『ゴジラ×メガギラス』
2001/01/13


 昨年、最後に観た映画は『チャーリーズ・エンジェル』。
 イカすバカ映画で面白かった。
 ところで、この作品の劇中、“あるBGM”が突然さりげ〜に流れていたのに気づいた人もいるんじゃないかなあ。
 伊福部昭の「ゴジラマーチ」。
 実際には少々アレンジされている曲だったけど、一体どういう意味だったのか(ちゅーか、監督かドリュー・バリモアの趣味なのか)、これがイキナリかかる。
 ちょっとニヤッとしちゃったんだけど。

 てなフリから入るには強引だけど(^^;;)、『ゴジラ×メガギラス』を観てきました。
 む〜…
 映画史に残すべき超絶噴飯ゴミクズ映画だった前作『ゴジラ2000』は、オレ点数では「100点満点で5点」くらいだったんだけど、今回のは55点くらい?正確には45〜55点の間くらいって感じです。
 (ちなみに平成ゴジラでは一番マシだったと思う『ビオランテ』は70点弱くらいかな?『ガメラ3』は85点。愛ちゃんポイントを加算すると点数は天井知らず)

 少なくとも、展開とかそういう物は去年の「ガキの妄想以下の作品」よりも遙かにマシだったんではないか?と。
 クライマックスのゴジラとメガギラスのバトルシーンも「敵がやたらと強くて主人公が大ピンチになるんだけど、“何かのひょうしに逆転”したとたん、あっさりケリが付いちゃう」って構図は、「ああ、柏原脚本だなあ」と思わされニヤニヤしてしまいました。(個人的にはそれほど好きな描き方じゃないけど、この人のアクション物はこの展開の見せ方が多い)
 また、細かい部分は「えー?このセンスは柏原寛司じゃないでしょー?」と思わされる一ひねりある物が結構ありましたし。

 まず感心したのは、作品に引きつけられたのは東宝マーク直後に始まるオープニングの「ニュースフィルム」。
 昭和29年のゴジラ上陸(つまり1作目です)を伝えるニュース映画から始まり、その後…
・「ゴジラによって東京が壊滅したため、首都は大阪に移転」
・「東海村原発が完成したときに再びゴジラが上陸し原発を破壊」
・「それ以降、ゴジラを呼び寄せないために日本では原子力研究は永久凍結されてしまった」
・「おかげで日本では水力・火力・風力・ソーラーのエネルギー研究が進んだものの、国内の全エネルギーを補うのは厳しく、97年に重水素を使った新エネルギーを開発」
・「しかし実験中のエネルギー漏れで再びゴジラが上陸」
 …という、今回の作品が「どういう歴史(時間軸)の上にある作品なのかを一気に見せてしまうというのは上手いと思いました。
 これで観客は、この作品が「平成ゴジラ」とは違う時間軸の上にある日本を舞台にしていることを知るわけです。
 平成シリーズの時間軸の上で作り続けるコトって、ちょっともう厳しいっすからね。(日本全土が焼け野原になっちまいますから)
 『2000』がとにもかくにもヒドかったところって、このセンテンスがまるっきり無かったんだよね。
 だからオイラは、しばらくしてコロコロだかボンボンを読んでいた友人から「アレは平成ゴジラとは違う時間軸って設定らしい」と聞くまで、そのへんが全くわからなかったわけです。

 ただ、このオープニングで感心しつつも「うーん…」と思ってしまったのが、「ニュース映画」って設定なんだから、もっと当時(昭和29年)のニュース映画っぽい作りにして欲しかったんだよね。ナレーションとかもさ。

 でまあ本編ですが、もったいないのが、こういった「基本設定」が上手く活かされていないと思いました。
 「なぜ今またゴジラが日本に上陸しようとしているのか?」という“謎”としては使われているんだけど、これがサスペンスとして上手く使われていないというのかなあ…。いや、「もっと上手く活かせたのでは?」って感じかなあ。

 ま、これに限らず、相変わらずツッコミたくなる部分は山のようにあるんですけどね。(^^)
 「静止衛星」だとセリフで言っていた人工衛星が日本の上空にあるとか。(静止衛星軌道は赤道上空です)
 ブラックホールが光るとか。(…)
 「主人公は、あんな独自OSをいつの間にプログラムしたんだ?(しかも1人で)」とか。
 渋谷が水没するのに、東京の他の場所は平気とか。(渋谷があんなに深く水没するくらいだったら、東京のほとんどが水の下では?)
 なぜフジテレビを壊さずに、隣にわざわざソックリな建物を造って壊すのか?とか。
 対ゴジラ機関の隊員が、普段街を歩くにも拳銃を携帯している意味はあるのか?とか。(ないでしょー?いきなりゴジラが現れたとしたって、拳銃で何が出来るわけじゃなし)
 お台場にゴジラなんかが上陸したら、あのあたり液状化現象でメチャクチャになるんじゃねえの?とか。
 そもそも「対ゴジラ兵器」として登場する「ブラックホール砲」もナゾが多いです。
 地球上でブラックホールなんか作っちまって問題ないのか?重力異常だとかなんだとか色々起きそうなんですが…
 だいたい、実際に劇中での映像を見ていると「ブラックホール砲」っていうより「グラビトン(重力砲)」だよね、アレって。『大鉄人17』とか『ゾイド』に出てきたような。(まあこれでも効果時間次第では重力異常とかの影響が出るがな)
 まあそのへんに「全くわからないけど、とりあえずブラックホールとか言っておけばいいべ」みたいなSFセンスの決定的な欠如を感じちゃうんですが。

 新鋭・田中監督は元々「ゴジラが作りたくて東宝に入った」そうで、「おっ」と思わせてくれる映像なんかもあることはあるんですが、そのへんの、SFで言えば「センス・オブ・ワンダー」に相当する部分がかなり薄いと感じました。
 なんかねー…こういうこと考えちゃうと、観ててすっげー思ったのは「もういい加減、そういうのワカラナイ人たちに作らせるんじゃなくて、『ジュブナイル』の監督とかにやらせろよ」とかオイラは思っちまうわけです。(マジであの監督の作るゴジラは観てみたい)

 でもま、去年の『2000』が「作らなければ良かったのに…」という印象だったのに対して、今回の作品は「あそこをこーすればもっと面白くなったのでは?」とかそういう印象にはなってますけど。(しかし「大人が観れる作品」ってレベルにまで昇華できているか?というと…… -_-;;)
 個人的には前作で「あんだけの騒ぎの中、人が1人しか死なない」というバカバカしさだったのに対して、一応、それなりに人が死んでいるのを見せているのは納得。

 特撮は「ヘボい」と思いました。(^^)
 前よりヘタになってねえか?
 何の技術の前進も感じられなかったっす。
 あ、怪獣の造形は、ゴジラのボディは悪くないけど、顔!とくに「目」が気に入らなかったなあ…。
 なんかクリクリした黒目がちな目になっていて、凶暴さを全然感じませんでした。
 やっぱねー、三白眼にして欲しいね。オレは。
 メガギラスは…まあ、文句言い出したらキリがないけど、平成モスラみたいに「目を光らせなかった」ことは評価したいです。(^^)
 オイラ、子供の頃から「怪獣や怪人の目が光る造形」ってキライなんですよ。
 「キライ」どころか「許せない」に近い。
 ネコの目みたいな反射ならともかくねー、ああいうのって「自己発光」じゃないですか。
 「目が自分でピカピカ光るような、そんな生物っているかあ?!」とか思っちゃうんで。(ゼットンとかイリスとか、具体的に「明らかにアレは眼!」っていうようなものを持っていないヤツは光っていてもいいんだけど、モスラの複眼とかねえ…ああいうのが光られちゃうと…。


 てなとこで、次回は『バトル・ロワイヤル』っす。
 あらかじめ書いておくけど、それほどまともなことは書かないよ。(^^;;)
 クイックジャパンみたいなサブカル系なコトを書く気もないッス。


【了】

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