今期のTVはどーだった?・2
2001/04/17


 さて、前回の続きです。ちゃっちゃと行きましょう。新番組も始まっちゃっているし。

★『地球少女アルジュナ』

 う〜ん…
 壮大な(ある意味「正論」全開の)エコロジーネタをやろうとしているのだとわかった段階で、無理が見えたというか…
 それだと、どう考えても「人間の作ってきた物は多くが悪だ」になるのはミエミエだし。
 いや、「ミエミエ」なのはいいんだ。
 やっぱ「無理がある」ことなんだろうなあ、問題は。
 エコロジーとかそういうネタを扱ったときに「物語の閉じ方」が非常に難しいというか。
 このへんは個人的には『メカラッパ』でも反省した部分なんだけど。(^^;;)

 虫なんかが生態系の中で本来どのような役割を担っているのか?食物の本来あるべき姿とは?などを見せてくれるのは良いと思うんだけど、でもこれだって『美味しんぼ』をはじめすでにいろんな作品が「もっとわかりやすく」見せてくれていたわけでさ。それをなんでこんな「わかりづらい見せ方でやるんだよ」という感は拭えませんでした。
 同じことやるなら、もっと簡単に(わかりやすく)見せている作品はいくらでもあるような気がします。

 ラスト2話は思いっきりが良すぎましたし。
 石油製品を全て分解しちゃう怪物が日本に現れ、エネルギーは全て止まり、合成繊維の服から容器から食べ物から薬から…石油原料の物は全てがなくなっちゃう。
 水もアッという間に汚染されて、わずか10日たらずで日本は実質的に崩壊寸前。
 アメリカは相変わらず大丈夫な生活を送っているんだけど、日本は完全に見捨てられちゃう。
 結局この怪物は、人間(というか生態系や星そのもの)にとっての「悪」を浄化してくれる存在だったとか何とかそういうオチなんですが、「でもオレは困るよ」とか思いました。(^^;;)

 言いたいことはよくわかるけど、結局正論なエコロジー思想は現在の我々の生活全てを否定するものであって、「んじゃ、その矛盾をどう解決するのか?」は今のところ「答」がない。
 いや。今のところ出されている「答」ってのは「今の生活を全部捨てる」か「あきらめる」かのどっちかで、ある意味「極論同士」。極論過ぎてどっちもみんなが賛同しかねる物ばかり。
 一番現実的な考え方としては、「自然をこれ以上壊さないように心がけましょう。修復できる環境は修復していきましょう」ってもので、まあ、オイラもなるべくこういうライフを心がけたい物であるなとか思ってはいますけど、だけどコレってやっぱ「人間にとってのみの都合で作られているルール」であることに違いはないし、明確な答としての結論ではないですわな。

 『アルジュナ』において、オレ的興味はこの「矛盾」を主人公とその恋人がどう受け止めて、どういう「自分たちにとっての答えを探していくのか?」等々だったんですが、なんとも「う〜ん…」的な自分たちの今の生活を否定だけした終わり方であったようにしかオレは受け止められませんでした。
 で、そういう結論出した以上、監督の河森氏が『アルジュナ』の作業終了直後から「オレは文明を全て捨てたところで、無農薬野菜作って、電気にも石油製品にも頼らない生活送ります!!」と旅だってしまうんならまだ納得行くんだけど(そうか?)…そうではないわけでしょう。
 なら「アンタ一体どういうつもりでそういう結論を作中で出したの?」という疑問がオレの中では拭いきれないわけです。
 こういったことについて監督は「矛盾としては感じている」という発言をしたそうですけど、でも、作中の結論からはこの矛盾を飛び越えた極論的な物しか感じられなかったわけです。(つまりそれが気にくわないんだろうね。オレは)
 このへん『もののけ姫』に対してオレが好感を持ったのは「この矛盾に対しては答えが出ないんだよ!!」と終わらせちゃったところでした。

 作画的には悪くはなかったし、CGやデジタル処理を多用した画作りは、来るべきアニメのスタンダードな在り方を見せてくれた作品だと思うんですが。
 主人公達が関西人ってことでセリフが関西弁ってのも新鮮ではありました。
 こういった、作品を構成する「外枠」はよかっただけに、余計に「中身」の結論レスが気になっちゃったわけです。オレは。

 ちなみにこの作品。Niftyのオタアミ会議室などでも書かれていましたが、第9話が放送では欠番になっています。
 なんでも、第9話が「ジュナの姉が妊娠してしまい中絶する」というエピソードだったためテレビ東京的にはNGだったようです。
 さらに、どこでどうズレてしまったんだかわかりませんが、全13話で放送すると最終回が4月に持ち越してしまうために、「それは避けたい」というテレ東の意向もあり、んじゃどのエピソードを切るか?となったときに9話だったそうです。
 ま、ラスト2話を見た限りでは、確かに必要があるエピソードだったとも思えませんが。(ビデオでは収録されるそうですが)


★『地球防衛家族』

 続き時間帯(ただし局はWOWOW)で放送していた、『アルジュナ』と同じ河森作品。(ただし、シリーズ構成・シナリオで、監督は別の人)
 こっちはテンポも良く、最後まで楽しんで見ることが出来ました。
 うん、面白かった。
 ただ…最後が尻切れトンボなんだよねえ…。
 解釈次第では、確かにあの家族の「亀裂」の問題は、ある意味「再生への光が見え始めた」終わり方なので、そういう意味ではちゃんと終わっていると取れなくもないんだけど、でも、作品としてはやっぱ「終わった」感がないですね。
 敵は結局何だったのか?
 あの崩壊寸前家族が地球防衛のユニットとして選ばれた理由は何だったのか?
 寸止めギリギリラインで踏みとどまっていたとはいえ、聖子(お母さん)の浮気はどうなったのか?どうなるのか?
 守ちゃん(お父さん)の仕事やその他はどうなってしまったのか?
 自分だけ損をしていると思っているお姉ちゃんはどうなってしまったのか?
 「ヘン」って、結局何だったのか?
 白鳥エレンちゃんは結局何だったのか?
 そして、一家が抱えた地球防衛にかかるオプションパーツ代3億数千万円の赤字はどうなってしまったのか?

 『アルジュナ』とこの作品がどういう製作スパンで作られていたのかは知りませんが、両作のラストを見た感じでは「監督作品抱えている人間が同時期に中心的役割を担う別作品を抱えちゃイカンなあ…」と思わされました。
 やっぱねー…散漫な感じは拭えなかったですから。

 「続きはビデオアニメでね!」とかいうんじゃねえだろうなあ…
 しかし、『THE BIGオー』しかり『ヴァンドレッド』しかり『ネオランガ』しかり、WOWOWアニメって尻切れがあまりにも多すぎるぞ。どういうこっちゃ?!


 主だったのはこういった番組でしょうか。
 おまけで、特番についてを1本。

★『金八先生スペシャル』

 昨年放送していた「99年度版」のその後を描いたスペシャルでした。
 オレ、過去の「金八スペシャル」って、正直「オマケ特番」的な物以上のニュアンスを感じることができなかったんですが、今回のは良かったと思いました。
 基本的に「99年度版」を見ていた人でないとほとんどがわからないと思うんだけど、卒業後1年を経た元3Bの生徒たちの様々な現状の中で、“あの”兼末健次郎の1年後が描かれているんですが、これがなかなかに泣けましたよ。わたしゃ。
 「なかなか」どころか、「結構」泣けたんだけど。(^^;;)
 健次郎と耕作(金八の息子)との友情とかさあ。

 見ていなかった人のために説明すると、兼末健次郎ってのは99年度シリーズのキーキャラクターで、メチャクチャ陰湿なやり方でクラスを混乱させていた本人だったんですな。
 で、シリーズ前半は彼の行っている「悪」が描かれているんだけど、後半は「その悪の心に刺さっているトゲ」が描かれ、いやもう、泣いた泣いた。
 再放送で全話録画したもの。(^^)

 で、このスペシャルの中では、なぜか旧友達の前に姿を現そうとしないヒノケイ(というヤツがいる)のことを健次郎が心配したり、耕作が片想いし続けている千春ちゃんとの間を健次郎が取り持ってやろうとして失敗こいちゃうとか、そういう展開なんですが。
 これだけ書くとえらく陳腐なんだけど、そもそもヒノケイは、シリーズの時に最後まで健次郎がクラスの皆に行ってきたことを許さなかった1人なんだよね。
 だけど、最後の最後、皆の前に謝罪に現れたはいいけど、何と言えばいいのか言葉が見つからない健次郎に対して「がんばれ!」と声をかけたのもヒノケイだったわけです。
 で、スペシャルでは、なんで皆を避け続けているのか?を問われたヒノケイが、やはり言葉に詰まってしまう。実際は「高校を中退してしまったことを恥ずかしくて言えなかった」ってことなんだけど、この時に健次郎が「がんばれ!」と声をかけるんですよ。
 1年前の逆なんだけど、シリーズで見ていた人はまず間違いなくここで泣きますね。うん。(^^)
 耕作の恋を橋渡ししようとするってのも、健次郎がかつて「悪しき存在」としてクラスから省かれたときに、彼に接し続けたのが耕作だったわけです。(はじめ耕作は金八に言われて嫌々だったんだけど)
 この時の耕作の存在というのが健次郎にはものすごく大きなものだったんですな。なんかねー、そのへんが語られるわけですよ。
 昨年のシリーズ見ていた人で見逃した方は、たぶんビデオ化されると思うんで、その時にでも見てください。


★まとめ

 スタートは多かったわりに、最後に「面白かった」と思える作品は少なかったような気がしますねえ…。
 「傑作だった!!!」とまで思える物はもっと少なかったし。
 野島ドラマも、全然面白くないので3回目くらいで見るのやめました。
 見逃して大後悔しているのはアニメの『アルジェントソーマ』。
 なんか終わった後に見ていた人の間でえらく評判がよいので「しまったぁッ!!」って感じです。(今度、友人に全話ダビングして貰うけど)


 ああ、春新番組もはじまっているねえ…。

【了】

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