サバゲニッポン昔話
ネコ田さん「前回は俺の活躍のおかげで勝ったにゃ〜」
クマノフ「たまにはそんなこともあるクマ」
ネコ田さん「これからもずっと俺の活躍が続くはずにゃ」
うさぴょん「もうすぐ最終回ぴょん」
ネコ田さん「にゃに〜?もう終わるのかにゃ?」
うさぴょん「そうぴょん」
パン太「ネコ田さんだってこの前まで、いつも『早くおららないかにゃ〜』って言ってたよ〜」
ネコ田さん「そ、そうかにゃっ?」
うさぴょん「そうぴょん」
エリー「活躍できたから、ずいぶんと機嫌がいいみたいね」
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ハンドルネーム:パシリのザイチェフ
クマノフさん。
今年の日本の冬は、記録的な降雪だったりで寒かったけど、、、、
我が祖国の冬に比べれば、こんなのは寒さのうちには入らなかったよね???
だから、“冬眠”しなかったんでしょ???
冬眠しないでいると、、、、寿命はどうなの???
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クマノフ「この程度の寒さなら全裸で街を歩けるクマ」
エリー「クマノフ様、それって変態……」
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ハンドルネーム:kouhei
・・・・・・・なんか・・・・
ネコ田は瞬殺プレイングで説明なしですか?w
あ〜今回はめちゃくちゃな人たちがすんごい争いしてますねw
消える、口から連射、狙撃最強、キャラメルダッシュ、
太鼓砲、謎の方言(?)
・・・・・・・・・・がんばれ名古屋!(俺、愛知人だからw
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ネコ田さん「そうにゃ!俺の活躍が詳しく書かれてないにゃっ!」
エリー「思えば変な技持ってる人たちが多いわね」
クマノフ「クマクマ」
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ハンドルネーム:うさだ
ネコ田さーーんご活躍おめでとうほうび
にねこまっしぐら100個おくっといたよー
感謝しろ
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うさぴょん「最近流行のプレゼントぴょん」
ネコ田さん「でも実際に俺の所に届いた事がないにゃ〜」
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ハンドルネーム:スーパーマリオRPG7
…クマ影。…なんか忍者っぽい。…はっ、まさか…し、新キャラ!?
ところでクマノフといえば、衝撃の事実発覚。ロシアでは超能力は一般的らしいです。クマーニャとかもひょっとすると………
ああそれと、今回は母星からお便りを預かってきました。読みます。
『〜親愛なるネコ田へ〜
…ネコ田、俺を覚えているか?…覚えてるわけ無いよな。だって俺たち…一度も会った事ねえし。
そんなことよりネコ田よ、お前最近サバゲ不調らしいな。仕方ないからお前には特別に、この俺秘蔵のボックスマグ付ミニミを送ってやるよ。こいつで暴れて来い!連射命!弾幕最強!!だぁ〜っはっはっは!!!』
だそうです。
…え〜ちなみに、彼から預かったのはこの手紙‘だけ‘です。他にはな〜んにも。
…まあ、それもかわいそうなので、代わりに私から、デジタゲ用散弾カートを300個ぐらい送っときました。あて先は100回くらい確認したので、間違ってないはずです。
…ていうか、家のポストに直接詰め込んでおきました。有効に使ってください。
でわ!
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パン太「わけわかんないよ〜」
ネコ田さん「俺の家のポストには何も入ってなかったにゃ〜」
クマノフ「私が盗んで質屋にだしたクマ」
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ハンドルネーム:レイヴン
ネコ田!!
見直したよ。
流石はニュータイプって所かな?
どうやって土佐犬を倒したのか語られないのには、
何かダークネスな理由が...?
それより、エビフライってどうやって走ってるのかなぁ?
気になる!!是非、エビフライが走っているイラストを
載せて下さいませ。
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うさぴょん「エビフライは表面の凹凸が全部後ろ向いてるぴょん」
エリー「どういうこと?」
うさぴょん「右に進む場合は以下の図みたいになってるぴょん」
/////////
エリー「それで?」
うさぴょん「この状態でジタバタするぴょん。そうすると前に進むぴょん」
エリー「なんかウソっぽいんだけど、本当っぽい気もするのよね……」
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ハンドルネーム:92Fが好きっ♪
久しぶりに、まともな戦闘でした〜♪
面白かったです♪
でも、まさかモスカートが出てくるとは・・・w
次は、リボルバーラン・・・www
次も、楽しみにしてます♪
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パン太「僕も秘密兵器使いたいよ〜」
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ハンドルネーム:Ωドライブ
ネコ田さん食べられなかったんだね。ヨカッタね。
それにしても凄い対決だな〜「大阪」VS「名古屋」。むしろ「万博」の対決?
あとキム・シャチは24発が12個で合計288発って・・・弾数制限戦の時どうするんだろう?
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うさぴょん「この大会も弾数制限あるぴょん」
ネコ田さん「何発にゃ?」
うさぴょん「300発ぴょん」
エリー「だからモスカート12個で288発?」
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ハンドルネーム:仮
やっぱりネコ田さんが勝った〜〜〜!!
もうネコ田さん最高!!ファンクラブ入れてください!
でもネコ田さんはどうやってかったんですか?
その辺は書いてないので詳細お願いします。
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ネコ田さん「だからなんで俺の活躍の詳細が書かれてないにゃあ!?」
クマノフ「ネコ田だからクマ」
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ハンドルネーム:ENIAC
へ〜、ネコ田さんだったんですか〜
でも、どうやって土佐犬たおしたんですか?
まさか逃げ(以下略
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クマノフ「土佐犬がアウトになってたからそれはないクマ」
パン太「きっと自滅したんだよ〜。跳弾アウトだよ〜」
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ハンドルネーム:コクリュウ
凄い対決だ・・・
2、3話使ってもいいほどの対決だ・・・
だがアホのキャラはもったいないので再登場してもらいたい。結局土佐犬は猫田さん食わなかったし。エリーが食ったからいいけど。
それよりも愛知万博組は、サバゲーしてる場合じゃないような気が。(自分文句ばっかいってるような・・・)
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ネコ田さん「俺がエリーに食われたことになってるにゃ〜!?」
エリー「ほら、もう尻尾が無くなってるでしょ?」
ネコ田さん「にゃ〜!?」
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ハンドルネーム:daniel
うさぴょんにも電動ガン購入してあげてはどうでしょうか?
MP5Jあたりなんてどうでしょうか?
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うさぴょん「誰が購入してくれるぴょん?」
クマノフ「私ではないのは確かクマ」
ネコ田さん「貧乏だからにゃ〜」
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ハンドルネーム:ルーエル・∞(インフィニティ)
ネタ切れ(・A・)イクナイ!次回も楽しみにしていますからがんばってください!
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パン太「次回はもうないよ〜」
うさぴょん「大会終わるまでは続くぴょん」
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ハンドルネーム:ケン
久しぶりに着たら凄い事になってますね(汗
グリオのバルメRKm62渋いよ!
クマノフ!最近弱いよアタッカーやめなよスナイパーになりなよ。
というわけでドラグノフあげるよ。モシンナガンがいいかい?
独露の銃マニアの自分に何でも好きなのを言いなさい、
バラライカ?
マカロフ?
トカレフ?
スチェッキン?
イジェマッシビゾン?
ラティm/39?
この中から好きなのあげるから、代わりに僕に
H&KUSPをください
(ドイツを忘れるなよ)
ってこの書き込み意味わかんねー
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ネコ田さん「クマノフさんじゃなくて俺にくれにゃぁ」
エリー「グリ夫の銃って実在したのね」
クマノフ「所詮はAKのパクリものクマ」
第50話:決勝への道
準決勝第二試合。
トラ吉率いるチーム「くいだおれ」対、名古屋軍団「偉大なる名古屋」のゲーム。
北側と南側で様子の異なるフィールド、南側のブッシュの濃いルートを進んだトラ吉とグリ夫は、見事にキム・シャチを倒しました。
一方、北側を進行したバンパクとチンドン。
敵の一人、エビフライを倒した物の、見えない敵、NA58によってバンパクが倒されてしまったのです。
北ルートに残っている敵はキッコリョとNA58。
対するはチンドン一人。
カサリ……
カサリ……
確かに音が聞こえてきます。
相手の移動音。
チンドンは音のする方を凝視し……
「このへんや〜!」
ドドドドドドドドドン☆
チンドンの太鼓についている2つの銃口がBB弾を吐き出していきます。
その先の風景がゆがみました。
NA58です。
攻撃を受け、回避するために横に移動しているようです。
パラララララ☆
逆にNA58からの攻撃が来ました。
チンドンは素早く木の影に隠れます。
バシパシパシパシ☆
木の幹に弾かれる敵弾。
「しっかり見えにゃ、狙いがさだまらんがな〜」
ボッ☆
パシン☆
チンドンの前の木の側面を叩くもう一つの敵弾。
遠距離からキッコリョが攻撃してきているのです。
チンドンに対してキッコリョは東側にいます。
そしてNA58は南側。
両方の攻撃に対してバリケードを有効に使う事は不可能です。
「後退するしかあらへんな〜」
チンドンはバリケードの影を飛び出して、サイドライン沿いを西に向かって下がり始めました。
パララララララ☆
NA58からの攻撃が来ます。
しかしかまっているヒマはありません。
一気に走って逃げるだけです。
バシャ☆
チンドンの足が水たまりに入りました。
数ゲーム前のにわか雨で出来た水たまり。
この場所は多少低いようで、直径が10メートル近い巨大な水たまりが出来ています。
「ハマってもうたわ〜」
悲しそうに言うチンドン。
しかし、次の瞬間、その表情が変わりました
「これや〜」
チンドンはさらに西に向かって駆けだし。
さらに適当な木の影へと隠れこみました。
そこから少しだけ顔を出し、前方の様子をうかがいます。
チンドンが見ているのは前方の巨大な水たまりの位置。
「来るんや〜」
ボッ☆
パシッ☆
チンドンの隠れている木をキッコリョの攻撃が襲います。
チンドンが後退して時、キッコリョも前進してきました。
そのため、二人の間の距離は40メートル程度のまま変わらず。
「当たるわけがないで〜。この距離や〜」
チンドンは真剣な表情。
ボッ☆
パシッ☆
再びキッコリョの攻撃。
しかしチンドンにとって、キッコリョは真に脅威となっている相手ではありません。
脅威なのはキッコリョより近くにいるはずの見えない敵。
パシャ☆
水に踏み込む音に、チンドンは気づきました。
目の前の水たまりに起きた小さな同心円上の波。
パシャ☆
また一つ、水の中を進行する音。
と同時に出来る同心円上の波。
その波の中心には、やや不自然な水の窪み。
2つの窪み。まるでそこに足があるかのように。
チンドンは水たまりにある二つの足跡に太鼓銃を向けました。
「そこや〜!」
ドドドドドドドドドドドン☆
カカカン☆
何もない場所でBB弾が跳ね、硬い物にヒットした甲高い音を立てました。
「ヒット」
コンピューターボイスが上がりました。
「やったで〜!」
喜ぶチンドンがスコープに移っていました。
「まだ僕がいるんだよ」
キッコリョの指がトリガーにかかります。
バンッ☆
キッコリョに弾が当たりました。
左方向からの攻撃です。
「ヒットだよ!えっ!」
「これで4人目や……あと一人、モリジョーだけや」
ブッシュエリア内にいるトラ吉。
正面しか警戒していないキッコリョを側面から倒したのです。
見通しのいい場所と見通しの悪い場所が隣接するフィールドでは、見通しの悪い所から見通しの良い所への攻撃がしやすいため注意が必要です。
トラ吉は簡単にキッコリョをしとめることができました。
「キッコリョがアウトや〜。トラ吉やな〜」
遠く前方で立ち上がったキッコリョを見て、チンドンが言いました。
すぐにチンドンは前進していきます。トラ吉と合流するため。
「わいは2人倒したで、金色のシャチと、今のキッコリョや」
やってきたチンドンに向かってトラ吉が報告しました。
「こっちも2人やで〜。NA58とエビフライや〜」
「という事は残りは一人か?」
グリ夫の問いかけ。
「そやな、一番厄介な相手、モリジョーや……」
「せやけど、こっちはドーラクを含めて4人残ってるんや〜」
チンドンが言うとおり、トラ吉チームでアウトになっているのはバンパクだけ。
対する名古屋チームはモリジョーを除いて全滅なのです。
「せやな……」
あくまで油断を見せないトラ吉。
モリジョーは一人でも充分に危険な存在だと知っているからです。
3人はブッシュ内を慎重に前進していきました。
数分後。
トラ吉、グリ夫、チンドンの前に広がるブッシュ。
そのブッシュの中に敵のフラッグがあります。
「潜伏するには絶好の場所やな」
「もう一度キャラメルを使おうか?」
グリ夫の提案に対し……
「いや、ええ……」
トラ吉は同意しませんでした。
「おまえのキャラメルは体への負担が多きすぎや……1ゲームに2回も使うもんちゃうて。それに予選の時はダッシュをしとめられたんやで」
「だが……今度は負けない」
「やめとくんや、今無理をするんやない。本当の試合はこの次や……」
「……トラ吉……」
トラ吉は時計を見ると、
「残り時間はあと5分やな?」」
「どうしたんや〜?」
トラ吉はチンドン、グリ夫の方を振り返り……
「4分後に勝負や」
「どうするつもりだ?」
「わいは南側がら大きく周りこんだる。相手は伏せてるはず、そんなら多方向からの攻撃には対応できないはずや」
「そうやな〜」
「グリ夫は正面から、チンドンは北側からの回り込みや。時間を見ながら動いて残り1分になった時点で3方向からアタックや」
「そううまくいくものか?」
「うまくいかせるんや」
グリ夫がその場に立ち止まり、トラ吉は南方向に、チンドンは北方向に向かいました。
「動きがとまったのう……」
伏せたままのモリジョー。
その左後ろ5メートル程の位置にはフラッグがあります。
モリジョーは静かに周囲の音を聞きます。
フィールドは静まりかえっています。
その中、わずかな移動音が正面と、右前方から聞こえてきました。
「正面……それと右側かのう……しかしあのトラもいるはずじゃ……」
モリジョーはまったく動かずブッシュを見つめたまま……
「トラは左じゃな」
やや左側のブッシュに向かって目だけを動かしました。
音が聞こえてこない場所を。
右足のカカトをブッシュの中に落とします。
そのまま足の外側から地面につけていきます。
ゆっくりと。
音が立たないように。
トラ吉は敵フラッグに向かい、大きく右側、南側から迂回していました。
このまま敵フラッグ側面後方から狙うつもりです。
予選の時。
トラ吉はたった一人の敵ディフェンス、モリジョーにドーラク、グリ夫、トラ吉と3人立て続けに倒されました。
今回もまた3人での攻撃。
本戦トーナメントに人数差勝利はありません。どちらも相手のフラッグにタッチできずにタイムアップになれば引き分けで再試合なのです。
勝利するためには時間内に相手のフラッグにタッチする他ありません。
「絶対に勝ったる……」
真剣な目つきで目の前のブッシュを警戒しながらトラ吉は進みました。
一方、フラッグに対して左方向となる北側からはチンドンが迂回していました。
カサリ、カサリ。
トラ吉に比べたら移動音がしています。
しかしそれでも僅かな音だけ。
チンドンは時計を見ました。
「あと2分や……」
「ふむ……なかなか来ないものじゃのう……」
ブッシュに伏せたままのモリジョー。
手に持っているライフルは周囲の草とほぼ同じ色。
実際にはAPS2ライフル。
しかし、それに擬装用のバーラップロールを巻き付けており、すでにその銃がAPS2であるということは簡単には分からないでしょう。
「タイムアップ間近に仕掛けてくるつもりかのう……」
トラ吉の前、15メートルほどの位置に敵フラッグがありました。
左手の時計。
ゲーム時間が残り1分を切りました。
「いくで」
トラ吉の体が滑るように音もなく前進していきます。
SPASを構えながら。
そのSPASの銃口の向きはトラ吉の視線と全く同じ。
敵を発見したら同時に倒すつもりです。
同時に北側からはチンドン。
西側からはグリ夫がそれぞれ前進を始めました。
「正面、右は確実じゃのう……」
モリジョーは敵の移動音を確実に聞き取っていました。
「左にもいるはずじゃ……」
モリジョーは敵の3人の配置を頭の中に描いて行きます。
ボッ☆
前進する3人の前から、小さな発射音がおきました。
「ヒットや〜!」
ヒットコールを上げるチンドン。
チンドンを捕らえたスコープから目を離したモリジョー。その手がグリップから離れ、ボルトを掴みます。
その手が音も無くボルトを引くと、モリジョーは伏せたまま体の向きを変えずにライフルと顔だけを左に向けました。
自分の体の向きから90度ほど左側を狙うように。
スコープの中央にグリ夫の顔が入ります。距離は10メートルもありません。
ボッ☆
「うわっ!ヒットだっ!」
たった2発のショットでチンドン、グリ夫の二人を倒しました。
多方向から同時進行する相手に対して、難なく正確なショットを浴びせました。
カサ☆
同時に、背後からの僅かな移動音を聞き取りました。
「後ろじゃ……」
SPASを構えながら移動するトラ吉。
今まで聞こえた2つの小さな発射音の発生源となる場所に、なにやらがうごめいていました。
伏せたまま方向を変えようとしているモリジョー。
「もらったで」
トラ吉は勝利を確信しました。
しかし、モリジョーに向いたSPASのバレルの先に見えた物、それは……
相手のライフルの銃口。
「……っ!」
ボッ☆
バンッ☆
ほぼ同時に発せられた二つの発射音。
トラ吉の顔の横を敵弾が過ぎていきます。
逆にトラ吉の放った弾もモリジョーの横の地面に着弾しました。
しっかり狙えば当てれていたのかもしれません。
しかし、トラ吉は相手の銃口が見えた瞬間、反射的に横に飛び退いたのです。
飛び退きながら放ったショットですから、モリジョーを仕留められなかったのも当然です。
もし飛び退いていなければ、相手のショットはトラ吉にヒットしたでしょう。
仮にトラ吉のショットがグリジョーにヒットしたとしても、攻撃は途絶え、タイムアップの引き分けです。
ガシャッ☆
トラ吉の左手がフォアグリップを引きます。
カカココン☆
ブッシュの中に転がりこみながら一瞬でボルトを引くモリジョー。
ボルトハンドルを上げ下げしている動作がないようになめらかな動きです。
バンッ☆バンッ☆
ブッシュに転がり込んだモリジョーをさらにトラ吉の攻撃が襲います。
2回のショットで放たれた6発の弾は全てブッシュに弾かれました。
逆にトラ吉の前に白い弾が現れます。
自分のショット中に相手が放ったショット。
ただでさえ静かなサイレンサー付きのボルトアクションライフルの発射音。トラ吉は完全にそれを聞き取れませんでした。
「!?」
ピシッ☆
ヒュンッ☆
トラ吉のすぐ横を飛びすぎていく白い単発弾。
頬に風圧を感じました。敵弾が作り出す風圧を。
まさにギリギリです。
弾はトラ吉の前にあった草にかすめました。そのため僅かに方向が変わったのです。
もちろんトラ吉が首を横に動かし回避したのも功を奏したのですが。
また、トラ吉がブッシュギリギリにしか顔を出していなかったのがアウトにならなかった要因の一つでもあります。
トラ吉がブッシュぎりぎりの位置から攻撃した事で、モリジョーもブッシュにかすめるほどギリギリのショットを撃たざるを得なかったのです。
トラ吉はブッシュを盾にしゃがみ込みました。
「ちょっとでも体をだせば……やられる……あいつは確実に当てられるんや……」
SPASを強く握りしめます。
「……あいつの射撃はうまいかもしれへん、せやけど……なんとかせんと……」
トラ吉が時計に目をやります。
残り時間は30秒。
「どうすればええ……悔しいねんけどまともにやりあって勝てる相手やない……」
ブッシュを盾にしたトラ吉が左右に目をやります。
幅メートルほどのブッシュの右から、左から、どちらでも攻撃できる形。
トラ吉はしゃがんだ状態のまま、ホルスターからM93Rを抜いて左手で持ちました。
そして、右手をいっぱいまでのばし、ストックの後端を地面に付けました。銃口が垂直に空を向くように。
「チャンスは一瞬や……」
スコープの中に映るのはただのブッシュ。
そのブッシュまでの距離もあまりありません。10mも無い距離です。
モリジョーは両眼を開いたままスコープを覗いています。
狙いの先にあるブッシュの後ろにはトラ吉がいるはず、モリジョーの指はトリガーにかかっており、いつでも撃てる状態。
「出てくるがよい。トラよ……」
その時、ブッシュが動きました。
ガサッ!
スコープの中の視界がとても素早く動き、ブッシュの動いた部分に向かいます。
「そこじゃ!」
ボッ☆カサッ☆
弾は正確に動きのあったブッシュを貫きました。
しかし……
そのブッシュをかき分けるようにして現れた物……それは
SPAS12です。
まるで、立てられた状態から傾いて倒れたように。
「ぬっ!おらんじゃと」
驚くモリジョー。
同時に、トラ吉は予想外の方向から顔を出しました。
「わいは、ここやっ!」
正面よりも右から駆けだしてきたトラ吉。
M93Rを左手で構えたまま。
「なんじゃとっ」
モリジョーの右手がボルトハンドルを掴みます。
カカココン☆
一瞬でボルトのアクションを行いました。
「負けんでっ!!」
トラ吉も走り込みながら間合いを詰め、左手でM93Rのトリガーを引きました。
ガガガガガッ☆
ボッ☆
かさなるように発せられた二つの発射音。
そして……
モリジョーの攻撃はハズれました。
トラ吉のすぐ横を抜けていったのです。
ミスショットではありません。
一瞬前にトラ吉の放った弾がモリジョーに命中していたためです。
モリジョーは、あえて有効打にならないよう狙いをズラしたのです。
「ヒットじゃ……」
ピーーーーーーーーーーー☆
ゲーム終了から数秒前。
ゲームが終了しました。
トラ吉のフラッグタッチによって。
決勝戦の対戦が決まりました。
クマノフ率いる「共産主義」、それとトラ吉率いる「くいだおれ」
どちらも並み居る強豪を倒し、ここまでやってきた決勝戦に相応しいチームにちがいありません……たぶん。
−−−もしかするとさらに続くかもしれない−−−
あまりにあきれたのでメッセージを送ってみる。