サバゲニッポン昔話
うさぴょん「今回はお便りがいっぱい来たぴょん」
ネコ田さん「それって単に今回の話まで時間が開いてたからだと思うにゃ〜」
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ハンドルネーム:92Fは・・・
ロボット大戦になってる・・・。
すごいですね・・・。(・_・;)
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ネコ田さん「だんだん方向性がズレて来てるにゃ〜」
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ハンドルネーム:おぴょぴょ
うわ〜〜バンパクまじいいんだけど!
猫田さんよりよくない?よくない?
(猫田さんごめんね(^^;))
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エリー「数少ないファンに見捨てられそうね」
ネコ田さん「うるさいにゃ〜」
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ハンドルネーム:ドコパモ
「『ロボって』にゃ」
ぐああっ!!誤字をネコ田さんにツッコまれたっ!!
別にいいんですけど。
っていうか今回はチンドンがめっちゃイケメンみたいな顔になっててナルシストっぽくなってるのは何故ですか!!
前はくいだおれ人形みたいでかなりリアルなおっさん顔だったのに・・・整形ですか?
ネコ田さんも負けないようにガンバレ。
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クマノフ「奴の正体はナルシストクマ」
うさぴょん「絵描きさんは毎回ころころ変わっちゃうからあんまり気にしちゃいけないぴょん」
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ハンドルネーム:Vz61かもしれない
パンダ指令 チーム「共産主義」ヲ センメツセヨ
「・・・パンタを滅ぼしたが奴らは強力だ・・・油断するな・・・奴らは我がSEALS隊をも滅ぼした強敵・・・負ければ我が帝国は共産主義に滅ぼされてしまうであろう。」
サバイバルゲームフィールドに暗黒と沈黙の野望が渦を巻く!
大容量ディスクシステム・シリーズ第1作!
戦え!サバレンジャー!
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クマノフ「私たちが悪役になってるクマ」
ネコ田さん「この中に悪人顔がいるからにゃ」
うさぴょん「誰が一番悪人顔ぴょん?」
クマノフ「それは当然うさぴょんクマ」
エリー「笑顔の陰に裏の顔があるのね」
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ハンドルネーム:P90TRを愛用
さすがバンパク、大阪府の最終兵器なだけはあります。
いろんな物パクってますが。
あ〜でもそれっぽいデザインですよね、バンパクって
ATフィー●ルドとはね〜
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うさぴょん「サバニポの半分はパクリで出来てるぴょん」
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ハンドルネーム:バルパトス
空に飛んだということは
やっぱバンパクのてっぺんのアンテナから
サテライトキャノンみたいなやつでも
打ち込むのかな?
だとしたらすげーぜ!バンパク!!
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うさぴょん「ニュータイプがいるぴょん」
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ハンドルネーム:鯖夏
1〜34までは面白かったのに・・・・サバゲ日本見たいです!早く元に戻れ〜〜w
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クマノフ「過去には戻れないクマ」
ネコ田さん「いっそこのまま終わってほしいにゃ」
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ハンドルネーム:レイヴン
いやぁ、PCが逝って、ようやく直りました。(関係ナシ
あぁ、なんかネコ田さんが調子に乗ってますねぇ。
明らかにクマーニャの手柄でしょう!!!なんてヤツだ、ネコ田!!これはサバレンジャーに成敗してもらうしかないですね。もうネコ鍋にして食ってやる。(ウフ♪
それと・・・チンドンって案外イケメンなのねんw
もっとオジサン顔と思った(ぉぃ
なんか頭がドリルみたいw
まさかバンパクの武器じゃないでしょうね??(ぇw
チンドンも巨大化しちゃう?(笑
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クマノフ「みんなで巨大化するクマ」
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ハンドルネーム:アイチバンパク
いやー、バンパクが巨大化するとは!
やっぱり本物(?)と同じ大きさなのかな?
だとすると全長は約70m、腕の長さは25mはありますね。
そーいや、バンパクのフィギュアを発見しました!
某美術館と記念館で売ってます。
これはバンパクブーム到来ですかね?!
バンパクファンとしては見過ごせません。
最後にバンパク君、私は君の背中に第三の顔があるのを知っているよ…。そう、黒い顔がね…。
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ネコ田さん「なにげにマニアだにゃ〜」
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ハンドルネーム:オオシロタクマ
がんばってください。
僕中学2年生ですが、沖縄から応援してます。
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ネコ田さん「沖縄にゃ、あたたかそうでいいにゃ〜」
クマノフ「暑いところは嫌いクマ」
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ハンドルネーム:すないぱ一等陸曹
ご無沙汰ですw
かなり久々に見ましたが、サバレンジャーとはやってくれましたねww
ちなみに、修学旅行でバンパクを見てきました(笑)
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エリー「懐かしいわね。修学旅行……」
ネコ田さん「エリーには30年ぐらい前の話にゃ」
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ハンドルネーム:きなこMIX
チンドンがなにげに美化してる...。
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うさぴょん「どっちかが仮の姿だぴょん」
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ハンドルネーム:F隊員
こちらFより本部へ
白黒のタ―ゲットをチェックメイト
んっあれ、
こちらFより本部へ
タ―ゲットがハンバ―ガになったもよう
たいきゃくする。
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ネコ田さん「誰にゃ〜」
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ハンドルネーム:第08スネ吉小隊
バンパクゥゥゥ返り討ちにあわしたれぇ
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バンパク「バンパクッ」
エリー「何言ってるか分からないんだけど……」
うさぴょん「通訳できるのはチンドンだけぴょん」
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ハンドルネーム:MP5
バンパクこのあとどうなるんですか?
太陽光線とか出してサバレンジャーロボを
倒すんですか?
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クマノフ「サバレンジャーロボに食われるクマ」
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ハンドルネーム:ばんぱく
...サバゲーに、かんけいないんじゃないのかなぁ。
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うさぴょん「関係ないぴょん」
ネコ田さん「そうあっさりと……にゃ」
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ハンドルネーム:ハンドガンナー見習い
あきらかに話がずれてきている・・・
しかもあのロボットどっからでてきたんだ?(めちゃくちゃ金かかってそ〜。)
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うさぴょん「サバレッドが言うには制作費30万ウォンらしいぴょん」
ネコ田さん「安いのか高いのかわからないにゃ」
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ハンドルネーム:ジェイソン
面白い。
そして参考になる。
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クマノフ「いや、最近は明かに参考にならないクマ」
第39話:わいはプロや
空中に浮いている巨大バンパク。
それに向かってサバレンジャーロボはジャンプしました。
ビームサーベルを構えながら。
「死ねぇぇ!!」
サバレンジャーロボはビームサーベルを振りかぶったままバンパクに向かっていきます。
その時、バンパクの上の顔が角度を変えつつありました。
斜め下に向けて、角度が変わっていきます。
その顔の視線がサバレンジャーロボを向くように。
バンパクがビームサーベルの間合いに入りました。
サバレンジャーロボがビームサーベルを薙ぎ払おうとしたその瞬間。
バンパクのてっぺんの顔が輝きました。
バンパクのてっぺんの顔。その目から光の線が斜め下方に向かって放たれたのです。
きゅいぃぃぃぃぃぃぃぃんっ☆
青白い光の線がサバレンジャーロボの胴体を貫きました。
サバレンジャーロボの動きが止まり……
落ちていきました。
がいいいぃん☆
サバレンジャーロボは地面を揺らして着地しました。
地面の上で、膝を立てたような姿勢。
そのまま、サバレンジャーロボが、自分の胴体を見ると……
胴体に風穴が開いています。
バンパクのビームに貫かれたのです。
「なんじゃこりゃぁぁ〜〜〜〜〜〜!!??」
どかあああああああああああああああああああああああん☆
サバレンジャーロボは大爆発しました。
衝撃と轟音が伝わってきました。
トラキチやチンドンのもとまで。
「やったで〜バンパクが勝ったで〜!」
双眼鏡を覗いていたチンドンが喜びました。
「ほんまヤバかったわ……」
トラ吉もほっとした様子です。
その頃……
別のとあるフィールド……
「ふゃーーーーーっひゃっひゃっひゃっ!!!!ドナレドマジックッ!!」
ぼんっ☆
ドナレドが左手を動かすと、敵の犬がハンバーガーになりました。
「ふゃーーーっひゃひゃひゃっ!犬バーガーだよっ!新発売だよっ!!ふゃーーーっひゃひゃひゃっ!!!」
ドナレドの本戦一回戦。
敵チーム、5人全員がハンバーガーになっていたのです。
ドナレドが満面の不気味な笑みでフィールドから出てきました。
敵全滅、フラッグアタック成功でドナレドの勝利。
「ふゃーーーーーっひゃひゃひゃっ!敵が弱すぎだよ!弱すぎだよっ!弱すぎなんだよっ!ふゃーーっひゃひゃひゃっ!」
ドナレドは審判に向かって言いました。
審判すらドナレドには何も言い返せません。
もはや審判にも彼の暴挙を止めることは出来ないのです。
もし彼を怒らせてしまえば、審判もまたハンバーガーにされてしまうことでしょうから。
本戦、第二回戦最初の試合が始まろうとしていました。
組み合わせは『共産主義』対『日興サル軍団』
クマノフたちと、敵の5人のサルがフィールド前に集まりました。
「それでは、第二回戦の第一試合を行います」
サルたちの中に一人だけ、ゴルフクラブを持ったサルがいました。
彼は銃を持っていません。銃の代わりにゴルフクラブを持っているのです。
「ゴルフクラブの使用は危険ですから……」
審判がサルに対して言いました。しかし……
「わいはプロや!プロサバラーサルや!プロのすることに文句あんのか!?ぇえ!?」
サルは聞き入れようとしませんでした。
予選を勝ち抜いてきたところを見ると、今までずっとこの調子できたのでしょうか。
フィールドは起伏の険しい丘です。
やや南北に長いフィールドで、フィールド南西側は丘の上の平たい大地。
フィールド北東側は丘の下です。
高低差は4mほどあります。
クマノフ達は北側からのスタートになりました。
フィールド北側のフラッグに5人が集まります。
「向こうは高い高い場所から始まるにゃ。向こうの方が有利だにゃ〜」
「クマ」
「作戦はどうするにゃ?」
クマノフはネコ田さんの方をチラリと見て、
「私が守るクマ。攻撃は西側からうさぴょん、エリー、ネコ田の3人で行くクマ。クマーニャは東ルートから遊撃クマ」
「OKにゃ」
「途中の上り坂に気を付けるクマ、敵より早く到達しないと、登り切った瞬間に撃たれるかもしれないクマ」
「敵よりが待ちかまえるより先に登り切ってしまえばいいぴょん?」
「そうクマ。その為に最も近い西側から上る作戦クマ」
「先頭はネコ田さんね」
「なんで俺にゃー?」
「一番危険な役だからよ」
エリーの冷たい一言でした。
ピーーーーーーーーーーーー。
ゲーム開始の笛がなりました。
クマノフは近くのブッシュへ隠れ、クマーニャはフィールド東へと消えて行きました。
他の3人は南西方向に向けてダッシュです。
ネコ田さんを先頭に、うさぴょん、エリーの順番で続きます。
開始から1分立たずに、ネコ田さんは斜面を駆け上がりました。
うさぴょんとエリーもネコ田さんに続き、斜面を登り切りました。
3人のすぐ西側にはフィールド限界ラインのテープが張られています。
ここでひとまず足を止めました。
もう少し行けばフィールド中間ラインです。
相手がスタートダッシュをしていれば、そのあたりで待ち伏せを受けることは充分考えられます。
ネコ田さんは低い姿勢を保ったまま、MP5A5を正面に構え、ゆっくりと前進して行きます。
その姿を、後方からうさぴょんとエリーが見守っていました。
ふいにネコ田さんの前方のブッシュが揺れました。
パパパン☆
発射音。
ネコ田さんの正面、10メートルほどのブッシュからの攻撃です。
とっさにネコ田さんは姿勢を低くしました。
敵の攻撃はネコ田さんにはヒットしません。
うさぴょんとエリーも、ネコ田さんから後方、5メートルほどの場所で動けません。
はっきりと敵の位置が掴めないのです。
「どこにいるにゃ……」
MP5を握る手に力が入ります。
フィールド北東のブッシュの中。
草にしか見えない一面のブッシュ。
その中に、周囲とは僅かに違う物がありました。
クマーニャです。
伏せたまま前方。南側から南南西を眺めています。
とても低い姿勢で伏せており、その体の前方には全長が1.5程もあろうかと言うほどの長い銃。
その銃からはホースが出ていました、ホースはクマーニャの腰の小型の小型タンクへと繋がっています。
クマーニャの目は前方を見ています。
フィールド中央の斜面を登った先。
そこにある1mほどの草むらの中で、なにかがうごめいていました。
ルートでいうと東ルート、クマーニャからちょうど正面に当たります。
ブッシュごしに動く敵の影。
クマーニャは両眼を開いたまま右目でスコープを覗きます。
4倍に拡大された世界の中。
その世界が動いて行き、スコープの中にうごめきが入りました。
ブッシュ越しに見えるやや黒い物体。敵のサルの姿です。
サルの体は濃いブッシュの中。
頭は薄いブッシュの向こう側。
距離は30mほど。
撃って当たらない状況ではありません。
しかしクマーニャはトリガーに指をかけません。
まだ撃つ時では無いと判断しているのでしょう。
クマーニャはスコープから目を離しました。
裸眼で広い範囲を眺めます。
スコープでずっと索敵をしていては、視野が狭まり、意識も狭い範囲に集中してしまうためです。
呆然と眺めるように広い範囲を索敵。
動く物を探しているのです。
草が揺れました。
先ほどのサルの数メートル後ろの草。
風も無いのにゆらゆらとうごめく草。
姿は見えませんが、そこにもう一人、敵がいるという事になるでしょう。
最初に見つけたサルがブッシュ出口にさしかかりました。
手にはMP5。
その手前には下り坂になる斜面。
斜面には草が殆ど無く、またその地形上、身を隠すのが難しい場所です。
サルはブッシュから顔を出し、フィールド北側全体を眺めています。
フィールド北側は南側より低い場所です。
高い場所から見下ろすわけですから、当然敵を発見しやすいわけですが、逆に広範囲から見られるため、非常に撃たれやすい状況です。
そのサルの姿にぴったりあった十字の線。
クマーニャのスコープの中に、サルはすでに入っていました。
クマーニャの指はトリガーにかかっており、すでにいつでも撃てる状態です。
サルの顔と目、そして構えたままの銃も一緒に動きます。
敵を探しているのです。
4倍に拡大された世界では、サルの表情までもが見て取れました。
向かって右側を見ていたサルの顔。
その顔がだんだんと正面に向いてきます。
索敵範囲がクマーニャの場所に近づいてきているのです。
クマーニャはトリガーを指にかけたまま……スコープのレティクルもサルの顔面に合わせたまま。
そのクマーニャの表情は、至って冷静です。
まるで敵が現れていないかのように。
さらに言えば、ゲーム中でもなく、ただ何もしていないかのように。
サルの顔が正面を向きました。
その手に持ったMP5正面を向きました。
しかしクマーニャはまだトリガーを引きません。
見つかっていないことを確信しているのです。
また、もし見つかったとしても、相手がトリガーを引くより早く狙撃する自信があるのでしょう。
サルの視線が左に流れていきます。
サルはクマーニャを発見することができなかったようです。
サルは後方の見方に向けて手招きをしました。
クマーニャのスコープの中で。
先頭のサルに呼ばれ、もう一人のサルがブッシュ内から顔を出しました。
手にM16をもったサル。
そのサルが銃を構えました。
先頭のサルが斜面を降りる間の護衛です。
M16を持ったサルはM16を構えたままフィールド正面に意識を集中しています。
それを確認し、先頭のMP5を持ったサルは斜面を駆け下りました。
レティクルは、M16をもった後方のサルに合っていました。
ボッ☆
クマーニャの指がトリガーを引きます。
わずかに引いただけで弾が発射されました。
サイレンサーで押し殺された低く小さい発射音。
電動ガンのようにモーター音しないこの銃は、とても静かな発射音の銃です。
弾は狙い違わず、M16をもったサルの胴体中央に着弾しました。
「ウッキー!ヒットー!!」
援護側サルの叫び声。
それを知った前衛のサル、斜面を駆け下り出していたサルは一気に斜面下へと駆け下りようとします。
もっとも危険な斜面で立ち止まるわけには行かないからです。
斜面を降りきり、ブッシュに伏せれば、今現在の最も危険な状況からは逃れる事が出来ます。
拡大された円形の世界が下へと素早く移動しました。
レティクルは斜面を駆け下りるサルを上から下へ切り裂くように抜けていきます。
サルの足下よりもさらに下でレティクルが止まりました。
ボボボッ☆
レティクル中央に映るのは、敵がいないただの斜面。
サルの足下よりもさらに下。
そこに向かってクマーニャは立て続けに3発撃ちました。
弾は何もない地面に着弾するかと思いきや。
「ウッキーーーーー!ヒット!!」
着弾地点へとサルが走ってきたのです。
クマーニャはサルの移動先を予測し、前もってそこに弾を撃ち込んでおいたのです。
着弾までの時間を計算し……
ネコ田さんはまだ動けないでいました。
確実に正面で待ち伏せているであろう敵、しかしその場所は分かりません。
すでにネコ田さんがこの場所に留まって5分以上の時間が流れています。
パパパパン☆
ふと銃声がしました。
びくっと、ネコ田さんが動きました。
しかしネコ田さんの元に弾は飛んできていません。
「ウッキ〜!ヒット〜」
ネコ田さんの左前方で声が上がりました。
当然、敵のようです。
さっきの発射音はネコ田さんの後方から聞こえていました。
その方向を振り返るネコ田さん。
すると、エリーがAUGを構えています。
敵はネコ田さんの側面に回り込もうとしていたようです。
その敵をエリーが発見し倒したのでした。
エリーはネコ田さんに向かい手を動かしました。
その手は『前進しなさい』との合図です。
合図を受け、ネコ田さんは姿勢を低くしたまま前進を始めました。
うさぴょんもそれに続きます。
エリーは二人よりもやや後を、少し高い姿勢で前進を始めました。
フィールド中央より南側。
一匹のサルがいました。
フィールド中盤に近いディフェンスです。
サル達の配置はフラッグ間近においたディフェンスが一人。
それからフィールド中盤に近い位置の中央に一人。アンブッシュを主体にするポジションで、危険になったら後退し再びアンブッシュを行う意味です。
それから、フィールド西側に一人。先ほどエリーに倒されたサルです。彼の守りは西ルートへ対するアンブッシュ。先ほどは欲を出してネコ田さんを倒しにいった所、逆にエリーに撃たれてしまったのです。
残り二人は東ルートからの攻撃です。彼ら二人もすでにクマーニャに倒されています。
つまりは守りプレイヤーが3人。攻めのプレイヤーは2人という守備的な配置です。
残りプレイヤーは二人。
そのうちの一人、フィールド中央に近いディフェンスのサルの西側のブッシュが動いていました。
姿は見えなくてもブッシュが揺れればそこに人がいるのが分かります。
サルはAK47に西側に向けました。
距離は20m以上あります。
しかし、動いては存在がバレてしまうかもしれません。それではせっかくアンブッシュ(待ち伏せ)した意味が無くなってしまいます。
アンブッシュは位置取りが大変重要な戦術です。
容易に不意打ちをかけれるアンブッシュは、一見有利に見えても、実は大変なリスクが伴います。
チーム全体として見た場合、アンブッシュしているプレイヤーは働いていないコマなのです。
仮にアンブッシュの位置取りが悪く、ゲーム開始から終了まで一度と遭遇しなかったプレイヤーがいたチームは、結果、一人少ない人数で敵と戦っているのと同様です。
サルの視線の先、約25mほど先のブッシュにネコの頭が見えました。
サルはトリガーを引きました。その頭に向かい。
パラララララララ☆
フルオートの攻撃がネコ田さんを襲いました。
ネコ田さんはとっさにブッシュに伏せます。
「待ち伏せにゃ!」
ネコ田さんは伏せたまま叫びました。
声を聞いたうさぴょんは、姿勢を保ったまま銃声のする方に進みだしました。
自分はまだ発見されてない。そう考えたからです。
こっそり近寄り、不意打ちをかけるつもりです。
一方、エリーは動きません。
うさぴょんと違い射程の長いエリーは、ブッシュから頭が出ないような姿勢を保ち、ブッシュの隙間からスコープを覗きました。
スコープの視界に草色のモヤのようなものが浮かびます。
目の前のブッシュが映りこんでいるのです。その草がレンズから近すぎるため、ピントが合わずモヤのように映し出されていました。
しかしエリーは気にとめる様子はありません。
ブッシュの上に顔を出すより、周囲のブッシュより低い姿勢を保ったまま、ブッシュの隙間からスコープを覗くほうが遙かに安全だということを知っているからです。
直射日光が当たるフィールド。
スコープの中を白い弾が横切るのが見えました。
エリーのスコープが左に動いていきます。
さきほどの弾の発射元へと。
しかし、敵の姿は発見できません。
エリーの位置からでは、弾はブッシュの奥から吐き出されているように見えました。
パパパパパパ☆
エリーの発射音ではありません。
敵の発射音です。
未だにネコ田さんは攻撃を受け続けています。
パララララララララララ☆
エリーが撃ちました。
敵の位置を掴んでいないまま。
それと同時に敵の銃声が消えます。
エリーも敵を倒せるとは思っていません。
敵が射撃をやめないのには理由があるからです。
おそらく、敵はネコ田さんを倒せる状況であると考えているはずです。
倒せる確率が低いのであれば、無駄に弾を使うわけはありません。
倒せる可能性が充分にあるからこそトリガーを引いているはずです。
それを放っておけばネコ田さんはアウトになってしまうでしょう。
そうならないために、エリーが今できる事は、敵に向かいけん制弾を撃ち込み、敵の射撃をやめさせることです。
エリーがトリガーから指を放しました。
しかし、敵の発砲はありません。
おそらく、今のエリーの攻撃で、敵も危険な状況にいると分かったのでしょう。
これ以上無駄に撃てば、やがて位置を特定されて仕留められてしまうと読んだはずです。
エリーはスコープから目を離しません。
スコープの中のどこかのブッシュの裏側に、敵がいるはずです。
この状況、裸眼よりもスコープのほうが有効と判断したのです。
パララララララ☆
エリーがトリガーを引きました。
敵の姿は見えていません。
しかし、その攻撃に合わせるように、前方にいるうさぴょんが少しずつ前進していきます。
パララララララ☆
またトリガーを引きました。
再び前進するうさぴょん。
エリーがスコープから目を離しました。
裸眼で敵がいるである場所を凝視したまま、一歩横に移動します。
少し場所を変えて、敵が見えるかどうか確認するためです。
一歩、また一歩……少しずつ横に動きます。
そして再びAUGを構えました。
パラララララララ☆
撃ち込みました。
すると……
パラララララララ☆
敵の発射音と共に、白い弾がスコープに映りました。
エリーはすかさず姿勢を低くしてブッシュに潜ります。
パンパン☆
グロック26の発射音です。
「ウキィィ!ヒット!」
サルがブッシュの中から立ち上がりました。
うさぴょんが倒したのです。
敵に気づかれず、敵から10メートルほどの場所まで接近していました。
「なんだか今回は余裕そうにゃ」
ネコ田さんがブッシュの中から立ち上がりました。
その時。
ズシャッ☆
「にゃ〜!ヒットにゃ!」
ネコ田さんが撃たれました。
同時に聞こえた異常な着弾音。
ネコ田さんの周辺のブッシュにも大量の弾が着弾しているのです。
飛んできた弾は、おそらく10発以上。
その弾が同時に飛んできたのです。
エリーが前を見ると。
サルがいました。
はるか40メートル先に。
ゴルフクラブを持ったサルが。
「わいはプロやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
サルは叫びました。
叫んでいました。
叫び終わると、ゴルフクラブを振り上げ……
勢いよく振り下ろしました。
地面に置かれた特製のティー。
ゴルフクラブを置くためではなく、BB弾を置くためのティー。それも一発ではなく、10発を越えるBB弾をおける物です。
そのティーの上に置かれたBB弾を、ティーごと勢いよく叩き飛ばしました。
散弾銃が撃ちだしたような白い弾が飛んできました。
エリーに向かって。
「な、なにあれっ!?」
エリーはすかさずブッシュに潜りました。
ずわしゃっ☆
エリーの周辺のブッシュが派手な着弾音を上げます。
「どうしたぴょん!?」
エリーから20メートルほど離れた位置にいるうさぴょんからは敵の姿が見えていません。
状況が掴めていないようです。
「サルがゴルフクラブでBB弾を打ってるのよ!それも一度にたくさん!」
「反則じゃないぴょん?」
「知らないわよっ!だからといってゲーム中断するわけいかないでしょっ!」
ずわしゃっ☆
再びエリーの周辺のブッシュが大きな音を立てました。
エリーはがさごそとブッシュ内を移動します。
とにかく今は敵に見つからないように位置を変えなければならないからです。
「わいはサルやぁぁ!わいはプロやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
再び叫び声がフィールドにとどろき渡りました。
かきぃぃぃぃぃぃぃん☆
ずわしゃっ☆
跳弾にすら当たっていないのは幸いです。
エリーはブッシュの中で姿勢を低くしていることしかできません。
うさぴょんは前進していきました。
敵を倒すためというより、何が起きているか知るためです。
いや、好奇心の強いうさぴょんですから『何が起きているか知りたいから』と言った方が良いのでしょう。
うさぴょんがブッシュの上から顔を出しました。
うさぴょんの正面。30メートルほどの位置にサル。
ゴルフクラブを持ったサル。
サルはうさぴょんの方を見ると
「わいはサルやぁぁぁぁぁ!おまえはウサやぁぁぁぁぁぁ!!!」
かきぃぃぃぃぃぃぃぃぃん☆
BB弾を打ちました。
「ぴょんっ!!!!?」
うさぴょんに向かって飛んでくる大量のBB弾。
咄嗟に姿勢を低くし、うさぴょんはブッシュに潜りました。
ずわしゃぁっ☆
うさぴょん周辺に着弾する大量のBB弾。
「危険な相手ぴょん……」
確かに危険です。
円形に切り取ったような景色の中に、サルが入っていました。
ゴルフクラブを使い、大量のBB弾を打ち出しているサルが。
クマーニャは東ルートから南下をしてきました。
スコープから目を離します。
サルまでの距離は40メートル。
まだ撃つべきではないと判断したのでしょう。
この距離であれば撃って当てれる確率は低く、もっと接近したとしても発見される確率は低いでしょう。
クマーニャは匍匐姿勢で前進を再び開始しました。
パララ☆
エリーがトリガーを引きます。
サルに向かって。
しかしエリーの射撃は一瞬にして中断となりました。
サルが打ってきたからです。
かきぃぃぃぃぃぃん☆
ずわしゃっ☆
サルはエリーに対し、攻撃するスキを与えません。
エリーの攻撃より速く、瞬間的にゴルフクラブを振ってくるため、なかなかエリーはブッシュから顔を上げられないのです。
背の高いブッシュの中、エリーはしゃがみました。
敵は一度に大量の弾を放ってくるため、このようなしっかりとした遮蔽物が必要なのです。
しかし
「必殺!モ●落としやぁぁぁぁぁ!!!」
かきぃぃぃぃぃぃん☆
その声と音だけがエリーの元に聞こえました。ブッシュ内からは敵の姿を目で確認することは出来ないからです。
今回は、なかなか着弾音がしません。
ひゅぅぅぅぅぅぅ……
ずわしゃっ☆
エリーに向かって大量の弾が……降ってきました。
ほぼ真上から。
「ヒット〜!」
弾が降ってきてから、何が起きたかエリーは理解しました。
しかし時すでに遅しです。
サルは弾を上空高い所まで打ち上げ、そこから急降下させることでエリーを倒したのです。
上方から落ちる弾なら、ブッシュで止められることが無いため。
「必殺!●ズ落としやぁぁ!!!」
かきぃぃぃぃぃぃん☆
サルは再び同じ技を使いました。
今度はうさぴょん目がけて。
「まずいぴょん」
エリーがアウトになったのを見て、うさぴょんはブッシュの蔭にいても安全ではいことを知りました。
うさぴょんは急いで左に走り出しました。
ずしゃぁぁ。
うさぴょんが走り去った場所に向かってBB弾が降って来ました。
上空まで打ち上げたとは思えないほど正確ショットです。
バリケードの隙間からうさぴょんが敵を確認します。
距離は30メートル。
サルはすでにゴルフクラブを振り上げていました。
うさぴょんは急いでグロック26を構えます。
それと同時にサルもゴルフクラブを振り下ろしました。
うさぴょんは狙いをしっかりと定めないうちにトリガーを引くと、手応えを感じないまま、すかさずブッシュに伏せました。
バン☆
かきぃぃぃぃぃぃぃん☆
「うおっ!ヒットやぁ!わいがヒットやぁぁぁぁぁ!!!!!プロなのにヒットやぁぁぁっ!」
サルが叫びました。
うさぴょんも驚きました。
しっかり狙いを定めていないショットですから、到底当たったとは思えません。
それでも確かにサルはヒットコールをしていました。
偶然だろうと考えながら、うさぴょんは敵フラッグへと向かいました。
数分後。
ピーーーーーーーーーーーーーー☆
ゲーム終了の笛が吹かれました。
うさぴょんが敵フラッグをゲットし、クマノフチームは勝利しました。
フィールド内からクマノフ、うさぴょん、クマーニャが出てきました。
一方、サルたちは……泣いていました……
「泣いてるぴょん……どうしたぴょん?」
うさぴょんがサルに問いかけました。
「俺達は……俺達は人間に復讐したかったんだ……」
一匹のサルが涙ながらに言いました。
「復讐クマ?どうしたクマ?」
「俺達の故郷では人間達がエアガンを持ち、俺達を撃つんだ。だから俺達は……サバイバルゲームを練習し、強くなって仕返ししてやろうと思ったのさ。思い出しただけで悔しい。うきききききぃっ……」
「それは困った事ね」
「どうして撃たれるようなことになったクマ?」
「……う!?そ、それは……俺達の仲間が人間達から食べ物を盗むようになってしまい……」
「それはおまえたちにも非があるクマ……」
その声を聞き、サルの一人が怒り出しました。
クマノフの背後から近寄ると、
「お前に何がわかるんやー!!わいはプロやー!」
クマノフの背後で、一匹の猿がゴルフクラブを振り上げました。
「この(ピーーーーーーー)クマがぁ!」
振り上げたゴルフクラブを勢いよく振り下ろします。
クマノフの後頭部めがけて。
ガシッ☆
そのゴルフクラブを横から掴む手がありました。
いつの間にか、クマーニャがプロサバラーサルの横に立っていたのです。
「……!!」
音もなく近づいてきていたクマーニャに、ゴルフクラブを捕まれたサルは驚きました。
クマーニャはゴルフクラブを後方に引くと同時に、サルの足を後から蹴ります。
ずてん。
サルは仰向けに倒れました。
その手はゴルフクラブを握っていません。
ゴルフクラブはクマーニャの手にありました。
クマーニャは一瞬でゴルフクラブを両手に持ち直しました。グリップ部分が地面を向くように。
直後、クマーニャは無表情のまま、そのゴルフクラブが突き下ろされました。
サルの喉元めがけて。
「うきいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
ざくっ☆
ゴルフクラブのグリップは突き刺さりました。
サルの顔のすぐ横、ほんの数センチ横の地面に。
サルは恐怖のあまり、まったく身動きできない状態でした。その目から涙が流れています。
「うき……ぅききき……」
言葉にならない音がサルの口からこぼれます。
クマーニャの狙いはハズれました……それは邪魔が入ったからです。
クマーニャのすぐ横で、クマノフが手を突きだしていました。
ゴルフクラブを突き下ろす瞬間、クマノフが横からゴルフクラブを払ったのです
そのため、ゴルフクラブは狙いを逸れ、地面に突き刺さったのでした。
クマノフが手を出さなければ、ゴルフクラブのグリップは今頃サルの喉に刺しこまれていたでしょう。
クマーニャは視点を上げました。クマノフの方に。
その目は『なぜ』と言わんばかりです。
「やめるクマ」
クマノフはサルとクマーニャに背中を向けると、荷物置き場へと歩いて行きました。
しばしの間を置き、クマーニャもクマノフに続きました。
−−−もしかするとさらに続くかもしれない−−−
あまりにあきれたのでメッセージを送ってみる。