サバゲニッポン昔話
うさぴょん「ぱんぱかぱ〜ん、サバゲニッポン昔話の第二話が始まるぴょん」
ネコ田さん「待ってたにゃ〜」
クマノフ「くま〜〜〜!」
うさぴょん「前回のお話に、お便りが届いてるぴょん」
ぱん太「どんなの〜?」
うさぴょん「まっててぴょん、今読むぴょん」
うさぴょん「まずは、島根県、主婦、43歳の方からぴょん」
ネコ田さん「珍しい所からにゃ〜」
クマノフ「シマネーーーーーー!」
うさぴょん「『はじめまして、私は今、とても悩んでおります』」
ぱん太「ふむふむ〜」
うさぴょん「『というのは、主人が一週間前から帰ってきません。それまでも仕事で忙しいと言い、帰りが遅いので怪しいと思っていおり、職場の方から詳しい話を聞いたところ、職場の若い女性と……』」
ネコ田さん「こーいうのは、み○もんたに電話してきくにゃ〜。うちらに相談することじゃないにゃ」
うさぴょん「間違いハガキぴょん?気にせず次の読むぴょん」
ネコ田さん「次はマトモだといいにゃ」
うさぴょん「『上○探偵局の皆さん、はじめまして。5年前、私が北海道に行ったとき……』」
ネコ田さん「だからそれも違うにゃ〜!」
うさぴょん「次のお手紙は、『パン太に名雪の霊がとりついているやうな……(笑)二人が飲むシーンになると伏字が取れるのは意図的でしょうか?』」
ぱん太「うぐぅ〜、名雪って何〜?」
クマノフ「それって美味いクマ?」
ネコ田さん「伏せ字とれてるのはよくないにゃ〜」
うさぴょん「それはきっと作者が天然ボケだからだぴょん」
ネコ田さん「まだお手紙来てるにゃ」
うさぴょん「『韓国麦コーラ「メ●コール」ですね。実は私結構好きでした。(恥)昔某ガンショップのインドアゲーム場で遊んだ後は必ず飲んでました。(でもロシア人ではないですよ)』」
ネコ田さん「世の中には変わった人もいるにゃ〜」
うさぴょん「あれは人間の飲み物じゃないぴょん」
ネコ田さん「俺達、人間じゃないような気もするにゃ〜」
クマノフ「早く人間になりたーい!」
ぱん太「妖怪にんげ〜ん♪」
うさぴょん「じゃあ、そろそろお話がはじまるぴょん。ぱららったんたんた〜ん♪」
ネコ田さん「その効果音、なんとかならないかにゃ〜?」
第2話:西のトラ
ある日突然表れた黒猫3人、ネコ山、ネコ川、ネコ林。
3人は、ぱん太たちに、自分たちが勝ったにフィールドを渡すようにと、サバイバルゲームで勝負を挑みました。
ぱん太たちは、黒猫さんたちに勝利しましたが、黒猫さんたちがぱん太たちのフィールドをほしがっていたのは、どうやら理由があるようです。
「トラ吉って奴らにゃ。奴らが俺達のフィールドにやってきて、俺達を追い出したにゃ」 ネコ山さんが悔しそうに言いました。
「突然来て『今日からここはワシらのフィールドや!とっとと出てかんかいボケェ』って言われたにゃ〜」
そう言ったネコ川さんも、とっても悔しそうでした。
「悪いことばっかりやってるからバチがあたったにゃ〜」
ネコ田さんがちょっと意地悪を言ってみました。
「そのトラ吉ってのは、どんな奴クマ?」
「大阪からやってきたにゃ。部下が3人いるにゃ」
少し考えて、クマノフさんが口を開きました。
「そのトラ吉とやらに会ってみるクマ」
「にゃにゃ?会ってどうするにゃ?」
「フィールド返してくれるように頼んでみるクマ」
「でも奴らが返してくれるとは思えないにゃ〜。奴ら、とっても悪い奴にゃ。逆らうと自慢のバットで殴られそうにゃ」
「だが話をしてみないことには進展がないクマ」
時間はもう午後、夕方近い時間でした。
とある森の中の少し開けた場所にレジャーシートがしかれていました。
トラ吉は、そこにいました。
トラ吉は愛銃のSPAS12に弾を込めていました。
「ほな、次でラストゲームや、最後はバトルロイヤルで終わるで〜。開始は5分後や」
「俺はもうOKだ……」
白いタンクトップと白い半ズボンの男が言いました。彼は珍しく人間です。
「グリ夫はほんま用意早い〜」
そう言ったのは、赤と白の縞模様の服の男です。彼もやはり人間です。両手にバチを持ち、お腹と背中には太鼓をつけています。黒い丸メガネと三角形の帽子も、彼の個性を際だたせています。
「俺は一発も撃ってないからな。チンドンとは違う」
「わいもバンパクほどは撃ってないで〜」
最後の一人に話題が移りました。
最後の一人はバンパクという名前です。
バンパクは動物でもなく、人間でもありません。十字架のような体で、真ん中に顔があります。
上のてっぺんにも、もう一つ顔らしきものがあります。
「バンパク、バンパクパク?」
「バンパク語はわからんな〜」
トラ吉も、グリ夫もバンパクの言ってることを理解できてないようです。
「あんたらがトラ吉クマ?」
突如としてそこに現れたクマノフさんが言いました。
クマノフさんの後ろにはパン太、うさぴょん、ネコ田さんもいました。
「わいがトラ吉や。おまえ誰や?」
「私はクマノフというクマ。ロシアから愛を込めてやってきたクマ。それと愉快な仲間達クマ」
「……愛……」
チンドンとトラ吉が固まりました。
その後ろでグリ夫がクールに「ふっ……愛か……」とキザに呟いています。
「3人の黒猫から聞いたクマ、あんたらにフィールド奪われたと聞いたクマ」
「なんや、わいらが悪いっちゅうんかい!?ボケェ」
トラ吉はご立腹のようです。
「黒猫さんたちは困ってるクマ。返してやって欲しいクマ」
「ええで、ただし、ワシらと勝負して勝ったらや」
トラ吉は自信満々に言いました。
「サバイバルゲームで勝負クマ?」
「当然や、4対4で人数的にもちょうどええやろ?」
チンドンも楽しそうです。
「おもろそうやな〜」
クールなグリ夫は「ふっ……容易いな……」と呟きました。
バンパクはまったく表情を変えません。まるで石像かなにかのようです。
クマノフさんは3.27秒ほど考えると。
「やるクマ。負けないクマ」
勝負はフラッグ戦です。
フィールドの北側と南側にフラッグがあり、フラッグの間隔は60メートルほどです。
ぱん太たちは、北側フラッグで開始を待っていました。
「大丈夫かな〜。あの人たち、強そうだよぉ〜」
ぱん太が弱気に言いました。到底、勝つ自信はなさそうです。
「だいじょうぶだぴょん」
ぱん太とは対照的にうさぴょんが言いました。その自信はどこから来ているのかは分かりません。
「東側は比較的ブッシュが薄いクマ。進行は西側から行くクマ」
「誰か一人ディフェンス残さないと危険だにゃ〜」
「誰にするぴょん?」
「ぱん太に任せるクマ」
一番鈍そうなぱん太にディフェンスを任せました。そして、残り3人の作戦を決めます。
「先頭はうさぴょんに任せるクマ。私とネコ田で後ろをついていくクマ」
クマノフさんはマジメに作戦を立てます。
「敵とあったらどうするぴょん?」
「うさぴょんは生存重視クマ、相手の初弾に当たらないようにだけ気をつけて伏せるクマ。それでダメなら退却するクマ。その間に私とネコ田で左右に移動して攻撃するクマ」
「了解ぴょん」
ピピーーーーーーーと笛の音が鳴り響き、ゲームが始まりました。
うさぴょん、クマノフ、ネコ田さんの3人は、フィールド西側へと駆け出します。
ぱん太は一人、のろのろとフラッグ近くのブッシュに伏せました。
ゲーム開始から3分、うさぴょんを先頭に移動している3人の正面から、突然、正面からフルオート音がしました。
バババババババという音は、うさぴょんの正面、30メートルほどから発せられました。
うさぴょんは即座に地面に伏せ、弾には当たりませんでした。
うさぴょんの正面、30メートルではバンパクが射撃中でした。
バンパクのてっぺんの顔、胴体中心の顔を一つめの顔とするなら、二つ目の顔の真ん中からBB弾が次々と撃ち出されていきます。
弾幕は断続的ではあるものの、発射弾数は多い物でした。撃ち初めから10秒で早くも100発ほどの弾を撃っています。
「見つかったぴょん、動けないぴょん」
地面に伏せたままのうさぴょんが言います。
「一端下がるクマ。同じ場所に居続けるといつか当たるクマ」
斜め右後ろから声が聞こえました。
その声を聞き、うさぴょんは一端下がります。
クマノフは右側、つまりさらに西側へと移動しました。フィールドの限界ラインが近い位置から南に進行します。
ネコ田さんはクマノフさんとは反対、左側に移動しています。
バンパクの斜め右前方10メートルの位置に、すでトラ吉がいました。
トラ吉は、バンパクのフルオート射撃音に紛れて進行していたのです。
トラ吉が前方を見ると、ブッシュごしに何かが動いているのが見えました。
トラ吉は少しばかり横に移動し、ブッシュの薄い場所に見つけると、前方に向かって狙いを定め……
バスン☆と、トラ吉のSPAS12から同時に3発の弾が発射されます。
3発の内1発はブッシュにはじかれたものの、残り2発がネコ田さんに命中しました。「にゃ〜、ヒットにゃ〜!」
ネコ田さんがアウトになりました。
「ん?ネコ田が撃たれた……?発射音からするとフルオートでは無いクマ。トラ吉クマ?」
クマノフさんはフィールド西側、限界ラインに近い場所で一人小さく呟きました。
そして前方を見ると、クマノフさんと同じようにフィールド限界ラインを進行してくる姿があります。
「トラ吉、バンパク、どちらでもないクマ。3人目を見つけたクマ。負けられないゲームだから、残り一人をきっとフラッグに付けてるクマ。全員分かったクマ」
クマノフさんが正面の敵に狙いを定めると同時に、相手も射撃を開始してきました。
バババババ、ドドドドドドドン!
クマノフさんは間一髪、左に跳んで回避したものの、クマノフさんの放った弾も相手を捕らえることはできませんでした。
ブッシュ越しに見えたのはチンドンの姿です。
チンドンは腹部前方に搭載した太鼓から弾を撃ち出すオリジナルのガンを使っていました。
この太鼓銃は、バチで太鼓を一度叩くたびに一発ずつ発射されます。
チンドンはものすごい速さで太鼓を叩き、まるでフルオートのように連射することができるのです。
「一人発見や!正面20メートルや!」
前方からチンドンの声が聞こえました。
「敵を見つけてすぐ叫ぶとなると、見かけよりは強いクマ。あなどれないクマ」
バンパクが、先ほどうさぴょんを狙った位置から、だいたいの検討射撃を行ってきます。
クマノフさんは、バンパクの位置とチンドンの位置を掴みました。
そしてトラ吉の位置も推測します。
さきほど、ネコ田さんがやられたパターンから、バンパクがバラ撒き、その音に紛れてトラ吉さんが静かに近寄ってくると考えました。
ネコ田さんの時と違い、バンパク、チンドンもこちらのだいたいの位置を掴んでいるため、非常に危険な状態です。
「うさぴょんが戻って来れなければ3対1クマ。だが我がロシアの赤い魂はこんなことでは負けないクマ」
バンパクの検討射撃は、今も断続的に続いています。
バンパクはたくさんの弾を撃っています、このゲームだけで、すでに200発は撃っているはずです。
クマノフさんはバンパクの発射音に集中しました。神経を聴覚に集中させ、発射音のする方向を目定めます。
クマノフさんの動きがぴたりと止まり……
「いつまでも撃ってることがいかに危険なことか、思い知らせてやるクマ」
クマノフさんが銃を構えたまま姿勢を上げていきました。
そしてブッシュギリギリの高さまで上がった所で、相手の姿が見えていないのも関わらず、短くトリガーを引きました。
3発だけがクマノフさんのAK47から発射され、そして……
「バンパクーーーーーーー!ヒットバンパクー!」
30メートルほど先から、バンパクのヒットコールが上がりました。
しかしその直後。クマノフさんの斜め後方で、うさぴょんのヒットコールが上がりました。
ほぼ同時に聞こえたのは、やはり単発式の音。
トラ吉は、クマノフさんのほうに向かったのではなく、さらに奧に進んでうさぴょんを狙いに行ったのです。
「やられたクマ。さらに奧に進んでたクマか……」
クマノフさんが呟きました。現在の人数は味方が自分とパン太。
それに対して、敵はトラ吉、チンドン、グリ夫の3人が残っています。
戻ってトラ吉を倒すか、それとも先に進んでチンドンを倒すか、クマノフさんは考えました。
けれど、その考えを始めた途中、フィールドからトラ吉の叫び声が上がったのです。
「2人倒したで〜!残りのうち一人はフィールド西側限界や!グリ夫!後は任せたでー!」
自軍フラッグ周辺でしゃがんでいたグリ夫は、トラ吉の指令を聞きました。
グリ夫は、フッと笑みを浮かべました。
「やっと俺の出番か……」
グリ夫は左手をズボンのポケットに入れ、そして、一箱のキャラメルを取り出しました。
そこからキャラメルを一つ取り出し、口に放り込みます。
「……ぉぉ……」
「………ぅぉぉぉぉ………ぉぉぉぉ………」
うなりに似たグリ夫の声。
グリ夫の全身に力がみなぎっていきます。
「……ぅぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!」
グリ夫が叫び声を上げました!そして!
「一粒300メートルダーーーーーーーーーッシュ!!!!!!!!!!」
グリ夫が駆け出しました。フィールドに土煙を上げ。子カールくんターボもビックリの高速ダッシュです!
ゴーーーーーーーー!!!!!!という音がフィールドに轟きます。
トラ吉は勝利を確信した顔でブッシュ地帯にしゃがみ込んでいます。
クマノフさんは、何事が起きたのか理解できない様子でフィールドの中央方向を向いています。
パン太は、いつもどおりのほほーんとしています。
そのパン太の前に、突如、グリ夫が走ってきました。
その顔は、これ以上ないほどのさわやかな笑み。そしてすでに両手を上に上げています。
それに気づいたパン太がトリガーに指をかける前に、グリ夫はすでにフラッグにタッチしていました。
ピピーーーーーーーーーーー!
ゲーム終了を知らせる笛が、夕焼けに照らされたフィールドに響きました。
ゲームを終えた8人は、セフティゾーンに集まりました。
トラ吉とチンドンは勝ち誇った笑顔の表情。バンパクは表情が変わらず、このゲーム一番の貢献者であるグリ夫は、さわやかな笑み。
それとは対照的にパン太チームは全員が沈んだ表情でした。
「わしらに勝とうなど100年早いわ。がははははははははははは」
トラ吉は豪快に笑いました。
もし、目のまえに道頓堀があれば、今にでも飛び込んでしまったかもしれません。
「でも次は負けないよ〜」
いつも通りのスローペースでパン太が言いました。
パン太は、この勝負が一回きりであることを理解してなかったのでしょうか。
ですが、この一言がトラ吉の思わぬ一言を誘いました。
「がははははははははは。ほんなら来週にでもまた来たらええねん。楽しみにしとるでー」
「次は負けないぴょん」
「クマー!」
−−−さらに続くかもしれない−−−
あまりにあきれたのでメッセージを送ってみる。