「'99 第4半期TV振り返り」
2000/01/22

 さて、99年10月25日号「今期のテレビ表・前編」で書いた、オイラが見ている大量の「1週間のTV番組」ですが、3ヶ月を経てどれくらい見続けたか?というと、それはマア、なんだかんだでほとんど見続けていたのですが…
 んで、アニメなどが年末年始の番組進行の絡みか、やっと今週あたりで1クール13話が終了する物が多いので(特にWOWOW放送の作品)、ここらでそれなりにまとめておくか、と。

 でも、どーにも作品数が多いんで、もうテキトーにはしょっていきます。(^^)
 良くも悪くも印象に残った作品のみってコトで。

★『氷の世界』
 なんだったんでしょ?アレ…
 特に最終回。納得できた(つーか、満足できた)視聴者はいたのかな?
 放送翌日、いろんな会社の女子更衣室で「アレはないよねー」と不満の声が多数聞かれたと聞いておりますが。(マジで)
 作り手サイド的にはOK!だったんでしょうか?ま、数字は取れたようだから、そういう意味ではOK!なんでしょうけど。極端に「数字取っている番組=良くできた番組」ではないことを証明したドラマでしたね。
 アレを「数字取ったし、面白くて傑作だ!」とかいうTV業界人がいたら、あの最終回のどこがそれほど面白かったのかマジでレクチャーして欲しいです。オレにはわかりません。(^^)
 (いや、「あまりにも」で笑えたってのはあるけどな)
 伏線もヘッタクレもない、思いつきのような真犯人!
 掲示板にも書いたことですが、あんな真犯人だったら「第○話で、後ろを通りかかったジイさんが犯人だった!」ってのと対してレベルかわらんです。
 見ていて文字通り「噴飯モノ」で、オイラは食っていた飯を吹きだしてしまいました。(^^)
 見る側に「推理させ」「犯人が導き出される」という楽しさでドラマを引っ張っていくという意味においては、アレだったら同じ月曜の19時から放送されているアニメの『金田一少年の事件簿』と『名探偵コナン』の方を見ている方が300倍は良くできています。
 やっぱ野沢尚は、最後がまとめきれないね。
 矛盾だらけだった『眠れる森』。最後がヘッポコ思いつきの『氷の世界』…次はどうする?
 ま、なんつーか、1発目からこう書いちゃうとナンだけど、「'99 第4半期 噴飯ドラマ大賞」を差し上げたいですね。

★『無限のリヴァイアス』
 子供達が乗った宇宙ステーションが、突如テロリストに襲われて崩壊。
 500名弱の子供達は、ステーションの基部に隠されていたナゾの大型宇宙船「リヴァイアス」でなんとか脱出。でも、そのリヴァイアスを巡って様々な陰謀が渦まいて、彼らは「テロリスト」とされて追われる身に…
 という設定自体は悪くないと思うのだけど…
 まだ放送中だけど、1クール過ぎたのに、いまだに何がやりたいのかよくわからん。(-_-;;)
 飽きてきた。(^^;;)
 なんだか仲の悪い双子が主人公で、その間には幼なじみの女の子がいるあたり「まさか、最終的にはSF版『タッチ』ぢゃねえだろーなー?」とちょっと不安にもさせられる。(オレだけか?)

★『THE ビッグ・オー』
 40年前に起きた「何らかの出来事」のせいで、世界中が滅んでおり、舞台となるパラダイム市にしか人間は残っていない。しかもそこの住人は、その出来事の日以前の記憶が全くない。
 主人公はプロの交渉人で、さまざまな犯罪と戦う…ってな設定。
 雰囲気的にはモロにアメコミ。(『バットマン』系ですね)
 面白くなる要素はテンコモリだったと思うし、改めて第1話を見ると、実はシリーズを通しての細かい伏線や展開も考えていた事が見て取れるのですが…
 なんか、それらが上手く活かせていなかったような残念なシリーズ構成でした。
 アレで終わりなんですか?なんか「続く」ってな文字が出て終わっちゃいましたが…。(WOWOWだから第2シーズンがあるかもしれんけど)
 あの最終回に持って行くなら、他にいくらでも「見る側を引っ張れる」シリーズ展開の方法があったと思うのだよなあ。
 ちなみに3話から突然入るようになったオープニングは、ナゼか『ウルトラマン』風のバックの絵にクィーンの「フラッシュゴードンのテーマ」のモロパクリ曲(CDで聞くとイントロは「ボヘミアン・ラプソディ」のパクリだが)が流れるという、意図がよくわからないモノでした。
 でも、劇中に登場するヒロイン(?)のアンドロイド「R・ドロシー」は、「昨年度オレ的ベストヒロイン」っす。水玉蛍之丞(人気イラストレーター。ニュース番組の軍事評論でお馴染みの岡部いさく先生の妹さん)も、どこかの雑誌で同じよーなコト書いておったが。
 お人形さんのような顔立ち!(つーか、ロボットだし ^^;;)
 感情のないしゃべり方!(だから、ロボットなんだって)
 変な関節の動き!(人間じゃないから…)
 頭が開くというえぐさ!(・・・・)
 なんつっても、アニメ史の中でも「目の下にクマ(?)がある美少女キャラ」ってのは初ではなかったのではないでしょうか?

★『TEAM』
 昨年第4半期どころか、年間を通しても「ベスト」に入る傑作ドラマでした。
 放送開始当初に感じた不安なんざどこ吹く風で、最後まで見事なドラマを見せてくれました。
 少年犯罪というものを題材にしておきながら、決して安直な「ショッキング性」や、少年法ウンヌンと言った「感情論」に走ることなく、作り手(特にシナリオの君塚良一)が、少年犯罪の問題点をキチンと各方面に対してリサーチし、それを反映させているのが感じられました。
 物語も、安易に「理想論」や「ドラマとしての解決」を見せてしまうのではなく、あくまでもシリーズを通して、文部省から省庁間の人事交流で警視庁・少年課に来た犯罪捜査を知らない役人と、少年というものを知らず未成年犯罪者に対しても大人の犯罪者と同じ接し方をする元捜査一係の刑事が、ぶつかり合いながら少年犯罪と未成年犯罪を「理解していく」という、悪い言い方するととてつもなく地味で、毎回見た後に「やりきれない思い」のするドラマでしたが、正直、ニュース番組で伝えられる少年犯罪報道で付けられるワケワカなコメントなんぞよりも、はるかに未成年犯罪の本質を描いていたと思います。
 一概に同じフィールドで並べることは出来ませんが、このドラマでも取り上げられていた「少年達の心の闇」ってのは、今放送中の『金八先生』でも大きなファクターとなっていますね。
 昨今のTVのドラマ枠では珍しい、社会派ドラマであったと言えると思います。
 君塚良一は『踊る大捜査線』の大成功で、極端な話もう何も冒険する必要もない立場ですが、よくもまあこんな難しい題材にチャレンジ、作品的成功(視聴率的成功ではない)をしたモンだ。
 TBSのショッキングドラマバカプロデューサー・伊藤一尋(今回は細かくは書かないけど、コイツのドラマ企画のやり方ってのは、ロジャー・コーマンなどのハリウッドのB級映画プロデューサーとほとんど同じ。そのワリにはコーマンみたいに人材を輩出できていない)の下で『ずっとあなたが好きだった』などの視聴率狙いの(ためだけの)ドラマを書かされていたときは、オレ的にはかなり評価低かった作家ですが(なんとナマイキな!!)、『踊る』で才能がハジけたと感じられ、この作品で圧倒的な実力の高さを感じさせられました。
 上記の『氷の世界』とは反対の意味で「数字取っている番組=良くできた番組」ではないことを証明したドラマだったと思います。

★『3年B組 金八先生』
 まだ放送中だけど、新年一発目の2時間スペシャルはスゴかった。
 放送翌日の夜、友人zeroから突然携帯に電話があり…
z「昨日の『金八』見たか?!」
オレ「いや、まだ」
z「早く見ろ!オレは昨日の夜見て泣いた!んで、夜中にもう1回見返して、また泣いた!!んで、今朝起きてまた見てる!」
 んで、昼間に仕事場で見たんだけど……マジ泣き&滝涙でした。(T_T)
 旧シリーズの「腐ったミカンの方程式」「卒業式前の暴力」、前シリーズの「いじめのシミュレーションゲーム」(サブタイトル失念)に匹敵する名エピソードであり、今シリーズの「核」となる1話であったといえるでしょう。
 さらに今後は受験シーズンの到来の中で、キーである生徒・兼末健二郎の「心の闇」を巡る物語が予想され、もう一波乱&もう1名エピソードがあると思われます。

 ちょっとドラマ本筋とは関係ないけど、今回のシリーズが放送される前に、新聞か何かで「プロ教師の会」の人が、「金八は結局ドラマだから…」みたいな否定的意見を語っているのが目に留まりました。
 確かにコレは「ドラマだから」と感じさせられる部分が無きにしもではあるし、ま、実際にドラマですけど。(^^)
 ただその意見を読んでいて、オレ的に凄く納得がいかなかったのは、その「プロ教師の会」という肩書き。
 なんかこの人「冷めた意見を言うこと、冷めたスタンスを取る事」を「プロ」だと勘違いしてやしないか?と。

 だいぶ昔から言っていることなんだけど、例えば「子供のいじめ問題」。
 実はオイラ、この問題ってのは無くすことは不可能だと思っている。身も蓋も無いけど。
 けど「減らすこと」はできる。これは間違いなくできると思う。
 でも、そのためには多分、大人が捨て身になって考えて行かなきゃ出来ないと思ってる。
 逆に言うと、どこかで「自分(の立場)を守ろう」とか考えていると、ガキってのはそのへんを敏感に嗅ぎ取るので全然収束に向かえないんだな。

 冷めた意見を言うのはいいけど、別の捉え方しちゃえば「我が立場を守っている」ヤツが、ホントーに「プロ」って人種で、状況を変えることが出来るのか?と、疑問に思っちゃったわけです。
 もちろんこれは彼らだけじゃなくて、オレも含めた全ての「プロ」の肩書きを持っている人間に言えることだけど。


★『今、そこにいる僕』
 ヘヴィなアニメだったねえ…。いくら衛星放送とはいえ夜7時にこれを放送するとは…
 突然異世界にとばされてしまった主人公。そこはひたすら戦争が繰り返されている世界。
 第2話まではね、「未来少年コナンかなー?」と思ったんですけど、第3話から一気に「世界観」が見えてきましたね。
 主人公と同じく、こちらの世界から連れてこられた少女は犯されちゃうわ、人々は次から次に死んで行くわ…
 静かに、ひたすら静かに「狂った世界」での物語が描かれていく。
 ものすごい閉塞感と絶望的な状況。んで、よく考えて見りゃ、その世界で起きていることは、こっちの世界でも起きていることと同じという。
 そして、徹底した「カタルシスの排除」と「ヒロイズムの排除」。
 たぶんこのへんが大地丙太郎監督がちゃんとやりたかったことなのでしょう。「戦争という状況を舞台にした作品でそういうものを入れたくない!」という。
 まあ、戦争物における「ヒロイズム」とか「カタルシス」ってのは、『ガンダム』の1作目が放送されたときからアニメファンの間でも論議されてきたことだったんだよね。
 で、この『今僕』見ちゃうと、『ガンダム』だってなんだかんだとカタルシスはあったしヒロイズムもあったと再認識させられました。
 この作品はホントにこれらがない。
 カタルシスではなく「不快感」とか「やるせなさ」が感じられるようになっている。
 主人公は「剣道が強い」ってコトで木の棒を持っているんだけど、これが全然活躍しないと言うか、結局誰も助けることは出来ないという、自分でもどうにもならない無力さだけを痛感させられるし。
 ある意味、異色作であったと思いますが、こういう内容をキチンと描ききったことを評価したいです。


 さて!
 今期も色々新番組が始まってきたので、それらについてはまた近い内に。

【了】


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