サバゲニッポン昔話


うさぴょん「久しぶりのサバゲニッポン昔話だぴょん」
ネコ田さん「いよいよ打ち切りだと思ったんだけど、まだまだ続くんだにゃ〜」
うさぴょん「打ち切りになんてならないぴょん」
ネコ田さん「だって最近、俺達出番少ないにゃ。このまえの話だってうちら一人も出なかったにゃ〜」
クマノフ「さらにその前は激しく短かったクマ」
エリー「あたしなんて最近出たばっかりなのに、今打ち切られたら殆ど出番なしよ!」
パン太「エリーちゃんはチョイ役だよ〜」
エリー「あたしはみんなのアイドルなのっ!」
うさぴょん「お便り読むぴょん、今度は更新の時間が開いていたせいもあって、たくさん来てるぴょん」

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ハンドルネーム:ロマノフ
13話であった激●祭でうさみみつけてた人がいるっていうやつ・・・
そういや一日目の午後あたりにそういったギャルゲーのコスプレしてる人いましたね。
僕は、はっきり目撃しましたよ、はい。
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パン太「言ったでしょ〜。いたって〜」
ネコ田さん「激震祭行ってないからわからないにゃ〜」

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ハンドルネーム:虚空
始めてのメッセージ載って調子に乗ってる為
今回も送ってみました(笑

ポ・・ポーーォォォォォッッッス!!!!!!!!!!!
師匠出番少なすぎですよ!出たと思ったらすぐ死亡って!(滝汗
トラ吉にもそんなツライ過去があったんですナァ。
ってかトラ吉もうオートマグ使わなくてイイんですか?
師匠の言葉に応えられるようになったんですか?まぁ強いですが。

それとMy 師匠(自称)うさぴょん閣下。誤字発見です(`Д´;)\
1番最後!「応えられるになるまで」って何っスか!(誰
これからも誤字探しガンバります!師匠もネタ切れにきをつけて!
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うさぴょん「誤字はいっぱいあるぴょん」
ネコ田さん「うさぴょんだもんにゃ〜」
クマノフ「トラ吉のオートマグはどうしたんだクマ」
トラ吉「壊れた」
エリー「壊したのね?」
トラ吉「ちゃう、壊れたねん」
うさぴょん「壊したぴょん」
トラ吉「壊れたっちゅうねーん!」
クマノフ「壊したクマ。悪いヤツクマ」
トラ吉「ほんま壊れたんやー!なんで信じてくれへんのやー」

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ハンドルネーム:さとにゃん
いやー寅吉にこんな過去があったとはしりませんでした〜(って作者以外にだれも知るはず無いか)銃の性能ではなく自分の腕で勝て…すばらしいお言葉ですね!(感動)ぜひパンダの奴にも見習って欲しいものです。そうだ今度おれはM1100を買うのです。これで気分は寅吉ですね!(ってどうでもいいか(; ̄ー ̄川 アセアセ)じゃ、次の話楽しみにしてますんでヨロシクドーゾー!
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クマノフ「トラ吉人気だクマ……」
うさぴょん「人気アンケートでもトップ独走だぴょん。クマノフさんが抜かれてるぴょん」

2004/1/28現在の結果
▼ 1位〜16位 (全16項目) 【投票総数:437票】 ▼
 順位  票数       
1位 107票 . ... 24.4% 
 浪速のショットガンナー、トラ吉 
2位 89票 . ... 20.3% 
 謎の実力派ロシア人ゲーマー、クマノフ 
3位 58票 . ... 13.2% 
 チームのムードメーカー、いつでも笑顔の、うさぴょん 
4位 44票 . ... 10.0% 
 トラ吉の師匠、アメリカ虎の、ポース 
5位 30票 . ... 6.8% 
 弾幕でゲームの主導権を握る、バンパク 
6位 23票 . ... 5.2% 
 道頓堀より蘇りし老兵、サンダース 
7位 21票 . ... 4.8% 
 いつでものほほ〜ん、上野パン太 
8位 18票 . ... 4.1% 
 一粒300メートル、駿足ランナー、グリ夫 
9位 13票 . ... 2.9% 
 ちょっとわがまま、ネコ田さん 
10位 9票 . ... 2.0% 
 超重装オバサン・カンガルおばさん 
11位 7票 . ... 1.6% 
 黒い三連星、ネコ山、ネコ川、ネコ林 
12位 6票 . ... 1.3% 
 二丁サブマシンガンカニ、ドーラク 
13位 5票 . ... 1.1% 
 太鼓銃炸裂、チンドン 
14位 4票 . ... 0.9% 
 自称アイドル・エリー 
15位 2票 . ... 0.4% 
 不幸のチームリーダー・ブル公 
16位 1票 . ... 0.2% 
 コアラ三兄弟・コアラン、コアリン、コアルン 

トラ吉「がははははははははははは」
エリー「あたしは人気ないのね……」
ネコ田さん「俺も人気ないにゃ〜……」

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ハンドルネーム:グレネーダー見習い
敬愛なるうさぴょん師匠!!そしてまたしても枯れた涙を呼び覚ましてくれたトラ吉さん!!
僕は今、愛するデリンジャーを手に敵陣の真っ只中にいます。
周りはフルオートだらけ…。有効射程は5M…。
まだまだど下手くそですが、お師匠達のような肝の据わったゲーマーになるために日々精進しております!
多少目立つうさ耳は不利ですが、これも訓練!!
いつかはお師匠たちに追いついて見せます!!

!?しまった、回り込まれた!?
ビシッ!!ヒ、ヒット……
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うさぴょん「頑張って欲しいぴょん」
クマノフ「デリンジャーではさすがにつらそうだクマ」
トラ吉「根性や!」

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ハンドルネーム:レイブンちゃん
ポース・・・10年前そうあの日いらい会っていないそうか・・・。逝ってしまったのか。ポース安らかに眠れ。
あぁポース愛しのペットだったのに・・・。
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トラ吉「あんた誰やねんっ!」

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ハンドルネーム:ウルノフ
とある戦場
俺は銃を構える、AK−47スナイパーカスタム
スコープの中に敵をとらえる。
あいつ、ヘルメットもかぶってないな。・・・まだ若いな。
ゆっくり照準を定める。そしてトリガーに指をかける。敵の指に指輪が見えた俺は一瞬ためらったが、すでに指が動いていた。・・・・
敵は永遠の眠りに付いた
俺はゆっくり銃を置いた・・・・
あいつの顔が一瞬浮かんだ・・・・
そして俺は黙ったまま、その場をさった。
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うさぴょん「シリアスだぴょん」
ネコ田さん「サバニポ(サバゲニッポン昔話の略)よりシリアスだにゃ」
うさぴょん「こっちも負けてないぴょん」
ネコ田さん「お笑い系にゃ」
うさぴょん「違うぴょん。愛と友情と涙と感動の物語だぴょん」
エリー「なんか、ごった煮ね」

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ハンドルネーム:緋雲
トラキーチ ニンキデチャーウw
オートマグが進化してスパスになったとは・・・!

寅吉がいつのまにかレギュラーになってますねぇ・・・
ネコ田さんより登場回数多いようなw
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トラ吉「ネコ田より登場回数多いでー!」
ネコ田さん「いつか下克上してやるにゃ〜」
エリー「それって自分の方が下ってこと認めてるのよね」

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ハンドルネーム:刹那
私は絶対のスナイパー、スナイパーを始めてから
私に弾を当てた奴は事は無い、命中精度は、
15m離れても10円玉にさえ命中させる、空き缶など
15m離れたら外しはしない・・・・・。そこでだ、
どちらが強いか、はっきりさせようじゃないか、
私が今までなぜ君に戦いを挑まなかったか分かるな?
トラ吉の大切な人の死、それを乗り越え、
成長したトラ吉の人気のため、
沈んでもらおうじゃ無いか・・。
ははははは、分かるな?クマノフよ。
もし私に負けよう者なら君はこの話から
手を引いてもらおう、そして人気ナンバーワンの
座をトラ吉に譲るのだ、万が一私が負けよう者なら
最強の座を君に譲ろう、そしてこの私を、
煮るなり焼くなり好きなようにするが良い・・・。
どうだ悪くない条件だろう日程は追って連絡する・・・。
さらばだ・・・。決戦の日を楽しみにしているよ・・・。
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クマノフ「望むところクマ」
うさぴょん「トラ吉ファン多すぎだぴょん」
ネコ田さん「トラ吉を敵に回すと世界が敵に回りそうだにゃ〜」
トラ吉「がははははははははは」

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ハンドルネーム:XIU
ポース師匠いいこと言ってましたね。もの凄い数の病気持ちでしたけど...
しかもオートマグ使いとはシブイです。個性のある銃は面白いです。
ところで、今のトラ吉はストーキングが上達して、ワンショットワンキルしてますけど、
なんでスパスを使ってるんでしょう?あれだとすぐにばれるのでは?
というわけでスナイパーの登場希望です。できれば
マルイのナイツをカスタムして使ってる奴が良いです。
自分の愛銃なもんで...
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うさぴょん「なんでスパス使ってるぴょん?」
トラ吉「みんな使ってる銃は好かんねん」
うさぴょん「それだけぴょん?」
トラ吉「電気は信頼できへんねん。それに狙撃系は性に合わん。ガスは安定性で難ありや」
ネコ田さん「しかし、スナイパーいないのは前々からだにゃ〜。それに主要人物でM16系使ってる人いないにゃ〜」
うさぴょん「メジャーなのはつまらないぴょん」

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ハンドルネーム:PFK
あー・・この話、トテーモヨカッタデース(笑)これを友達のTに聞かせてやりたいです。銃の性能がわるいからや!というTに・・。私も今、修行の為にハンドガンを使用しています。やられてばっかりですが頑張っていきたいと思っております。トラ吉のように
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うさぴょん「ちょっとポース口調病だぴょん」
トラ吉「銃の性能が全てとちゃうでぇ〜」
うさぴょん「じゃあ何が一番大事だぴょん?」
トラ吉「根性や!」

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ハンドルネーム:でゅらはん
をぉ、ちょっと放浪の旅に出ている間に2話も増えてる……

チームワークかぁ……
でゅらはんは猪突猛進が売りなので、あまり考えてませんねぇ。
CQBの練習をしようという話はあるものの、話だけで終わってますし。
うちのモットーは「楽しむ」ですから、これでも問題ないのでしょうが、
対戦する事も増えてきたので、少しは考える必要があるでしょうね。

エアコキかぁ……
初めて買った時はあんなに嬉しかったのに、最近すっかりご無沙汰になってます。
倉庫の奥で眠りについてた傷だらけのczを引っ張りだしてきたら、
グリスも固まって寂しそうにしていました。
次回はインドアだし、親分もエアコキで頑張ると言ってるし、
手入れして使ってあげようかな。

ps.島原の○イエーでM4RISが広告の品になってました。
  今度はエアガンで一揆を起こす気か!?
  天草四郎の怨念を感じますw
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ネコ田さん「俺も何も考えてないにゃ〜」
パン太「僕もだよ〜」
エリー「……」

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おおお!感動的な話ですねぇ〜〜〜〜〜(;;)
僕もエアーコッキング一丁で頑張ってみようかな?
今の装備は、G36C(秒間36発カスタム)+5000連射電動マガジン。(昔のトラ吉さんよりすごい・・・。)
不利どころじゃない・・・・。
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うさぴょん「5000連だぴょん」
パン太「それってすごいの〜?」
エリー「パン太に4桁の数字は難しすぎると思うわよ」

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ハンドルネーム:忠犬ハチ公
クマノフ!エリーは俺の女だ!!かってに手をだすんじゃねえ!!!!
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クマノフ「是非貰っていってほしいクマ」
エリー「またまたクマノフ様は照れ屋なんだから」
クマノフ「クマー……」

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ハンドルネーム:エース=バト―
初めての投稿です。
私もクマノフ氏同様、戦場で生きていた一人です。
しかし、暫く戦線から遠ざかっていました。
理由は様々です。
しかしッ!!これを読んで、またやる気がでてきました!
あぁ・・・目を瞑れば思い出す様々な戦場!!
阿鼻叫喚に魑魅魍魎に銃声!!
・・・ところで、うさぴょンサン。
私も仲間内では良く知れた拳銃使い。
マ○イのエアコッキングガン(ホップなし)で、電動ガン使い二人と互角に戦った伝説を持つ者(結果は・・)。
ぜひとも、一度ハンドガンで勝負してみたいでね・・・。
では、また!!

追伸:ロシアに熊はいるのでしょうか?
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ネコ田さん「クマノフさんって戦場にいたんだにゃ〜?」
クマノフ「人生とは常に戦場クマ」
うさぴょん「ロシアにクマは、いるぴょん?」
クマノフ「クマしかいないクマ」

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ハンドルネーム:スペツナズ
うさぴょん強いですね。サバイバルゲームをしてみて気づいたんですがかなり難しいです。(汗)それをハンドがンで・・最強ですね!自分はまだまだパン太以下です。パン太もパンダとして強くなってほしいですね。ではでは失礼します。
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うさぴょん「誉められたぴょん」
ネコ田さん「いいにゃ〜」
パン太「馬鹿にされたぴょん〜」
ネコ田さん「口調がうさぴょんだにゃ〜」

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ハンドルネーム:ポース
オートラキーチーカッテニヒトコロスナーヤ
マダイキトルーンヤ
アノヤブイシャーメ
フィールドニイッテーモタダノソラミミダト?
タショウヒドイーヨ
オートラキーチー
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トラ吉「師匠!生きてたんやっ!?」
クマノフ「死者からの手紙クマ」
うさぴょん「怖いぴょん……」

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ハンドルネーム:ともちか
アニメ化してください。
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ネコ田さん「アニメ化いいにゃ〜」
うさぴょん「放送できないようなことたくさんあるぴょん」

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ハンドルネーム:ネコ島
いつも楽しく読ましていただいてるにゃ
ネコ田さんをもーちょっと強くして欲しいしいにャ
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ネコ田さん「そうだ〜。強くしてほしいにゃ」
うさぴょん「それを他力本願というにゃ」
トラ吉「自ら強くなる努力をするんや!」


第14話:クリスマスの夜


 今年ももう終わろうとしていました。
 12月の24日。
 クリスマスイブの日です。

 道ばたでパン太とネコ田さんが話していました。

「サンタ〜?パン太は、今どきそんなの信じてるのかにゃ〜?」
「信じてるよ〜。きっと今夜プレゼント配りにくるよ〜」
「で、その袋にはでっかい靴下でも入ってるのかにゃ?」

 ネコ田さんはパン太が持っている袋。スーパーのビニール袋を見て言いました。

「違うよ〜。この袋にはね〜」
「何が入ってるにゃ?」
「サラダ油が入ってるんだよ〜」


 その日の深夜。
 みんなが寝静まった頃です。
 パン太の家の屋根の上。パン太が即席で作った煙突の入り口に一人の老人がいました。
 赤い服に赤い帽子。背中には大きな白い袋を抱え。白いヒゲをたくわえた老人でした。
「わざわざ煙突まで作るとは、暇なものよのう……」
 その老人は、煙突に入ると、両手両足を煙突内面の壁に押し付け、そのテンションで体が落ちないように保ちながら、ゆっくりと下りていこうとしました……が……

 ツルッ

 どて〜ん☆

 老人は勢いよく煙突の中を落ちていきました。

「い、痛たたたた……なんでこんなに滑るんじゃ……」

 老人が不思議に思い自分の手を見てみると、なにやら液体がついていました。

「煙突の中にサラダ油を塗っておいたんだよ〜」

 前方、暗い部屋の中から声が聞こえました。

 ぱっと部屋の電気がつきました。

 老人の前にはパンダが立っていました。

「サンタさんだよね〜?」

「い、いかにも、わしはフィンランドからやってきたサンタのサンタネンじゃ」
「そっか〜……じゃあ〜」

「……プレゼント全部置いていったら、命までは取らないよ〜」

 パン太は、ぼ〜っとした表情のまま、ぼ〜っとした口調でいいました。
 普段とまったく変わらない調子が、不気味さを倍増させています。

「ま、待て、プレゼントは一人一つ限りじゃ。これはドイツ最高裁が決めた世界の定説じゃ」

「え〜、そんなの知らないよ〜。僕はいっぱいプレゼント欲しいんだよ〜。だから全部もらうよ〜」

 パン太は老人から強引に大きな袋を奪い取りました。
 そして、爪で袋を切り裂きました。

 びりりりり〜☆

 袋の中からは、箱がたくさん出てきました。
 それはハンドガンの箱でした。
 パン太は、その一つを手に取ると。
「なにこれ〜?軽いよ〜。コッキングハンドガンだよ〜。袋の中、全部このシリーズだよ〜」

「そ、そうじゃ、それがプレゼントじゃ!満足してくれたかの?」

 パン太は表情を変えないまま……

「馬鹿にしてるでしょ〜?こんなハングル文字のハンドガンなんていらないよ〜」

「そ、そんな……」

「僕はねぇ、もっとすごいのが欲しいんだよ〜。僕が欲しいのは、こんなへっぽこな銃じゃないよ〜」

「そんなこと言われてものぅ……」

「じゃあ、僕の欲しい銃を調達してきてよ〜。断ったら食べちゃうよ〜」
 パン太の牙がきら〜ん☆と輝きました。

「そ、そうだ。わしと勝負じゃ。おぬしが買ったらなんでも好きなプレゼントをやろう。だがわしが買ったらわしがプレゼントを決める。そ、それでいいな?」

「何で勝負〜?拳〜?」

「サバイバルゲームで勝負じゃ!」



 パン太はサンタネンの口をガムテープでふさぎ、ロープで体をぐるぐる巻きにすると、家の駐車場につれていきました。
 その時、
「パン太じゃない、こんな夜中に何してるのよ?」
 偶然にもパン太の家の前を通りかかったエリーがパン太に声をかけました。

「あ〜、エリーちゃんだ〜。エリーちゃんこそ何してるの〜?」

「あたしは夜のランニングよ。今日はテレビ見てたら遅くなって、こんな時間になっちゃったけど、今終わるとこよ……で……」
 エリーはロープでぐるぐる巻きの上、口にガムテープを貼られたサンタネンをみて、
「……その芋虫、何?」

「なんかコレがプレゼントくれるんだって〜。サバイバルゲームで勝ったら、何でも好きなものをくれるらしいよ〜」

「え〜!本当!?」



 夜のフィールド。
 そこに6人の姿がありました。

 パン太、エリー、クマノフ、うさぴょん、ネコ田さん、そしてサンタネンです。

「……ってなわけで、なんでも好きの物をくれるらしいわよ。勝ったら」
 エリーが今までのいきさつを説明しました。

「にゃに〜!夜中にわざわざ来た甲斐があったにゃ!」
「ネコ田さんは何もらうぴょん?」
「ネコまっしぐら一年分もらうにゃ〜」


 全員、暗闇の中、懐中電灯等の明かりを頼りに用意を始めました。

「なんでうさぴょんのグロック26からホースがでてるにゃ?」
 ネコ田さんが言いました。
 たしかにグロック26のマガジンからホースが出ています。
「外部タンクだぴょん」

 ホースの長さは1メートルほどで、その先には小型のタンクが付けられています。
「ガスガンは気温が低くなるとパワーが落ちちゃうぴょん。とくにガスブローバックはパワーが落ちるだけじゃなくて、動作自体がムリになる場合があるぴょん」
「そのホース付けると大丈夫なのかにゃ?」
「ホースの先の小さいタンクにガスを入れて、ポケットの中に入れておくぴょん。ポケットの中ならあったかいぴょん。それでもだめならホッカイロも入れておくぴょん」
「それだとマガジン変えれないんじゃないのかにゃ〜?」
「マガジンは一本だけでするぴょん。そのかわりローダーはゲーム中も持ち歩くぴょん」
 うさぴょんの予備マガジンポーチにはマガジンではなく、マルイの新型BBローダーが入っていました。



 サンタの老人も銃を用意していました。
 銃は珍しい形のサブマシンガン、それに1リットルのエアタンクをつないでいます。

「外部ソースのガスガンとはなつかしいクマ。しかしガスフルオートに1リットルのタンクでは不足だと思うクマ」
 クマノフが言いました。

「これは電動ガスガンじゃ。マガジンの中に電池がはいっておる。作動を電池で行う分、一般のガスフルオートよりはガスの消費が少ないのじゃ」
 サンタネンが言いました。

「なるほど、納得クマ」



「ゲーム時間は20分じゃ。最初にわしがフィールドに入る。20分以内におぬしらがわしを倒すことができればおぬしらの勝利。20分経過した時点でわしが生存していればわしの勝ちじゃ」
「キツネ狩りだクマ」
「サンタ狩りだにゃ〜」
「プレゼントは全員にくれるんだよね〜?」
「それはダメじゃ。わしを仕留めた者にだけやるとしよう」
「それじゃ一人だけだにゃ〜」
「あたしがサンタネンを倒してクマノフ様を貰うわよ!」
 気合いの入った様子でエリーが言いました。
「お願いだからエリーだけは初めてに倒して欲しいクマ……」



 数分後……
 クマノフたちはフィールド西側の入り口手前にいました。
 満月の月明かりには照らされているものの、フィールドとなる森はほとんど真っ暗です。
 すでにサンタネンは、このフィールドのどこかに潜んでいます。

「逃げ切れば勝ちだからずーっと奧にいるはずにゃ〜」
「さあ、それは分からないクマ……そろそろ笛を吹くクマ、OKクマ?」
「いいぴょん」
「OKよ」

 ピーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 笛が響きました。

 クマノフは時計のタイマーをセットします。
 ネコ田さん、エリーは真っ先にフィールドに駆け込んでいきました。



「ほう、まずはネコさんとエリマキトカゲさんか……」
 暗いフィールドのブッシュの陰でサンタネンは待ちかまえていました。
 すでにサブマシンガンをフィールド入り口に向かって構え、いつでも撃てる状態です。 そこはフィールド入り口から20mほどの所。
 ネコ田さんの予想に反し、サンタネンはフィールドの入り口付近にいたのです。

 サンタネンはサブマシンガンを構えたものの、トリガーは引きません。
 ネコ田さんとエリーは、すぐ10mほどの所まで来たにも関わらずトリガーを引きませんでした。
 そしてフィールド入り口のほうを見続けています。

 続いて入ってきたうさぴょん、パン太に対してもトリガーを引きません。

 そして最後に入ってきたクマノフが10mほどの所にきた時に、やっとトリガーに指をかけました。

 ゥィパパパパン☆

 若干のモーター音を立てて動き出した電動ガスフルオートのサブマシンガンから、数発の弾が発射されました。
 そして、弾は正確にクマノフの頭を捉えました。

「ヒットクマー!!」

 パパパパン☆

 続けざまにうさぴょんに向かって弾を発射しますが、うさぴょんは素早い反応で地面に伏せました。
 弾はうさぴょんの頭上を抜けていきます。



「すぐ近くにいるぴょん!」

 うさぴょんが叫ぶころには、すでにガサガサとサンタネンが草をかき分けて逃げる音が聞こえてきていました。

「いきなりクマノフさんがやられたにゃ〜」
「ああ、クマノフ様。あたしがきっと仇を取って、あなた様を手にいれてみせますわ」
「それって全然クマノフさんのためじゃないにゃ〜」



 サンタネンはフィールド南側の中央付近まで逃げてきていました。
 といってもまっすぐに逃げたわけではなく、一端東に逃げ、その後に南側に進んだのです。
「もう一人倒せると思ったのじゃが……やはり素早いようじゃのう……」
「だがあのクマさんを倒せただけでも良しか……残りは大したことはあるまい」
 サンタネンは再び待ちの戦術に入りました。



「たぶん東側に逃げたはずだぴょん」
 先ほどの逃げる足音を頼りにうさぴょんが言いました。
「追うわよ」
 エリーはサンタネンを倒す気満々です。
「いきなり来るとは思わなかったにゃ〜」
「そうだよ〜。汚いよ〜」
「入り口で固まってるところを狙いに来たんだぴょん。入り口付近は密集してるぴょん。それに、まだ回り込まれる危険性が少ないから一番倒しやすいぴょん」
「でも一番最後を歩いてたクマノフさんが撃たれたのは意外だにゃ〜」
「よくわからないけどたぶん初めから狙われてたぴょん。じゃあ僕は別ルート行くぴょん」
 そう言って、うさぴょんは一人、北方向に向かいました。

「サンタネンは東側にいると思うんだけどにゃあ〜」

 パン太、ネコ田さん、エリーの三人は慎重に東方向に歩き出しました。



 ゲーム開始から7分が経過しました。
 サンタネンはフィールド中央より南側から北方向、フィールド中央に目を凝らしていました。
 ガサリ、ガサリと慎重にすすむ音。
 そして周囲の草から数人分のシルエットが見えていました。

「このまま撃たないでも良いのだか、それでは面白くないのう……」

 サンタネンは慎重に、相手の進行音と合わせるように自ら北側に前進していきました。
 慎重に、静かに前進していき、敵との距離を10mほどまで縮めました。
 そして銃を構え。

 ゥィパパパパン☆

 一番撃ちやすかったシルエットに向かってトリガーを引きました。

 狙われたのはパン太でした。
 しかしパン太は素早く、転ぶように前に倒れました。いいえ、実際に転んでいただけかもしれません。
 弾は幸運にもパン太の上を通り抜けていきました。

「南側からよ!」

 そう叫ぶとエリーは近くにあった木の陰に飛び込みました。
 そこから周囲のブッシュよりギリギリ高い姿勢を保ち、銃と顔だけを木陰から出し、トリガーを引きました。

 パラララ☆

 エリーのステアーAUGからは、緑色に輝く弾が発射されていきます。
 夜間専用の発光装置と発光弾を使用しているため、緑の輝く線がブッシュに向かって消えていきました。
 短く連射した後、エリーは即座に木陰に隠れました。

 それとほぼ同時に相手の発射音がし、エリーの隠れている木に何発かの弾が当たります。

「反応ありよ!」



「普段使ってない銃では必中距離も落差もわからんのう……」
 二回トリガーを引いたものの、一人も倒せなかったサンタネンは残念そうでした。
「しかし、パンダさんは偶然だとしても、あのエリマキトカゲさんはなかなか出来るようじゃ……気をつけねばのう」
 と、そこまで言ったときに、

 パララララララララ☆

 北東方向からの発射音と共に、サンタネンに向かって緑の発光弾が飛んできました。

 サンタネンは素早く近くのブッシュに飛び込み、ギリギリで回避に成功しました。

「見つけたにゃ!」
 ネコ田さんが嬉しそうに叫びました。
 ネコ田さんのMP5A5にも、やはり発光装置が取り付けられています。
「え、見つけた!?こんなに暗いのに?」
 エリーが不思議がって訪ねました。
「俺は夜目が利くんだにゃ!」
 ネコ田さんは得意げに答えました。



「そうじゃったのう、ネコは夜行性だったのう……」
 そう口に出したサンタネンでしたが、焦りの色は伺えません。
 先ほどから何度失敗しても顔色一つ変えていません。
 それは、まるで自分の勝利を確信しているかのようでした。

 サンタネンにはネコ田さんが見えていません。
 先ほどの射撃の位置でだいたいは分かるのでしょうが、回避に専念し移動したため、今からネコ田さんを攻撃するためには、一端目で確認する必要がありそうです。
「しかたないのう……」
 サンタネンは弾が跳んできた方向、北東側を警戒しながら、ブッシュの後ろでゆっくりと立ち上がりました。
 サンタネンの前方が輝きました。発光装置の輝きです。
 緑色の弾が数発飛んでくると同時にサンタネンは身を低くし回避しました。
 そして即座に右に数歩動き、再びブッシュの上に顔を出しました。今度は銃を構えながら。

 ゥィパパパパパン☆

 サンタネンは、つい数秒前の相手の射撃地点に向かって撃ちました。
 発光装置が輝いた場所に向かってです。

「ヒットにゃーーーーーー!俺のネコまっしぐらが〜!!」

 サンタネンにはネコ田さんが見えませんでした。
 それでも的確に相手を仕留められたのは、相手の発光装置の光った位置を記憶していたからです。

「発光弾を使うなら、射撃後、即座に移動するのは鉄則じゃよ……」



「そこ、見つけた!」
 サンタネンがネコ田さんを倒した射撃で、エリーはサンタネンの居場所を掴むことができました。
 ブッシュの上に現れたサンタネンの黒いシルエットを見つけたのです。

 パパパパパパン☆

 緑の発光弾がサンタネンの隠れているブッシュに吸い込まれていきます。
 しかし、ブッシュに弾かれているのでしょう、手応えはありません。

「なかなか当たらないわ……あのへんにはいるんだろうけど……」

 エリーは木から銃と目だけを出して、慎重にブッシュを撃っていきました。

 様子を見ながら探り撃ちを続け、2分ほど経ったとき。

 カサッ☆

 エリーからみて左方向、東側のブッシュが音を立てました。

 ゥィパパパパパパパ☆

 発射音と同時にエリーは姿勢を低くしました。
 素早く反応したのが幸いで当たらなかったのでしょうか。
 そのままエリーは、木の西側に移動しました。

「東側に移動してきたわ!パン太!何してるのよ!」

「だってまだ南東側にいると思ってたよ〜」

 エリーの西側、10メートル程の所からパン太の返事が返ってきました。



「……わからんのう……この銃を使うのは、あまりに久々すぎる……」
 サンタネンは銃に慣れていないようです。
 昔は使っていた銃なのでしょうが、最近では普段、違う銃を使っているのでしょう。

 サンタネンは、じっと前方、15メートルほどの木を見ました。
 木の影には、まだエリーがいるはずです。

「太い木の影は安全じゃ、だがそれゆえに頼りがちになってしまう、動かなくなってしまうものじゃ……」



「パン太!こっち来なさいよ!」

「え〜。めんどくさいよ〜」

「東側にいるのよ!敵さんは!」

「分かったよ〜。今いくよ〜」

 パン太がガサゴソと移動しはじめた時。

 ゥィパパパパパン☆

「ヒットッ!パン太のせいよっ!」

 エリーがサンタネンに撃たれました。
 エリーは木の影でじっと動かなかったのです。
 動かないのを予想していたサンタネンは、少しずつ北西に移動し、エリーに対しての角度を変え、バリケードとなる木の効果を無くしたのです。



「残りは二人じゃのう……」
 ふと、サンタネンは咄嗟に後方に振り向きました。
 同時にトリガーを引き絞ります。

 パパパパパパパパン☆

「ヒットだぴょん!」

 フィールドを大回りし、密かに後方に忍び寄っていたのはうさぴょんでした。
 うさぴょんは、あと一歩でサンタネンに狙いを付けられるところでしたが、サンタネンに気づかれてしまいました。

「あぶなかったのう……あのウサギさんには要注意じゃったわ……」
「残るは一人じゃ……」
 サンタネンはマガジンポーチから次のマガジンを取り出し、今のマガジンと交換しました。

 そして、パン太のほうに静かに歩み寄っていきます。

 パン太もまた、サンタネンの方向へ向かって歩いて来ていました。
 しかし、それはパン太の頭の中でのサンタネンがいる方向です。
 その、東に進行するパン太を、サンタネンは北東方向から見ていました。

 サンタネンとパン太の距離は、すでに5m。
 パン太はサンタネンに気づく気配はありません。

「これで終わりじゃのう……」

 サンタネンは狙いを定め、トリガーを引きました。

 ……しかし……

 何もおこりません。

 弾がでません。ガスもでません。
 モーターすら動きません。

「(な、なんじゃと……)」
「(これはもしや……接触不良じゃ……)」
 サンタネンは心の中で嘆きました。
 この銃はマガジンの中に乾電池が入り、マガジンと銃本体との連結部分に接点があります。
 長い間使っていなかったからか、このマガジンには接触不良が起きてしまったのでしょう。

 サンタネンは何度もトリガーを引こうとしました、しかし一向に作動する気配はありません。

 そのサンタネンの気配を感じたのか、パン太は一端足を止め、サンタネンの方を向きました。
 そして、ゆっくりと歩き出してきます。

「(動け、動いてくれ……)」

 パン太が一歩、また一歩と近寄ってきます。

「(頼むから動いてくれ……)」

 パン太はサンタネンに手が届くほどの所で足を止め。
 ニヤリ……と笑いました。実際にそう笑ったかどうかは分かりませんが、サンタネンにはそう見えました。
 パン太は、ゆっくりとMC51を構え、サンタネンの顔に触れる直前に銃口を持ってきました。



 そして……

 パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ☆

「ヒットじゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」



 ゲームは終了し、全員がセフティゾーンへと集まりました。

「約束だよ〜。プレゼントだよ〜」

「な、何が欲しいのじゃ……!?」

「僕はね〜……」

 一瞬の静寂の後、パン太は言いました。

「そのサンタの服が欲しいよ〜」

 再びしばしの静寂が訪れました。

「な、なぜじゃっ?」

「僕がサンタになるんだよ〜。そして僕はプレゼントを配る名目でサンタの組合からたくさんプレゼントを貰うんだよ〜」
「それで配らないで自分の物にするつもりにゃ〜」
「当然だよ〜。だからサンタの服貰うよ〜」

「む、無理じゃ。これはサンタの魂じゃっ!」
「じゃあ力づくでも奪うよ〜」
 言ってパン太はサンタネンに飛びつきました。
 そして強引にサンタネンから服と帽子を奪うと……

「おぬしは……見たことあるクマ……」

 サンタ服の下には白いタキシード。そして黒縁のメガネに白いヒゲ。

「サンダースだにゃ〜!」

「……うう、バレてしまったではないか……隠しておいたのに……」

「どうりで強いはずクマ……」

 こうしてクリスマスイブの夜は更けていくのでした。

−−−もしかするとさらに続くかもしれない−−−

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