●『レオン』
 94年  製作国 フランス=アメリカ
 監督: リュック・ベッソン
 出演: ジャン・レノ
     ナタリー・ポートマン
     ゲイリー・オールドマン
     ダニー・アイエロ

 で、前回書いたとおり、『エル・ニド』からの続きで、今回は『レオン』。
 元々、ベッソンの映画は現在のように話題になる前から大好きでした。『最後の戦い』も日本で初めてスクリーンにお目見えした第1回東京ファンタスティック映画祭のオールナイトで観たし。(ゆえに、ビデオ化されてから『グレート・ブルー』の評価が高まったのは腹ただしかったね。ロードショーされた時は、日本劇場で70mmによる上映だったにもかかわらず不入りで、2週間で打ち切られちゃったんだから)
 で、この作品も初日にすっ飛んでいって観たんだけど、もうホント、ゾクゾク来たね。
 ニューヨークを舞台に、凄腕で孤独の殺し屋レオンと、彼と出会った12歳の少女マチルダの純愛と戦いが描かれるわけですが、ジャン・レノの孤独でプロフェッショナルで一途な姿にはキャプテンとして心打たれる物があります。
 男たるもの、こうありたいかも知れないッス。
 『エル・ニド』文中でもふれたけど、純愛物語としては果てしなく『エル・ニド』と同じ。
 同じっつーか、パクってないかコレ?
 「こんなマイナー映画(『エル・ニド』ね)、誰も観てねーだろうから、パクッちゃってもバレねえだろ」とか思わなかったか?ベッソン。
 でもまあ『エル・ニド』は、すでにビデオ屋にもなかったりするし、反面、『レオン』はどのビデオ屋に行っても確実にあるしね。

 しかし、同じであるにも関わらず、オレの中で結構キちゃったってのは、まあ、オレはこういう話が好きなんだろうね、多分。(この作品はアクション映画としても大好きだけどね)
 マチルダとの出会いによって、プロ&孤独に徹していた男が徐々に変わっていく姿はたまらないものがあったッス。
 邪魔で、トラブルの元になるのはわかってるけど、「女と子供は殺さない」という彼の信条で、殺すこともできない。
 でも、一緒にいる内にだんだん心が通い合っていって、決して「熟睡」すらしない男が、彼女の隣で初めて熟睡してしまうとか。
 人によっては、ソレは「堕落」と映るのかも知れないけどさ。
 なんか、たまんないッス。

 ところで、オレって実生活ではまず泣かないんですけど、映画とか観るとわりと泣く方なんです。この映画もラストではボロボロ泣きました。
 レオンとマチルダが別れるシーンなんて秀逸ッスね。
 女友達はこのシーンを観て「「I Love You」というセリフが、こんなに綺麗な映画はなかった」つってましたけど、同感。
 『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』でのハンとレイアの別れの時の「I LOVE YOU」並にかっこいいッスね。

 で、この映画、オレがどのくらい気に入ったかというと、公開時には2週間に一度は観に行ってたという(^^;;)

 周囲の反応観ていて面白かったのは、公開後に、結構口コミで評判が広がっていってロングランし、観た人たちの間でも軒並み評価が高かった映画なんだけど、誰に聞いても「良かった」と思う部分が極度にまちまちなのね。(この「まちまちさ」は後に公開された『レオン 完全版』で爆発するけど)
 人によっては「恋愛映画」だと思うし、人によっては「アクション映画」だと思う。さらにそれぞれの受け止め方でも、心に来たポイントが全然違う。個人的には、ある意味、最も理想的な受け止められ方をした映画ではないか?と思います。

 大仰な言い方しちゃうと、この映画を初めて観たときは「コレが映画だ!」とすら思ったね。大胆な省略とか。
 レオンが何で殺し屋になったのか?過去にあったらしい女性問題とは?ってのが意味深なセリフでは出て来るんだけど、何一つ説明されず、ある意味、観る側の想像力にゆだねちゃっている。
 オレはココがすごく好きだったんだけど、『完全版』だと全部説明されちゃっているんですね。これには正直、かなりガッカリきました。観たとき「なんだこりゃ?」とすら思ったし。
 なんかね、実際に説明されちゃうと「ふ〜ん」という域を出ないんだよね。
 反面、想像力弱かったり、全部説明されないと気が済まない人には『完全版』の方が受けがいいんだよね。まあ、人それぞれだからいいんだけど。
 『グレート・ブルー』もそうだけど、ベッソン映画の『完全版』って出来悪いよなあ…(逆に『完全版』の方が確実に面白いのはジェームス・キャメロンの映画ね。あのクズ映画『タイタニック』もDVD用に完全版を作るらしいけど、ひょとすると面白くなっているのかもしれん…)



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