ガチャポン K&M『ちょびっツ2』
2003/03/11


 あー、春のガチャリリースラッシュになっております。
 悲喜こもごもです。(置き場とか)



 オイラのガチャ買い基本形は「フィギュア」なんですけど、中でもこの春、激しくショッキングだったのが今回取り上げる海洋堂K&Mの新作『ちょびっツ2』です。
 原作ではなくアニメ版からの立体化。

 K&Mは前作『エヴァ劇場版』から価格を300円に値上げしたので、今回の『ちょび2』も300円。
 その値段からリリース前はガチャファンの間で「その値段だと中古とかでセット買いだなあ。さすがに回すのはチョット…」とか言われていました。
 しかし蓋を開けてみれば…!!
 なんつーか「300円でも大満足!」というか「これが300円で買えちゃうのか!」というか。

 オレのヘタクソな写真で見せるのは気が引けるので、まずはK&Mのサイトの画像で確認してください。

★コレ。(K&Mのサイト)
http://www.animate.co.jp/animate/topics/cf/26/index.html



 画像見ると「ふーん」かもしれませんが、よく「発表されていた写真の出来は良かったのに、実物見たらショボーン…だった」ってのあるじゃないですか。

 ところがコレ、発表されている画像より実物の方が遙かにイイです。
 つか、あの造形のスゴサとか、実際の可愛らしさは1枚の画像だけでは伝わらないです。

 原型は『ちょび1』同様、近年の海洋堂美少女もの造形の中核となりつつある大嶋優木氏。(つか、受け手の評価としてはすでに「海洋堂美少女フィギュアはボーメより大嶋」になってますが。)



 このガチャ、リリース前から何かと話題ではありました。
 ホントならもっと早く出ていたんですが、直前にパーツ分割を細かくしすぎたこともあって、いくつかのアイテムが「半裸」あるいは「裸」になってしまうことが問題となり、それらを出荷前に接着することになってしまったんですな。
 とくに問題だったのは「琴子」。
 服が全部別パーツで、下が幼女の裸体なんだな。(^^;;)
 もちろんぱんつは履いてますが。

 そういうパーツは親の仇のようにものすごい接着がされてます。いや、試しに剥いてみましたけどね。
 運がいいと、手違いで接着されなかったヤツが出てくることもあるみたいですけど。


 で、遅れに遅れて出たんですけど、その出来は秀逸の一言。
 ちぃが傘をさしている「雨の日」というアイテムは、センス・造形力・仕上げ(塗装含む)の良さ。そして女の子フィギュアに不可欠な「可愛さ」の描き方などなどの総合力において、現在までのガチャフィギュアの中でも最高峰の一つだといえます。

 K&Mサイトの画像ではわからないですがこれはヴィネット形式になっていて、ちぃの後ろにはガードレールの一部があり、そこにはものすごくちっちゃなカタツムリがいたり。
 PVC素材では変形しやすい傘は、プラ製で雰囲気&安定感もバッチリ。
 実はここまでしっかりした傘が再現されたのは、ガチャアイテムとしては初めてだったりします。(YUJINの商品で過去にあることにはあったけど、ここまでしっかりはしてません。)

 また、ちぃはそのデザイン上、どうしても髪の毛のボリュームが大きくなり、この「雨の日」でも後方に流れた髪の毛がかなりの重量を持っているはずなんですけど、台座を含めて見事にバランスよく立ちます。



※うしろにカタツムリがいます。


 「おやすみ」は、枕元に劇中のキーアイテムでもある絵本『だれもいない町』が置かれていますが、表紙が劇中通りのものなんですよ。
 さすがにこれは人間による彩色ではなく、印刷だと思いますが。





 プロポーションバランス全体が、劇中のスレンダー(つか華奢)な感じよりも、多少頭身が大きめになっていますが、このへんは「海洋動的造形文脈」っていうか、このちっこいサイズにしたときの印象を効果的に出すための解釈でしょう。
 もしくは原型担当の大嶋氏ならではの「ロリポイント」というか。


 オイラもこれにはむちゃくちゃ感動してしまい、パソコンの上に飾ってあるんですが、大げさでも何でもなく「10分眺めていても飽きなかった」ですわ。


 ちなみに、パンツモールドの出来も過去ガチャのベスト1、2位を争うといえる細かさで、原型師の執念すら感じます。
(これ以外にオイラが「パンツモールド」を高く評価したのは昨年YUJINからリリースされた『SRアーケードゲーマーふぶき パッションパンティー発動編』の”ふぶき”ですね。)


※おそらくはマンガパンツ史における「金井たつお」くらいの意味があるであろう「しわの細かさ」が超絶のぱんつモールド。


 「300円はチョット…」とか言っていたガチャファンも、「こりゃ300円でも大満足だ!!」と一転してドカ回しに走ってます。
 実際オレも5000円ほど回しましたよ。




■ガチャと価格の満足感

 ただ、この現象を「そうか、300円でも売れるんだ。ならウチも…」とか他のメーカー(特にバンダイ)が勘違いすると困るんですよね。
 これはあくまで「300円でもオツリが来るくらいの満足なクオリティだったからこそ」であって、バンダイの『セーラームーンワールド3』とか、今度出る『4』レベルの出来でこの値段だったら「ナメんな」っていうか、誰も買わないですよ。
(『4』は発表された画像を見るだけでスルー気味だったんですが、先行で買った人の画像を見たらスルー確定しました。ひどすぎ。)


 食玩やブラインドボックス商品(いわゆる「箱入りフィギュア」)なんかもそうなんですが「300円」ってのは完全に「マニア狙いの値段」なんですね。
 別の言い方すると「イチゲンの濃くない人はよっぽどでないと手を出さない」価格設定。
 ブラインドボックス商品のほとんどがこの価格帯なのもマニアをターゲットにした商品だからなんですが。
 なので昨年スプリングが出した『月姫』(500円)だとかのゲームキャラクター物が商品として成立するんですが、いかんせん売れる上限が低いために価格がどうしても300円以上になってしまう。
 しかも「マニア狙い」で目が肥えている人が相手ですから、それなりのクオリティ持ってないとキツイんですよ。
 『SFビークル』『謎の円盤UFO』といったコナミの食玩が売れたのもあのクオリティあればこそですから。
 もしくはよほどの「満足感」がある内容になっているとかね。

 「満足感」は、前述の『SFビークル』や、一昨年、よりにもよってピープロのヒーローを食玩にした『超人ヒーロー伝説』のような「これまでどこも商品化してこなかったような物」が出た!! というコトであるとかもありますが、ストレートに「お得感があるか・ないか?」とかも含まれます。

 例えば、YUJINがリリースしているブラインドボックス商品『天使のしっぽ』(500円)は、出来はいいんですけど内容が「500円に見合わない。250円くらいなら…」というもので微妙でした。
 反面、同社の同じくブラインドボックス商品である『Leafコレクション』(500円)フィギュアシリーズは「換装用のボディがおまけで入っている」という部分でお得感というか満足感があったり。
 (ただ、この価格設定はメーカーサイドにとっては微妙なラインらしく『天ぽ』が「オール彩色版。クリア混入無し」だったのに対し、『Leaf』はクリア混入があったり…。ムズカシイですね。)



 「マニア以外」にも売ろうと思ったら価格の上限って「250円」くらいなんです。
 この価格帯だと「一般層なんだけど、ちょっと(そのアイテムに)興味がある」とかいう人がターゲットになり、「(一般目線でも)あ、出来がいいなと感じさせる」クラスの物が売れます。
 最近の商品だと『アリスのティーパーティー』(200円)とか、『アルプスの少女ハイジ とろけるチーズのプチパン』(300円)とか。
 バンダイ食玩の価格設定を考えると「そうかあ?」と思われる方もいるかと思いますが、まああそこは「現行人気キャラクター版権」を使いまくった殿様商売なので、他社との比較はいまいち成立しません。

 わかりやすい例えをすると海洋堂の『ワールドタンクミュージアム』(250円)はマニア層以外もとりこんで大ヒットしましたが、同じ1/144サイズの戦車シリーズである童友社(ドラゴンモデル)の『マイクロアーマー』(380円)は、その販売している店の少なさを考えてもマニア層にしか売れていない…とかそういうことです。
(この2アイテムは、同じティーガーを作るにしても海洋堂とドラゴンモデルの「造形ポイントの違い」が見えるので比較としても面白いですけどね。双方すばらしい出来ですが。)


 んで、あきらかに「一般(子供とか)狙い」の場合は180円以下です。
 『チョコエッグ』とか『チョコQ』とか『ハムスターズランチビスケット』とか。(全て150円)
 『ビックリマンチョコ』なんか100円以下ですしね。


 『エヴァ劇場版』以降のK&Mの300円化ってのは、そのクオリティにリリース側が圧倒的な自信を持っているからこそ設定可能なのであって、「他社がこれまで通りのクオリティで同じことをやって購買者から受け入れられる」ものじゃないんですな。
 バンダイも昨年『サンライズイマジネーション』というサンライズアニメのヴィネット風ガチャを300円で出してますけど。これはまあボリュームが通常ガチャの倍以上あったから許されたという感じで、いまだに数年前の『エヴァHG』に毛が生えた程度のクオリティである現行の『ガンダム』や、「時々傑作がある」というレベルの”当たり判定の少なさ”であるHGIFを300円にしたらキツいですね。(「購買者が」ではなく「売れ行き」が。)


 いやもー『ちょび2』はマジで一見の価値があるものなので1回くらいは回してもいいんじゃないかと。
 実際、これよりはるかに出来の悪い完成品フィギュアなのに「定価ウン千円」なんてものはゴロゴロありますし。まあ、海洋堂の狙いはそういう粗悪品へのカウンターな訳ですが。
 それでも「300円…」という人にはこの商品は箱入りのものも出ていて、こちらは店によっては260円くらいで買えます。(内容は同じです。)


 あ、細かいマメ情報ですが、"ちぃ「雨の日」""ちぃ「おやすみ」""白ちぃ""黒ちぃ"の4つは、フェイス部のはめ込み用ダボ穴が同じ大きさに統一されているので、フェイス部だけを別のものと交換できてしまったりもします。
 こういう風に遊べる余地があるのはいいですね。
 プラスアルファなお得感といいますか。



 とか何とか考えつつ「ガチャはここまで来た!」と『ちょび2』を見ながら思っていたんですが、そのとき、時代に逆行するスゴイ奴が現れました。


【つづく】

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