サバゲニッポン昔話



ネコ田さん「はにゃ〜、パン太はハンバーガーにされちゃったにゃ〜」
うさぴょん「困ったぴょん」
ネコ田さん「この先どうなるのかにゃ〜、この物語」
うさぴょん「なるようにしかならないぴょん」
ネコ田さん「……そんなんでいいのかにゃ〜?」
うさぴょん「大丈夫ぴょん」

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ハンドルネーム:さとにゃん
出たよ・・・いくら、いくら動物がみんな日本語しゃべって人間のような生活しててもねぇ・・一線を越えちゃった気がしますw
いやぁだれがあのサイコ野郎(お下品)をやれるのか不思議ですね^^;
では続きを楽しみにしてます。

あと、




パン太は因果応報ってことで。
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ネコ田さん「本当に酷い展開にゃ〜」
クマノフ「クマクマ」

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ハンドルネーム:グレネーダー見習い
道化って恐ろしいですね…。
小さい頃、よく道化の顔を思い出して寝付けない夜がありました。
なんだかドナレドとサバニポのメインキャラの今後の戦いっぷりが気になります。
とうとう「ボス」と言えそうなキャラが出てきましたねぇ…。

うさぴょん師匠、トラ吉さん、そしてネコ田さんさん(さんまで名前だとは思わなかった…)
大変やろけど、頑張るにゃ!!応援してるぴょん。
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ネコ田さん「本当に怖いにゃ〜」

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ハンドルネーム:たーぼん
おい審判!ドナレドマジックいいのかよっ!!止めろよ!!
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エリー「確かに、あれは止めるべきよ」
クマノフ「審判の力など借りなくても自力で勝利するクマ」
ネコ田さん「といいながら負けてるにゃ〜」

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ハンドルネーム:リク
クマノフさんがハンバーガー食らわされた時に攻撃しろよ!
ネコ田ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
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クマノフ「すまんクマ」
ネコ田さん「今回はクマノフさんのミスだにゃ〜」
クマノフ「……クマクマ……」

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ハンドルネーム:トム
ドナレド、サンダースよりも強いんじゃないんっすかね〜
パン太とクマノフハンバーガーに変えられてその後どうなったのかな?
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クマノフ「私はハンバーガーに変えられてないクマ。パン太だけクマ」
うさぴょん「クマノフさんは落ちてきたハンバーガーに頭がめり込んだだけぴょん」
ネコ田さん「たしかにサンダースより強いかもしれないにゃ〜」

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ハンドルネーム:すナイツSR
なんと!三日泊まりをしてきたらこんなにも話が進んで・・・。感服ですw
それはそうと、ドナレドって・・・むしろマクド○ルドって、そんな商売の仕方だったんですか。
きっとテリヤキバーガーとかにも出来るんでしょうね。
小さい子には見せられませんね、これ。マクド○ルドのCMがやたら怖く思えてきます(笑
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うさぴょん「いっぱい進んだぴょん」
ネコ田さん「いったん話が止まると、ずっと止まってるんだけどにゃ〜。大会に入ってから進みが速いにゃ〜」

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ハンドルネーム:バルパトス
強ェェェェェェェ!
何だこいつ!?まさかあの
クマノフまで殺られるなんて・・・
ネコ田さんあの笑い声がトラウマにならないといいけど
パン太に至ってはどうするんでしょ?
元に戻れるのかな
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ネコ田さん「トラウマになりそうにゃ〜」
エリー「あたしも……」

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ハンドルネーム:Delta_Force
「ドナレドマジックッ!!」で美味しそうに(不味そうに?)変身したパン太・・・・ご冥福をお祈りします。
ただ、フリーズコールは受けましょう!痛いです・・・・。
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クマノフ「まだ死んではないと思うクマ」

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ハンドルネーム:さそり
クマノフさん、フリーズコール有効だったんですか? 
撃っちゃえば良かったのに。
あとクマノフさんをヒットさせた第一号サンダースを
ヒットしたのがパン太だったので、
「クマノフさんをヒットさせた人はパン太にやられる」
っていう法則の存在を密かに期待していたんですが、
パン太に期待した私がバカでした。
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クマノフ「また責められてるクマ……」
うさぴょん「撃っちゃえばよかったぴょん」
クマノフ「失敗したクマ」
ネコ田さん「パン太に期待したダメにゃ〜」

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ハンドルネーム:レイヴン
ドナレドさん!
ドナレドマジックでネコ田さんを犬にして下さいな。
そうすればオールOK!(何
いやぁ、ね、私、犬派なんですよ。
そう言う事で、ネコ田さん、
今度からは犬で宜しくお願いしますm(_ _)m
人気UP間違いなしですよ!(フフフw
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ネコ田さん「犬は嫌いにゃ〜」
うさぴょん「きっと子供のころに追いかけ回された記憶があるぴょん」
ネコ田さん「俺はネコだからいつも追いかけ回されてるにゃ〜」
うさぴょん「そういえばそうだったぴょん」

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ハンドルネーム:烏龍茶
 実は、マッドカウズのメンバーはあの後ドナレドによってハンバーガーの・・・
 うわ、なんだおまえやめr
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ネコ田さん「文章の最後が切れてるにゃ〜」

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ハンドルネーム:PFKtym
久しぶりの書き込みです。
取り敢えず最初に思ったのが・・・・・ドナレドこわッ!!です。
あれはやばいですね。
なんか夢に出てきそうです。結局負けちゃったし・・・。
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うさぴょん「次は負けないぴょん」
ネコ田さん「予選で落ちたら次は無いにゃ〜」

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ハンドルネーム:胃液酸
ありえないですねドナレド。
軽くサイドステップて・・・
某ゲームよりありえないですよ。
極めつけはドナレドマジック。
パン太どうなる!?
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ネコ田さん「某ゲームってなんだろうにゃ〜」

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ハンドルネーム:すないぱ
どうも、お初です。
ドナレド怖いですね。明日からマ●ドナ●ドには行かないようにしますw
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うさぴょん「今回のお便りは『ドナルド怖い』ばっかりぴょん」
ネコ田さん「本当に怖いにゃ〜、夢に出そうにゃ〜」

第27話:勇気りんりん


「パン太がハンバーガーにされちゃったにゃぁぁ〜!?」
「大変だぴょん」
「クマ……」

「どないしたんや?」

 やってきたのはトラ吉でした。

「パン太がハンバーガーにされちゃったぴょん!」
「はぁ?ハンバーガーにされたやって?」
「ドナレドって敵ぴょん。なんでもハンバーガーにしちゃうぴょん」
「ホンマかいな?せやけど、このハンバーガー、ほんまに白黒やなあ……パンダそのもんや」
「とにかくこのハンバーガー……パン太を車の中にでも運んだほうがいいわ。ここに置いてると誰かに食べられちゃうかもしれないわ」
「私が食べようと思っていたクマ。貴重な食料クマ」
「クマノフ様〜!」
「みんなで力あわせて運ぶぴょん」
「わいも手伝うで〜」



 5人は白黒のハンバーガーとなったパン太をクマノフの車まで運びました。

「そこでまってるぴょん。きっと元に戻してあげるぴょん」

 ばたん☆

 車のドアが閉められました。



「……やはり、あいつを止めなければならんのう……」
 そのクマノフ達の姿を、遠くから一人の老人が見ていました。



 トラ吉たちの第3回戦。
 トラ吉チームと相手チームがフィールド前に集合しました。
「チーム『くいだおれ』と『愛と勇気だけが友達』の試合を行います」
 相手チームの組み合わせは、丸い顔、赤い服のガンパンマン。
 四角い顔の白いショックパンマン。
 楕円形の茶色い顔と黄色い服のカリーパンマン。
 青い服と白い帽子のオバサンのパタ子さん。
 そして、白い服、白い帽子のオジサンのジャムオヤジ。

「やあ、僕は美しいガンパンマン。よろしく」
 ガンパンマンが挨拶しました。





 フィールドは東西に長い森です。
 フィールド中央に直径20mほどの池があり、その池から南北へは、幅1mほどの細い川が流れています。
 川はジャンプで飛び越せる幅ですが、敵陣に攻めるためには池の北ルートか南ルート、どちらかを選ばなければなりません。



 ゲーム開始前、西フラッグにトラ吉たちが集合しました。

「進行ルートが北か南か、完全に別れとるフィールドやな」
「川の部分は若干窪地や、塹壕として利用できるで」
「そやな、せやけど川にハマらんように注意や」
「バンパクッ」
「進行ルートが二つに分かれてるってことは、攻撃部隊が相手攻撃部隊にぶつからない可能性も考えにゃあかんな」
「そうなったらディフェンスの負担が大きいで〜」
「だったら僕が守るカニー」
 ドーラクがディフェンスを名乗りでました。
「そ、そうか……だがそれは、まるで俺の守りでは不安って言われてるみたいだな」
 とグリ夫。
「わいらは南ルートや。いくで」



 ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 ゲーム開始の笛がなりました。
 トラ吉、グリ夫、チンドン、バンパクが南ルートに向かいます。

 フィールド南側の中央、川の手前20mの位置まで来たところで、東側に敵を発見しました。
「バンパクッ!」
 パラララララララララララララララ☆
 いち早くバンパクが射撃を開始します。射撃によって味方に敵の位置を知らせているのです。
「正面30mに黄色い奴。その後ろに赤い奴やで〜」
 チンドンも叫びました。

 黄色い奴、カレーパンマンが不用意に前進してきました。
「カリィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!」
 パララララララララ☆
 そしてチンドンへと攻撃をかけます。彼はチンドンがトラ吉チームの最前線だと思っているのでしょう。

 バンッ☆

「ヒットカリィィィィィィィィ!!」

 最前線でブッシュ内を静かに侵攻していたトラ吉がカリーパンマンを仕留めました。



「カリーパンマンをしとめたか」
 スコープの中にはブッシュが映っています。
 そのスコープは、カリーパンマンを仕留めた敵の位置を探っています。

 ぴたりとスコープが止まりました。

 草の揺れを見つけたのです。
「あそこだな」
 ショックパンマンはフィールド南側にいました。ガンパンマンとカリーパンマンの後方にいたのです。
 ボッボッボッボッ☆

 ショックパンマンからトラ吉までの距離は40m。距離がありますがショックパンマンはPSG1を連射しました。

「あかん、見つかってもうたわ」
 至近弾を浴びたトラ吉は、発見されたことに気づきました。
 しかしトラ吉には焦りの様子がありません。敵まで充分に距離があるのに気づいているのです。
 トラ吉は、もっと濃いブッシュへと移動していきました。

「バンパクッ!」
 バララララララララララララ☆
 50mほど距離がありますが、バンパクが前進しながらショックパンマンに向けて攻撃をくわえました。
 その攻撃がショックパンマンの隠れている木に当たり、ショックパンマンは木の影へと隠れました。
 攻撃はショックパンマンを倒すための攻撃ではありません。
 ショックパンマンをバリケードの陰に押しやり、トラ吉への攻撃をできなくするのが目的です。

「今こそ僕の出番さ!ガンパンマーン!」
 なぜ今がチャンスと思ったのかはよくわかりませんが、ガンパンマンは雄叫びを上げると、M4RISを撃ちながら前方に駆け出しました。

 タタタタッ、ズルッ☆

 ザパーーーーーーーン☆

 川に落ちました。



「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……僕の美しい顔が汚れて力がでない……」

 ガンパンマンは脱力してしまいました。
 もはや立ち上がることすらできません。

「チャンスや!」

 トラ吉が走り出してガンパンマンを倒しにいこうとしたその時。

「ガンパンマン!新しい顔よ!」

 フィールド東側から声が聞こえました。
 そして、丸い物体が放物線を描いて飛んできました。

 ひゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅっ。
 ジャキーーーーーーーーーン☆

 狙い違わず、その丸い物体はガンパンマンの頭に当たりました。
 古い頭は胴体からハズれ、川の中へと落ちます。
 そして新しい頭、今飛んできたばかりの頭がガンパンマンに装着されました。

「はっはっはっ、やっぱり僕の顔は、いつでもこう美しくなければいけないね。元気100倍、ガンパンマーン!」

「てやっ!」
 ガンパンマンは勢いよくジャンプし、川の西側へと出ました。

 目の前10mの距離のブッシュにはトラ吉がいます。

 一瞬、トラ吉と視線が合いました。
「僕の顔がそんなに美しいからといって、そんなに見つめないでくれよ」
 バンッ☆
 トラ吉のSPAS12がガンパンマンに向かって放たれました。
 しかし、ガンパンマンは素早く横に移動しました。
「美しい僕にそんな攻撃は通用しない」
 目と歯と背景をキラキラ輝かせながら、ガンパンマンは華麗に回避しました。

 パラララララララララララララララララララ☆

 ガンパンマンがM4を発砲してきました。

 トラ吉は攻撃せずに移動しました。手近な木の陰へ。
 まだ遠距離にショックパンマンがいるためです。
 トラ吉はショックパンマン、ガンパンマンの二人を相手にしています。この状況では防御を優先すべきと考えたのです。

「僕は美しい、美しい、はっはっはっはっ!」

 パララララララララララララララ☆

 ガンパンマンはM4のトリガーを引きっぱなしにして後退していきます。
 トラ吉は逃げていくガンパンマンに一撃を撃ち込みたいのですが、トラ吉の隠れている木には何発か弾が着弾してきます。
 遠距離からショックパンマンがトラ吉を狙っているのです。

「……逃げられたわ、まあええ、最初にショックパンマンや」



「バンパクッ!」

 バラララララララララララララララ☆

 カカカカカカカン☆

 バンパクの攻撃がショックパンマンの隠れている木に当たり、ショックパンマンが隠れました。

「今や」

 トラ吉は素早く南に向かって走り出しました。フィールド南限界ラインまで素早く移動します。
 フィールド南限界ラインまでたどり着くと、素早く前方に移動を開始しました。

「バンパクッ!」
「まだショックパンマンはあの木の影や」

 バンパクとチンドンがショックパンマンと撃ち合っています。距離は40m。
 ガンパンマンの気配はありません。どこまで後退したのでしょうか。

 トラ吉はじわりじわりとショックパンマンの隠れている木に近づいていきます。
 ショックパンマンの全身が隠れるほど太い木。一見安全そうなこんな木の影こそ危険なのです。
 ショックパンマンは完全に木の影にいます。そこにいれば敵の攻撃があたらないからです。
 しかし、この場所からは真正面が見えません。
 トラ吉はそれを利用して、真正面から距離を詰めているのです。

 トラ吉は低い姿勢のまま、左手にSPAS12、右手にはM93Rを持っています。当然、次の攻撃に使うのはM93Rのつもりです。
 近寄るトラ吉の移動音も、味方の攻撃音が少しだけ消してくれます。

「動かん奴倒すのは楽やわ……」

 トラ吉はショックパンマンの隠れている木のすぐ前まで移動してきました。
 直線距離にすれば2mもないところ、この太い木の反対側にショックパンマンがいるはずです。




 バンパクとチンドンの攻撃がやみました。
 ショックパンマンがPSG1を木の横から構えます。

 ボッボッボッ☆

 トラ吉のすぐ目の前にPSG1の銃身が現れ、はるか遠くのチンドンやバンパクに向かって射撃をしています。
 トラ吉の顔からPSG1までの距離はわずか50CM、こんなに近いながら、まったくバレていないのです。

「……近くですまんな」

 ガガガン☆

 PSG1のハンドガードとショックパンマンの左手に弾が当たりました。

「ショーーーーーーーーーック!ヒットーーー!」

 ショックパンマンがアウトになりました。

「はっはっはっ!今こそ美しい僕の出番だね!」
 また遠くからさきほどの声が聞こえました。ガンパンマンです。
 見ると、トラ吉から30mほど北東にガンパンマンが立っています。
「はっはっはっ!僕の美しい攻撃を受けるのだ!」

 パララララララララララララララララララララララララララララ☆

 トラ吉はやや右に移動しました。目の前にある太い木を使い、ガンパンマンの攻撃から身を守ります。

「はっはっはっ!よく避けたね。でも僕は撃つのをやめないのよ!」

 パララララララララララララララララララララララララララララララ。

 カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカン。

 ガンパンマンの攻撃が次々と木に弾かれます。しかしガンパンマンは撃つのをやめません。

 パララララララララララララララララララララララララララララララ。

 カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカン。

 カタタタタタタタタタタ☆

 弾がきれました。

「はっはっはっ、弾がなくなって力がでなーい」

「今や!」
 トラ吉が顔を出そうとした瞬間。

「ガンパンマン!新しい銃よ!」
「ありがとう、パタ子さん!」

 トラ吉は見ました。
 ガンパンマンに向かって後方からM4が飛んでくるのを。

 ガンパンマンはそれをキャッチしました。
「元気100倍!ガンパンマーン!」

 パラララララララララララララララ☆
 カカカカカカカカカカカカカカカン☆

 またトラ吉は木の陰に追いやられてしまいました。
「……普通マガジンだけ投げるやろ……しかし、なんちゅうか、あの女が邪魔や……せや……」
 トラ吉は後方を向き。
「グリ夫!ガンパンマンのバックアップの奴を頼むで!!」



 チンドンとバンパクよりも後方。
 グリ夫のテーマソングが流れだしました。
 穴の空いたキャラメル箱。顔面の穴の空いたランナーの姿。
「……父さん……」
 グリ夫はキャラメル箱を開け、キャラメルを取り出しました。
 そして口に入れます。

「……ぅぉぉぉぉぉ……」
「……ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
 力がみなぎってきます。
 燃えているのです。グリ夫の魂が。メラメラと。



「一粒300メートル……アターーーーーーーーーーーーーーックゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!」
 駆け出しました。



 ガンバンマンの横をグリ夫が駆けていきます。
 ガンバンマンが銃を向けて発砲しますが、間に合いません。

「ぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 グリ夫は吠えています。吠えながら走っています。
 目標はパタ子。
 彼女に向かい、一直線に走っています。

 ガンバンマンの後方、パタ子が自分に向かってくるグリ夫に気づきました。
 グリ夫は笑顔です。さわやかな笑顔です。その手にはM4RIS。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 パタ子は逃げ出しました。北方向へと。その目からは涙が飛んでいます。
「逃がさないぞぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 グリ夫は追いかけます。
 パタ子は逃げます。
 パタ子は銃を持っていないのです。あくまで彼女はガンパンマンのサポート役であり、単体での攻撃力は無いのです。
 じゃあ、ガンパンマンに投げる銃はどこから取り出しているの?という疑問は無しです。
 必死に逃げるパタ子。それをさわやかな笑顔で追いかけるグリ夫。
 パタ子が逃げ切れるわけがありません。パタ子じゃなくても、誰もが無理でしょう。このグリ夫に脚力で勝つことは。
 無抵抗な物にはひたすら強力なグリ夫です。
「逃がさないぞパタ子ぉぉぉ!!」
 なにやら誤解されそうなセリフを吐きながら、グリ夫はパタ子を追いかけています。

 パララララララララララララララララ☆

「ヒットォォォォォォォォ!!!!」

 パタ子がアウトになりました。



「ヒット!はっはっはっ!美しい僕が撃たれたね!」
 そのころ、ガンパンマンもトラ吉に撃たれていました。
 パタ子のサポート無しではガンパンマンの力も半減だったのです。

「なんやか楽勝やな」

 トラ吉が言いました。
 現在の人数は5対1。
 トラ吉チームでは一人もアウトになっていないのです。
 対して相手チームの残りはジャムオヤジだけ。
「どうすんねん?相手の残りは一人、ディフェンスや。攻めきって3ポイント貰うか、それともこのままタイムアップまって1ポイントか」
 トラ吉の近くまで侵攻してきたチンドンがトラ吉に尋ねました。
 バンパクもチンドンの後方まで来ています。

 この予選は時間内に相手フラッグにタッチすれば3ポイント得ることができます。
 タイムアップ時点で人数差で勝利した場合は1ポイントだけです。

「そんなん、聞かんでも分かるやろ?攻め落とすで、相手は一人や」
「そうやな〜」



 トラ吉を先頭にチンドン、グリ夫、バンパク。
 4人が合流し、敵フラッグを目指しています。

 先頭のトラ吉は低い姿勢を保ち、静かに、慎重に前進していきます。

「おらんな……」
 トラ吉の目の前、20mの位置にフラッグが見えてきました。
「……グリ夫にダッシュさせれたら楽なんやけどな……」
 トラ吉の言うとおり、グリ夫にダッシュをさせれば簡単にフラッグを落とせるかもしれません。
 しかし、そのためには再びキャラメルを食べなければなりません。
 1ゲームに2回もキャラメルを食べるのは、肉体に大きな負担をかけることになります。
 かつてはキャラメルの食べ過ぎで死んだランナーすらいるのです。

 トラ吉は一歩一歩、フラッグに近づいて行きます。

 ゥィィィィィ……

「!!??」

 ガガガガガン☆

「ヒットやっ!」

 トラ吉がブッシュの中から立ち上がりました。

「なんや〜?トラ吉が撃たれたで〜」
 チンドンが意外な表情で去っていくトラ吉を見ました。

「あそこやな〜」
 チンドンがトラ吉が撃たれたすぐ横に目をつけました。
 チンドンがいる位置から、距離は5メートルほどしかありません。
 そこからフルオートの発射音がしたからです。
 チンドンは、しっかりその場を狙います。
 グリ夫もチンドンの数メートル横で、同様に狙いを付けました。
 チンドンは最後尾のバンパクに手でサインを送りました。回り込めと。

 バンパクは大きく右を迂回しフラッグに近づきました。

 2分ほどして、バンパクがフラッグ右側5メートルほどまで来た時。

 ガガガガガン☆

「ヒットバンパクー!」
 バンパクが撃たれました。
 しかも、その発射音は、敵フラッグ後方から発せられたようです。
「な、なんでや〜?」
 チンドンとグリ夫には信じられませんでした。
 先ほどトラ吉が撃たれた時の発射音は、二人のすぐ前、フラッグよりも手前から聞こえたのです。
 今度の発射音は、もっと離れた場所から聞こえました。

 相手は静かに移動したのでしょうか?まさかありえません、しっかり相手の位置は押さえておいたのです。
 しかし、移動したとしか考えられないのです。残りの敵は一人だけなのですから。

 チンドンはゆっくり前進しました。

 5メートルほど前進したとき。

 ガガガガン☆

「ヒットや〜!」

 チンドンが撃たれました。
 その発射音は、やはりトラ吉が撃たれたポイントから聞こえてきたのです。

「な、なんでだ?」
 攻撃部隊の中で一人残ったのはグリ夫は、どうしていいか分からない表情です。
 たしかに敵の残りは一人だけなはず。
 しかし、明らかにバンパクが撃たれた時とチンドンが撃たれた時では、敵の発射音の位置が違います。
 距離にして20メートルほど違うのです。
 しかも、バンパクが撃たれてからチンドンが撃たれるまで、時間にして1分もありません。
 その時間で、チンドンとグリ夫に見つからずに移動したとは思えないのです。
「な、なんだ……?一体どういうことなんだ……?」
 グリ夫の頬を汗がつたいました。
「……敵は、もしかして二人か……いや……そんなはずはない……?」
 M4RISを握る手に力が入ります。
「きっと一人だ。そして、そこにいるはずだ。そこから音がしたのだから」
 グリ夫は発射音がした位置。自分から5メートルほど前方に向けてM4を撃ちまくりました。敵の姿は見えていませんが、だいたいの位置はわかっているからです。
 パラララララララララララララララララララララララララララララララララ☆
 カチーーン☆
 甲高い音が聞こえました。
 きっと相手の装備品にあたったのに違いありません。
「やったかっ!」

 ……しかし、敵は立ち上がりません。

「なぜでてこない……?ならもう一度だ」

 パラララララララララララララララララララララララララララララ☆

 ……ゥィィィィ……ガガガガガガガガガガガガガ☆

 逆に敵の反撃がありました。
 グリ夫はすぐさまその場にしゃがみ込みました。

「な、なんだ?反撃かっ!?」

 しかしグリ夫は横に移動しました。
 すかさず左に移動し、大回りで相手のフラッグを目指します。
 無論、グリ夫の銃はフラッグではなく、さきほど敵が反撃してきた場所に向けられています。

「勝ったな、これは」

 グリ夫が敵フラッグ近くまで侵攻した時。

 ガガガガガガガガガ☆

「な、なにっ!ヒットだっ!」
 グリ夫までが撃たれました。

 そこでグリ夫が見たものは……

 ブッシュの中に置かれているM60。
 三脚の上に乗せられたM60です。
 そのM60には射手がいません。

 ……ゥィィィ……ゥィィ……

 無人のM60が動いているのです。無人で方向が変わり、射撃も可能なのです。

「な、なんてことだ……」



 敵チームのフラッグ近くの木の上。
 白服で白い帽子を被った中年の男がいました。
 広い範囲を見渡せる木の上。しかしながら下からは見つかりづらいような場所を選び。
「ふっふっふっ……このゲーム、引き分けにさせてもらおうかのう」
 彼の手にはラジコンのようなコントローラーが握られていました。
 ジャムオヤジはこのリモコンで、フィールドに仕掛けられたM60を操っていたのです。
 そのM60の数は一つではありません。ジャムオヤジは4つのM60をフラッグ周辺に仕掛けておいたのでした。



 ピーーーーーーーーーーーーーー。

 結局、タイムアップでゲーム終了となりました。
 生き残り人数は両方1。引き分けです。
 しかし、引き分けの場合、ポイントはありません。
 双方がゼロポイント。つまりは負けと一緒なのです。

 すでに偉大なる名古屋に一敗してるトラ吉たちにとって、辛い展開となってきました。










−−−もしかするとさらに続くかもしれない−−−

あまりにあきれたのでメッセージを送ってみる。

なまえ(なまえ公開の許可/不許可も書いてください。無記入だと勝手に公開されちゃいます)
※例:「クマノフ なまえ公開許可」

つくったひとへのメッセージ


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