サバゲニッポン昔話



うさぴょん「今日も元気にサバゲニッポン昔話ぴょん」
ネコ田さん「にゃ〜、前回は勝利したにゃ〜」
クマノフ「クマクマ」
エリー「今日もパン太はいないのね」
クマノフ「クマクマ」
うさぴょん「クマノフさん、最近『クマクマ』が多いぴょん」
クマノフ「クマクマ」


ハンドルネーム:トム
何かエリーがすきになりました。っていうかステアーが好きになりました

エリー「やっと私の素晴らしさに気づいてくれたのね」
ネコ田さん「性格悪いけどにゃ〜」

ハンドルネーム:すナイツSR
このごろ頻繁に説明のための絵が出ていますねw
とても分かりやすくていいです!
そしてまた、それについて一つ感想、フィールドに存在するプレイヤーの絵の中で、エリーは飛びぬけてカワイイと思います!
チーム内に一人女の子がいるだけで、ムードがとてもよくなる。ってのは僕の意見なんですけどw、うん、エリーもまた女の子なんだなぁって思いました。

エリー「よく分かってるわね」
うさぴょん「エリーちゃん、人気急上昇中ぴょん」
ネコ田さん「俺の人気はどうなるんだろうにゃ〜」

ハンドルネーム:リク
パン太はもういなくてもいいですよ。

ネコ田さん「エリーとは反対に人気下降中が一人いるにゃ〜」

ハンドルネーム:たーぼん
今回のペンギンさんチームって強くないですか?
今までにトラ吉のチームも叫んでいますがここまで団結(?)したのは初めてだと思います。
自分も見習いたいです・・・(汗

クマノフ「確かに強いクマ。集団戦術では勝てそうに無いクマ」
うさぴょん「クマノフさんの待ち伏せがなかったら危険だったぴょん」
クマノフ「サバゲは声をだして情報伝達が重要クマ。私たちもペンギンチームを見習わないといけないクマ」

ハンドルネーム:ケン
どうせならドナレドさんネコ田&パン太をハンバーガーにしてマク○ナ○ドに叩き売ってください、そしてサンダースと一緒に共産主義に入ってください。(パン太

ネコ田さん「なんで俺までにゃ〜」
エリー「あんたもパン太と同じく役にたってないじゃないのっ」
ネコ田さん「にゃに〜!?パン太と一緒にされたにゃ〜」
うさぴょん「よく一緒にされてるぴょん。今回が初めてじゃないぴょん」

ハンドルネーム:バルパトス
今回のお話は、戦術をメインとした、
お話だったので、なんか新鮮でした。
前回も前々界もデタラメな能力を持った、
奴等ばかりでしたからね
次回も楽しみにしていますよ

うさぴょん「久々に普通の敵だったぴょん」
エリー「本当に最近は変な敵が多いから……困ったものね」

ハンドルネーム:レイヴン
今回のサバニポは久しぶりに、
為になるお話でしたなぁ〜w
いつもは変なトコで話がズレていくのにw(ぉぃ
これはパン太がいないおかげなのかな?
話がズレるのはヤツのせいだったのか!(何
にしても、相変わらず、ネコ田さん弱いなぁ〜(含笑
ぷぷっ・・・・ぉっと失礼w
まぁ頑張って!ネコ田さんw(ぷっ

ネコ田さん「弱くないにゃ〜!たまたま調子が悪かっただけにゃ〜」

ハンドルネーム:007
ジャムオヤジは相当金持ちと見た

クマノフ「私もあんなふうになりたいクマ」

ハンドルネーム:P90TRを愛用
……あの方は?

うさぴょん「あの方?」
クマノフ「ポースクマ」

ハンドルネーム:ズナイバー曹長
うさぴょんは、ハンドガンであれだけ強ければ、ボルトアクションライフルを持たせれば鬼に金棒であります!
是非、うさぴょんには、スナイパーとしてやってもらいたいであります!そうしたら、戦術に幅が広がるであります!

うさぴょん「重くて大きい銃は嫌いぴょん」
クマノフ「鍛えるクマ。毎日腕立て伏せするクマ」
うさぴょん「兎跳びならやってもいいぴょん」

第29話:ヨーロピアン・ブレンド

「次のゲームまでは時間があるにゃ〜」
「ティータイムにするクマ」
 クマノフはウォッカのビンを取り出し、飲み出しました。
 クマノフたちのチームは、しばし長めの休憩時間に入っています。
 エリーとうさぴょんは試射ゾーンに試射に行き、クマノフとネコ田さんはセフティゾーンで休んでいます。
「クマノフさん、お酒飲んでいいのかにゃ?」
「構わないクマ。あそこを見るクマ。あのチームも昼間から飲んでるクマ」
 クマノフが指さした先。
 3人組がいました。全員西洋系の外国人のようです。
 うち一人は暗い色の髪で、ワイングラスで赤ワインを飲んでいます。
 もう一人は体格の良い金髪碧眼で、大きなジョッキでビールをがぶ飲みしています。
「酔っぱらいチームかにゃ〜。でも残り一人だけは飲んでないにゃ〜」
 最後の一人は淡い色の金髪。肌の色も白く北欧系なのでしょうか、彼だけは何も飲んでいません。ただ一人、口をくちゃくちゃと動かしているところを見るとガムでも噛んでいるのでしょうか。
「外国人チームクマ」
「にゃ〜、でも俺達も半分ぐらい外国系だにゃ」


 フィールドから少し離れた所にある試射ゾーン。
 10人ほどのゲーマーが、ゲームの合間を使って、試射、ホップ調整、サイト調整をしています。
 全てのゲームフィールドから離れた場所にあるため、ここではいつでも試射ができるのです。

 パンッ☆パンッ☆

 カンッ☆

「一発当たったぴょん」

 20mほど先、地面に突き刺した棒の先にあるアキカンを狙って、うさぴょんがグロック26を撃っていました。
「次はあたしが」
 隣にいたエリーがAUGを構えました。

 パパパン☆

 カカカン☆

「エリーちゃんすごいぴょん。全部当たったぴょん」
「しっかり狙ってるんだから当然よ」

「ん〜、素晴らしいね。君の射撃は、まるで地中海を泳ぐ原子力潜水艦のようだ」
 エリーの背後に一人の青年が立っていました。
「……え、誰?」
「ん〜、僕の名前はロレンツォ。君はエリーって言うんだね、う〜ん、いい名前だね。そうだ、僕の腕もちょっと見せてあげようか」
「……ぇ……?」
 ロレンツォは持っていたベネリM3をアキカンに向け、トリガーを引きました。
 しかし弾は出ません。
「おっとコッキングをするのを忘れていたよ。コッキングしたままは暴発の危険性があるからね。みんなも僕を見習って、撃つまでにはコッキングしないのがいいよ」
 ガシャッ☆
 バンッ☆
 弾はアルミカンから離れた場所を飛んでいきました。
「ははは、ハズれたね。僕がハズすなんて珍しい」
 ガシャッ☆
 バンッ☆
 またしても弾はアルミカンにヒットしませんでした。
「ははは、次は大丈夫さ」
 ガシャッ☆
 バンッ☆
 ガシャッ☆
 バンッ☆
 ガシャッ☆
 バンッ☆
 ガシャッ☆
 バンッ☆
 ガシャッ☆
 バンッ☆
 なかなか当たりません。
「ははは、今日は調子が悪いみたいだ。ああ、きっと目の前にこんな美しい女の子がいるから。さすがの僕もちょっと緊張しているのかな」
「これはちょっと危険ぴょん」
「……な、なんなのこの人……?」
「う〜ん、君と僕は、きっとここで出会う運命だったんだ。まるでトマトソースとパスタのように最高の組み合わせさ」
「ロレンツォ。そろそろ次のゲームの用意をせねばならぬぞ」
 シルクハットを被った男がやってきました。
 黒のタキシード姿、手にはステッキを持っています。
 口ひげを蓄え、まるで絵に描いたような紳士です。
「ああ、残念だ。また次のゲームが終わったら僕と会おう。チャオ〜」
 ナンパな男はエリーに投げキッスをすると、紳士風の男と共に去っていきました。

「謎な人ぴょん……」
「ホント……」


 トラ吉たちの第4回戦。
 敵チームは『EU』
 全員がヨーロッパ系の外国人のチームです。
 フィールドは南北に長いフィールドです。
 東側がが山になっており、フィールド限界ラインは斜面の途中に引かれています。
 つまり、山を登り切って身を隠すことができません。
 トラ吉たちは南側からのスタートになりました。



「もう負けられへんな〜」
「ホンマやな……これ以上負けたら本戦進出は絶望的や」
「カニカニー」
「バンパク」
「作戦はどうするんだ?」
「グリ夫が守りや」
「OK」
「攻めは射程の長いチンドンとバンパクが斜面の高い場所。わいは中央をいくで。ドーラクはその間あたり、斜面の下や。頼むで」


 ピーーーーーーーーーーーーーー。
 ゲーム開始のホイッスルが鳴りました。
 チンドン、バンパクが一気に斜面を駆け上がります。
 トラ吉は正面に向かってダッシュ、ドーラクは斜面の下を走りました。

 ゲーム開始後30秒で、チンドンとバンパクが敵を見つけました。フィールド中央に二人です。
「フィールド中央に二人やで〜!わいから50mや!」
「バンパクッ!」
 パラララララララ☆

 バンパク、チンドンが軽く撃ち込みます。トラ吉やドーラクに敵の位置ら知らせるための攻撃です。


「了解やで」
 トラ吉は小声で言い、前進をやめます。そして正面に対し警戒しました。
 東の斜面の上から放たれる味方の弾を確認しました。
 トラ吉の正面、30mほどの位置に落ちていきます。
「あのへんやな」
 トラ吉は前進しました。
 正面ではなく、北西方向に。
 バンパクの攻撃を受けた敵は、バンパクから反対方向に移動していると予想したからです。

「カニカニー!斜面に敵一人カニー」
 ドーラクが叫びました。
 斜面の上、ドーラクから見て右前方に敵がいます。
 高い所から低い所はよく見えます。
 その反対に、低い所から高い所もよく見えるのです。

 パララララララララ☆

 斜面からの攻撃がドーラクに降り注ぎました。
「攻撃してきたカニー」
 ドーラクは素早く移動して、近くの木の影に隠れます。


「逃げられたか」
 ハーゲンはG3A3のトリガーから指を放しました。

 まだドーラクまで40m。うち続ければ当てれるかもしれません。
「なぜ撃ち続けない?ハーゲン」
 後続のロレンツォが問いかけました。彼の銃はベネリM3なので、この距離で無駄弾を撒くわけにはいかないのです。
「これ以上撃っても弾の無駄だ。それに、ここからでは見えないが、俺達の正面にも敵は来ているはずだ。このままうち続ければ、斜面から近寄られて撃たれる。あのカニの狙いもそこにあるはずだ」
 ハーゲンは冷静です。


 フィールド中央にはジョンとピエールがいます。
 二人とも手近な木の影に隠れています。
 チンドンの攻撃を避けるためです。
「ハーゲンが撃った。斜面の下に敵が一人だ」(英語)
 ジョンが言いました。しかし5メートルほど横にいるピエールは聞いている様子がありません。
「ピエール、聞いてるか?」(英語)
 ピエールは反応しません。暇そうに左手でバラをいじっています。
「ピエール」(英語)
 何度かめの問いかけに対し、ピエールは口にバラをくわえ。
「なんだね?美しい僕に用かね?」(フランス語)
 背景をキラキラさせながら答えました。ちょっと前にでてきたガンパンマンとキャラが被っているのは秘密です。もしかすると彼がガンパンマンの正体なのかもしれません。
「……あの位置に敵だ」(英語)
「あぁぁぁぁん?僕は英語なんて分からないよー。フランス語で言ってくれよー」(フランス語)
「…………」(英語)
 コミュニケーションが成立していないようです。
(うう……我慢だ我慢……英国紳士の私がこの程度で怒りを表すにはいかん。それは紳士道に反す)(英語)
 ジョンは必死に怒りをこらえ、こめかみの怒りマークを消しました。
「ならば私が撃つ」(英語)
 ジョンが木の横からTYPE96を構えました。
 スコープのセンターをドーラクの少し上に合わせます。距離があるため、落差を考えたのです。
 ボッ☆
 サイレンサー付きのTYPE96から弾が放たれました。
 バシッ☆
 ドーラクが隠れている木にヒットしました。
「もう一度……」
 ボッ☆
 ヒュンッ☆
 弾はドーラクの横を抜けていきました。

「危険カニー!」
 ドーラクは下がりました。斜面上のハーゲンが攻撃してこれば、二方向からの攻撃をうけることになるからです。

「ふっ、逃がさないよカニさん!美しいこの僕がしとめてあげるさ!」(フランス語)
 バラをくわえたままのピエールがFAMASを構えて駆けだしました。おいしい所だけを一人で持っていく作戦だったのでしょうか。
 バンッ☆パララララララララララ☆
「うわっ、ヒット!」(フランス語)
 トラ吉とチンドン、グリオの3人から撃ちこまれ、ピエールはアウトになりました。

「ん?正面から単発式の発射音か?」
 ジョンは正面からの発射音を聞き逃しませんでした。


「今の一撃で位置バレしたやろなぁ……」
 トラ吉はブッシュの中で正面を警戒していました。
 さっきドーラクに向けて、二発の発射音がしたからです。
「サイレンサーで押し殺したボルトアクションの発射音やな」
 トラ吉はブッシュごしに正面を見ます。
 決して姿勢を高くしません。見通しは悪いのですが、姿勢を高くすれば一撃でアウトになる可能性が高いからです。
 正面には太い木が二本。
「さっき走ってきた奴は右側の木から出てきたっちゅうことは、右側にはおらへんな。左の木か、それともその周辺のブッシュや」
 トラ吉は右後方の斜面の上のバンパクに目をやりました。
「バンパクからぎりぎり射程内や。ってことは、バンパクと自分の間に木を置きたがるはずや……」
 少し考え、
「木の後ろ、向かって左側やな。そこに伏せてるはずや。右利きスナイパーならなおさらやで」
 トラ吉は前進を始めました。
 ブッシュのから顔が出たと同時に、右側に素早く移動します。
 一瞬、問題の木の向かって左側に黒光りするものが見えました。
 ボッ☆
 敵が撃ってきた弾は、トラ吉の顔の左側を通過していきました。
 トラ吉は素早く駆け寄りました。
 目指すは目標の木の右側です。

「く、外れた」
 ジョンは伏せた姿勢のまま素早くボルトを引き、再びトラ吉に狙いを定めようとします。
 ジョンの左前方には彼がバリケードとして使用している木があります。
 トラ吉は、素早くその向こうに消えました。
 ジョンの銃口がトラ吉を追いかけようとしますが、木の幹が邪魔をして狙えません。
「狙えない位置に!?」

 ザッ。

 ジョンの左側にトラ吉が現れました。
 ジョンのTYPE96は木の右側。
 とてもトラ吉を撃つことはできません。

 バンッ☆

「ヒットだ!英国紳士のこの私が……」


 一方、斜面側ではロレンツォが前進していました。
 ハーゲンよりも南側へと位置しています。

 ロレンツォがブッシュをかき分けながら前進すると……

 ブッシュの向こう側にバンパクとチンドンの顔がありました。
 目が合いました。
「よう!」(イタリア語)
 陽気なイタリア人らしく、きさくに声をかけるロレンツォ。
 返ってきたのは、
 パラララララララララララララララ☆
「ママーーーーーー!」(イタリア語)
 ロレンツォは逃げ出しました。

 ハーゲンが前方を警戒していると、正面のブッシュからロレンツォが飛び出してきました。
 ロレンツォはハーゲン斜め後ろの木の陰へと飛び込ぶやいなや、
「正面に敵が二人いた。ブッシュの向こうだ」
「了解だ」
 ハーゲンは短く返答し、正面のブッシュに銃を向けました。

 正面のブッシュがガサガサ揺れています。
 ブッシュの隙間からチンドンが現れました。
 パラララ☆
「ヒットや〜!」
 ハーゲンはチンドンを一トリガーで正確に仕留めました。
 しかし、バンパクがブッシュに隠れ、ハーゲンのほうに撃ち込んできます。
 ハーゲンはブッシュに姿勢を低くし、牽制射撃を行います。
 バンパクもハーゲンも、お互い深いブッシュに隠れているため、なかなか勝負がつきません。

 パララララララララララララ。

 下のほうからハーゲンに向かって弾が飛んできました。
 ドーラクです。

 バンッ、バンッ。

 今度はトラ吉までもが斜面の下からハーゲンに向かって攻撃してきました。
 ハーゲンは斜面下を攻撃したいのですが、そのためには姿勢を若干高くする必要があります。
 それに、攻撃方向を下に向けたらバンパクからねらい打ちされてしまいます。
 3方向からの攻撃で、ハーゲンは為す術がなくなってしまいました。
「くっ、ロレンツォ。援護してくれ。正面のヘンな奴に攻撃を頼む」
 3方向の攻撃に耐え、正面を向いたまま、ハーゲンは言いました。
 しかしロレンツォからの返答はありません。
「ロレンツォ。ロレンツォ!」
 反応はありません。
「ロレンツォォォッ!!」

 ハーゲンは斜め後ろの木を見ました。先ほどロレンツォが隠れた場所を。
 しかし、そこにロレンツォの姿はありません。
 ロレンツォはもう、逃げ出していたのです。
「……どうしてイタリア人は肝心な時に逃げ出すのだ……」
 ハーゲンはバンパクに銃を向けました。
 パラララララララララララララララララ☆
 そして、アウト覚悟でトリガーを引き続けます。
「ヒットバンパク」
「ヒット!」
 バンパクとハーゲンは相打ちになりました。


 5分後。
 トラ吉とドーラクは敵フラッグから20mの位置までやってきました。
 敵の姿は見えませんが、ディフェンスが敵の残り人数は二人。
 一人か二人がディフェンスに付いてると考えられます。
「待ち伏せてるやろな……あとはグリ夫の出番や」
「カニカニー」
 トラ吉は大きく息を吸い込み……
「グリ夫!頼むでーーーーーーーーーーーーー!!」


 トラ吉の叫び声を、グリ夫は自軍フラッグの近くで聞きました。
「俺の出番だな」
 グリ夫はポケットからキャラメル箱を取り出しました。
 その時。
 ザッ。
 グリ夫の前に敵が現れました。
 北欧系の顔つき。最後の一人の敵、彼の名前はパーヤネンです。おそらくフィールド西限界から一人で静かに迂回してきたのでしょう。
「くっ!」
 グリ夫は急いでキャラメルの箱をあけました。
 相手の攻撃より早くキャラメルを食べ、パワーアップするつもりです。
「勝負やネン!」
 パーヤネンもポケットからガムを取り出しました。
 フィンランド名物、キシリトールガムです。
 ガムを口に入れました。グリ夫がキャラメルを口に投げ込むのと同じ瞬間。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
「ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 二人の叫び声がフィールドに轟きわたりました。

「一粒300メートルアターーーーーーーックゥゥゥゥ!!!!!!!」
「キシリトール森と湖サウナアターーーーーーーーックゥゥ!!!」

 パラララララララララララ☆
 パーヤネンの攻撃がグリ夫を襲います。
 しかし、弾が届く前に、すでにグリ夫は移動しています。とても素早い移動で弾を避けたのです。
「俺のスピードについてこれるかあぁぁぁ!!!!」
 グリ夫はパーヤネンを中心に円を描くように走ります。走りながらM4のトリガーを引き続けます。
「スピードだけで何ができるネン!私のキシリトールガムは私の全ての能力!そう!知力!体力!時の運!全てを最大限に引き出すことができるのやネン!」
 グリ夫の弾は散っています。走りながら撃っているから当然です。
 しかし、何発かの弾はパーヤネンに向かって飛んで行きました。
「見えるネン!キシリトールの力で弾がハエが止まるクソのように遅く見えるネン!」
 ススススッ。
 パーヤネンは身をひねり、飛んできた全ての弾をマトリッ*スのように避けました。
「避けた!?」
 グリ夫が驚きました。
 パーヤネンは全て避けきると、銃をグリ夫に向けます。
 AKから改造した、AKモドキのような電動ガンです。
「これで決まりだネン!」
 パラララララララララララララララ☆
 逃げ去っていくグリ夫の背中に打ち込みました。
 弾は正確にグリ夫の背中に向かって飛んで行きます。真後ろから撃ったため、弾は吸い込まれるようにグリ夫の背中に向かって飛んで行きました。
 グリ夫の背中に弾が到達するかとおもいきや。
 弾とグリ夫の距離が開き始めました。
 弾の速度が追いついていないのです。
 グリ夫が速過ぎるのです。
 中距離以降の、空気抵抗により減速した弾よりもグリ夫の走る速度のほうが速いのです。

「な、なんでやネン!?弾より速いネン!?」
 グリ夫は走り去って行きました。
「く、今のうちにフラッグを取るネン!」
 パーヤネンはフラッグに向かって駆け込もうとしました。
 しかし、
「そうはさせない!!!」
 グリ夫がターンして戻ってきました。
 笑顔で。
 栄光のゴール。いえ、勝利に向かって。
「お前の速度とは言え、キシリトールガムによりスピードが増した俺には追いつけないネン!フラッグはもらったネン!」
 パーヤネンはダッシュしました。
 フラッグに向けて。
 グリ夫には遠く及ばないスピードです。
 しかし、一般の人間に比べたら、確かに素早いのです。
 なぜなら今の彼はキシリトールガムによってパワーアップしたスーパーフィンランド人なのですから。
「勝ったネン!」
 パーヤネンの手にフラッグが近づいてきます。
 そしてパーヤネンの伸ばした手がフラッグに届くかと思った瞬間。

 バシッ☆


 グリ夫の放った弾がパーヤネンの後頭部を直撃しました。
 距離を考えると1Jレギュレーションの銃で撃ったにしては強い衝撃です。
「な、なんでやネン!?ヒットネン!」

 ザザザザザザサザザーーーーーーーーーーー。
 グリ夫が滑りながら停止しました。
「お、おかしいネン!お前の銃は絶対にレギュレーション違反やネン!」
「フィンランド人は世界一高い学力を持っているネン!スーパーフィンランド人となった俺の計算ではレギュレーション限界の初速をもってしても、今の状況でおまえの弾が俺に追いつくことはありえないネン!」


 このゲーム、ドーラクがフラッグにタッチし、トラ吉たちが勝利しました。
 ロレンツォはただ一人、フィールドの隅で自分の安全だけを考えていたのは内緒です。

 しかし、ゲーム終了後……

「レギュレーション違反の疑いですか?」
 両方のチームがフィールド外に集まり、審判の前に集まりました。
「そうだネン。絶対にオーバーしてるネン」
 パーヤネンは強気です。
「しかたありません、この弾速計で測ってみてください」
 審判が弾速計を用意しました。
「しかたないな……」
 グリ夫はM4RISを弾速計の前に持ってきました。
「これで違反してたらパーヤネンを倒したのが取り消し、わいらの負けや」
 さすがのトラ吉も不安そうです。
 ここで負けたらトラ吉たちに後はありません。
 今まで4戦行い、勝利数は1回だけなのです。
 今回も負けとなれば、予選通過は絶望的です。


−−−もしかするとさらに続くかもしれない−−−

あまりにあきれたのでメッセージを送ってみる。

なまえ(なまえ公開の許可/不許可も書いてください。無記入だと勝手に公開されちゃいます)
※例:「クマノフ なまえ公開許可」

つくったひとへのメッセージ


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