい」
「その敵を監視してくれたまえ、私は北側を警戒する。南から来てるということはあと一人は北から来ているはずだからな」
プラホーイ大佐の予測は的中しています。
北側からはトラ吉が迫って来ているのです。
「どっちが来るか、楽しみだ。クマノフか、それともあのトラか」
「あと6分。まったく動きがないやないかい……こんなんで大丈夫なんか」
北側から南下しているトラ吉には焦りの表情。
クマノフとは対称的です。
数分前から進行速度をやや上げたトラ吉。
普段に比べれば動きがラフになっていますが、今はしかたありません。
この森のどこかにいる二人の敵を、今から6分以内に両方とも倒さなければいけないのですから。
トラ吉の目の前に黒い物が見えました。
反射的にトラ吉はサイドに飛び退きます。
パラララッ☆
距離7m程度。
敵が放った弾がトラ吉の横を抜けていきました。
「おったな」
ブッシュに伏せたトラ吉。
その姿勢でも目と銃口は正面を向いています。
いつ相手が前進してきても対応できるように。
「なんという素早い動きだ……」
プラホーイ大佐はスペツナズを構えたまま、感嘆の声を漏らしました。
正面から放った弾とはいえ、距離は10mも無し。
一般的にはほぼ確実にヒットを取れる距離です。
そして、プラホーイ大佐の狙いにもミスは無かったのですから。
「君ではなく、クマノフの相手をしたかったんだがな。こうなった以上、君の相手で我慢するしかあるまい」
プラホーイ大佐はトラ吉に対して言葉を投げました。
「なんや、わいよりクマノフが格上やと信じとるんかい?」
ブッシュの中から聞こえてくるトラ吉の声。
プラホーイ大佐はトラ吉が隠れたブッシュに警戒しながら、右に移動を開始しました。
トラ吉が現れたらいつでも撃てるように。スペツナズを構えたまま。
「この距離で一度隠れてしまっては身動きがとれまい。いつでも出てくるがよい」
プラホーイ大佐は冷静です。
過去にどのような戦いを乗り越えてきたのかは分かりませんが、歴戦の戦士であることは間違いなさそうです。
プラホーイ大佐の前方に、僅かな動きが見えました。
しかしそれはプラホーイ大佐が警戒していた場所とは違う場所。
そこよりももっと右側です。
「いつのまに逃げたのだっ?」
プラホーイ大佐のスペツナズがブッシュ越しに僅かに見えるトラ吉に向けられます。
バンッ☆パラララララ☆
ほぼ同時に発せられた二つの発射音。
プラホーイ大佐はしゃがみ込みました。
そして……
「よける必要も無かったかっ……」
トラ吉が放った弾は、プラホーイ大佐から全然はなれたブッシュに着弾していたのです。
トラ吉はプラホーイ大佐に確実な射撃をさせない為、SPASの大きな発射音を利用した威嚇をし、プラホーイ大佐をブッシュに沈めたのです。
ザザザッ☆
トラ吉が近くの木の影へと飛び込みました。
つい1秒前にでたらめなワンショットを放ち、プラホーイ大佐をブッシュに隠れさせたスキに、手近なバリケードをとったのです。
「あんたがどれだけの実力者かはわからへんけど、タイマン勝負なら負けへんで」
トラ吉の左手がホルスターに収まっているM93Rを掴みました。
プラホーイ大佐がブッシュの隙間から顔を出します。
いまさっきトラ吉が隠れた木。
その木に向けてゆっくりとスペツナズを向けます。
「しっかり隠れたつもりかもしれんが、銃が隠れきってはおらんぞ」
木の幹の向かって左側にはSPASの先端、フォアグリップから前が見えていたのです。
スペツナズの狙いが、SPASの銃身にぴたりとあいました。
−−−もしかするとさらに続くかもしれない−−−
あまりにあきれたのでメッセージを送ってみる。