イリーニャ(ロバ)と同時代を生きた人魚、アメリアさんです。

同じくエルフの血を引いた人魚でありながら、平和主義を貫いたイリーニャとは対照的な性格で、自分の気に入らないものや、敵対するものは力づくで排除していきました。彼女は現代でいうところのバイオテクノロジーの第一人者で、オニカマスを改造したリビングソードを自らの武器としていました。これは普段は普通の魚なのですが、ある種の長波に反応し、全身を硬化させて剣のような形に変形するというものです。アメリアの戦闘は数百の「いきている剣」を敵めがけて突進させ、原型をとどめぬ状態になるまで執拗に攻撃を反復します。そしてばらばらになった敵は剣たちのエサになり、文字通り跡形もなくなってしまいます。このあまりに残忍なやり口に「オレンジの悪魔」とまで呼ばれ忌み嫌われていましたが本人は全く気にせず、生涯、大西洋にいすわります。こんな彼女もイリーニャの力は認めており、大西洋ではただ一人「ロバ」とよばず「イリア(イリーニャと発音できない)」と名前で呼んでいました。大西洋を出て行こうとするイリーニャをひきとめたのも彼女一人でした。