●『エル・ニド』
 80年  製作国 スペイン
 監督: ハイメ・デ・アルミニャン
 出演: アナ・トレント
     エクトル・アルテリオ

 この映画のタイトルを出すと、よくビクトル・エリセの『エル・スール』やアレハンドロ・ホドロフスキーの『エル・トポ』と勘違いする人がいますが、全然違うッス。

 物語は、スペインの田舎町を舞台に、妻に先立たれた初老(60過ぎくらい)のオヤジと、街の警察署長の13歳の娘(アナ・トレント)の恋愛が描かれるという、これだけ読むとなんだか「ロリ系のヤバめな映画」って感じですが、実際はかなり美しい物語で、個人的にはコレとタメをはれる純愛映画は『小さな恋のメロディ』くらいではないかと思います。(そーいや、一時期「純愛ブーム」なんつーものがありましたが、ヤルことヤッてるくせしやがって「純愛」だなんぞとホザく奴らは、いっぺんこの映画を観やがれ!と思ったものです)

 「恋愛物語」つっても、心の深い交流が描かれるのであって、別にベッドシーンがあるわけではありません。
 多分、ビデオ屋にも置いて無いと思うので書いてしまうと、この娘のために人を殺さなくてはならなくなったオヤジはラストに死んでしまうんですが、最後のシーンがこのオヤジの墓の前なんですね。
 そこにこの娘が一人たたずんでいるんだけど、別に悲しそうじゃないんですよ。
 で、この娘が自分の手のひらに、親父の名前の頭文字をナイフで切るんだけど、この時彼女は微笑みながら「ずっと一緒ね」みたいなことをつぶやくんですね。
 このシーン観たとき、オレの中では「純愛映画ナンバー1」となりました。
 泣いてたりしたらね、もう違うんですよ。オレの中では。微笑んでいたってのがポイントね。

 上にも書いたけど、現在ビデオ・LD共廃盤になっている上に古いので、ビデオ屋にも無いと思います。「どーしても観たい!」と思う人は数年に一度NHK-BS2の衛星映画劇場で放送されるのを逃さないようにしましょう。

 主演のアナ・トレントは確か、オレと同じくらいの年齢で、この映画の時には13歳。
 『ミツバチのささやき』の時は4歳くらい。(日本公開は17年くらい遅かった)
 その可愛いらしさと不思議な魅力で日本の映画ファンの心に印象深く残りましたが、数年前に公開された『血と砂』(シャロン・ストーンがまだ売れていなかった頃に出た映画。日本公開版はナゼか『宇宙戦艦ヤマト』の西崎義展・現被告が編集をしていました)では、大人になった姿を披露。「ただのスペイン美人」になってしまっており、ガッカリしました。

 ・・・で、この映画、あらすじと設定を読んで「オヤ?」と思った方もいると思いますが、そう!リュック・ベッソンの『レオン』に似ているんですねえ。(まあ、向こうはしがない初老のオヤジじゃなくて殺し屋だけど)
 ベッソンがこの映画を観たことがあるのかどうか?真相は分かりませんが、オレ、絶対にこの『エル・ニド』が『レオン』の元ネタだと思うんだよなあ・・・



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