サバゲニッポン昔話


うさぴょん「今回は21世紀最大の大対決だぴょん」
クマノフ「ゴジラ対メカゴジラっぽいクマ」
エリー「それより、21世紀ってまだ始まったばっかりじゃないの?」
猫田さん「そうだにゃ〜」
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ハンドルネーム:レイヴン

>「言えないクマ。みんなで予想するクマ。今度のコ
>メントに書くクマ」

ん?エリーじゃないのかな?(ぉぃ
ん〜それ以外思い当たる節がない・・・。

>「にゃ〜、俺はミカンに入ってコタツ食べてるほう
>が幸せにゃ〜」

勝手に食っとけ!!!!(爆

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エリー「これって何のこと?一番心が綺麗な人のこと?」
クマノフ「そうしておくクマ」

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ハンドルネーム:厨房
お初です やりますねトラ吉さん。
これでサイドアームがエアコキハンドガンだったら
まじ尊敬してたかもしれません。自分は持病の腰痛
の手術をしたばっかでサバゲも来年の3月くらいまで
できませんが復帰したらバリバリやりたいと思います
長文すみません
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猫田さん「がんばるにゃ〜」
クマノフ「私も尊敬してほしいクマ」

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ハンドルネーム:バルパトス
そういやインドア戦は今回が
初めてですね
そして!ついに現れましたよ!
伝説の兵!サンダース!!次回が楽しみです
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エリー「もしかすると違う人かもよ」
クマノフ「あの登場のしかたで、他に誰がいるクマ?」
猫田さん「ウェンディーちゃんとかにゃ」
エリー「それって誰よっ!」
猫田さん「にゃに〜。知らないのかにゃ?ドナレドのライバルの一人にゃ〜」

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ハンドルネーム:kouhei
おお〜今日はまともだったっすねw
ちょっと相手の印象が薄くてトラ吉の強さがめだたなかったけどw
そして最後! 老人っぽくてマックのライバル・・・・・
予想ではカーネルさんじゃないすか!?
道頓堀のヒーローじゃないすか?w
まっやっぱり盛り上がりはボケのネコ田さんっすねw
仲間撃っちゃったしw(あの後クマノフさんに
ネコ田さんがどうされちゃったかが一番気になるw)
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クマノフ「敵が手抜きだったクマ」
うさぴょん「手抜きだぴょん」
クマノフ「手抜きはいけないクマ」
うさぴょん「時間がなかったぴょん」
クマノフ「そんなんで良いクマ?」
うさぴょん「よくないぴょん」
猫田さん「開きなおりだにゃ……」
クマノフ「そういえば前に猫田に撃たれたクマ」
猫田さん「気のせいにゃ〜」
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ハンドルネーム:PDWモリさん
ウオォォォ!サバゲ日本オモシレーゼーーー!!
あ、初めて投稿します。勉強しろ、勉強しろ!といわれながらもついついサバゲのことばかり考えてしまう愛知県在住の中3です。
トラ吉師匠に憧れたのでSPAS買おうかなと考えています。
くいだおれ応援してます。優勝めざしてがんばってください。
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ネコ田さん「トラ吉が優勝したら俺達が優勝できないにゃ〜」
トラ吉「おまえらには優勝させへんで〜」
クマノフ「しかし冷静に考えると私たちのチームとトラ吉チームの戦力差は歴然クマ」
トラ吉「……」
うさぴょん「黙りこんじゃったぴょん」
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ハンドルネーム:Tak
サンダースかな?
ファーストフード対決と見たw
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ネコ田さん「今回の敵はにゃ〜」
うさぴょん「ドム●ムのゾウさんぴょん」
エリー「そんなのいた?」
うさぴょん「いるぴょん」
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ハンドルネーム:夜猫
まさか、ネコ田さんが“ミカンに入って”
“コタツを食べる”化け猫だったとは。
汚名返上のためにも、次回からはぜひその
バケネコ・パワーをサバゲに活かして下さい。
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ネコ田さん「コタツもおいしいんにゃ〜」
エリー「そうは見えないけど」
ネコ田さん「食べてみればわかるにゃ」
エリー「食べる気になれないわよ」
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ハンドルネーム:俺
いやぁ、トラ吉(とその仲間達)強いですねぇ。
他の人(?)達は殆ど何もしてないですよね。このチームトラ吉居なくなったらどうするんですかねぇ??
そこらへんが疑問点です。
(グリオの容態が心配です。実はグリオファン笑)
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ネコ田さん「あのチームってトラ吉以外、よわよわにゃ」
トラ吉「おまえよりマシや」
エリー「そうかも」
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ハンドルネーム:MP5
いったいドナレドの前に現れたのは誰ですか?
もしかして....またサンダースですか?
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うさぴょん「もうすぐ明かされるぴょん」
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ハンドルネーム:Zドナレド
初めまして
最近これを読み始めましたがよいですね
疑問なのは第1話あたりのクマノフと今
のクマノフの性格の違いですね
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クマノフ「性格変わってるクマ?変わってないクマ」
トラ吉「いや、だんだんと悪人化しとる」
クマノフ「そんなことは無いクマ」
うさぴょん「もともと悪人ぴょん」
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ハンドルネーム:ヴォルギソ
クマノフ君、ようやく君の住所を割り出せた。
そんなところでいったい君は何をしているのだね?
スペ○ナズに戻りたまえ。
なぜ、そんな子供の遊びをやっているんだ!
君のAKが泣いておるぞ!
早急にクレムリンに出頭したまえ。
待っておるぞ。
                        ヴォルギソ大佐
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うさぴょん「たびたびこの種類のお便りがくるぴょん」
クマノフ「クマクマ」
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ハンドルネーム:フルンゼ
初めて書かせていただきますが全部読ませていただいてます。
初のインドア戦ですね。私はインドアやったことありませんがw
3対5の人数差でも買ってしまうトラ吉たちはスゴヒ…!
電動ユーザーかつハンドガン使ってない&苦手な私…(自爆)練習せねばw
バンパクはインドア不可能だったんですね。
なんだか汎用性に不足するなぁ…鬼畜弾幕は凄まじいのですがw
次回は因縁の対決っぽいですね♪期待してます♪
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うさぴょん「バンパクはインドアが出来ないんじゃないぴょん。ハンドガン戦が出来ないぴょん」
ネコ田さん「バンパクって謎にゃぁ。どんな銃を使ってるとか不明なままにゃ」
エリー「そもそもあの人って人間?」
うさぴょん「誰も知らないぴょん」
クマノフ「私たちも人間じゃない気がするクマ」
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ハンドルネーム:0224
パンタァァぁーイツになりゃくるんですかー、もしかするとドナレドの相手ってパン太のおじいさんとか、
だったりして。
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エリー「それはないと思うわよ」

第41話:ライバル

 分厚い灰色の雲が空を覆っていました。
 昼間だと言うのに、そうとは思えないほど薄暗くなっていました。

 ぽつり、ぽつり。
 僅かにずつ降り出してきた雨。
 しかし、この空模様では、すぐに土砂降りになってもおかしくない。そんな様子です。

 フィールドの前にはドナレドと審判。
 そこにやってきたドナレドの対戦相手。

「待たせたのう」
 やってきたのは老人でした。
 左手にステッキ。
 白いタキシード
 白いヒゲ。

 そして右手にトンプソン。

「お……おまえはサンダース!!」

「いかにも。わしじゃ」

「なぜだぁぁっ!なぜ生きているのだぁぁっ!20何前、道頓堀に投げ込まれて死んだはずっ!死んだはずじゃないのかああぁぁぁ!!ふーひゃひゃひゃひゃっ!」
 サンダースは首を振りました。
「わしは蘇った。おまえの暴走を止めるために」

 ピカッ。ゴロロロロロロ。

 深い雨雲に覆われた暗い空を、稲光が照らしました。

 バララララララララ……
 雷を合図にしたように、雨が強く降り出します。
 会場にどよめきがおこりました。大雨になればゲームが中止になるかもしれません。

 雷の音を合図にしたように、雨がよりいっそう強くなります。
「あの、雨が強くなってきたので、このゲームは少し時間を置きたいと思うのですが……」
 審判の提案に対し、
「かまわん」
 サンダースは強く言いました。
「私もだ。ふゃぁーーーーーーーーひゃっひゃっ!!」
 ドナレドも同じ。

 雨が激しく地面を叩きます。
 二人のそばの地面にも、すでにいくつかの水たまりが出来ていました。


 ピーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 ゲーム開始の笛が鳴りました。
 制限時間は20分、お互い人数が1人という理由で、ルールはフラッグ戦ではなく、全滅戦です。

 ドシャーーーーーーーーーーーーーー。

 雨は先ほど以上に激しく降っています。
 数十メートル先が見えない程の激しい雨。
 フィールド外の特設テントから観戦する観客には、フィールド内で何が起こってるかがまったく見えません。
 しかし、雨音にかき消されながらも聞こえてくる高笑い声……


「ふゃーーーーーーひゃひゃひゃひゃっ!!!」
 降りしきる豪雨の中、ドナレドはサンダースに向けてイングラムを発砲しました。
 バラララララララ☆
 サンダースは老人と思えぬ速度で走ると、雨とブッシュの中に消えて行きました。

「ふゃーーーっひゃっひゃっひゃっ!!出て来いサンダース!私と勝負だぁぁぁっ!」
 びしょ濡れのドナレドが叫びます。
 さすがの自慢のヘアスタイルも、この雨の中では崩れています。
 周囲にサンダースの気配はありません。
 地面を叩く無数の雨だけが周囲に響きます。

 パララ☆

「なにっ!」

 ドナレドの右側面から発射音が聞こえました。
 思いもよらぬ方向からの攻撃です。

「ドナドナドナレドマジックッ!」

 ぼぼぼっ!

 全ての弾が6mmのハンバーガーへと変化しました。

「この短時間でそこまで移動……そうか!走って移動したか!?雨音が足音をかき消してくれる!そうさっ!こんな豪雨の中では移動音を感知されづらいのさっ!!ふゃーひゃっひゃっひゃっ!」」


「ふむ、ロックオンするのに『ドナ』……そして魔法の発動に『ルドマジック』じゃな……」
 サンダースはドナレドの魔法の使い方を推測しています。
「ならば、呪文の詠唱が間に合わぬようであればどうなるのじゃ……」
 サンダースはドナレドに向けてトリガーを引きました。
 パラララララララララララララララララララ☆
 長めにトリガーを引きます。

 自分に飛んでくる大量の弾に、ドナレドは気づきました。
「ふゃーーーーーーーっひゃっひゃっ!多くの弾を撃つことでロックオンを間に合わせないつもりか!ふゃーーーーーっひゃっひゃっひゃっ!」

 ドナレドはしゃがみました。
 そして、地面に向けて指を動かしました。

「ドナレドマジックッ!!!」

 ぼんっ☆

 ドナレドの目の前に巨大なハンバーガーが現れました。
 ドナレドの全身を覆い隠せるほど大きなハンバーガーです。
 地面を素材にしたハンバーガーです。

 サンダースの放った全ての弾がハンバーガーに弾かれました。
 ドナレドは自分の前に、ハンガーガーのバリケードを作り出したのです。


「地面をハンバーガーに……そうじゃったか……予選の時もしておったのう」
 サンダースは予選の時から可能な限りドナレドの試合を観戦していました。
 ドナレドの戦術を知り、それに対する対抗策を作り出すため。
「遠くから直接的に撃ってはムリというのか……」


「ふゃーーーーーーーっひゃっひゃっひゃっ!!ひゃーーーーっちゃっひゃっひゃっ!」

 ドナレドは駆け出しました。サンダースがいると思われる場所に向かって。
 しかしサンダースの姿は見あたりません。すでに移動したのです。
「どこだっ!出てこいサンダース!ふゃーーーーーーーっひゃっひゃっひゃっ!」
 ドナレドは叫びました。豪雨の降りしきる森の中。

 パラララララララララララララ☆

 再び弾が飛んできました。
 しかしそれは高い弾道。
 全弾がドナレドの頭を越えていきます。
「ふゃーーーっひゃっひゃっひゃっ!どこを狙っている!?サンダースッ!」

 カカカカカカカカカカカカカン☆

「なにっ!?」
 ドナレドは振り返りました。ドナレドの背後にある太い木。その木に弾が当たっているのです。
 跳ね返り弾がドナレドに降りかかりました。

「ふゃひゃっ!?跳弾狙いだとぉぉっ!?」

 咄嗟にドナレドは前方に向かって飛び退きました。
 ドナレドの後方に跳弾が落下していきます。
 ズザザザザザザッ☆
 ドナレドは泥の中にヘッドスライディングをしました。


「今じゃ」
 サンダースはトリガーを引きました。
 泥の中に倒れ込み、姿勢を崩しているドナレドに向かって。
 距離は20m以上あるものの、相手は姿勢を崩しています。

 パラララララララララララ☆

 この姿勢でドナレドが回避できるとは思えません。
「ふゃぁぁぁぁぁぁぁっ!ドナレドマジック!!」
 泥にまみれた顔でドナレドは目の前の地面を指さします。

 ぼんっ☆

 まさに間一髪です。再び目の前に巨大なハンバーガーが現れました。
 またしても地面をハンバーガーに変えたのです。
 サンダースの放った弾は次々とハンバーガーに弾かれていきます。
「ふゃーーーーーっひゃっひゃっ!惜しかったサンダース!私は負けない!負けないのさっ!ふゃーーーっひゃっひゃっひゃっ!」
 泥まみれの顔で笑いました。
 いつもに増して恐ろしさの増した顔です。
 ドナレドはゆっくりと立ち上がり、サンダースがいた場所に向かって歩き出しました。
「ふひゃひゃひゃっ……どこだ……どこにいるサンダース。サンダースッ!!どこにいるのだぁぁぁ!!??」
 周囲に響くドナレドの声。
 他に聞こえる物は絶え間なく続く雨音。
 サンダースの気配はありません。

「サンダース、サンダース……私が……私が……私が倒してあげるのさぁぁ!!サンダースッ!!ふひゃーーーーーーひゃっひゃひゃひゃひゃっ!!」


 ドナレドの横顔を、サンダースが見ていました。
「正面から撃っても無駄じゃ……回り込むしか方法はない」
 サンダースは移動していました。
 ドナレドの背後を取るため。
 通常、相手の背後を取るのはとても難しい行為です。
 しかし、この雨。
 視界を悪くし、そしてなによりも、このような強い雨は移動音を消してくれるのです。
 そのため、強い雨の日ほど相手の背後を取りやすくなります。
 サンダースはそれを利用しているのです。
 姿勢を低く保ったまま、サンダースは音を出さないように移動を続けました。

 サンダースの意図など、ドナレドは知りません。
 ただ雨の森の中を、ドナレドは歩いています。
 サンダースを探して。
 やはりサバイバルゲームの腕ではサンダースの方が一枚上手です。


 サンダースの前にドナレドの背中が見えてきました。
 距離20メートル。
 サンダースの腕なら必中と言える距離です。

 サンダースは視界の中、リアサイト、フロントサイト。
 そしてドナレドの背中が重なりました。

「これで終わりじゃ。ドナレド……」

 パンッ☆

 一発だけの発射。
 しかし弾は一直線にドナレドへと伸びました。

 発射音に気づいたドナレドが振り向きました。
 しかし魔法が間に合うタイミングではありません。

「ふひゃ!ふひゃああああああああああぁぁっ!!」

 正確に自分に向かってくる弾に絶叫するドナレド。
 魔法も、回避も間に合いそうにないのです。

 弾は、ドナレドのすぐ脇を抜けて行ったのです。
 サンダースが、ハズしたのです。

「な!なんじゃとっ!」

 水滴です。
 木の上から落ちてきた大きな雨粒。
 それが飛行中の弾を直撃し、弾の方向が急激に変わったのです。
 サンダースにとっては不幸。ドナレドにとってはこの上ない幸運です。

 パパパパパパパ☆

 過ぎたことを悔やんでもしかたありません。サンダーは再度トリガーを引きました。

「ふひゃああああああああぁ!!!ドナレドマジックゥゥゥゥゥ!!!」

 ぶぉんっ☆

 ドナレドの前に大きなハンバーガーのバリケードが現れました。
 またしても地面から作り出したのです。
 ハンバーガーが、サンダースの放った弾を次々と弾きます。

「まだじゃ!この程度のバリケードなど」

 サンダースはトンプソンを持つ手をひねりました。
 マガジンが上に来るように。銃を逆さに。

 パパン☆パパパン☆パパパン☆

 銃を逆さまにした状態のまま、断続的にトリガーを引きます。

 弾は高い弾道です。しかしいったん高く上がった後、全ての弾が急降下をしていきます。
 銃を逆さにし、ホップを逆にかけたからです。
 その急降下弾道を使い、バリケードの後側にいるドナレドを倒そうというのがサンダースの作戦なのです。

 ういいいぃぃぃぃぃん。

 多弾数マガジンの給弾が正常に行われず、マガジン内のゼンマイが全て解放されてしまいました。逆さまにした状態ではそうなってしまうのが当然です。
 それでもサンダースは射撃をやめません。
 ゼンマイが巻かれていない状態であれ、銃を逆さまにしていれば十数発は発射できます。

 急降下弾の着弾がドナレドに近づいてきます。
 サンダースが弾道を見ながら修正をかけているからです。

「ふひゃーーーひゃひゃひゃっ!ヤバイぞぉぉぉ!!ヤバイぞぉぉぉぉっ!ふひゃーーーひゃひゃひゃっ!」
 ドナレドの顔には焦りの表情。しかしその笑顔は絶えません。
 ドナレドはポケットからハンバーガーをいくつか取り出し、地面に投げ捨てました。
 普通のハンバーガーです。
 それらに向かい指をクルリと動かし、
「ドナレドマジックッ!」
 ぼんっ☆
 地面に置かれたハンバーガー。4つのハンバーガーが動き出しました。
 ゆっくりと地面を離れ、そして勢いよく飛んでいきます。
 サンダースに向かって。
「ふゃっひゃっひゃっひゃっ!私の必殺技、バーガーファンネルをくらうが良いっ!!」


 サンダースは自分に向かって何かが飛んでくるのに気づきました。
 それは一つではありません。
「なに?ハンバーガーが飛んでいる?」

 パパパパン☆

 空中を飛ぶハンバーガーがサンダースに向かって攻撃してきました。
 ハンバーガーからBB弾が発射されているのです。
「くっ」
 サンダースはドナレドに対する攻撃をあきらめるしかありませんでした。
 トンプソンのゼンマイをまき直しながら、後方へと駆け出しました。
 なにせ今のトンプソンはゼンマイが巻かれていない状態。銃を逆さまにしなければ撃てないのです。

 逃げるサンダース。
 それを4つのバーガーファンネルが追いかけます。

 パパパパパパパパパ☆

 サンダースは回避しつつ、途中までゼンマイを巻いたトンプソンを片手でハンバーガーに向け……

 パパンッ☆

 ビシッ☆

 正確な射撃でハンバーガーの一つを撃ちました。

 ドンッ☆

 弾が当たったハンバーガーはその場で爆発しました。

 しかしバーガーファンネルは一つではありません、まだ3つ残っています。
 パパパパパパン☆
 3つのバーガーファンネルがサンダースに向かって攻撃しました。
 カカカカカン☆
 サンダースは近くの木の陰へと身を滑らせました。その木の幹に敵弾が着弾しています。
「やはり強い……もはやわしではあやつを止められぬのか……」


 遠い昔のケンタッキー……


 今から何十年前のことでしょう。
 まだ若い青年だったサンダースはアメリカの田舎町でガソリンスタンドを経営していました。
 ガソリンスタンドの隅につくった小さな食べ物屋。
 簡単な鶏肉とハンバーガーを出すだけの小さなお店。
 客は少ないものの、人々からは「おいしい」「また来たい」と好評でした。
 ギリギリで経営が成り立つような収益でも、サンダースは満足だったのです。お客さんたちがサンダースの味に満足してくれるから……
 しかし、あの日、隣に似たようなハンバーガーのお店が出来たのです。
 わざわざ隣に似たようなお店を作ることはないだろう。サンダースは苛立ちました。

 そしてある日、そのライバルのお店がどのような店か知るために、昼食を食べに行ったのです。懐にナイフを忍ばせて。

 そのお店の名前はマクドナレドと言いました。
 お店に入ると予想とは裏腹にお客さんがいませんでした。
 昼食時というのに、誰もいないのです。
 お店の中にいるのはただ一人。白い顔で赤い髪のピエロだけ。
 サンダースはカウンター席に座ると
「ハンバーガーとコーラをくれ。ここで食う」
 短くそういいました。
 ピエロは無言でハンバーガーを作り始めました。
 サンダースはその背中を静かに見つめていました。
 このピエロがライバルなのです。
 このピエロが、自分のお店を邪魔してるのです。
 今、このピエロは自分に背中を向けています。
 一生懸命ハンバーガーを作っています。
 今、このピエロを背中から刺し殺してしまえば……自分の店に対する脅威が無くなる。
 サンダースはポケットの中に隠し持ったナイフを強く握りしめました。
 その時です。

「あんた、隣の店の奴だろ?」

 ピエロが言いました。
 サンダースに背中を向けたまま。
 サンダースは一瞬、驚き、動きが止まりました。
「あ、ああ、そうだ」
 ピエロはしばし時間を置き、
「どうだい……?景気は?」
 そうサンダースに問いかけました。

 ……何を言っているのだ?おまえのせいで商売あがったりだ……ふざけるのもいいかげんにしろ……

 サンダースは怒りをあらわにしたかったのですが、ぐっとこらえました。
 そして、
「ダメさ……」
 そう短く答えました。
 するとピエロはハンバーガーを作っていた手を止め……
「俺もさ……」
 ピエロは動かなくなりました。
 両手をテーブルに置き、今にも崩れそうな体を支えています。
 その背中はぷるぷると震えていました。
 彼はサンダースに背中を向けたまま、涙声で話しだしました……
「すまない……こんなところに店を出してしまって……ただでさえ多くなかった客が……半分になっちまったんだろう……?」
 震える声で言いました。
 サンダースは呆気にとられてしまいました。
 ピエロは泣いているのでしょう。間違いありません。
「……なぜここに店を出した?」
 冷静に問いかけました。
「俺は……俺はライバルが欲しかった。強力なライバルが……」
「だってな、ライバルがいてこそより上を目指せる……そうだろう……?」
 ピエロは震える手で、またハンバーガー作りを再開しました。
「笑ってくれよ……俺な。世界一の食べ物屋を作りたいんだ……誰もが笑ってお店にきて、みんなが満足してくれる店をさ……」
 涙声で、自嘲に満ちた言い方で……語り出しました。
「一人じゃ無理だから……だからさ、あんた、きっと大物になる。この片田舎で一軒の店をやってるだけだが、あんたはきっと大物になるさ……だから、俺もあんたのライバルになって……そしてあんたを越えたいのさ……すまん、そのために……こんなすぐ横に店をだして……」
「……だが店を見てくれよ……ガラガラさ……それでもたまに客は来るけどさ、そのせいであんたのところの経営もヤバいんだろ……俺のせいさ……俺達共倒れさ……俺のせいで……」

「……ありがとう」

 ドナレドに背中に向かって。サンダースが感謝の言葉を投げかけました。

「はっ!い、今なんて言った!?」
 ドナレドが振り向きました。
 その顔は泣いていました。
 そしてサンダースもやはり、うつむいたまま涙を流していました。
「きみの夢は素晴らしいよ……そして、きみの夢と私の夢は一緒だ……私も今気づいた。きみは私にとってたんなる敵ではなく……最高の良いライバルだ……」
「共に戦おう。良きライバルとして……そして共に世界のトップを目指そうじゃないか……」
「世界のトップに……俺達が……」
 サンダースとピエロ……ドナレドは、二人抱き合いました。
 それから二人は親友であり、最大の良きライバルとなったのです。


(あの時の優しかったお前はどこに行ったのじゃ!)
 サンダースは心の中で叫びました。
 今もサンダースの隠れている木にはバーガーファンネルの放つ弾が次々と当たり、豪雨の音でかき消されながらも派手な着弾音を響かせています。
 サンダースはトンプソンを構えたまま、体をスライドさせていきます。
 木の陰から、じょじょに視野を広げていきます。当然、右利きである彼は右側から。
 そして木の幹の向こうにバーガーファンネルが見えたと同時に。

 パパンッ☆

 ぼかんっ☆

 バーガーファンネルがサンダースに狙いを定めるよりも速く撃破しました。
「あと二つじゃ!」

 パパパンッ☆

 木の左側へと回り込んできたバーガーファンネルがサンダースに襲いかかりました。
 バーガーファンネルの放った弾がサンダースの足下の地面に当たり、水しぶきを上げます。
「うぬっ!」
 サンダースは右側に飛びました。

 バシャッ☆

 すでに全面水たまりと化したフィールドに伏せ、同時にバーガーファンネルへ攻撃をかけます。

 パララララララ☆

 ぼかんっ☆

「あと一つじゃっ!」

 パララララララ☆

 ぼかんっ☆

 伏せた姿勢のまま最後の一つを撃ち抜きました。

「死ねいっ!サンダース!」

 ババババババ☆

 ドナレドが走り込んできました。イングラムを連射しながら。
 サンダースは伏せた姿勢から強く地面を蹴り、さきほどまで隠れていた木の陰へと再び身を隠しました。

 カカカカカン☆

 木の幹で弾が跳ねます。

「そうはさせないよっ!ふゃーーーーーっひゃっひゃっひゃっ!ドナレドマジック!!」

 ぼんっ☆

 サンダースの隠れていた木が煙りに包まれました。
 木が崩れます。
 何百、何千というハンバーガーになって、崩れていきます。

「な、なんじゃとっ!」

 ぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとっ☆


「……う……ぅぅ……」

 サンダースはハンバーガーに埋もれていました。
 頭だけがハンバーガーの山から外にでています。

 サンダースから2メートルほど離れたところにサンダースのトンプソンが顔を出していました。
 半分ハンバーガーの山に埋まった状態で。

「ひゃっひゃっひゃっひゃっ……」

 ドナレドが近づいてきました。
 一歩一歩。ドナレドが近づいてきます。
 サンダースからほんの5mほどの所まできて、ドナレドは立ち止まりました。
「ふゃっひゃっひゃっ……哀れだなサンダース……ハンバーガーに埋もれた気分はどうだ?」
「悪くはない。このようにハンバーガーに埋もれる事は子供の頃の夢の一つじゃった」
「ふひゃひゃ……まだ強がるか……」
 ドナレドはサンダースから少し離れた所にあるトンプソンに目をやり、
「ひゃっひゃっひゃっ、銃を手放してしまうとはまだまだ青いな。サンダース」
 サンダースが恨めしそうにドナレドを見上げました。
「ひゃっひゃっひゃっ、私の勝ちだよ!勝ちだよっ!サンダース!」

 ドナレドのイングラムがサンダースに向こうとしたその時。
 その動作よりも一瞬早く。
 ハンバーガーの山の中からサンダースの右腕が急浮上しました。

「ふゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!??」

−−−もしかするとさらに続くかもしれない−−−

あまりにあきれたのでメッセージを送ってみる。

なまえ(なまえ公開の許可/不許可も書いてください。無記入だと勝手に公開されちゃいます)
※例:「クマノフ なまえ公開許可」

つくったひとへのメッセージ


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