ガチャポン おまけテキスト
その4
2003/04/12



 興味ない人には果てしなくドウでもいいテキストだと思われますが、やっとここまできて「オレが何を書きたいのか」が自分で見えてきました。(今頃…?)

 「ガチャポンおまけテキスト」ってタイトル付けてますけど、フィギュア全般に当てはまることも多いと思います。

(このタイトルは完全に失敗だったと反省中。 ^^;;)


■造形のクオリティ

 話戻して今度は「クオリティ」について。

 何をもって(どの部分を指して)「クオリティが高い」と評価するか? というのは、個人個人の基準によるところが大きいので、これを定義的・断定系で語ることはムズカシイんですけど、オレのポイントとしては以下のように考えています。(あくまで「オレのポイント」。この基準は人によって異なるので。)


1)造形工作のレベルが自分から見て「スゲエ!」ってものか?

 つってもコレは、例えば「プラモとかを20年作ってきた人」と「一度も作ったことがない人」では全然違ってしまうんで、ポイントのいきなりしょっぱなからものすごく感覚的・主観以外の何者でもないことですが…(^^;;)

 「この髪の毛の表現、上手いなあ」とか「服のシワの質感が出ているなあ」とか「表情が可愛らしく(あるいはカッコヨク)出来ているなあ」とか、「こんな細かいの、よくここまで作ったなあ」とか。

 模型とか作ったことのない人へのコトバでの説明が難しいんだけど、例えばガチャポンのフィギュアとかも「工業製品」とは言っても機械がウィーン…ガリガリガリ…と作っているわけじゃなくて、元々の原型は人間が手作業で作っているわけです。
 で、「あの大きさの物を人間が手で作っている」と考えれば、だいたい雰囲気わかるかなあ。

 自分では米粒に字を書けなくても、実際に米粒に字が書かれていたら驚くじゃないですか。たぶんそういうことなんだけど。

 これがある程度自分で模型を作ったりするようになると、経験に比例して「こんなモールド、どうやって作ったんだろう?」とかそういうのが見えてくるようになるんですけど。

 反対に「すごくない。ダメだ」というのは、「人間がこういうポーズとったときに、服がこういうシワになるわけないじゃん」とか「スカートは右になびいているのに、髪の毛は左になびいている(風の向きがどうなっているよ?)」とか「こんなポーズ、人間は構造的とることが出来ません」とか。(どれもあくまで「基本的な部分」ですけど)


2)その価格帯の物として「手を抜いた物」になっていないか?

 パーツ分割の仕方とか塗装とか、明らかに「まあ、こんなモンだろ」的な物がかもしでている物はその時点でダメ! と。


3)「現行プラスα」の面白さとか、送り手の試みが見える物があるか?

 別の言い方すると「時代を逆行しちゃっている物になっていないか?」ってことなんだけど。
 今更「3年前レベル」のものを提示されたって仕方ないしね。
 車に例えると「新車が出ました。デザインは新しいものですが、でも中身は全て3年前の新型機そのままです」なんて物に面白みを感じる? ってコト。


 大まかに言えばこういうコトかなあ。

 あと、「もうワンポイントとして、少し考える」のが

4)「そのキャラクターを伝えているか?」。

 それは「そのキャラ、作品を知っているひとにはもちろんだけれど、それを知らない人にも魅力や雰囲気が伝わるレベルの物」として。
 オレの場合、この「知らない人にも魅力を感じさせているか」というのは結構気にしています。
 時々フィギュアファンの間で「その作品を知らないのに、なんでそれのフィギュアの買うのか?」という議論が起きるんですが、オレの場合は
 「作品そのものの評価と、そのフィギュアそのものに対する評価は別物だから」
 という感じかなあ。
 作品・キャラ評価とフィギュアの評価は、少なくともオレは「=(イコール)」ではないです。
 フィギュアではないけど、それを言い出したら「『Zガンダム』のガンプラなんか、放送当時から今まで1個も買わない」ってことになるし。
 (極度に「大キライ」とまで思っている作品・キャラクターのにはさすがに手を出さないけどね。)

 ちなみにここでの「キャラ」とは、アニメやマンガの特定キャラクターのみならず「戦車」とかも含めています。
 例えば食玩『ワールドタンクミュージアム』が優れているのは、「この戦車はこういうカタチをしています」という”その戦車の外観のキモ”を、戦車を知らない人も伝えたことだと。


 意外かも知れませんが(こと、いわゆるキャラクターモデルという物に関しては)、オイラは「元の画(あるいは「本物」に)似ている・似ていない」ってのはクオリティのジャッジとしてはほとんど考慮しないです。
 多少、上の「もうワンポイント」と相反する考え方かも知れないけれど。
 もちろんそれは「極度に別物になっていない限り」という条件付きですけど。明らかに違う、記号すらもなぞっていない物なら、そのキャラクターの立体化である意味はないですから。
 早い話「あんまり似ていなくても、出来が良ければそれはそれで評価したい」と。


 この「似ている・似ていない」と1)の要素を巡る考え方って、ここ数年で「違う世代」が出現してきていることを最近痛感しています。
 「違う」っていうか、オレの世代のフィギュアファンからするとぶっちゃけ「ハァ?!」なんですけど。
 実はその辺が今回、こんな長いテキストを書いたキッカケでもあるんだけど。

 それがどのような「違い」かは最後に書きます。



 で、最近のガチャフィギュアを取り巻く「クオリティ」の状況としては、まあ確かにこの数年でガチャって尋常ではないクオリティアップをしてきました。
 その加速度たるやCPUのクロック数の上がり方なみです。(「先月1Ghzが出たのに、もう1.5Ghzが?!」みたいな。)

 K&Mなんか初期の頃からクオリティ高かったですけど、この2年くらいの間でもさらに上がって来ちゃっているのね。
 それは原型師が「あのサイズを作るポイントをわかってきた」こともあるのかもしれませんが、「中国の工場のクオリティアップをこちら側でコントロールし行ってきた」ことも大きいわけです。
 このへんを始め、「ガチャポンが中国工場でどのように作られているか?」は、興味ある人はあさのまさひこ氏の名著『海洋堂クロニクル』でも読まれるといいかと。

 海洋堂に関しては前回の『ちょびっツ』などでもさんざん書いたので割愛しますが。

 YUJINなんかもかなり上がってきました。
 特にこのメーカーは昨年のガチャ商品クオリティの上がり方は目を見はるものがありました。
 それまでも1作ごとに徐々にクオリティアップしていましたが、昨年はそのアップの指数が「1作につき2ステップくらいアップ」くらいの上がり方。
 現在の「女の子系ガチャフィギュア」ブームの先陣となったと言っても過言ではないだろう名シリーズ『To Heart』はリリース時にも抜きんでて出来が良かったですが、それから数年。
 昨年リリースされたゲームキャラのガチャ『SNKギャルズコレクション』あたりから素人目にも「おや?!」な感じになり、年末にリリースされた『ナムコギャルズコレクション3』ではサイズもこれまでより大きくなったり。
 塗装や造形の細かさものっぴきならないレベルになってきました。
 分割の仕方も尋常ではなくなってきましたが、その「細かい分割」が必要なだけのパーツの細かさ。
 また、PVC素材では曲がりやすい部品や、細かさ・硬度が必要なパーツへのプラスチックの導入や、「透明なパーツに裏から塗装してワインの入ったグラスを再現してみる」といった透明パーツの使い方の巧みさ。
 そして、ギャルガチャフィギュアでは前代未聞ともいえる「ブレスレットなどの再現に金属パーツを使用」。
 塗装も、新たな塗料を導入して「金属部分の光沢感」にものすごいものを再現しています。(他部分の塗装も、発色がひじょうに良い塗装がされていますが。)


※ 左手のブレスレットは金属製。ワイングラスが透明なのはこの画像でもわかりますね。


 ある意味「メーカー品による200円価格帯で出来ることの限界」に近づいている印象すらある商品でした。
(で、やっぱ限界だったのか、近々YUJINも300円価格になるんだってさ。とほほ。)

 オマケに付け加えておくと、造形が適度な「エロ」(つか「エッチな感じ」)なのもポイントでしたな。(これは「商品」としてはかなりデカいポイントだ)
 おかげでドカ回しする者が続出し、リリース直後に店頭から消えました。
(最近再販されました。)

 YUJINフィギュアガチャ全体のポイントとして(ドカ買いするマニアはとっくに知っていることですが)、首部分のジョイントを「基本的に同サイズで規格化」しているため「このゲームのキャラは知らないし思い入れもないけど、この出来の良いボディは頭部を大好きな○○に換装するのに使える」とかそういう使い道もあったりするわけです。
(ポーズの都合上、必ずしも全てにマッチングするわけではありませんが。)

 しかしこのメーカー。残念なことにガチャのクオリティの上がり方に反比例するかのように、上位商品である「SRDXシリーズ」という大型サイズのブリスターパック入りフィギュアのクオリティは昨年後半から目を見はる速度で下がってきており、急降下というかむしろ墜落? ファンからソッポ向かれ始めてます。
 『サイバーフォーミュラ』の「菅生あすか」など、そもそもなんで今更出すのかも不明ですが、出来も「腕のど真ん中に接合部があって継ぎ目そのまま」だとか、あきらかに考え方が5年近く前にさかのぼっちゃってます。(ガレージキットでもそんなのが許されていたのは10年以上前だよ…。)
 つか、最近のSRDXは「何で今更それ出すの?」がわからない物が多すぎ。

 また、「台座も凝っていた雑誌販売版の『藍より青し』は2000円なのに、台座がオザナリだった市販版は3500円」とか、基準がよくわからない定価の急激な上がり方も理解不能だし。
(このへんは系列のスプリングのブリスターシリーズも同様。)
 早い話「価格に見合わない」感じというか。


 んで対するメーカーがバンダイなワケですが…

 最近で言えばガチャのHGIF『セーラームーンワールド1』や『サクラ大戦』は出来が優れていました。
(ただ、正確にはバンダイガチャに関しては「バンダイが優れた物を作っている」のではなく、「バンダイが発注しているレイアップなどの原型製作会社が優れている」わけですが。)

 あ、ちなみにHGIFってのはバンダイのガチャシリーズ名で「ハイグレード・イマジネイション・フィギュア」の略です。

 万人が見て「出来がいい」と思える『セーラームーン1』。対して『サクラ大戦』はボディや服のシワ造形は実にハイレベル。流れる髪の表現なども見事だったんですが、メインのサクラとエリカの顔の造形にかなりクセがあり、評価がまっぷたつに分かれました。
 ただこれは「出来がいい・悪い」でまっぷたつなのではなく「その造形解釈が好きか・キライか」なんだけどね。オレはかなり高い評価だったんだけど。
 あ、「但し、シーだけは除く」と一応書いておきます。シーの顔造形は素人目にもひどかった。

 また昨年では、ゲーム『.hack』のガチャも出来がヨカッタですな。


 ところが、このバンダイというのが購買者としては困っちゃう部分も多々。

 最近のマスターグレードなどのガンプラはリリースするたびに超絶な工業製品になっており毎回驚かされるんですが、でもガチャはねえ…。(まあそもそも、同じバンダイでもガンプラとガチャポンでは担当している部署が全然違うわけですが。)

 なんでこのメーカーは「シリーズ商品でちょっと売れると、次からは手を抜いた物を平気で出す」んでしょ。
 まあなんつーんすか。「殿様商売体質」とでも言いますか。
(これでもそうとうソフトな書き方したつもりだ。購買者の受け取り方はもっと鬼のような評価だからな。)

 たとえば、前述のガチャ『セーラームーンワールド』第1弾は出来良かったんですよ。これは高い評価が出来たんですが、だけど第2弾では1つほど「あれ?」な造形のものが入ってきて…

 まあ第2弾はウリである「セーラーサターン」の出来は原型師のこだわりあふれる出来だったので、1つくらいなら「そういうこともあるか」とか温かい目をもてたんですが、第3弾ではアソートの半分が購入者ジャッジとしては「ハズレ」の造形。
 それは「アイテム選択が悪い」ってんじゃなくて、素人目にも「この造形はないだろ。デッサン狂ってるじゃん」ってことなんですが。
 「そういうこともあるか」という暖かい反応は一転「こんなことあるか?!」と怒りに。

 この第3弾ですでに第1弾のクオリティを維持していたのは「セーラーV」1アイテムといっても過言じゃない状態でした。
 「まこと」「ミストレス9」に至っては「なんじゃこりゃ?! 誰?」な感じに。

 んで第4弾が今度出ますけど…もうこれが…(涙)

 バンダイガチャはフィギュアだけではなくメイン商品である『ガンダム』ガチャなんかも「クオリティの上がら無さ」はひどいですよ。(アレに関しては「ひどい」って言い切りますよ、オレは。)
 これなんか完全に「独占版権物」で他社が出さないのわかってますからね。
 「買い手が自分のところしか選べない」っていうか。
 過去数年間でのクオリティアップの上昇率が、同社の他商品と比べても明らかに緩やか…ていうかほぼ「平行線」。
 「作品レベルを維持し続けている」と言えば聞こえはイイですが、早い話「全然進歩していない」。
 1年前の商品ですら、他社の4年前商品に劣るクオリティでしたし。
(まあ、ここ2シリーズほどで少しはマシになってきましたが、K&MやYUJIN商品に比べたら相当遅れています。)


 反面、系列会社のメガハウス製品(主に箱入りフィギュア)は出来のバラツキはちょっとあるんですが、飾るときの台座にこだわっていたり、パーツ換装によるコスチュームチェンジが出来たりと言ったように「プラスα」のお得感を出しています。



 「もう出るもの出尽くして市場が終わり始めている」とも言われているガチャ&箱フィギュア市場ですが、これから新たに参入してくる会社もあったりします。
 ガレージキットのコトブキヤも、近々LeafのPCエロゲー『うたわれるもの』の箱フィギュアをリリースしますし。
 先日、先ににリリースされたYUJINの箱フィギュア『Leafコレクション』にも『うたわれ』キャラが入っていたので、ガチャフィギュアファンは双方の出来の優劣を楽しみにしているわけですが。

 とまあ、「ガチャ(&箱入り)フィギュアの現状」は超大雑把に書くとこんな感じすかね。


【了】

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