サバゲニッポン昔話


ネコ田さん「前回の話は短かったにゃ〜」
パン太「きっと作者のネタ切れだよ〜」
クマノフ「もう打ち切りも近いクマ」
パン太「再就職先探さないといけないよ〜」
うさぴょん「悲観的に物事をみちゃいけないぴょん」
ネコ田さん「まあ、お便り読むにゃ〜」

ハンドルネーム:ウルノフ
ひさしぶりだな、クマノフ。
ロシア連邦特殊部隊第16部隊のウルノフ中佐だ。
君は日本でサバイバルゲームという物をやっているそうじゃないか。
じつはこちらでもはやっていてね、今度こちらでやらぬか。
君の戦友もやっているぞ。
場所はスターリングラード。
同志スターリンもまっているぞ。
では返事をまつ。

パン太「誰これ〜?クマノフさんの古い知り合い〜?」
ネコ田さん「めっちゃ怪しいにゃ〜」
クマノフ「古いことは語らないクマ。過去は過ぎ去りし時。戻ることはできないクマ」
ネコ田さん「過去になんかあったのかにゃ〜。クマノフさん、ヘンだにゃ〜」
パン太「いつもヘンだよ〜」

ハンドルネーム:虚空
初のメッセージですナ。全部読んでます。
うさぴょんにかなりの親近感&憧れを抱き始めてます(笑
自分もメインはグロック26なんですけど腕と場所がダメダメで・・・(泣
しかも不意打ちのプロっぽい感じがしますねうさぴょん。
これからもパン太を捨て駒にしながらガンバって下さい!

うさぴょん「パン太捨て駒にしてがんばるぴょん」
パン太「ひどいよ〜。じゃあ僕はクマノフさん捨て駒にするよ〜」
クマノフ「では私はネコ田を捨て駒にするクマ」
ネコ田さん「じゃあ俺はうさぴょんを捨て駒にするにゃ〜」
パン太「捨て駒だらけだね〜」
ネコ田さん「これじゃ崩壊寸前のチームにゃ……」

ハンドルネーム:グレネーダー見習い
弱い銃を使うと腕が上がるのは正論ですね!!
でも流石に銀玉鉄砲では無理でした(笑
自分もグレネーダーとして自分の道を模索してみようと思います。
修行地より見守っております!!
目指せうさぴょん!!!!!!

PS.父上、母上、どうか探さないで下さい。

うさぴょん「僕が師匠だぴょん」
パン太「うさぴょんになるなら、まず耳つけないといけないよ〜」
ネコ田さん「そんなん付けてるヤツいるのかにゃ〜?」
パン太「激●祭行ったらいたよ〜。きっとうさぴょんになりたいんだよ〜」
ネコ田さん「嘘臭いにゃ〜」

ハンドルネーム:崇
毎度楽しみに読ませてもらっています、崇です。
そういえば、まだ 二丁拳銃 と リボルバー使い、スナイパー などが出てきていないんですが、
新キャラ設定でこの候補はあるんですかね?
個人的に、凄腕リボルバー野郎こと「の○た」が出て欲しいかなw

うさぴょん「二丁拳銃はいないけど、二丁サブマシンガンは、いたぴょん」
ネコ田さん「ドーラクだにゃ〜。でもリボルバーやスナイパーは、いないにゃ〜」

ハンドルネーム:みゃあみゃあみゃあ
今回はゲーム出てきませんでしたね。
\(・д\)それは(/д・)/おいといて
このHPの名前がSniper's Fieldのわりには
スナイパーが出てきませんねぇ。
うさぴょんとかクマノフさんとかネコ田さんとか後のこってるチームメイトとか(名前何だっけ?)にやらせてみてほしいっす。
いや、むしろグリ夫とかネコ山とかネコ川とかメッコールとか桜木花道とかネコ林とか象とかライオンとか道頓堀とかラムとかグリ夫の父親とかチワワとかエアガンショップの店員とか猿とか山田太郎とか山田花子とかにやらせてみてーーー!!
ついでにネコ田さん。

ネコ田さん「こっちでもスナイパーいないって言われてるにゃ」
うさぴょん「なんかいっぱい候補あがってるぴょん」
パン太「ついでにネコ田さ〜ん」
ネコ田さん「最後の一行が気になるにゃ〜」
パン太「ついでたよ〜、ついで〜」
ネコ田さん「ついでよばりするじゃないにゃ〜」
パン太「ついで〜」

ハンドルネーム:キュマノフ
〜故郷モンゴルに帰る編〜

・・成○空港にて・・
偉い人:さて帰るか・・・
部下:ハッ!!
偉い人:どうかしたか?何か忘れ物か?
部下:祖父に今度モンゴルに帰るときは、朝○龍の
   ポスター買ってくるように、頼まれていたんだ・・・ 
偉い人:なにっ!!早く言わんかそれを・・・
    しょうがない。搭乗をキャンセルして国技館まで行くか・・・
部下:すいません
偉い人:そうと決まれば、善は急げだ!!

ネコ田さん「この人たちは、いったい何がしたいのかにゃ〜」
うさぴょん「不思議だぴょん」

ハンドルネーム:緋雲
今回の感想
クマノフよ、ウォッカをファミレスで飲みますかw
そもそもウォッカの置いてあるファミレスって・・・。
イメージ的にはバーのカウンターでのトーク的なお話でしたw

ネコ田さん「そういえば、ウォッカはメニューになかったにゃ〜」
クマノフ「あれは自分で持ち込んだクマ」
ネコ田さん「よく店員さんに見つからなかったにゃ〜」
うさぴょん「店員さん、気づいてたみたいだぴょん。でもクマノフさんの顔が怖くて注意できなかったみたいだぴょん」
パン太「クマノフさんって悪人顔だよね〜。すごいよ〜。もう何人も殺してそうだもん〜」
クマノフ「クマーーーーーーー!」

ハンドルネーム:ヤマドゥ〜
いや〜やっぱりトラ最高ですね。
もうすこしでクマノフぬかれちゃいますよ〜
がんばれ

ネコ田さん「最近、トラ吉人気だにゃ〜」
パン太「僕が人気ないのが不思議だよ〜」
うさぴょん「ちなみに、メインのメンバーで一番人気がないのはネコ田さんだぴょん」
ネコ田さん「……か、悲しいにゃ……みんな、俺を忘れないでくれにゃ……」

ハンドルネーム:共産主義同士!
THE 次回予告
エリーとの戦いが終わり、一時の安堵を得た4人の戦士だったが、状況は終了していなかった!?
復活した、黒猫三兄弟が彼らに迫るっ!
三匹合体変形を可能とした生まれ変わったキング黒猫の前にうさぴょん、パン太、そしてクマノフが瞬殺され、一人取り残さながら、逃げ惑うネコ田。三人がやられて初めて読者もそんなキャラが居た事に気付くっ!
右も左も逃げ惑う中、偶然、古いボルトアクションとギリースーツが祭られた祠に出会った、それはネコ田の今は無き祖父を祭る祠だったのだっ!
ネコ田の封印されていた記憶の復活っ!亡き祖父に狼を撃ちながら教わった、スナイパーの真髄を思い出すのだったっ!そして、伝説の山猫スペシャル(笑)を狩り、キング黒猫へと猛然と立ち向かう、神話の復活であったっ!

それでわ来週もこのチャンネルにっ、乞うご期待っ!
見ない悪い子は、ワンキルワンショトっ☆

ネコ田さん「もう何も言うことないにゃ……」
うさぴょん「見ないとワンキルワンショットだぴょん。おしおきより酷いかもしれないぴょん」


第13話:師

 雨が降っていました。

 静かに降る雨でした。

 森の中に、トラがいました。
 ただ一人、雨の中、手には愛用のショットガンを持って。

 トラ吉はショットガン、愛用のSPAS12を構え、10メートルほど離れた所にあるターゲット。三つ並べたアキカンに向かってトリガーを引きました。

 バンッ☆カンッ☆ガシャッ
 バンッ☆カンッ☆ガシャッ
 バンッ☆カンッ☆ガシャッ

 慣れた手つきで素早く3つのアキカン全てに命中させ、トラ吉はすかさず振り向きました。
 そして、振り向くと同時に、反対側に置かれた3つのアキカンに向かって銃を構えました。

 バンッ☆カンッ☆ガシャッ
 バンッ☆カンッ☆ガシャッ
 バンッ☆カンッ☆

 再び3つのアキカン全てに命中させ、トラ吉は銃をおろしました。
 そして、近くの大きな木の根元、荷物が置いてある場所に戻りました。

 荷物の横にしゃがみ、トラ吉はポケットと銃からカラになったシェルを出しました。

「雨で中止とはなぁ……ほんま、アカンわ。家におってもしゃーないし、一人で練習っちゅうのも寂しいもんや」

 トラ吉は一人、愚痴りながらシェルに弾を込めていきました。

「……そいや、あん時も、こんな雨やったな……」



 晴れ渡ったフィールド。
 多くのプレイヤーがサバイバルゲームを楽しんでいました。
 全員で30人ほどでしょうか。

 その中にトラ吉の姿もありました。今より若いトラ吉です。



 トラ吉は、太い木の影の後ろにいました。
 そこから体半分を出して前方の様子を探っています。
 しばしの間様子をうかがい、トラ吉は遠くのブッシュに人影を発見しました。

 トラ吉は、その位置、40mほど先のブッシュにMP5A4を向け、トリガーを引きました。

 バババババババババッ☆

 スプリングが強力な物に変えてあるのでしょう、通常の電動銃より強力な音と共にフルオートで弾が発射されていきます。
 狙われた敵は、すかさずブッシュに沈みました。
 しかし、トラ吉はトリガーを引き絞ったままです。

 ババババババババババババババババババババババババババババババ☆

 「ヒットー!」

 トリガーを引きっぱなしにし、100発ほど弾を使ったところで、敵のヒットコールが聞こえました。

 直後に敵の弾がトラ吉の隠れている木に何発か着弾しました。別の敵が撃ってきたのです。
 しかし、けっこうな距離があるのでしょう。木の幹を叩いた弾には勢いがありませし、弾もかなり散っていました。
 トラ吉は一端木の影に隠れ、素早くマガジンを交換すると、再び姿を現し、様子を探ります。
 それと同時にフルオート音が響き、敵の攻撃が来ますした。ですが、やはり距離があるのでしょう。全ての弾はハズれ、または木に防がれています。
 トラ吉は、よく弾道を見ました。弾は40mほどの距離にある細い木の影から飛んできていました。

 トラ吉は、MP5の銃口をそこに向け、敵の攻撃お構いなしにトリガーを引きました。
 敵は射撃をやめ、木の影にしゃがみこみました。
 しかし、トラ吉は撃つのをやめません。
 ひたすらその木の両側に向かい、フルオートで弾を送り込みます。

 ババババババババババババババババババババババ☆
 ババババババババババババババババババババババ☆
 ババババババババババババババババババババババ☆

「ヒットーーーーーー!」


 100発以上撃ったところで、敵のヒットコールが上がりました。

「よっしゃ、これでこのゲーム4人目や!わいは最強やなぁ!」



 ピーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 タイムアップを知らせるホイッスルが響き渡りました。
 ゲーム終了まで生き残っていたプレイヤーが、全員セフティゾーンへと戻ってきます。
 トラ吉はセフティゾーンに座ると、トラ吉はゴーグルを外しMP5を地面に置きました。
 そして、MP5に装着していた200連マガジンを外し、BBボトルから弾を流し込みます。
 それが満タンになると、今度はマガジンポーチから3本の200連マガジンを取り出しました。
 この3本もカラではありませんが、かなり消費されていました。
 トラ吉は、この3本にも弾を流し込み、マガジンポーチに戻しました。

「ほんま、めちゃ食ったわ。今のラストゲームだけで4人。今日の合計ゲット数はこれで19やな。がははははははははは!」



 そして帰宅したトラ吉のもとに、一本の電話が入りました。

「トラキーチー……ワシハーモウ、ダメデース……オー、トラキーチー……」

 電話を受けてすぐにトラ吉は病院に向かいました。
 そして、ある病室に飛び込みました。

「し、師匠っ!」

 叫びながら飛び込んだトラ吉。
 その部屋には、医者と看護婦に囲まれてベッドに横たわる一人の老人の姿がありました。
 白人系の外国トラの老人でした。

「師匠!ポース師匠っ!」

 トラ吉は老人の側までいき、その手を取りました。

「オー、トラキーチー、トラキーチカー、ヨク、キテクレター……ワターシ、トテーモ、ウレシーネ……」

 ポースと言う名の老トラは、怪しげな日本語でトラ吉に感謝の意を伝えました。

「ポース師匠!死んだらアカン!アカンで!」

「……ムリデスネー……アカンデスワー……ワシ……イパーイ、ビョウキ、モッチャッテマスネー……ハイガン、イガン……イカイヨー……シソーノーロー……エンケーダツモーショー……ノウコーソク……ワキガ……ミズムーシ……ソウ、ダカラ、モウ、ダーメネー……」

「師匠ーーーーーー!!!!!!!」

 病院ということも忘れ、トラ吉は力一杯叫びました。
 まるでその叫びは、消えゆくポース師匠の命を呼び戻したがるように。

「……トラキーチ、ワターシ、オマーエニ、サバイバルゲーム、オシエータ……ソウ……ダカーラ、トラキーチノ、キョウノゲームケッカ、シリターイ……」

 トラ吉は、溢れる涙を拭き、

「今日は19ゲット、3アウトや!師匠っ!」

「アー、ソリャ、スゴーイ……アー、ソノー、オマエガ、イマモッテルケースニ、ハイッテル、ガンハー、トラキーチノアイジュウカー?」

「そ、そうや!わいのMP5や」

 トラキチはライフルケースを開けると、中からMP5A4を取り出し、ベッドの上に置きました。

「アー、MP5カー……」

「そうや、9.6Vでドライブしてるんや。中身も140%スプリングや……マガジンも200連を4本使っとる……」

「……トラキーチ……」

「はい、師匠……」

「……トラキーチヨ……タシカ……オマエノトコロノゲームハ、ノーマルガンノサンカシャガオオイト……」

「そ、そうや。殆どみんなノーマルや」

「……ソノナカ、オマエハヒトリダケ、コンナジュウヲツカッテイルノカ……?」

「……え!?」

「……トラキーチ、ノーマルガンアイテニ140%スプリングナド、ダサーイ……メッチャ……ダサーイネン……ハジヲシレ……ボケナス……」

「し、師匠……」

「トラキーチ、ワシハ、オマエニ、サバゲノ、イロンナコトヲ、オシエテキータ。マナー、センジュツ……オマエヲソダテテキタツモリヤ……」
「ケド、ワシハ、カナシーネ。オマエガ、コンナ、ヒキョーモノデ、コシヌケデ、ヘタレナゲーマーニ、ナッチャッタコトガー……」

「そ、そんな、師匠!せやけど、わいは今、チームで最強の存在やで!」

「トラキーチ。ガンノ、セイノーハ、ウデト、チャマイスガナ……ソンナンジャ、イツマデタッテモ、ツヨク、ナレナーイ、ナレナーイ……」

「そ、そんな……!そんなアホな……」

「トラキーチ……ワシノ、サイゴノプレゼント、ウケトッテクレー……」

 ポースは、ベッドの横の棚に手を伸ばし、引き出しから一つの銃を取り出しました。
 エアコッキングの44オートマグでした。
 けっこう使い込んだのでしょう、あちこちにキズがあります。

「ワシガ、ビョウキニタオレルマデ、ツカッテイタガンデース……コレデ……シュギョウ……シテクーレ……ゴホッゴホッ……」

 ポースは激しく咳き込みました。

「師匠っ!しっかりするんや!」

「……ゴホッ……イイカ……トラキーチ、ガンノセイノウデ、アイテニカツンヤナイ……ウデデ、カツンヤ……」

「せやけど、師匠、こんな射程も短い、連射もできへん銃で、どないして……」

「トラキーチ、ワスレールナ、キヅカレズニ、チカヨッテ……イチゲキ、タタキコメバ……エエンヤ……ソースレバ、ドンナガンデモ……オナジヤ……」

 ポースは、そこまで言うと瞼を閉じました。
 まるで眠ったように、安らかに。

「ご臨終です……」

 医者が静かに言いました。

「し……し……師匠ーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」

 トラ吉の絶叫が病院中に響き渡りました。



 翌週のサバイバルゲーム。

 トラ吉はフィールドにいました。

 トラ吉はブッシュから上半身だけを出し、正面を警戒しながら、ゆっくりと前進していました。
 そしてふと足をとめました。
 右斜め方向に敵を発見したのです。距離は30メートルほど。
 トラ吉の手には、あのオートマグが握られていました。
 それを敵の方向に向けてトリガーを引きます。

 パンッ☆

 ホップのない弾は放物線を描くように飛び、敵よりも手前に落ちました。

「アカン、飛ばん!」

 攻撃されたことに気づいた敵は、トラ吉のほうに銃を向け、フルオートで反撃してきました。

 パパパパパパパ☆

「ヒットや〜!!」

 トラ吉は、次弾をコッキングしている最中にアウトになってしまいました。



 トラ吉はセフティに戻ると、オートマグのマガジンを外し、給弾をしました。

「ほんま、こんなんや一人も倒せへん、次はラストゲームやっちゅうのに……」

 トラ吉はこの日、朝からオートマグだけでゲームをしていました。
 今は亡きポース師匠の最後の贈り物であるこの銃。オートマグを使わないわけにはいかなかったからです。
 しかし、結果はさんざんなものです。
 トラ吉は朝から一人も倒せていません。アウト回数だけが着実に増えていくだけでした。

「だいたい射程が違うんや!それにパワーがない!ブッシュも抜けん!連射もできんやん!こんなんや無理や!」

 そこまで言ってトラ吉は、ある事を思いました。

「そいや、わいのMP5って、他の連中のよりもパワーあったんやな……ちゅーことは、みんな、わいより不利やったんやな」

「ほんま、強くなってた気がしとったわ……せやけど、わいは大したこと無かったっちゅうんか……他の連中より有利な銃もって、それでやってただけやったんか……」

 悔しい気持ちがこみ上げてきました。



 ラストゲームが始まるころ、雨がポツリポツリと降り出しました。
 そして、サー……と、静かな雨が降り出してしまいました。

 ですが、次がラストということで、ゲームは実行することとなったのです。

 薄暗い空、そして降り出した雨の中、ラストゲームが始まりました。
 トラ吉は仲間2人と一緒にフィールド右側を進行していきます。

 トラ吉の左斜め前を進んでいた仲間の白ネコが敵を見つけました。

「敵にゃ!35メートルにゃ!」

 白ネコはブッシュに隠れたまま正面にM16を撃ちまくります。

 パパパパパパ☆

「35mなんて、この銃や無理や……」

 トラ吉は呟きました。

 もう一人の仲間、トラ吉の後方を歩いていた土佐犬も、近くの木の影まで移動して、そこからG3A3で射撃を開始しました。

 パパパパパパパ☆

 仲間二人は射撃してる中、トラ吉はすることがありません。

「届かないんや、しゃーないんや……」

 ……その時……

 ……バレナイヨウニ、シノビヨルーンヤ……

 どこからともなく、声が聞こえたような気がしました。
 その声に従うように、トラ吉は右前方に移動を開始しました。

 周囲のブッシュより姿勢を低くし、相手に見つからないように。
 普段のようにMP5を使っているなら、もし見つかっても反撃できます。
 ですが、今の銃、このコッキング式のオートマグでは、とてもそこまでの火力はありません。
 ですから、見つかることは、アウトを意味するのです。
 それがゆえに、トラ吉は、草を揺らさないように、音を立てないように、慎重に移動していきました。

「ヒットにゃ!」

 味方の一人、白ネコがアウトになってしまったようです。

 土佐犬のほうは、未だ敵と撃ち合っています。その発射音がトラ吉の斜め後方から聞こえてきます。

 しばらくブッシュ内を進み、トラ吉は斜め前方、25メートルほどに敵の頭を発見しました。
 敵は長身のダッグスフントでした。
 ダックスフントは自分の体より太い木に隠れ、土佐犬の攻撃を上手く防いでいます。

「見つけたで……せやけど……」

 トラ吉は、ここから敵に当てる自信はありませんでした。
 距離は25メートル、しかも相手の頭部しか見えていないのです。
 MP5なら、ここから撃ったのでしょうが。

「近寄らにゃあかんのか……」

 トラ吉は、さらに静かに前進していきました。

 パキッ☆

 次の瞬間、トラ吉は地面に落ちていた小枝を踏んでしまいました。
 敵に気づかれてしまったかと思ったトラ吉ですが、幸いにも敵のダックスフントはフルオート射撃中で、トラ吉に気づくことはありませんでした。

「……あかんあかん、見つかったら終わりや……」

 さらにゆっくり、トラ吉は敵と足下を交互に見ながら前進していきました。
 静かに降りしきる雨の中、1メートル、また1メートルと前進していきました。
 ただそれだけなのに、普段の何倍もの緊張感がありました。
 音を立てないように、周囲の草を揺らさないように、相手に見られないように、慎重に、ゆっくりと……

 そして、やっと敵から10メートルほどの距離まで来ました。
 トラ吉がいるのは敵の側面。
 敵であるダックスフントは太い木の後ろにいるものの、横方向にいるトラ吉の場所からだと全身丸見えです。

 トラ吉は慎重に狙いを定めました。
 トラ吉の視界の中で、リアサイトとフロントサイト、そして敵の頭部が一直線に並びました。
 緊張のあまり、手が震えて思うように狙いが定まりません。

「はずせへんのや。頼むで……」

 自分と銃にそう言い聞かせ、精神を集中し、トラ吉はトリガーを引きました。

 パンッ☆

 発射された白い弾は、放物線を描きながら飛び、ダックスフントの胴体側面を捕らえました。

「ヒットだワンッ!」



 トラ吉は、この日、結局一人しか倒すことができませんでした。
 その反面、アウト回数のほうは、ほぼ全てのゲームでアウトになっています。

 それでも、トラ吉はとても満足していました。
 普段のゲームとは比べものにならないほど満足していました。

 ゲームが終了し、普段より少ない荷物を片づけた時、トラ吉は思ったのでした。
 次回も同じ銃を使おう。と。

 ポース師匠の言葉に応えられるになるまで……


−−−もしかするとさらに続くかもしれない−−−

あまりにあきれたのでメッセージを送ってみる。

なまえ(なまえ公開の許可/不許可も書いてください。無記入だと勝手に公開されちゃいます)
※例:「クマノフ なまえ公開許可」

つくったひとへのメッセージ


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