銃の重量による着弾変化疑惑
以前から一部のエアコッキング銃で、銃が軽いほど着弾点が上になり、グルーピングそのものも散るように感じていました。
今回、マルイのエアコッキングのSOCOMでのテスト結果の報告です。
テストに使用したのは対象年齢18歳以上、マルイのホップ付きSOCOM。
ハンドガンとしては長銃身の銃のわりにはプラパーツが多く、重量の軽い銃です。
ノーマルそのままの状態。
重量を増やすため、ガスSOCOM用のライトモジュールを装着した状態。
0.2gの弾を距離4.5m先のターゲットに向けて9発ずつ撃った結果が以下のターゲットです。
左=ライトモジュール無し。
右=ライトモジュール有り。
右のターゲットのほうが着弾点がやや下に下がり、グルーピングも僅かによくなっているのが分かるでしょうか。
単純に銃が重くなり、安定した射撃をしやすくなったためでしょうか。
着弾が下がったのは、銃の先端付近に重りとなるライトモジュールをつけたため、フレームがたわんで下を向いたのかとも考えましたが、その場合サイトも下を向くため、あまり関係は無さそうです。
私は
ピストンの反動による着弾のブレ
と考えています。
射撃時、ピストンが前進すると、その反動で銃身は上を向きたがります。
ピストンが完全に前進しきると、ピストン打撃により、銃身は下に向きます。
つまり、弾が銃口を出るタイミングによってはピストン前進による反作用で銃口が狙った場所より上に向いてしまうことになります。
仮にそうだとして、この影響が出やすいのは銃身が長い銃であり、重量の軽い銃です。
重量が重ければピストン打撃による反作用を受けにくくなるためです。
しかし、この説が正しいとなると、ある程度のバレル長を持つ銃の場合、銃本体の重量もある程度重いほうが良いとなります。
実際、エアガンの世界で銃の重量があるほうが命中精度が上がるという話は聞きません(重量があった方が射撃が安定するので撃ちやすいという説はあります)
参考:マルイ・スライド固定式ガスSOCOMの10発グルーピング。距離や弾はエアコッキングのテストと同様。
サイレンサー・ライトモジュール有り。
2007/2/18追加
さらにテストを続けてみました。
今回も室内4.5m、弾はエクセル0.2g
グルーピングは5発でとっています。
前回使用したSOCOMの他、マルイのP7M13(ホップ付き)と、海外の安物コンパクトエアガンも使用してみました。
銃
初速
グルーピング
マルイ・mk23
60m/s
37mm
マルイ・mk23(ガスガン用ライトモジュール装備)
60m/s
32mm
マルイ・P7M13ノーマル
60m/s
54mm
マルイ・P7M13スプリングカット
57m/s
29mm
海外製安物コンパクトガン
31m/s
39mm
・mk23
今回もやはりライトモジュールを付けた方がグルーピングが小さくなっています。
さらに着弾点も下に下がり、ほぼ狙い通りの位置に着弾しています。
ライトモジュールを装備した状態では、ガスガンにも引けを取らない精度です。
・P7M13
トリガーが重いせいか、左右へのズレが目立っています。
ためしにスプリングを少しカットし、初速を落としてみたところ、グルーピング向上が見られました。
右手で撃つとなぜか左に着弾してしまいます。
不思議な事に左手で撃つと右側に着弾します。
・海外製安物
中型オートの銃なのでバレルも短く、さらに内径の大きいプラバレル。初速は他にテストした銃の半分程度との悪条件でありながら、よくまとまっています。
狙点よりかなり下に着弾していますがグルーピング自体は悪くありません。
銃自体が小さく軽いわりにトリガーは重めのため、ガク引きになりやすく、狙って撃つのが難しい銃です。
現時点でのまとめ
ガスガンと違い強力なスプリングでピストンが動くエアコッキングガンでは、命中精度向上を目指す上で、ピストン前進による反作用が無視できない要素のようです。
遠距離では弾道の安定性のほうが重視されますが、近距離で小さなターゲットを狙う場合は銃がブレないことが大事です。
簡単に反作用に打ち勝つためには、銃自体、とくにフロント部分を重くすることが有効なようです。
一般的にエアコッキングガンはガスガンより低価格な物が多く、そのせいで軽い銃が多い事も悪条件になっているようです。
それから、まだはっきりとは分かりませんが、メインスプリングを弱くして反作用を弱くする事や、バレルを短くして銃がブレるまえに弾を銃口から吐き捨てる事も有効なようです。
近距離での命中精度に関しては、パワーが強ければ良いという物でも無さそうです。