33歳児の地図
2001/05/18


 このサイトも今週、ついに30000ヒットとなりました。
 お越しくださる皆さん、ありがとうございます。

 ついでに書くと、この「オカノ通信」のコンテンツも前回でトータル100回目でした。
 よくそんなにワケわかんないことを書いているモンだ。(^^;;)


★『クレヨンしんちゃん』感想追記

 前回書き忘れたこととか、見終わって数日考えていて思ったこととかです。

 前回のを読み返していたら、もしかするとコレは大事なことなのかもしれないけど、書いてなかったや…っていうのが、実はオレ、『クレヨンしんちゃん』ってほとんど見たこと無いんですよ。(あらまあ)
 TVは数回たまたま見ただけで、映画版に至っては今回が初めて。
 なので実は、脇役とかのキャラクターの名前とかは知らなかったり。
 だけどオイラはこの映画をかなり気に入って、たぶん(というか間違いなく)今年の映画のベストに入れると思います。
 どんくらい気に入っているのかというと、最近、数カ所で言ったり書いたりしたことなんですけど、ちょうど今『ハンニバル』がヒットしているじゃないですか。
 で、『ハンニバル』の僕の映画としての評価ってのは少し前にここに書いたとおりなんですけど…

「『ハンニバル』に行く時間とお金があったら『クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲』を観た方が遙かに有意義で得る物がある!『ハンニバル』は時間とお金の無駄だったけど、『しんちゃん』はお金と時間以上の物をくれた!」

 まあ、比較対照としてムチャな2本ではあるんだけど。(^^;;)

 で、見終わって数日考えていて、一昨年に公開された『ホーホケキョ となりの山田君』が「いかにダメな作品だったか」ってのを強烈に感じ始めていて…(^^;;)
 『山田君』っていうか、高畑勲なのかなあ。ダメなのは。
 そもそも、オレはこの人の作品って『じゃりんこチエ』で終わってると思ってるんですが。
 なんか、うまくまとまっていないんで感覚的な直感的な部分で書いちゃうんだけど、『山田君』と今回の映画『クレヨンしんちゃん』ってテーマ的にダブっている部分あるような気がするんです。
 だけど高畑って、そういうテーマをインテリくさい説教でしか描けないんだよね。
 『山田君』って観たときから思ったけど、「なんでこんなにインテリくさい説教映画なんだろう」って思った。
 しかも製作費23億円ですよ。23億。バカいえって感じ。
 たぶん、『クレヨンしんちゃん』なら7本くらい作れるんじゃないでしょうか?(^^;;)
 『クレヨンしんちゃん』はいろいろ思ってしまうことをドタバタの愉快な「マンガ映画」でキチンと(23億も使わずに)描いたことを高く評価したいです。

 この『クレヨンしんちゃん』って、対オトナ(30代前半以上)にとっては、もう郷愁の固まりみたいなモンで、その部分がまずはとにかくタマンナイんですが、「でも20代中盤以下とかの若い人にはどうなんだろう?」ってのが引っかかり続けていたんで、オレはなんか勧めづらかったのも事実。
 だって、その年齢であの風景や出てくる物とかが「懐かしい」はないでしょう。「記号としての懐かしさ」はわかるかもしれないけど、それはオレらが感じた「郷愁」とは異なる物でしょうし。

 ネットとかでも声高に評価しているのって、書いている記述からどー考えても「オレと同年代以上」の世代ばっかだったし。
 で、この作品を評価している人って以下の3種に分けられると思ったんです。

1)前回書いたような60年頃から70年代中盤くらい生まれの世代。
  「大阪万博体験」ある人はモロにヒッツ。
2)本来のターゲットである子供層。
3)劇中のしんのすけとか、あれくらいの年齢の子供のいる「親」。

 で、こう考えていくと、オレの中でものすごくわからなかったのが、上記の中でスッポリと抜け落ちている世代はどう受け止めたのか?ってことなんです。
 具体的に言えば、今の10代中盤から20代中盤くらいの人たちはアレを観てどう思ったんだろう?
 70年代中盤以降生まれとか80年代生まれだとか、そういう「21世紀が“未来”ではない世代」。

 なので周囲でも自分と同年代以上の人にしか勧めていなかったんですが(もし若者に勧めて「ワカラン!」と言われたら歳くった自分の再確認にしかならないんでイヤだなあ…と。 ^^;;)、最近いろんな人から聞こえてきた話からすると、そういう郷愁かどうかはともかくとして、僕らより下の世代にも「良い作品」として評価されたようで、それはそれでおそらく彼らの世代でしか感じ取れない(僕らの世代では感じられない・気づけない)良い部分がある作品だということなんでしょう。

 本来のターゲットであるガキはもちろんですが、「郷愁」という味付けゆえに特定の世代以上にしか感動できない作品であれば、オレ評価は「名作」でも映画史において名作たりえはしないんじゃないか?と思っていたんですが、やっぱコレはオールラウンドな世代が楽しめる名作ですね。

 前述のように、オイラは他の『クレヨンしんちゃん』を観ていないので、原監督の評価はまだ「不能」です。
 もちろん、この作品だけで評価するなら「OK!OKよ!」なんですが、監督として彼がホントにスゴイのかどうか。この『オトナ帝国』が偶然作でないのかどうかは次回以降の作品を楽しみにしていこうと思ってます。
 超期待ッスね。
(※19日追記
 これは『クレヨンしんちゃん』の次回作…ということではなく、「それ以外の作品」でということです。『クレヨン〜』なら原監督はすでに数作担当していますから。)


 でもまあ、映画ファンを自称していながら相変わらずアニメだからとかそういう理由で観ていない人も多いわけで(だけどそういうヤツに限って宮崎作品だけは観に行くから腹立つんだけどさ)、なんつーんすかね…。
 たぶん今、映画ファンには2種類の人間がいて、それは『オトナ帝国の逆襲』を観たヤツと観てないヤツだと思ってるんですけど。(^^)



★で、これも郷愁なのかどうなのか…。

 今週、新潮社から『コミックバンチ』という新コミック週刊誌が創刊されました。
 この雑誌、何がスゴイってその作品ラインナップ。
★『蒼天の拳』
 『北斗の拳』のケンシロウの叔父にあたる主人公・拳志郎(リュウケンの兄)が第2次大戦頃を舞台に北斗神拳で大暴れする…らしい。
 描いてるのはもちろん原哲夫。
★『エンジェルハート』
 『シティハンター』と同じ作品世界で、大陸の組織の凄腕殺し屋少女(15歳)が活躍するアクションもの…みたいだ。

 他にも『よろしくメカドック』を描いていた次原隆二が相変わらず車物描いているとか、今泉伸司が描いているとか。
 さらに来週からはこせきこうじが、あの『山下たろーくん』のその後を描く『大失業中再就職活動 山下たろーくん』とかいうのを開始。
 『THE モモタロウ』のにわのまこともプロレスマンガをスタート!!

 ………………『キン肉マン2世』とか『リングにかけろ2』とかがこれに載っていないのが不思議になるラインナップです。

 しかも、集英社じゃないんですよ。前述のように新潮社発行。
 そもそもどういう経緯で新潮社が週刊マンガ誌に参入したのかがよくわからないし、雑誌の中身よりその部分が一番興味深いんだけど、悪い言い方すれば作り手(編集サイド)のプライドを感じるラインナップではないですね。
 しかも…なんちゅーか…全部「賞味期限切れ」の印象が拭えないし。(-_-;;)
 つーか、ジャンプ作品の墓場ですか?これは…。


 なんかねー、以前『平成まいっちんぐマチコ先生』を載せた『コミックGON!』とか、『奇面組』『750ライダー』『ど根性ガエル』を載せた『コミックフィギュア王』を彷彿とさせるんですが、そういう本と違って「昔の作品へのリスペクト」だとか「一種のシャレ」じゃなくて、どーやら「マジくさい」あたりが厄介なんだよね…この雑誌…。(-_-;;)
 元ジャンプ(黄金期)の編集者とかを大量流入させて、その再現だか復活だかを目論んでいるのかどうなのか…

 もちろん他の、過去作品の続編とかそういうのではないマンガも多数載ってるんですが、看板にしているのはこういう作品群なワケです。
 でまあ、読んで貰えばわかるんですけど…これらの看板(特に『蒼天』と『エンジェル』)が……モノの見事に面白くないんですよ。

 『蒼天の拳』も、さりげにポイントは武論尊先生が「原作」ではなく「監修」でクレジットされているって所でしょう。
 たぶん、『北斗』の原作だったからクレジットしなくちゃマズイんだろうけど、たぶんコレに関しては何も書いてないんじゃないかと思われます。(映画『リーサルウェポン』シリーズが2・3・4作目にも1作目のシナリオを書いた「シェーン・ブラックが創作したキャラクターに基づく」ってクレジットされているのと同じではないかと)
 なんかね、ノリが悪いって言うか、『北斗』の時のような燃える感じがないんですよ。少なくともオレは。
 主人公が北斗神拳を使うあたりの感情の高ぶらせ方っていうのかな。盛り上げ方がとにかく弱くて。
 「え?それでもう殺しちゃうんですか?!」って驚きはありましたけどね。
 そんな驚きはいらないです。
 殺されるヤツもたまらないですね。


 で、もっと問題なのが『エンジェルハート』
 はやくも「2ちゃんねる」とかではバッシングスレッド出来てるみたいですけど。

 以下、「どういう話か?」(ネタバレ)を書いてしまうんで、まだ未読で読むつもりの人は飛ばしてください。











 主人公は大陸の組織で、幼少時より『シュリ』のオープニングと『バトルロワイアル』を合わせたような壮絶な殺人訓練を受けてきた女殺し屋。
 ところが彼女は、自分が「殺し」をする事以外に何もないことに耐えられなくなり、『クライング・フリーマン』みたいに泣いたと思ったら自由を求めて自殺をはかってしまう。
 だが、心臓を鉄柵で貫いたはずの彼女は、組織によって心臓移植を受けて一命を取り留めてしまう。(組織は鍛え上げてきた最優秀の殺し屋を失いたくないので)
 この移植に使われた心臓は、運搬中の移植用心臓を盗んだ物だったのだが、しかし、彼女は手術から1年を経ても意識を取り戻さない。どうやら自分で自分の精神を閉じこめてしまっているらしい。(ここで彼女が実はまだ15歳であることが明かされます)
 一方、日本・新宿。
 『シティハンター』の主人公だったリョウちゃんと冴子が登場。
 香ちゃんはいません。
 2人の会話から、どうやら前述の盗まれた移植用の心臓が「香の物であった」ようなことが語られ、リョウはその心臓を持つ者がいつかこの新宿に戻ってくるのではないかと待っていることが明らかに。


 えー、バッシング喰らっているポイントを簡単に書けば、「でも香さんはもう…」とかいう冴子のセリフとか何だとかから、「どうやら『シティハンター』で、あんなダラダラと長く連載を続けた末にやっとリョウとくっついた香が、よくわかんないけど死んじゃっているらしい」ってところですね。
 オイラ、『シティハンター』には何の思い入れもないんだけど、それでもアレにはちょっとビックリしました。


 方法論として「無しではない」とは思うし、まだ第1話だし、含みのあるセリフで誤魔化してはいるんで、もしかしたら…

 実はあの心臓は香ちゃんのものではなく「香ちゃんに移植されるはずの物」で、香は人工心肺かなんかで肉体的にはまだ生きていて、リョウちゃんはそのために心臓を取り戻そうとしている…

 …とかいう展開になる可能性も捨てきれないワケですが(でもそんな可能性は薄ですか)、それでも、あの第1話はヘタだと思います。話の見せ方が凄くヘタ。(「元々北条司のストーリーテリングが上手かったのか?」っとも言えるけど。 ^^)
 そもそも、第1話の展開で「シティハンターの続編的なニュアンスでこの新連載を始めたことの必然性」が何も提示されていないし。

 具体的にどう言うことか?というと、明らかにこの企画は「シティハンターファンが読むことを前提にしている」企画なわけです。
 だから「冴羽僚(←あの「りょう」って字、ATOKで出ないぞ)」が出ているわけだ。
 ところが、この第1話って「なんでシティーハンターと世界を繋げているのか」が全ッ然わからない。
 「わからない」っていうか、少なくともオレは必然を感じなかったです。
 組織の女殺し屋だけでいいじゃんっていうか。

 別の言い方すれば、リョウちゃんを出した時点で「これはこれで独立した別の作品なんだ。」ってのは通用しないと思うんですよ。いくら北条がそう思っていても。
 「通用しない」っていうか、そう受け取って貰うには相当の見せ方をしなくちゃムリでしょう。
 だったらリョウちゃんも冴子も出さずに独立したオリジナル設定でやればいいんじゃないの?ということになる。

 で、その意味・必然性が「今後」出てくるとしましょう。
 あれ(香の死)をやるならやるでかまわない。(まあ、ホントに死んでいるのかどうかすら不明ですが)
 だけど、第1話をああいう形で(旧ファンが読む物として)提示した段階で、「あの展開にすれば旧読者が驚くのはアタリマエ」であり、むしろ「驚かせるためにやっている」意外に他ならないわけです。
 だけど、それをやるには上記のように「なんでシティーハンターでこれをやんなくちゃならないの?」っていう作劇上の説得力ってのが決定的に欠落しているという、構成的な矛盾を感じちゃうんです。オレは。
 全部を示してから物語を進めろ!だなどとは言う気はないですが(ケースバイケースでそういうストーリー構成はアリだと思うので)、今回の場合はものの見事に失敗しているんじゃないかと。

 つーか、「元々アンタが作った作品とキャラなんだから、こういうことやるならやるで構わないんだけど、やるからにはそれなりの(旧作のファンへの責任とかそういう物も含めて)覚悟をもって、旧作以上の物を見せろよな」ってのがデカイです。
 作者が旧作ファンを全部捨ててでも「それをやりたかった」ってんなら仕方ないですが、そこまでの勢いとかも感じないんですよね。

 『エンジェルハート』を読んで真っ先に思い出しちまったのは、『装甲騎兵ボトムズ 赫奕(かくやく)たる異端』
 知らない人のために書いておくと、TVで放送されていた人気アニメの続編なんですけどね。
 TVの最終回でパーフェクトソルジャーという存在である自分たちは戦争の道具にしかならない。だから戦争がない時代まで眠りにつくってんで、主人公とヒロインは宇宙でコールドスリープに入って終わるんですよ。
 ところがこの続編では、いきなり数十年後だか数百年後だかに拾われて起こされた主人公がまた戦争の道具にされるんだけど、やっと再会したヒロインは、突然「パーフェクトソルジャーには寿命が設けられていたんで、もう終わりッス」っていう『ブレードランナー』な設定が出てきてですね(TVシリーズではそんな設定は語られませんでした)、よりにもよって死んじゃうんですよ。
 で、主人公はTV第1話の頃のように再び心閉ざしちゃって1人旅に出るって言う…
 しかも、これで終わりなんです。この作品。
 ちょっとどころか脳がとろけるほどの驚きがありました。
 TVシリーズはオレん中で名作中の名作で大好きなんですが、この作品は「無かったこと」っていうか、「同人が作ったパロディ」とかそういう扱いで、見てしまった自分の記憶を誤魔化そうかと思い続けてるんですけどね。
 できればDVD化とかもして欲しくないと言うか、『セブン12話』みたいな存在にしちゃって欲しいですね。

 他の例で言えば『ヤマト』の沖田艦長が後々の作品で、佐渡先生の「ワシの誤診じゃった。スマン」の一言で復活したのと同じで、「んじゃ、あの時泣いたオレたちの涙は何だったの?」という憤りに近い物を感じます。
 『ウルトラマン』と『ウルトラマンガイア』とか、『仮面ライダー』と『仮面ライダークウガ』とか、同じ冠が付いてはいるけど作品世界そのものが別である作品とは違うじゃないですか。

 前述のように、オイラは別に『シティハンター』には何も思い入れはないんだけど、それでも「こんなのにするなら作ってくれない方がヨカッタ」って感は拭えないですね。
(すいません。白状しますが、『シティハンター』には何の思い入れもないんですが、香ちゃんは好きです。ショートカットだから。 ^^;;)


 まあ、もしこの雑誌が、オレが勘違いしているだけで(笑)『コミックGON!』とかそういう方向性を狙っているんだとしたら、『きまぐれオレンジロード』とか『ひばりくん』とかも連載きぼーんって感じです。(^^)
 ついでに『幽遊白書』を「きちんと終わらせてほしい」とか、『スラムダンク』第2部を始めろとか、過去にジャンプで「第1部・完」となった作品を全部第2部再開で、キチンと終わらせるとか。(あ、ヤバイ…。コレはホントにやって欲しいかもしれない…)
 そんな程度しか存在意義を見いだせない雑誌だなあ。あのラインナップ見ていると。
 ジャンプ的方法で行くなら、やっぱアンケート・10週打ち切りシステムは生きてるんですかね?
 雑誌そのものを10週打ち切りにして欲しいっつー感じもしますが。

【了】

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