エアガンの危険性と犯罪、威力


 2005年の秋、関西地方の高速道路にて走行中の車のガラスがエアガンによって割られるという衝撃的な事件が発生しました。
 そして、この事件の後、日本全国各地でエアガンを人に向けて撃つなどの愉快犯が発生します。
 これら一連の事件により、2005年の秋以降、マスコミでもエアガンによる犯罪等が紹介され、エアガンに対するイメージは悪化しました。

 私自身、エアガン系サイトを運営する一人として、エアガンに対する知識は一般人以上の物を持っていると自負しております。
 それゆえに、一部のマスコミのエアガンに対する報道は、いささか事実とは違い、誤解を招く内容や誇張を含んだ部分を感じることがあります。
 そこで、私自身、2005年の高速道路での発砲事件や、エアガンの持つ危険性等を書いてみたいと思います。
 なお、このコンテンツに関しては、エアガンについて知識のまったく無い方でもわかりやすく書いたつもりです。
 よって、ある程度の知識がある方には、説明がくどかったり、簡略化されている部分がありますのであらかじめご了承ください。

和歌山の発砲事件


改造エアガンによって割られた窓ガラス。

 事件の発生は2005/9/26。
 関西地方、和歌山県の高速道路にて発生しました。
 この日一日だけで2台の車のガラスが突然割れるという事件が発生しました。
 割れたのはリアガラスであり、発砲事件ということで捜査になったようです。
 怪我人が無かったのは不幸中の幸いです。
 この時点でさっそくエアガンが疑われていました。

 もし一般的なパワーを持つ実銃であれば、被害はリアガラスだけに留まりません。
 リアガラスをうち破った後、フラントガラス等の別のガラスを突き破り、弾は車外に出ていく、または車内の固い部分に当たって穴を開けるはずです。
 この事件で社内から弾は発見されませんでした。
 となると、弾はリアガラスを破った物の、車内に入る力はなかったと推測されます。

犯人の逮捕

 事件発生後しばらく経ち、犯人が逮捕されました。
 犯人は覚醒剤の常習者だったようです。
 単にエアガン好きな人間の犯行でないので安心した反面、このような危険な人物の手に強力な改造エアガンが渡るといかに危険なのかを考えさせられた事件でした。

逮捕された犯人。



埼玉の発砲事件

 2005年の9月、埼玉県でも信号待ちをしていた車が横から発発射され、助手席のドアに2つの穴があくという事件がありました。
 ドアに穴が開くというのはかなりのパワーです。
 しかし、こちらの事件はどうやらエアガンではなく、実銃が使われたようです。

ノーマルエアガンのパワー

 市販されている一般的なエアガンのパワーは、アルミカンの片面を撃ち抜かない程度です。
 物によっては撃ち抜く物も存在しますが、ぎりぎり撃ち抜けるといった程度。
 ちなみにアルミカンといっても、実は強度はさまざまです。
 大抵、ビールのアキカンが弱く、清涼飲料水等の中には、やや硬めの物も存在します。

パワーの単位、ジュール

 移動する物体が持つエネルギーは「ジュール」といった単位で表すことができます。
 一般的なエアガンでは、1ジュール以下が普通です。
 だいたい0.5〜0.9ジュールが平均的な市販エアガンの数値です。
 一般の実銃は、拳銃タイプの物で300ジュール以上、ライフルタイプの物では2000ジュール程度からです。
 ジュール値は、弾の「速度」と「重量」によって決まります。
 重い弾が高速で飛ぶほど、弾の威力が上がり、ジュール値も高くなります。

弾の速度と重量

 一般的なエアガンの弾の速度は秒速にして80m前後。
 これを時速に換算すると288kmとなり、かなりの高速です。
 仮に野球ボールが時速288kmで飛び、それが人に当たるようなら大変な事です。
 なにせプロ野球のピッチャーでさえ、150km以下が普通なのですから。

 「サバイバルゲーム」と呼ばれるエアガンで撃ち合う遊びがあり、それでもケガをしないのは、弾の重量にあります。
 エアガンの弾は平均で0.2〜0.25gと非常に軽く、直径6mmという弾の小ささを考えても軽量です。
 この弾の重量というのは、パワーを決める上で非常に大事なファクターの一つです。
 もし弾の速度や形状、大きさを変えず、弾の重量だけが2倍になれば、先ほど述べたジュール値、つまり弾の威力は2倍になるのです。
 ちなみにエアガンの弾は一番重い物で0.43gまで発売されていますが、これを一般的なエアガンで撃ちだしたところで、弾の威力はそう高くはなりません。
 単純に計算すれば、0.2gの弾の二倍の威力にになりそうですが、そうならないには理由があります。
 それは、根本的にエアガンの発射機構が非力なところにあります。
 もともと、エアガンは0.2gや0.25g程度の弾を発射するように設計されているため、弾の重量を重くすればするほど弾速が落ちるためです。

弾の形状


 エアガンの弾の持つエネルギーは1ジュール以下は、非常に小さな物です。
 ただし、弾は直径6mmの球形と比較的小さく、小さなエネルギーでも力が小さい面に集中するため、運動エネルギーの割りには大きな威力を持ちます。
 同じエネルギーであれば直径が大きいほど人体等に対する危険性は低くなります。
 逆に直径が小さい場合、力が一点に集中しやすく、危険性が増します。
 力が一点に集中しやすいイメージというのは、ハリのようなものを思い浮かべていただければ分かりやすいかと思います。

人体に対するダメージ

 一般的なエアガンを人体に向けて発射した場合はどうなるでしょうか。
 分かりやすく言えば「10cmなど、近距離で素肌に向けて発射した場合、赤く腫れ上がる」と言えます。
 条件によっては出血もあり得ます。
 ただ、これが服の上から当たった場合や、10メートル以上離れると一気に威力が落ちます。
 服の上からエアガンの弾が当たった場合、かなりの衝撃が吸収され、人体に対するダメージは小さくなります。
 これは、エアガンの弾が「高速で軽量」な事と、ジュール値が1J以下と、非常に小さい事に関係があります。
 たとえば砲丸投げの砲丸を人に向かって投げ、当たった場合、これに対する防御効果は衣服程度では無意味です。
 また、エアガンの弾の場合、ある程度の距離が離れると急激に威力が落ちます。
 これも「高速で軽量」に関係します。
 空気抵抗は速度の自乗に比例します。時速数百キロの高速の世界では、空気抵抗は我々の日常生活からは想像もできないほど大きく、その中を飛行する物体にはパワーが求められます。
 何かの力で撃ち出された物は、その中にパワーを蓄えなければなりません、それが重量です。
 軽量なエアガンの弾では、そのパワーを蓄えるためには不十分なのです。
 野球ボールをバットで打ったとして、硬式等の重いボールは充分に飛びます。
 しかし、中に空気の入ったようなゴムボールは遠くまで飛びません。これはゴムボールが柔らかいからではなく、重量が不足しているため、空気抵抗に打ち勝つ力が無いのです。

 ただし、エアガンのパワーが非力といえ、完全に安心できる物ではありません。
 人体の中で弱い部分、眼球に当たった場合、最悪、失明が考えられます。
 そうでなくても視力低下等、後遺症もあり得る話なのです。
 たとえメガネ等があったとしても、エアガンの力は軽量とはいえ高速で、衝撃に弱いメガネ等は近距離で当たったら割れてしまいます。
 エアガンの弾のように「高速、軽量」の物体は、衝撃を吸収する柔らかい物には非力な反面、ガラス等の衝撃に弱い硬い物体には強力です。

ノーマルエアガンのパワー上限

 法律では、エアガンのパワー上限を明確には規定していません(金属弾を使用可能であったり、殺傷能力があるパワーであれば銃刀法に抵触します)
 市販エアガンのパワー上限は、メーカーの組合自主規制により、0.4ジュールや0.8ジュール以下と定められています。
 しかし、一部、これらの組合に入っていないメーカーもあり、1ジュールを若干上回るパワーのエアガンを発売しているメーカーもあります。
 しかし、いずれにしてもノーマル状態のエアガンのパワーは1ジュール程度以下であり、2ジュールを越えるようなエアガンは販売されていません。

改造エアガン

 一口に改造エアガンといっても、そこにはさまざまな種類があります。
 パワーを上げた物以外にも、命中精度を上げた物、また、ただ外見を変えた物も含まれてしまいます。
 ただし、ここでは「パワーを上げた物」に絞って話を進めて行きます。

パワーアップの限界

 どこまでパワーが上がるかというと、限界ラインを言うのは難しいことです。
 工作技術が非常に高いのであれば、ゼロから実銃を作ることも不可能ではないためです。
 やや話は逸れますが、単発式(一発ごとに弾を詰め直ししなければならないタイプ)であれば、実銃の構造は驚くほど簡単です。
 火薬付きの弾さえあれば、銃本体はパイプから作れてしまうのが実銃です(使用者の身の安全は保証しません)

 エアガンベースにしたところでは市販のエアガンの10倍程度のパワーが限界と思われます。

スプリング式とガス式

 エアガンで弾を撃ち出す方式には、2タイプの物が存在します。

 一つはスプリング式。

 エアガンの中にスプリングを持ち、その力で弾を飛ばします。
 この際、スプリングは直接弾を叩きません。空気を圧縮して飛ばします。
 コルク鉄砲をスプリングを行うと言えば分かりやすいでしょうか。
 直接弾を叩かず、エアを介して弾を飛ばすのは、そのほうが弾の速度を速くしやすいことと、弾に余計な力をかけず、命中精度が上がることからこうなっています。
 やや話はそれますが、エアガンが重い弾を撃ち出すのに不向きなのには、このエアを介して弾を撃ち出すところのも一つの要因があります。
 1990年代初めから、電動でスプリングを圧縮する物も登場し、非常に人気です。
 電気を使ったモーターの力でスプリングを圧縮するだけで、スプリング式という基本構造は変わっていません。
 このタイプのエアガンはスプリングを強くすることでパワーが上がりますが、強いスプリングは銃に負担をかけ、銃本体の破損を招きます。
 さらにスプリングの圧縮には人の力はモーターの力に依存するため、後述するガス式よりも比較的パワーが上がりません。

 もう一つはガス式。

 こちらは、エアガン内部、または外部にフロンガス(当然、環境に配慮されたオゾン層を破壊しないタイプ)や圧縮空気を溜め込み、それらの力で弾を発射する方式です。
 このタイプはスプリング式と違い、比較的小型化しやすいので、小型の拳銃タイプに多く用いられている方式です。
 実はこのタイプ、フロンガスの代わりに圧力の高い炭酸ガス等を用いることにより、非常に高い威力になります。

エアガン用は「グリーンガス」と呼ばれる炭酸ガス。

エアガン用フロンガス。
 とはいっても炭酸ガスを使用しただけではなく、エアガン本体にも改造が必要です。
 大抵のガス式エアガンでは、高い圧力に耐えきれず破損したり、あるいは高い圧力を有効に使えずに大きな威力を出すことができないのですが、例外的な物も存在しています。
 2005年の秋の和歌山連続発砲事件で用いられたタイプも、このタイプの物です。
 もちろん使用していたのは威力の低いフロンガスではなく、威力の高い炭酸ガスです。
 炭酸ガスはフロンガスの何倍もの圧力があり、これを直接ガス式エアガンに流し込んで使用すると非常に高いパワーとなります。

 本来、ガス式のエアガンに炭酸ガスを使う場合、大抵はレギュレーターと呼ばれる安全装置を付けて使用します。

グリーンガスを安全に使用するためのレギュレーター。
グリーンガスに装着して使用します。
 これを付けることにより、炭酸ガスの圧力をフロンガスと同等程度まで落とし、安全に使用することができます。
 ガスというのは気温によりパワーが変化し、特に冬場の寒い時期、フロンガスでは非力すぎて使い物にならないため、その代用に使われる場合があります。

 一般的なエアガンの弾の重さは0.2〜0.25g。
 最大でも0.43gと前述しています。

 しかし、工業用の6mmの金属球いうのが世の中に存在しています。
 これの重さは0.8g程度と聞きます。
 つまり0.2gと比較して4倍の重量になり、もしこれを0.2gと同等の速度で撃ちだせるのなら、パワーは4倍となります。
 その上、本来エアガンでは「苦手な遠距離での威力」も確保できてしまうのです。
 さて、ノーマルのエアガンでは、このような重量級の弾を撃ち出すことはできません。このような重い弾を撃ち出すには、あきらかに力不足なのです。
 しかし、ガス式のエアガンと炭酸ガスの組み合わせにより、これも可能となってしまいます。

 2005年の秋、和歌山での発砲事件に使われ、車のガラスを破壊したのもこのタイプの弾です。

 ちなみに法律上で「金属弾を発射できる銃は銃刀法違反」に当たります。

 炭酸ガスはエアガン用のみならず、ビールサーバー用など他の用途としても発売されています。

改造銃の販売

 和歌山の連続発砲事件の後、静岡のエアガン業者が逮捕されました。
 この業者は改造エアガンを販売していたとのことです。
 前述した二酸化炭素の安全装置「レギュレーター」を使わずに炭酸ガスを使用できる改造エアガンを販売し、この販売されたエアガンの一つが和歌山連続発砲事件の犯人によって犯罪に使われています。

市販のパワーアップパーツ

 エアガン専門店では、多くのパーツが販売されております。
 この中には、エアガンのパワーを上げるパーツも存在しています。
 パワーアップをするパーツといっても、その殆どはパワーを大きく上げるとはできません。
 和歌山の事件で使われたような極端なハイパワーは、むしろ稀です。

 また、パワーアップパーツを初めから組み込んだ上で販売されているエアガンも多数ありますが、やはり和歌山の事件に使われたようなエアガンと比べると低いパワーに留まっています。
 この理由として、前述した「ガス式エアガン」は、比較的パワーを上げやすい反面、扱いづらいという難点を持ちます。
 それに比べパワーの上げづらい「スプリング式エアガン」と、これの改良型である「電動式」は極端にパワーを上げづらい反面、ガスのような扱いの面倒な物を必要とせず、手軽に扱え、またコスト的にも安くあがるためです。
 このような理由から、ユーザーの殆どがスプリング式や電動式を望むため、和歌山の事件に使われたような極端なハイパワーエアガンは少なくなっています。

 ※「スプリング式」「電動式」だからといえパワーが上がらないわけではありません。あくまでガス式との比較の上です。

 2005年秋の事件を受け、各ショップもパワーアップしたエアガンと、パワーアップパーツの販売を自粛し出しているようです。

パワーアップパーツの存在する理由

 2005年秋の事件のため、パワーアップ系パーツが減っているようです。
 しかし、今までこれらのパーツが存在していた理由に、ユーザーがパワーアップを望んでいるためという物がありました。
 ユーザーが求めるからメーカーやショップが売る。これは当然の事です。
 また、法律等による明確なパワー上限が定められていないため、「パワーアップは悪いことである」と明確には出来ないのです。
 エアガンユーザーの間でも、ここの所は難しい問題で「パワーアップしない派」の人間が、「パワーアップ派」に対して「パワーアップするな」とは言えません。
 パワーアップもまた、その個人の自由として扱われているのが大半です。

 後述する「サバイバルゲーム」においては、大抵パワー上限が主催者やチームによって定められています。

サバイバルゲームとは

 エアガンを使った模擬的な戦争ゲームの事を「サバイバルゲーム」と言います。
 一般的には屋外で行われますが、専用の室内ゲームフィールドも存在しています。

ルールの存在するスポーツです

 サバイバルゲームを知らない方から見ると、「ルールがあるの?」という疑問を尋ねられる場合があります。
 サバイバルゲームには全国統一ルールは無い物の、だいたい標準的なルールがあり、そして各チームやゲーム会によって確かなルールが存在しています。
 最も基本的なルールは2チームに別れ、各陣地からスタートします。
 弾が一発でも当たれば、そのプレイヤーは死亡となり、退場になります。
 制限時間内(大抵10〜20分程度)に相手チームの陣地を制圧したほうが勝利となります。
 一見、たんなる戦争をマネした遊びのようではありますが、実際には様々なテクニックや頭脳プレイ、チームワークを駆使するスポーツです。

サバイバルゲームの安全性

 「エアガンで撃ち合うなど危険極まりない遊び」という誤解を受けることがあります。
 しかし実際にはエアガンのパワーはそう高くはありません。
 ましてサバイバルゲームにおいては目を保護するゴーグル、顔を保護するフェイスガードを使用しているため、実際にエアガンの弾でケガをする可能性は限りなくゼロに近い安全性です。

目を保護するためのゴーグル(顔も保護するタイプ)
 この安全性は他スポーツと比べても比較的高いほうで、その理由として「相手と接触しない遊びである」ということが上げられます。
 エアガンという遠距離攻撃の出来る道具を使用するため、相手と直接接触する必要がなく、また、故意に接触する行為は反則として扱われます。
 撃たれた感じは近距離で素肌に当たると痛い場合がありますが、一般の被弾では「何か当たった」程度にしか感じません。
 さらには中距離〜遠距離で服の上からの弾が当たった場合、弾が当たったことすら気づかない場合もあります。しかし、これは故意ではなく避けようがないため、お互い了承の元でこの遊びを行っています。

一部のマスコミでのエアガン報道

 全てではありませんが、一部マスコミではエアガンに対し誤解を招くような報道内容がされています。
 ただ、具体的にどのテレビ局のどの番組かは控えさせて頂きます。

エアガンのパワー

 テレビ報道などで、エアガンでアキカンを撃ち抜いたり、ガラスを割ってみせるようなシーンがあります。
 前述しているとおり、ノーマルエアガンでは、このような過激なパワーはありません。
 厳密に言うと次に述べるような条件では可能ですが、このような報道は明らかに誇張を含んでいます。
 柔らかいアルミカンの片面に近距離から穴を開ける程度であれば、ある程度パワーの高めなエアガンによって出来そうですし、ガラスに関してもかなりの近距離から比較的パワーのあるエアガンで、かなり薄目のガラスを割るのなら可能かもしれません。
 特にガラスに関しては試したことが無いので、憶測です。
 番組作成時、これらの場面を使用しているシーンには、ある程度のパワーアップ改造をしたエアガンが使われているようです。
 もちろん、「パワーアップしたエアガンでの実験」と説明を入れている番組もありますが、中にはそうでないものも存在します。

 また、小中学生の若年層がエアガンで撃ち合っているシーンが報道されることもありますが、一般に小学生などは価格の安い、低いパワーのエアガンを使っているため、あまり神経質になる必要は無さそうです。
 しかしながら全員が低い威力の物を使っているという保証はありません。実際、子供ほどパワーの高いエアガンを欲しがります(金銭的に可能なら)
 さらに、いかにパワーが低いといっても目に当たれば怪我の可能性を軽視できません。

エアガンと対象年齢

 基本的にエアガンの対象年齢は二種類あります。
 対象年齢18歳以上と10歳以上。
 今まで説明してきたエアガンのパワーは全て18歳以上の物について書いています。

対象年齢10歳以上エアガンとは

 比較的パワーが低く押さえられた物で、近距離から素肌に命中したとしても、大きな痛みを伴うことはありません。
 しかし眼球に直撃した場合、失明とはいかずとも後遺症等の問題がでる可能性があります。
 使用には対象年齢18歳以上のエアガンを使うのと同様に気を使って遊ぶのが望ましいです。
 パワーのジュール値は、対象年齢18歳以上エアガンの20%以下程度と考えてください。

対象年齢とは

 メーカーが定めた対象年齢で、殆どの県の条例で「この年齢未満の客には販売してはいけない」とされています。
 法律ではなく条令です。よって対象年齢未満のユーザーへの販売が行える県があります。
 また、条例で対象年齢未満のユーザーへの販売が禁止されている県でも、実際には保護者同伴であれば購入できるなどの抜け道があります。

エアガンユーザーの方々に

 ここには、高い威力を使用する情報も書きました。
 このような情報を出すことについては、今まで私のサイトでは一切控えてきました。
 理由は当然、悪用されては困るからです。
 しかし、2005年の秋の事件により、一般のテレビ番組でも放送されました。
 そのような経緯もあり、あえて秘密を貫く必要も無いと判断し、このような情報を書くことにいたしました。

 もちろん、炭酸ガスで金属弾を撃ちだしたところでかならずハイパワーになるわけではありません。
 そこには、やはり改造が必要です。そして仮にそれが出来たとしても、それは危険性も伴うのです。
 大きなパワーを撃ちだせるということは、大きな危険性があるということです。
 これは何も暴発等のことだけを言っているのではありません。
 高い圧力を持つ炭酸ガスが、非力なエアガンのタンク内で破損したらどうなることでしょうか?
 もともと、エアガンの強度というのはそう高くありません。
 下手にパワーアップをしてしまえば破損してあたりまえです。
 その時、銃が破損するだけならまだマシも、高いガス圧によりタンクや内部が破裂するようなことがあれば、使用者がケガをする可能性だってあり得るのです。

エアガンのパワーの意味

 特にエアガンを初めて間もない方に見られる傾向で、「より威力のあるエアガンを欲しがる」という物があります。
 しかし、エアガンはエアガン、実銃のように殺傷を目的にした物ではありませんし、いくらエアガンのそのような威力を求めてもたかが知れています。
 エアガンと実銃の間には数百倍もの違いがあります。
 300倍と仮定すると、時速300kmのF1カーと、時速1kmで歩くカメのような違いです。
 いくらカメを改造したところで、F1カーの速度のようにはなりません。例外を上げるならガメラ程度の物です。
 根本的にエアガンは武器ではありません。
 楽しくエアガンを使用して遊ぶためには、不必要なパワーアップを避け、安全に遊んでいって貰いたいと願います。

たとえローパワーでも安全には気を配りましょう

 ノーマルパワーのエアガンでも、最悪の自体を考慮すれば人間を失明させることも可能です。
 使用に当たっては細心の注意を払い、安全に扱ってください。
 また、悪ふざけで人にエアガンを向けたり、あげくの果てにトリガーを引くのは論外の行為です。

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