「今期のテレビ表・後編」
1999/11/02

 前回のアップ以降、掲示板やらメールやらで、いろんな反応が来ましたが…やっぱ多いか、あの見ている本数(^^;;)
 ちょっと減らすか…とか思ってたら、『蘇る金狼』の再放送始まっちゃったヨ…(T_T)

 てなコトで、今回は後編。木曜日以降のラインナップ…の前に、1本書き忘れていました。

★『TEAM』
脚本:君塚良一
出演:西村雅彦・草なぎ剛(←あの「なぎ」の字はワープロだと出ない)

 『踊る大捜査線』の君塚氏が脚本というだけで期待大ですが、今回も刑事物。
 で、刑事と言っても少年犯罪を扱うセクションの2人の男の話。
 西村演じる刑事は「少年といえども犯罪者に甘くする気は全くない」というタイプで、少年相手でも平気で暴力に訴える。対して草なぎ演じるのは文部省から省庁間の交流と現場研修をかねてやってきたお役人で、「少年犯罪には、容疑者だけが問題なのではなく、その後ろにある問題を取り除いてやることが大事」と考える理想主義者。
 で、「理想主義者」VS「システマティックな刑事」という対立関係で言えば『踊る…』と同じなんですが…
 『踊る…』の青島君は「おかしいことはおかしい」「(自分にとって)正しくないことはしたくない」などの、彼にとっての「信念」で動き、ある意味、この行動理念は視聴者に対してもわかりやすい(もしくは「受け入れられやすい」)ものでした。
 ところが、このドラマでは主人公それぞれの考え方には、それぞれに「穴」があって、それゆえに必ずしも青島君のように万人に受け入れられるものじゃないんですね。
 この受け入れられにくい状況を生みだしていることには、この作品の基本設定である「少年犯罪」ってえのが結構でかいポイントになっていて、例えば草なぎ君の理想は、早くも第1話で少年自身によって裏切られちゃう。
 しかも、少年犯罪の一番やっかいな部分でもある、「法的に未成年者は成人犯罪者のような厳しい罰を受けない」というコトを容疑者少年自信がわかっているって言う、悪質なんだけど犯罪を起こすガキ共の多くが心のどこかで持っている「社会をナメている理由」によって裏切られてしまう。
 コレが、「彼のおかげでどうにかなりました」ってなあ話だったらすげえ簡単なドラマなんだけど、それをやろうとしていないんですね。
 で、それをやらないとなると、「すっげえ難しい設定に手を付けちゃったんじゃないかなあ…」と思っています。
 もう、どっちが悪くてどっちが正しいって方向には持っていけないのね、このドラマ。西村演じる刑事は人好きのしない人物として作られているけれども、それでも少年犯罪を巡る主人公2人の考え方のぶつかり合いって部分では、必ずしも草なぎ君側が正しいわけでもないことが証明されているので、どうやっても結論が出ない。
 ちなみに『踊る…』は、あくまでもベースが「組織」っていう可変であるものが相手だから、「青島にとっての「警察」」であるとか室井の存在であるとかが、その先への「希望」として残せるドラマだったんだけど、コレは「犯罪」という「不変」であり「カタチとして存在しないもの」が相手なので、そういう「希望的」な終わらせ方も難しいのではないか?と思っているんだけど。
 どうする気なんだろう?と思って、今後の展開が楽しみです。
 オレ的興味深さでは、今期のドラマの中ではナンバー1ですね。
 でも、西村がやっている暴力刑事は、どちらかというと渡部篤郎とかが演じた方がハマるような気がするんだよなあ…。

 とか言ってたら、日本シリーズの延長のせいで、第3話見れなかったよ。録画できてねえんでやんの…とほほ(T_T)


 で、前回の続きに戻りましょう!まずは木曜日!
★『3年B組金八先生』
脚本:小山内美江子
出演:武田鉄矢

 ついに始まりましたねえ。
 実は、かの『妄想ビーム』やってた時にスマイリー菊地氏(すげえ『金八』ファン)から「秋から新シリーズが始まる」って話しを聞いてはいたんですが、予想以上の始まり方でした。
 ちなみにスマイリー氏には「中島みゆきの「世情」(第2シリーズのラスト、加藤優達が逮捕されるところにかかる歌)をカラオケで歌いながら、加藤達が逮捕される様子を一人で再現」っつー芸も見せて貰いました(^^)
 第1話は、まあ驚きだった。
 担任(ラサール石井)を集団リンチする生徒達。さらに不登校状態になった担任に「葬式の華」を送りつける…
 ん〜…第1話からコレですか…。今までだったらシリーズ中盤の山場あたりのテンションのエピソードだぞ。
 今シリーズの特徴として子供達がとてつもなく陰湿になっている。
 なんつーかこう、見ていて「加藤優は可愛かった」と思わせてくれるね。

 数年前、この前シリーズが放送されていた時に、ある番組の取材で脚本を書かれている小山内美江子先生にお会いしたんですけど、前シリーズって結構きつかったらしいのね、書いていて。
 「いくら取材しても、子供達の「顔」が見えてこなかった」と。
 加藤優の頃とかってのは、凄く見えやすかったらしいんだけど。
 今回のシリーズは、1話を見た限りでは、小山内先生にとっての「今の子供達の顔」ってのは見えているんだろうなあ…とは思わせてくれました。
 セリフなんかでは、すでに桜中学にもナイフを持ち歩いているヤツとかがいるようで、今後の展開が気になるところです。
 単純に「ドラマの出来」と言う評価では、もしかするとオレ的に今期のナンバー1はこの作品かも知れません。
 しかし気になるのは、放送時間が「木曜9時」なんだよね。「金八」じゃないじゃん(^^)


★『エクセル・サーガ』
監督 ワタナベシンイチ

 深夜に放送しているギャグアニメなんですけど…
 なんつーかねえ…いろんな意味ですげえ気になるのよ、見ていて。
 ぽんっ!と思い浮かぶキーワードとしては「全てにおいて微妙な感じ」。
 何が微妙って、そもそも「面白いのかつまらないのかサッパリわからない」。
 ネタの1つ1つはすごく面白いような気がするわけ。
 貧乏生活をしているヒロインに「非常用食料」として飼われているワンちゃんとか、ぬいぐるみみたいにすごく可愛いんだけど地球侵略を企んでいる火星人とか、「大宇宙の意思」(人間大の宇宙空間に手足が生えている。どうやら女性らしい)と「深い仲」になってしまう不法外国人労働者とか…
 だけど、すげえつまんないような気もする(^^;;)
 なんか、ホントに微妙なんだよなあ…
 珍しく、誰かに答が聞きたい!と思って、見ている人何人かに聞いたんだけど、やっぱみんな同じような答なんだよね〜…
 不思議な作品だ…。あえて「微妙な感じ」を計算して演出してんだったら大したモンだけどさ。
 ちなみに前回『無限のリヴァイアス』のところでもチラッと触れた黒田洋介氏は、この作品でも脚本を書いています。


 次は金曜日!
★『美しい人』
脚本:野島伸司
出演:田村正和・常盤貴子・大沢たかお

 うわッ!「思いつき」&「ショッキング性」という「見せ物小屋」的なドラマしか 作れない伊藤一尋プロデューサーと野島伸司のコンビがまた…!(このコンビの作品としては『高校教師』『未成年』『人間・失格』『聖者の行進』など。ホラ、「狙い」がわかりやすいでしょ ^^)
 まあ、このコンビの作品としては今のところ比較的まとも…かな。
 しかし野島伸司というのも、一頃のようなやればかならず大ヒットという時期がすっかり終わったねえ…というか、ここ数作はお世辞にも「成功」していないし。
 よく言えば過大評価の時期が終わって安定してきたってことなのかもしれないけど、悪く言えば旬が終わったってことか。
 でも、今回も野島は、作劇の(というよりキャスティングとキャラクターの)ワンパターン化に陥っていますね。
 前作『リップスティック』、そしてその前の『聖者の行進』で、広末涼子に不良少女役をやらせて「新たな魅力を開拓させた」と勘違いしていたけど、今回彼の「ワンパターンの餌食」になってしまっているのはリハウスガール・池脇千鶴ちゃん。野島先生、相変わらずこういう女の子に「なんか陰のある役」とかやらせてます。オレ的には結構ファンなので残念…
 不思議なのは、野島ドラマの常連俳優(宇梶剛士、山崎一など)が今回は全然出ていないこと。ドラマ評価とは裏腹に、オレ的には好きな俳優が多いのでちょっと残念。(そのうち出るのか?)
 大沢たかおは、確かNTVでやって大コケした『世紀末の詩』でノストラダムスを名乗る男で出ていたけど、それ以外は、池脇千鶴・内山理名といったアイドル系以外は、野島ドラマはほとんど初めてでない?
 う〜ん…でもねえ…、安定していようが、今までの中では(比較的)まともだろうが、視聴者にとっての根本的問題として、なんか見ていてつまらないんだよね。それも「とてつもなく」。
 今のところ「本数減らしのための、カット候補ナンバー1」です。


 あ、土曜日には『未来少年コナン2 タイガアドベンチャー』っつー、謎のアニメ(しかも面白くない)があるんですが、コレについては前々回書いちゃったので省略。ちなみにタイトルにも入っている「コナン君」は未だ出てくる気配がありません(^^)


 で、最後は日曜日!
★『救急戦隊ゴーゴーファイブ』

 はい『ゴレンジャー』から続く、お馴染みの東映戦隊物です。毎回5人組の正義の味方が、集団で1匹の怪人をボッコボコにしちゃうヤツですね。
 個人的にはオタクにもかかわらず、ここ十年ほどはすっかり戦隊物から離れていたんだけど…。(あ、でも例外で数年前の『カーレンジャー』はシナリオが「日本屈指のスラップスティックコメディ脚本家」であり、オイラの尊敬する浦沢義雄先生だったので毎回見てましたけど)
 まあ、今回は仕事に絡むちょっとした理由があったので途中から見始めたんですけど、見始めたらはまってしまいました(^^;;)
 前述の『カーレンジャー』などは浦沢氏が一人でシナリオ書いていたんですけど、『ゴーゴーX』は数人入っていますね。
 で!少し前に、当HPの掲示板でも話題になりましたが、オレ的には小林靖子さんがシナリオを担当された回が非常に気に入っています。
 たぶんまだ若手の人だと思うけど、あれだけ制約が多い戦隊物(正味20分くらい。そのうち戦闘シーンが5分だとして、ドラマ部分はわずか15分)にあって、短い中で巧みなシチュエーション、考えられたセリフが書かれており、さらにはヒーロー達の人間的な心の弱い部分もさりげに描いたり、とても優れていると思います。
 しかも、コミカルなストーリーから、重めのストーリーまで、オールラウンドで書かれていますね。


★『アリーmyラブ2』

 女友達に勧められて見始めたんですけど、けっこう男でもグサッと来る話が多いね(^^;;)
 毎週、「うっ…」となりながら見てますけど。やなモン勧めてくれたなあ…
 (ヤなら見なきゃいいんだけど、でも面白いのだ ^^;;)
 あくまでも女性がターゲットのドラマのようで、実際、女性に人気があるようです。
 でも脚本書いているのはプロデューサーも兼ねているデビッド・E・ケリーという人で、デビッドっつーくらいだから男なんでしょう。
 笑わせるところはしっかり笑わし、シリアスなドラマはキチンと見せるという、個人的は結構好きなタイプのドラマです。ジョークも辛口ですし。
 各キャラクターも実に上手く描かれていて、もう、単純に「うまいなあ」と思う。オレにはああいう女性のセリフとかは書けないや。


★総評

 日本のドラマに関しては、実は今期というのはそうそうたる脚本家陣が名を連ねているゴージャスなシーズンなんですな。
 …なのに、前回も書いたとおり、どういうわけだかやたらと似たような(ストレートに書けば『眠れる森』みたいな)ミステリー物かサスペンスばかりで、ジャンル的にはすごく「狭い」という不思議なシーズンです。
 おかげで、ミステリー以外のドラマの方が個人的には目立って見えますね。
 まあ、『氷の世界』は(いろんな意味で)興味深いので、見ていこうとは思ってますけど。
 オイラがチェックしそこなったけど、聞いた話では『OUT』が面白いらしいんだよねえ。失敗したなあ…

 アニメについては、やたらと「微妙な感じ」の作品が多いですね。どれもこれもそこそこの合格点には行っているんだけど、抜きんでた物が無いというか…
 まあ、数年前の『エヴァブーム』みたいなモンなんて2度と来ないでしょうけど。(そういう意味では、アレはオタクにとって最後の祭りでもあったわけだ)

 こんだけ見ていて、最後まで見続けるのはどれなのか?ってのは個人的に興味あるところです。
 視聴者の時間を無駄にさせてくれないことだけを祈りますね。

 で、次回は久々に映画の話。(の予定)

【了】


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