★1999年5月15日(土)

 と言うことで、すでにかなり時間たっちゃっているんだけど、今回は今期の新ドラマについてなど。
 今期、オイラが見ているのは以下の番組。

月 『リップスティック』
火 『古畑任三郎』
水 『ラビリンス』
木 『魔女の条件』
金 『LIVE』
土 『蘇る金狼』
日 『GOOD NEWS』

 まあ、他にやることはいっぱいあるし、この他にも見る物はいっぱいあるので1日1本が限界である。
 で、曜日の順番に感想を書いていくと…

★『リップスティック』
 脚本:野島伸司
 出演:広末涼子 三上博史

 なんかもう、「野島、終わっちゃってるヨ」感がビンビン。
 TBSの『未成年』『聖者の行進』などでもそうだったけど、最近のこの人の脚本って「こんな街あるかよ?!」「こんなヤツいるか?!」と、見ていて突っ込みたくなる物ばかり。(NTV『世紀末の詩』は、それを逆にファンタジーにしてしまっていたので、それほど違和感を感じなかったのだが。でもストーリーは…)
 正直、過去の実績(つっても、結局この人の実績って『一つ屋根の下』と『101回目のプロポーズ』くらいしか無いような気もする)があるから「許されている」ようなものの、駆け出しの作家が書こうものなら「もうちっと、説得力のある設定にできねえのかッ!!」と目の前で原稿を捨てられても文句は言えないような作品が多い。
 で、今回の『リップスティック』では、もうそのへん開き直っちゃったのか、番組最後に「実際の拘置所とは異なります」みたいなテロップが出る。
 う〜ん…
 なんでも「君の新たな魅力を僕が出してあげるよ」と広末出演を口説いたとか何とか言われていますが、『聖者の行進』『世紀末の詩』と、よっぽど広末を気に入っているのか、それとも別の思惑があるのかはさておいて、この人、『聖者の行進』でもそうだったけど、こういうアイドル系に「暗い」「不良」を演らせれば、それで「新たな魅力を開拓」だと思っていないか?
 この安直さって、下り坂のアイドルが映画などで脱いだら「女優開眼一皮むけた」とか言っているのと同じくらい恥ずかしい事だと思うんだけど?
 ストーリーもなあ…「もう僕、このテのドラマはお腹いっぱい」って言いたくなる内容だし。何をやりたいのかがよくわからん。
 視聴者サイドの多くも同様の感想だったのか、今のところ「悪くはない」という程度の視聴率にとどまっている。


★『古畑任三郎』
 脚本:三谷幸喜
 出演:田村正和 西村雅彦

 相変わらず安心して楽しめる1本なんですが、正直、ストーリー設定や犯人の追いつめ方などは、前回第2シリーズの時の方が面白かったような気がする。
 今回から今泉の他に西園寺が古畑のサポート役で加わったので、見せ方(古畑の犯人の追いつめ方)はちょっと変わってきたのかもしれない。
 まあ、毎週の「お楽しみの1本」です。
 1回目の「VS 落語家」の話は、オチとかちょっと強引だったけど、3回目の「VS 村長」は、前後編にして欲しいくらい面白い展開でした。
 でも4回目の「VS 歯科医」はなあ…
 犯人の落とし方は、第2シリーズの「キムタク」の回と同じだし…
 一転、今週の「自殺をとどまらせる」話はすごく面白かった。
 なんか、出来に落差がでかいというか、1回置きに「すごく出来のいいエピソード」と「出来の悪いエピソード」が放送されている気がするなあ…


★『ラビリンス』
 脚本:寺田敏雄
 出演:渡部篤郎 桜井幸子 内藤剛

 別に見るつもりはなかったんだけど、『ケイゾク』で気に入ってしまった渡部篤郎が主演と言うことで見てしまいました。
 ストーリーは、姉が謎の自殺を遂げた外科医が、事件に絡んでいると思われる病院幹部に復讐を行っていく…という風になるらしい。
 まあ、可もなく不可もなく、そこそこ楽しんでます。
 ただ、渡部の役どころが『ケイゾク』の真山と似ているような気が…
 幅広い俳優だと思うので、ちょっともったいないッス。(でもかっこいいけどね)


★『魔女の条件』
 脚本:遊川和彦
 出演:松嶋奈々子 滝沢秀明

 このラインナップの中では、『リップスティック』以上に最悪な出来のドラマ。
 物語の整合性や、キャラクターの行動の整合性、テーマといったものよりも(というより、それらを全く考えずに)「ショッキング性」だけを全面に出して展開していく、『ずっとあなたが好きだった』『高校教師』『人間・失格』『未成年』『聖者の行進』などと同じ、ある意味、近年のTBSドラマっぽい1本。
 故に、ストーリーを楽しみたい、ドラマとしての出来の良さを楽しみたい人には全くお勧めできない1本でもある。
 もうホント、女教師と高校生美少年の禁断のラブってヤツが、ただただ「ショッキング性」「見せ物小屋的な展開」「思いつきで行き当たりばったりの行動」だけで進んでいくドラマ。
 脚本の遊川和彦って、これまではそれなりに面白いドラマとかも書いてきた人なんだけど、このドラマに関しては、展開はもちろん、セリフに関してもかなり酷い。簡単に言えば、見ていて印象に残るセリフが全くない。

 ちょっと脱線するが、しかしこの「ショッキング性」「見せ物小屋的」なドラマというのは、「視聴率を狙うだけ」なら決して間違っている方法論ではない。
 わかりやすい例を出すならハリウッドの映画作りもコレと同じだからだ。
 しかし、かつてTBSで放送された『高校教師』『人間・失格』『未成年』『聖者の行進』(全部、野島脚本・伊藤一尋プロデューサーの手によるもの ^^)がそうであったように、そこで見苦しく「この作品のテーマは…」とか自己弁護をしてほしくない。それをしたときに、作り手が見苦しく見えてしまうのだ。
 「いや、だってこの方がショッキングでいいじゃないですか!」「この方が、視聴率がとれるんですよ!」って開き直っちまえばいいのに。
(例えば『人間・失格』放送時、局に寄せられたクレームに対して伊藤Pは「いじめによって子供を殺された父親が復讐をするというのは果たして人間として失格なのか?それをテーマとして描いていきたい」と弁明していたが、それは「テーマ」じゃなくて「あらすじ」だろう?正直、かなり見苦しい弁明だった)

 『魔女の条件』も、冷たい言い方すると「まあ、勝手にやってくれ」って感じのドラマです。


★『L×××E』
 脚本:信本敬子 他
 出演:今井絵理子 新垣仁絵 木内晶子 藤原竜也

 なんつーか、映画『ブラス!』のパクりっちゃあパクりなんですけど、はまってます。それもかなり(^^;;)
 ある高校のダメダメな吹奏楽部が、転校してきた少女の力で、バラバラだったメンバーが結束して立ち直り、全国大会を目指す!という、もうなんつーか、青春ドラマの王道みたいな話です。(にしては、吹奏楽部というマイナーなんだか、なんだかわからない設定もGOOD!)
 もうホント、『リップスティック』みたいに、どこを見ても「暗い青春ドラマ」ばかりの昨今にあって、あまりにも前向きな青春街道を突っ走る物語は、今の時代にむしろ新鮮です。マジで。

 なんかねえ…、いや、オレ、去年『アンドロメディア』観た時には怒りすら感じたんだけどさ、コレ見ていたらSPEEDの今井絵理子にはまりかけてます(^^;;)
 あんまりアタマ良く無さそうな屈託のない笑顔とか。
 その他のヒロイン達もいいッス。
 特に先輩役の木内晶子はかなりヒット!(オレ的に)
 「メガネ」+「優等生」+「先輩」。加えて、部の後輩(藤原竜也)にほのかな恋心を持っているあたりとか、設定もGOOD!たまらん!
 パンツ見えそうで見えない制服姿とかもいいね(^^)

 エンディングの作りは秀逸だと思います。
 主人公達が大ホールで演奏をしている映像が入るんですが、今(コレを書いている現在、まだ5話)はまだ、バラバラでダメダメなこの吹奏楽部が、いつかこうなるのかと思うと、期待感に胸が膨らみます。

 このドラマ、どういうシステムにしているのかはわからないんだけど、脚本は毎回2人によって書かれています。
 アニメ『マクロス・プラス』なども手がけていた信本敬子は毎回フィックスで書いていますが、彼女ともう一人で毎回書いているようです。(とか書きましたが、先ほど第5話を見たら信本敬子ではない上に、作家が一人になってました)

 ホント、今後の展開が楽しみッス。


★『蘇る金狼
 脚本:丸山昇一
 出演:香取慎吾 石橋凌 本上まなみ 上原多香子

 このドラマ、今のところ、なんか評価が難しいんだよねえ…
 『蘇る金狼』と言えば、誰でも言わずと知れた松田優作の映画版が思い出されるんですが、しかもこのTVシリーズでは、その映画版をはじめ、松田優作作品の多くで脚本を書いていた丸山昇一がシナリオを書いています。
 しかもメイン演出は、『踊る大捜査線』の大ヒットも記憶に新しい本広克行。
 結構多くの人の間で、放送前からいやがおうにも期待が高ま…っていたんだけど…

 第1話を見て、「?これが金狼?」と思った人は多いんじゃ無かろうか?
 なんか、主人公が「目的」への行動を起こす前から始まるストーリーは、映画版とは全然違う。(あ、オイラ、原作は読んでいません)
 んで、「比べちゃイカンよな」とは思いつつも、やっぱ30代以上の男としては、松田優作と香取慎吾を比べてしまう。(余談だけど、松田優作に思い入れを持っているのって、30代以降なんだってさ。20代以下の世代は、松田優作が30以降の人の間で、なんでこんなに伝説になっているのか、わからんらしい)
 で、比べちゃった時に、「なんか、キマッてない」感がすごくしちゃうのだ。

 コミカルなシーンも用意されており、良く言えば「今風」。
 しかし、悪くも「今風」。

 う〜ん…「今後に期待」、かなあ?
 まあ、個人的には、上記の松田優作の盟友でもあった石橋凌のかっこよさに参ってますけど(^^)


★『GOOD NEWS
 脚本:君塚良一
 出演:仲居正広 鶴田真由 佐野史郎

 で、土曜が本広なら、こっちは同じく『踊る大捜査線』で、90年代TVドラマの傑作を書き上げた君塚良一が脚本。
 売れない映画を作っている弱小プロダクションの、資金繰りの保証人になってしまった主人公。しかし社長が8000万円を持ち逃げしてしまい、次々と不運が訪れる…という筋立てのコメディ。
 抜きんでて「良く出来ている」とまでは思いませんが(っつーか、可もなく不可もなくという感じ?「東芝日曜劇場」というフィールドにははまったストーリーに仕上げられていると思う)、わりと楽しく見ています。


 話変わって…

 ところで、火曜サスペンスとかのドラマでは、かねてから『タクシードライバーの推理日誌』だとか、『スチュワーデス刑事』だとか、殺人事件と全く関係の無さそうな職業の人が事件を解決するという不思議な設定のドラマが多く登場していましたが、最近では「舞妓さん探偵」だの、「漫画家探偵」まで登場するようになってきました。
 まあ、ミスマッチ感によって面白いシチュエーションを作ろうとする姿勢は、「カルピス劇場」と「ロボット物」を合体させた『ターンAガンダム』にも通じているのかも知れない。(そーかあ?!)
 そのうち、『ホームレス源太の名推理』とか『ストーカー刑事』とか『女子トイレ盗撮師の殺人ビデオ事件簿』とか『アイコラ作家の殺人マスク外し』とかも出るんじゃねえの?って気もしており、なんだかんだで見逃せないッスね。(見逃せよ)

 なんスかね。
 まあ面白い作品もいくつかあるんですが、トータル的なコト言っちゃうと、それでもオレの中で、「今現在『ウルトラマン・ガイア』以上に、シナリオを書いているライターに嫉妬まで感じてしまう作品」ってのは無いんですけどね。(中でも太田愛のシナリオは秀逸だと思う)
 これは決して、「オイラがオタクちゃんだから」って理由だけではないと思う。
 なんだかなあ…(^^)

【了】

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