02年第1半期のTV表・3
2002/02/16


 前回の続きです。
 ちょっと今回長いです。


■木曜日

★『おねがい☆ティーチャー』

 女教師!! 年上お姉さん!! 巨乳!! 宇宙人!! 人妻!!
 いやもー、サイコー!!!!
 マジで。
 オレの頭の中の嗜好を覗かれたような感じ。

 近未来。ある地方の町の学校に赴任してきた美人先生は実は宇宙人。
 正体を知ってしまった少年(生徒)と、秘密を隠すために「夫婦」ってことになる…って話。(なんで秘密を隠すのに夫婦になる必要が? というと、まあ、いろいろ展開がありまして、ウソにウソを重ねた結果そうならざるをえなくなってしまいます。)

 なんかほとんど「そのままエロゲーにできそう」な設定…というか「エロゲーが原作」と言われても信じてしまいそうです。
 つか、「出てないんだったら今すぐエロゲーにしてくれよ!!」って感じ。(買うよ。オレは。)

 主人公少年はメガネ・病弱・色白で、こちらはこちらで大きなお姉さん達のハートを掴みそうです。

 こう書くと「あざとい、売れそうな記号だけで構成された、中身はなさそうな作品」な感じがしますが、黒田洋介さんのシナリオはそれをさりげによい物語でキチンと見せてくれます。
 このへんがやっぱこの人の上手いところだと思うよ。オレは。
 このデタラメとも思える「設定先行型」の物語を、デタラメにしてしまうのではなく、ちゃんと真面目に描いています。

 その「真面目さ」は、「お色気シーン」をただのサービスカットで終わらせずに、「高校生」という世代を描くポイントとしても使ったり、直接的ではありませんがセックスにまつわるニュアンスのセリフなどが用いられていることなどからも伺えます。


 この作品は一言で語ると(ヒロインが宇宙人だという問題はあるが)『おくさまは18歳』の逆パターン。(校長は知っている。だけど周囲に知られちゃダメ…とかも)
 …なんだけど、最近つらつら思い返すに、『おくさま』ってテンポもドタバタも面白かったけど、性格がスレた年齢になると「あんな若い奥さんいたら、毎晩大変だよネ」とか「あの設定から誰もが妄想する性的なエピソードがほとんど無かったような気がする」ってのがミョーに気になってきていまして。
 お色気シーンとか全然記憶にないんですよね。(別に岡崎友紀のお色気シーンを見たかったとか言うことではなく)

 ちなみに『おくさま〜』の脚本はこれまたオレが尊敬する脚本家の1人、佐々木守先生ですが。

 で、『おねティ』ではキチンとと言いますか、主人公が高校生らしい「お色気を意識しちゃうシーン」なんかも随所にあります。
 さらにこの作品は、前述の『おくさま〜』などのドタバタ物に終始しそうな設定でありながら、あくまでも「恋愛が進んでいくドラマ」です。
 「青春物」ってのをやりたいんであれば、お色気も性的な描写を連想させるセリフもムリに入れる必要はないと思います。
 だけど、やろうとしていることが「高校生以上をターゲットにした恋愛物」である以上、そういう描写が組み込まれることは変ではありません。

 今どきの高校生ターゲットの作品で「あの設定、あの人間関係図の中で、そのへんを描かない」ってのは、ファンタジーにしかなりません。
 「ファンタジー」って言い方が適切でないとしたら「ドタバタとして面白いし、萌え指数は高い作品かも知れないけど、見る側のココロに来るさりげな現実感」ってのは欠如しちゃう。
 前述の『おくさま〜』や『うる星やつら』を思い返して貰えばわかりやすい。面白いし笑えるけど、現実感って物は全くない。しかしこれらの作品は「コメディ」だからそれがOKなわけですが、「コメディではなく、コミカルな要素も入れている」という『おねティ』の場合、それ「だけ」をやったらただの空疎な作品になってしまうわけです。

 『ガンダム』以降、アニメのターゲットが高くなってきたのは事実です。
 高校生以上をターゲットにした作品など、今では珍しくはありません。
 しかし、それらの中で「これは高校生以上をターゲットにした恋愛物です」とうたっておきながら、ただドタバタに終始するだけで恋愛も何も描いてこなかった「ウソッパチ」・「そのへんを避けていた」作品が多かったことは大きな違和感でした。
 というか、だから「アニメはお子さま向けだとか言われちゃう」原因の一つなんじゃないかなーとすら思ってます。
 もちろん積極的にバンバン描けってことじゃないけど、「強引に描かない」ことが違和感やリアルさの欠如を生み出すことがあるのも事実です。
(だからって青年マンガ誌によくあるような「ヤルことしか考えていない青春」ってのはどうよ? とは思いますけどね。「恋と行為は切っても切れない物です」とか言われても、なんか「オマエ、それはヤリたい言い訳として恋を方便に使ってるんじゃん?」みたいな感じがしてしまって。まあ、そういうのはつまるところ描き手が下手くそだとか、そういう生き方してきたことの反映なんでしょうけど。)


 実写ドラマに目を向ければ、「高校生以上をターゲットにしている、別に恋愛が主軸ではない実写ドラマ」では、そういう描写はセリフはもはや日常です。
 「アニメだけが遅れてきた」ってのがオレの意見です。(いや、もちろんそういうことも含めてキチンと恋愛を描いてきたアニメもありますけどね。)

 この作品に出ているのは宇宙人だったりナゾの病気を抱えていたりはするけれど、だけどあくまで「それ以前に普通の女性(&女の子)であり男の子」なわけですな。
 そういうものを見せるポイントとして、上手くお色気が使われているよなあとは思います。

 考えてみれば黒田シナリオ作品では「性的な描写」、もしくはそれが行われたことを連想させるセリフなどを使うことが多いです。
 シナリオや小説でよく使われる「行間を読め!」じゃないですが、『リヴァイアス』なんかはそのセリフがオンパレードです。
 もしかすると黒田にとっては「その世代を描く」にあたって「当たり前の要素」なのかもしれません。

 プレイしてくれた人にしかわからない例えだけど、PSゲーム『キャプテン・ラヴ』の「上遠野シナリオ」で「そういうニュアンスを含めた描写」があったことは、オレは原作者って立場を越えて高く評価しましたし。
 うん、それに近いかな。

 そいや、偶然なのかどうかわかりませんが、黒田シナリオ作品って『おねティ』のように「年上お姉さんと年下少年」ってカップリングの作品が多いですね。
 『リスキー&セフティ』もそうだったし。(男の子は小学生ショタっ子美少年)
 『デュアル! パラレルンルン物語』も「年上の先輩と後輩男子」だったし。


★『3年B組金八先生』

 前回「第5シリーズ」から続いている部分(テーマ的にも)がひじょうに多いので、もしかするとこの第6シリーズだけで語るのは違うのかも。
 クライマックスが近くなっていますが、「第6シリーズ」っていうより「第5シリーズの続編」というニュアンスが強い作品だと思います。
 特に幸作側の物語は第5シリーズを見ていない人には全くわからないと思います。(兼末健次郎がなぜあそこまで幸作を大事に思っているのかとかね。)


 盛り込みすぎとも思えるくらい濃厚な設定と、これまでの『金八』ではあまり登場しなかった「かなり特別な状況に置かれている子供」が出てくるので、その部分では賛否分かれるところ。(金八は彼らを「特別な子供」にはしたくないから奮闘しているわけですが)

 なので正当な評価は、終わってみないとわからんですね。

 来週(2月21日)放送回では、ついに今シリーズのキーキャラクターの爆弾が爆発の模様。
 姉が集団暴行・殺害され、教師だった父が「それを見ていた」生徒を刺殺して服役中という成迫くんに関しては、転校当初は回り全てを拒絶していたにも関わらず、ここに至るまでにじっくりと「クラスにうちとけていく様子」を描いていただけに、オレ的には号泣の予感…。
(最近の「成迫が笑うようになった」ってだけでも、オレはもうダメなんですよ。涙滲んじゃって。)

 もう1人の爆弾である「性同一性障害らしい」女生徒・鶴本直は、なんかヤオイ系女性にも人気があるようです。(それはそれで「性同一性障害」ってのを相当勘違いして受け止めているような気がするが…)

 上手いなあと思うのは「性同一性障害」ってのを通して、本来の物語以外に「本当の自分探し(に悩む)」という物語を見せているところですね。

 最近の若者の間によくあるじゃないですか。そういうの。
 オレなんかは「本当の自分」ってのはナニよ? っていうか、そもそもそんなんがホントにあるのか? ってところに疑問もっているんですが。
 仮に「本当の自分」ってのが在るとしてさ、んじゃソレを見つけたからって今より幸せになる(もしくは不幸じゃなくなる)なんて限らないわけだし。
 本屋とか行くと、とりあえず「本当の自分を見つけてナントカ…」みたいな本がやけに売っていたり、自己啓発セミナーだとかありますが、そういうのがオレにはすごくウサンクサく思えて仕方ないのは、そのへんの「?」について考える余地を入れていなかったところなんだろうなァ…とか思ったり。
 でまあ、今回の『金八』ではセリフの端々などに、そういう「?」についても上手く入れているよな、とか。

 とりあえずもうすぐ終わりです。
 最後まで見届けたいですね。


■金曜日

『木更津キャッツアイ』

脚本:宮藤官九郎
出演:岡田准一、桜井翔、酒井若菜、塚本高史、佐藤隆太、岡田義徳、阿部サダヲ、古田新太、森下愛子、小日向文世、薬師丸ひろ子 ほか

 シナリオが『池袋ウェストゲートパーク』『ロケットボーイ』、映画『GO』などで注目されている宮藤官九郎です。

 なんというか…説明が難しいなあ…。
 病気で余命いくばくもない主人公が、野球仲間らと「怪盗団」を作るんですが…。

 ブラピの出た『スナッチ』や、クエンティン・タランティーノの映画を観た人ならわかると思うけど、TVドラマとしては非常に珍しい「ああいう感じ」の作りなので、見ないとわからないし、説明が難しいです。

 好き嫌いが露骨に分かれるドラマだと思います。(タランティーノ映画が好きな人はOKかと)


★『トリック2』

脚本:蒔田光司 ほか
出演:仲間由紀恵、阿部寛、野際陽子、生瀬勝久、前原一輝

 演出が堤幸彦ですが…
 なんか…『1』よりも悪ノリばかりが強くなっていて…。(生瀬のヅラがパワーアップしているとか…)
 いや、見ている分には面白いんですが…。

 この人、本当に「ストーリー」については頓着も思い入れもないのだなあ…と思います。
 ただ、キャラクターを立たせることは上手いんだよね。
 あと、『ケイゾク』『IWGP』『トリック』などを見ていると、「人間は基本的に悪意がある」ことが描かれている描写が凄く多い。
 「善意」が事件を解決するけど、「悪意」が最後に残る…というような。
 『トリック1』だと、「千里眼の超能力」を使って詐欺を働いている男の話とかさ。

 2月15日の回では、シナリオが平成『ウルトラマン』シリーズを書かれていた太田愛さんでした。ビックリ。


■日曜日

★『仮面ライダー龍騎』

脚本:小林靖子

 第2話まで見た感じでは「スタートの引きつけはOK!!」って感じです。
 明らかにスポンサーの都合である「カードバトル要素」とか、いろいろ盛り込んでいくのは大変だと思うのだけど、基本的なストーリー部分の引きつけ方が上手いです。

 今回、すでに明らかにされているだけで「13人のライダー」が登場するそうですが。
 OPを見ると顔は隠されていますが、どうやら「女性仮面ライダー」や「子供仮面ライダー」「オッサン仮面ライダー」も出現するようです。

 ただ、第2話まで見た感じでは『仮面ライダー』とタイトルされており、作中でも『クウガ』『アギト』では使われなかった「仮面ライダー」という単語が使われていますが、その作品コンセプトは『仮面ライダー』とは異なる物になりそうな気配。
 もしかすると、『仮面ライダー』の名前は付いているけど、全く新しい特撮ヒーロー物になる可能性も大です。
(まあ、そうなったとしてもオレはいいです。この番組自体立ち上げ時にいろいろあったのは噂で聞こえてきていますから、「そうなっても不思議はない」って感じかな。)

 東映の公式サイトに書かれているキャッチコピーは
「戦え ライダーを倒せ 宿命の13人 生き残れるのはただ一人」

 なんか『ハイランダー』を連想しちゃうんですが…。(^^;;)

 とりあえず、超期待です。(シナリオが小林靖子さんだしね。)


『ギャラクシーエンジェル』

 最後の感想紹介はコレです。
 『七人のナナ』感想の最後に書いた「ボロカスに書いた『ナナ』よりも、もっとヒドい作品」。それがコレだ!!

 CMでは「『カードキャプターさくら』のスタッフが作ってます」みたいのが売り文句のようですが…
 第1話なのに、キャラクターについても物語設定についても、なぁ〜んにも説明ナシ!!
 説明って言うか、ソレを視聴者に伝える描写もナシ!!

 よく知りませんが、どうやらビデオ版だかCS版だかがあって、「それを見ていることが前提」のようです。
 そんなんアリかよ、おい。
 見ていてサッパリわかりません。
 実況掲示板などを見ていても、全然付いていけずに困惑している人多数。

 第2話でも当然のように「任務が…」とかいうセリフがやたらと出て来るんですが、全然説明がないから「いや、そもそもオメーらの任務ってのは何なんだよ。まずはそこをハッキリさせようや!!」って感じです。

 オレも「?????」となりながら見続けていましたが、そもそもコレの中身には起承転結らしき物も序破急らしき物も存在していない。
 オモイツキバッタリで、ただ展開して行き、気が付いたらオチらしいオチもなく終わっているという…
 ギャグらしき物がいっぱい入っていたけど、全部カラ滑り。どこでどう笑えばいいのかワカラン。つか、笑える物なのかどうかも不明。つかつか、そもそもアレは本当にギャグだったのか?
 今時「○○ですぅ〜」みたいなしゃべり方の主人公にも(見ているオレが)赤面だが、主人公チームのキャラクターがやたらといるワリには「誰一人としてキャラが立っていない」のも見事! としか言いようがない。(自慢じゃないが、見終わって5分後にはすでに全く記憶から消えていた。これは決して「オレが物忘れヒドイ」って理由ではないと思う。)

 声優もヘタだし、何よりアニメとして致命的なのが「作画がヘタレな上に、とにかく動かねぇ」ってことでしょうか。

 とにかくダメダメのオンパレード。
 なんか、ものすごく不条理な物を見せられた気分だ。
 一体この番組は何がやりたかったのだ?

 いや…もしかして、ただ単にオレが、若者向け作品を理解できないオッサンになってしまっただけなのか?

 『七人のナナ』の感想をボロカスに書いたけど、「第1話の在り方」としては『七人のナナ』以下。
 コレを見た後では『ナナ』が面白かったような気がしてしまうから、まさにミラクルだ。
 最低以下の最低。
 一言で言えば「論外」。Out of 眼中。
 会議の席だったら「まあ、雑談はそのくらいにしておいて、本題に戻ると…」と、「さらっと流されちゃう」作品。(そんなモンの企画がナゼ通っているのかが理解できねぇ)
 見る価値ナシ。
 ゴミ。
 産廃。
 カラーバー放送された方がマシだ。

 つか、「汁で顔洗って出直してこい!」って感じ。

 なんでこんなんが放送OKで、良作だった『コメットさん☆』が打ち切られたのか?
 とても(それはもう心の底から。超絶的に。真紀子更迭よりも)ナットクいかねぇ…

 友人からの情報では、先日行われたコメットさんオンリー同人誌即売会では、
「ねえみんな、ホントにアレ(『ギャラクシーエンジェル』)で納得できてる?」
 …というのが合い言葉のように囁かれていたそうです。
 そりゃそーだろ…。

 一見の価値はあるヒドさです。


【了】

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