ガチャポン 『エイケン』
2003/03/12


 というように、前回「現在までのガチャフィギュア最高峰の1つ」とまで感じた『ちょびっツ2』を取り上げたんだけど、コレが出た直後。同じムービックから驚天動地のガチャフィギュアがリリースされちゃったわけですよ。

 それが『エイケン』。

 まあアレですよ。連載開始時にあまりにもアレっぷりな絵柄と内容で一部にセンセーションを巻き起こした週刊少年チャンピオンに乗っている「奇形美少女(?)マンガ」ですよ。
 オイラも読んだときには意識がサクッと銀河中心点あたりまで飛びました。
 そのまま還って来れないかと思ったけど。

 知らない人のために書いておくと「小学生でバスト111cm」とかそんな女の子がわんさか出てきたり、胸を「ユッサユッサ」と激しい書き文字で揺らしたり、無駄にスクリーントーンがものすごい量使われていたり、説明のしようがないほどストーリーがなかったりする漫画です。(ギャグマンガらしいんですが、一般的には「フリークマンガ」としか言われてませんな。)

 ただもう「旬は過ぎてしまった」感は拭えないんだけどねー。
 コレの旬って「第1巻が出たとき」までだったと思うんですよ。
 第1巻が出たのが1年半前なんですが、その時には「怖いもの見たさ」というか「見せ物小屋を見に行く感覚」で結構多くの人(オレ含む)が買っちゃったんだけど、いかんせん中身が「50ページも読めばゲップが出るほどお腹いっぱいで飽きてくる」ものだったし。


 で、なぜかコレがビデオアニメになるってことで、それ合わせでガチャになっちゃりしたワケですが…


 コレがですね…『ちょび2』とは対極で、買ったものを絶望のどん底に落とし込むほどヒドイものなんすよ。




※『エイケン』からグレース(左)と、小萌(右)。
 小萌のスカート右前部が欠けているのは買ったときから。このへんの不良品具合がすでにヒドイね。



 どんくらいヒドイのか? っていうと…なんつーか…説明のしようがないくらいひどくて。
 1回まわしてみんな買うの止めちゃうのよ。
 しかもその1個すらあまりのヒドさに捨てちゃったりしてるから、この地上にコレをコンプした人っていないのカモ。それくらいヒドイ。

 2ちゃんねるのガチャスレなんか見てると面白かったですな。
 「どこそこの店に4個捨ててあったけど拾ってこなかった」とか。
 1回でも回したヤツが勇者扱いだし。
 「金払ってゴミを買った気分」と評した者もいたけど、外れていないと思います。コレ、はてしなく産業廃棄物ですよ。
 これに200円もの値段を付けた販売元の心意気は、すでに勇気ではなく無謀だとかなんだとか。


 何がそこまでヒドイのか?


 まずは「とにかく小さい」
 YUJINのガチャフィギュアは昨年末にベンダー機が売り切れにまでなった『ナムコギャルズコレクション3』とか、サイズを大きめにし始めている状況がある中で、そのご時世に逆行するかのごとく小さい。買った後の満足感が全然ないんですよ。

 どのくらい小さいのか? っていうと、ガチャファンではない人にもわかりやすいように、新旧いくつかの各社のガチャフィギュアを並べてみました。



 左から…
■YUJIN『SRナムコギャルズコレクション3』からアルテミス
 昨年末に出た新作ですが、サイズが他より一回り大きいのがわかります。
 無駄にエロいのは「オレが改造したから」ではなく、買ったときから。こういう商品だったからバカ売れ。(笑)
 これで従来通りの200円でしたから、お得感もひとしおです。
■YUJINの名作『SR To Heart』から委員長(私服)
 SRシリーズの従来品は、基本的に現在もこのサイズです。
■バンダイHGIF『.hack』。その『2』版からブラックローズ
 バンダイガシャの中では昨年造形評価の高かった一品です。
 隣の『SR To Heart』より小さく見えますが、こちらは台座がないからです。基本的な大きさはYUJINのSRとほぼ同じ。
■K&M『ちょびっツ2』から「ちぃ、雨の日」
 その高い造形力と塗装で大きさを勘違いしてしまいますが、実はSRやHGIFよりも小さかったりする。
■『エイケン』から小萌
 台座にのっていても、やっとこさHGIFのお腹あたり。


 いくらなんでも小さすぎだろ…。>エイケン
 「場所をとらないコンパクト設計」だとでも言いたいのだろうか?



 次のダメポイントは「塗装が下手」
 おまけに肌色部分も「肌色成型」なんじゃなくて「塗装」なんだよね。その肌色もものすごくへたくそな塗装だし。(もうこの段階で致命的だよなあ…。)




 ちょびっツ2と比べてみると…
 「現在最高の物と最悪な物」という、まるでビル・ゲイツの横にホームレスオヤジを連れてきて、2人のサイフの中を見せてもらうくらい鬼のような比較ですが…
 サイズの大小問題もあるけど、やはり「きれいな肌色」「フィギュア感」がかけ離れているのは見ての通り。


 「肌はPVC素材そのままがいいか? 塗装されているものがいいか?」 というのは購買者個々の嗜好にも左右されてしまうので難しいところではあるんだけど、現在は「肌は、肌色PVC素材で再現」というのが主流です。

※これについては次回のサブテキストで少し触れます。


 んで、この『エイケン』ではこの時代の流れに逆らって塗装ですよ。
 いや、「塗装だから悪い」んじゃなくて。塗装でも「それによってきれいに仕上がっている」ならOKなんだけど、「下手な塗装だからダメ」なわけだな。


 さらに、上記の「グレースと小萌」の画像を見てもらえばわかりますが、アイテムによって塗装のクオリティが全然違ったり。
 片方(小萌)は結構頑張っているんだけど、もう1つのアイテム(グレース)はお話になりません…とか。
 なんですかね、このバラつき。
 こういう部分も「どうか?」と思うんだけどね。
 小萌の塗装は(肌が塗装であることを除いて)大きさに対しては悪くはないと思うんですが、グレースはどうにも評価のしようもありませんな。



 大雑把にまとめを書くと
・「小さすぎて満足感という物とほど遠い」
・「塗装が下手」

 加えて、ある意味コレはこの商品の存在根本を否定することにもなってしまうんだけど…

・「アイテム選択そのもののミスチョイス」
 誰も出てほしいと思わなかったし、欲しいとも思わなかった。



 このアイテムがボロカスに言われているのはこの三点が大きいと思うんですが、それでもリリースを行った姿勢は、まさに時代の流れに逆らっているといえるでしょう。
 つか、そうまでして逆らった意味は何なんですかね?
 何か目的とか狙いとかあったんでしょうか。
 仮に目的や狙いがあったとしても、購買者の200円を巻き込んじゃうってのはどうか? と。理不尽理不尽。

 「ある晩。私の夢枕に現れた宇宙意志が『エイケン』のガチャ化を訴えてきたのです」
 とかそういう世界なんですかね。
 企画担当者の幼少期のものすごいトラウマに原因があるとか。猿にさらわれたことがあるとか、近所のおじさんから執拗な性的虐待を受けていたとか。



 で、人によってはコレら以外にもダメポイントに「造形の悪さ」を挙げる人もいるんですが。

 しかしオイラは造形については「この小ささで髪の毛をよくここまでモールドしたね」とか思うんですけどね。
 実際、冷静に考えればこのサイズでここまで作ってあるのはたいした物だと思うんですよ。
 フィギュアのデッサンやプロポーションが狂っているのは造形のせいじゃないですからね。(たぶん)
 原作の画がすでに狂ってますから。
 あのデッサンむちゃくちゃなマンガの画をよく立体化したなあ…とか。
 抽象人物画を立体化するようなもんですからね。
 そういう意味ではよくまあ忠実に立体化できたものだと。(コレはマジで感心してますよ、オレ。)
 匠ってんですか。そんな感じで。もちろんこの評価はあくまで「原型師」に対してであって、商品に対してでありませんが。
(結局、元キャラのむちゃくちゃさのせいで「原型が悪い」っていう評価をされてしまっているんじゃなかろーか? と。ちょっとかわいそうな気がします。>原型師)


 まあ、ここまでアレだと、ホントに原型師の腕が良いのか悪いのかも判別できないんで難しいんだけど…
(フォローにも何もなってねえや。)


 でも、そうは思ってもいかんせんその前に「なんでもっと大きく作らなかったの?」って気持ちの方が大きいんですよ。
 購買者として満足感を感じないっていいますか。。
 「この大きさでよく作ったなあ」とか少し感心はするんだけど、ソレってすでに「米粒によく文字を書けたなあ」とかに近いですしね。
 タミヤの「1/35人形コンテスト」じゃないんだから。
 ホント、なんでこんな小さく作ったのかね。


 まあ、このへんの造形物のツッコミどころわかっている人にとっては「しばらく馬鹿話のネタに出来る」とか「数ヶ月は見るだけで笑える」ものではあるんですが、おそらく大多数にとってはただのゴミですな。


 1回くらいは回してもイイかも。
 200円をドブに捨てる心意気は必要だけど。



 とか、つらつら書いていたらいくつか書き足りない情報があったんだけど、このテキスト中に書くと脱線するんで、それは次回にサブテキストで。


【了】

もどる